なごや福祉用具プラザでは、ご利用者の皆さまからさまざまなご相談をいただいています。今回は、そうしたご相談の一例を紹介いたします。
電話・来所でのご相談
排せつの悩みについて
相談者のAさんは60代男性。90歳になる在宅療養中のお父様の尿もれに困っていらっしゃいました。Aさんはお困りごと解決のヒントを求めて、なごや福祉用具プラザの「家族介護者教室」に参加されましたが、その後も困りごとがまだ解決しないということで、あらためて電話でのご相談がありました。
電話で相談支援
おむつから尿モレがある場合、①【サイズ 】②【つけ方 】③【相性・吸収量 】をチェック!
排せつ関連のご相談では、ご本人の身体状況、排せつの状態、使用している下着やおむつの種類、環境、介護の状況などをお聞きします。
お父様は小柄な方でしたがお腹が出た体形のため、Lサイズの紙パンツと尿取りパッド1枚を重ねて使用されていました。また、聞き取りから、夜間に不穏があり大きな声を出したり身体を小刻みに動かすことが多かった日は、尿モレがひどく衣類やシーツまで汚していることがわかりました。
おむつから尿モレがある原因は、サイズ間違いとつけ方の間違い、そして吸収量の間違いから起こることがほとんどです。そこで、次のようなアドバイスをしました。
❶ 紙パンツのサイズはウエストで選ぶ
Aさんは、楽にはけると思いLサイズの紙パンツを利用していましたが、お父様の脚周りは細くすき間ができていて、これがモレの原因になっていました。サイズごとのウエストの対象範囲がメーカーによって異なるので注意が必要ですが、お父様はMサイズで十分でした。
❷ 紙パンツを正しく履けていますか?
❸ おむつ(紙パンツや尿取りパッド)の相性、吸収量と実際の尿量はあっていますか?
市販のおむつのパッケージには、吸収量が、「〇回吸収」と書いてあります。1回分は150ccで計算されているものがほとんどですが、Aさんが購入されていたものは8回吸収(1200cc)の尿取りパッドでした。Aさんはどんな商品を選べばよいのかわからず、吸収量の大きいものを使用すればモレないだろうと考えて購入されていたようですが、このパッドは紙パンツとは違うメーカーのもので、一緒に使うにはあまり相性がよくなく、その結果として、身体を動かすうちに紙パンツの中でパッドがよれてモレの原因になったと思われます。
来所で相談支援
「おむつに色々な種類があることを知らなかったです。」
なごや福祉用具プラザではいろいろなサイズ・吸収量・機能に特徴のあるおむつを各メーカーよりお預かりしているので、使う方の状況に応じて試供品をお渡しできることをお伝えしました。Aさんは「どんなものがあるのか実際に見てみたいです」と仰ったので来所いただくことになりました。
たくさんあるおむつの中から、お父様には
その後
「紙パンツから尿がもれることはほとんどなくなり介護が楽になりました。」
後日、Aさんから「高吸収な紙パンツ1枚に変更することで、尿がもれることがほとんどなくなり介護が楽になりました」と経過の報告がありました。Aさんは「介護度が高くなると様々な介護サービスを受けられますが、排せつのしくみやおむつの選び方、あて方を教えてくれる人はいませんでした。いくつか試すべき方法を提案してもらえて参考になりました。困ったときに、また相談したいです。」と何度もお礼を言われ、私たちプラザ職員もとても嬉しく思いました。
お困りの状況を伺ってさまざまな試供品を試すことで解決策を見いだせることもあります。まずはお気軽にお声掛けください。
おむつ:テープ式、パンツ式、尿取りパッド等の総称として使用しています。