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2024.9.9

舞台芸術領域、前津児童館にてプロジェクションマッピング「お絵かきの森」を開催

舞台芸術領域、前津児童館にてプロジェクションマッピング「お絵かきの森」を開催  舞台芸術領域は、2024年8月23日(金)・24日(土)の2日間、名古屋市前津児童館とコラボレーションしプロジェクションマッピング「お絵かきの森」を開催しました。夏休み中の子どもたちが数多く訪れ、自分の描いた絵が映し出されるたび歓声があがりました。このイベントは、前津児童館からの依頼があり実現したもの。前津児童館 館長からは「教育機関との連携事業に取り組んでいきたいと考えていました。以前からプロジェクションマッピングをやってみたいと考えており、名古屋芸術大学に相談させていただきました。学生の皆さんと子どもたちの交流もとても楽しみです」とコメントをいただきました。  プロジェクションマッピングは、イベント・店舗向け販促支援サービスを利用したもの。子どもたちが描いた絵をその場でスキャンして取り込み、アニメーション化してプロジェクターで投影する仕組みです。会場は、前津児童館のホール(体育室)、広さがありプロジェクターを2台用意し連動させての投影となりました。映像の背景は海や森をイメージさせるもので、舞台芸術領域の学生が制作を行いました。また、投影するスクリーンは寒冷紗を使用したシースルーの布を立体的に構成し、投影される像が重なり、複雑に見えるようになっており、舞台美術のノウハウが生かされたものになっています。  イベントの時間になり、集まった子どもたちは順に絵を描き、素早く投影、絵を重ねて増やしていきます。一度に30枚ほどの絵をあわせて投影することができるといいます。自分の描いた絵がスキャンされるとすぐに表示され、子どもたちからは歓声が上がります。同時に、スクリーンに向かって駆けだし自分の絵と一緒に遊んだり、プロジェクターの前で手影絵を行うなど、提供側が考えてもいなかった遊びが、参加した子どもたちからどんどん生まれていきました。  舞台芸術領域舞台美術コース 3年 花井二葉さんは「手影絵で犬を作り描いた魚を食べる遊びや、スパンコールのついた服を着ている子がいてキラキラを反射させて遊ぶ子もいて、刺激になりました。自分を映してみることは想定していましたが、ほかにも新しい遊びを見つけていくのは子どもの感性なのかなと思います」と、想定以上の子どもたちの反応に大いに刺激を受けた様子。  舞台美術コース 2年生の、諏訪天音さん、間瀬美紀さん、成瀬葉菜音さんは「先輩が参加しているのを見て、一緒になんかできればいいなと参加しました。大学生活の中でいろいろ経験できるし、いいなと思っています。子どもたちがこんなに興味を持ってくれて、すごく楽しいです」(間瀬さん)、「私は外部とのコラボ案件があればできるだけ参加しようと思っていました。弟がいるんですが、弟の小さい頃を思い出しました。私が子どもの頃には、プロジェクションマッピングもこんな技術もなく、羨ましいなと思います。良い刺激になるのではと思います」(諏訪さん)、「子どもとふれ合うことにすこし苦手意識がありました、参加した子から描いた絵を見せられ『これどう?』って声をかけてくれ、なんか楽しいなと感じました。良い経験になりました」(成瀬さん)。  担当した石黒諭准教授は「3年生の授業で紗幕に森の背景を描くものがあり、制作した作品をお披露目する良い機会になりました。校内で2度テストして動作を確認し、順次万端で今回の公演となりました。学生から『ここまでって言われたら子ども目線だと冷めると思う』という意見があり、子どもたちが幕に近づけるよう、つり下げの強度など気を付けました。学生たちは、子どもに近い目線で遊べるよう安全性を考えてくれ、とても良い経験になったのではと思います。現場では、紗幕が想定よりも透けて背景が見えてしまう問題が発生しましたが、児童館の協力もあり非常灯を目立たなくしたり白い布を吊るなどして対応しました。本番ぎりぎりまで、常に直して良いものを作るという舞台美術の勉強にもなりました。子どもたちとふれ合うことで学生の顔つきが『お兄さん、お姉さん』になり、ふだんとは異なる彼らの新しい面を知ることができました。公演をやっていく中で『ここはもっと濃くしたほうが良い』、『ハイライトをこの辺にも入れたほうが良い』と学生から意見が出て、ブラッシュアップされていきました。積極的にかかわってくれるようになり、人を楽しませることやより良いものを作ることはどういうことなのかなど、実感できたのではないかと思います」と公演をまとめました。  参加してくれた子どもたちはもちろん、学生にとっても楽しく意義深いイベントになりました。

2023.1.31

メディアコミュニケーションデザインコース、大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店デジタルサイネージのコンテンツを制作

メディアコミュニケーションデザインコース、大垣共立銀行テラッセ納屋橋支店デジタルサイネージのコンテンツを制作  MCD(メディアコミュニケーションデザインコース)では株式会社 大垣共立銀行様とコラボレーションし、テラッセ納屋橋支店の大型デジタルサイネージに表示する映像コンテンツ制作の共同研究を行っています。テラッセ納屋橋支店のデジタルサイネージは、8本に分割された特殊な形状、また、外部からも見える銀行のロビーに設置されており、場所や大きさにおいても形状においても特殊なものといえます。このマルチディスプレイに表示するコンテンツの制作は、例年、MCDで取り組んでいる課題で、今年は“平和”と“変革”という2つのテーマからどちらかを選んで制作することとなりました。  2022年12月13日(火)、大垣共立銀行様をお招きし、制作予定の内容を確認する中間プレゼンテーションが行われました。学生は、3名ごとに7つのグループにわかれコンテンツを制作しますが、グループごとに絵コンテと簡単なビデオコンテを制作し、コンセプトとストーリーを説明しました。“平和”を選択したのが4グループ、“変革”を選択したのが3グループとなりました。  “平和”については、ロシアのウクライナ侵攻や国ごと地域ごとにある格差など、これまでそれほど意識することなく過ごしてきた平和という言葉の重さについて、いずれのグループも深く考えていることが伝わるものでした。“変革”についても、コロナ禍で変革を余儀なくされた現代や歴史的にお金や移動方法などが変わってきたことを織り込むもの、日常の中に小さな変化を取り入れることでワクワクを感じさせるポジティブな内容など、考えさせられるものが提案されました。  いずれのチームでも指摘されたのが、表現の伝わりやすさの問題です。複雑な内容になるほど間違いなく意味が伝わるような表現が必要となりますが、正確に伝わらない部分や検討課題の指摘を受けました。また、コンセプトから、もっと表現を変えた方がより明確になるのではといった言葉もあり、クライアント側からの視点で見てもらうことの大切さを感じさせました。デジタルサイネージの形状の特殊性から映像の構図を見直したほうが良い部分や、銀行のロビーに設置されている都合上大きな音声を使うことができないことなど表現に制約が加わり、そうした点からも見直してみることが必要ではないかとの声もありました。また、営業が終わった後もサイネージの映像は流される予定で、ぜひ夜も見て欲しいとのコメントもありました。  学生からは、大垣共立銀行について、ダンスのCMなどから地域性の高さや親しみやすさを感じていたが、納屋橋の店舗はシックで大人っぽい内装で良い意味でギャップを感じており、そこに表示する内容なのでふさわしいものを作りたいといった意気込みが聞かれました。  大垣共立銀行様からは、映像を審査するような普段の業務では経験できない非常に良い体験をさせてもらっています、学生の皆さんもこの経験を糧にして欲しい、との言葉をいただきました。  今後、表現とストーリーをさらにブラッシュアップし、制作に入ります。

2023.1.25

イラストレーションコース 尾上優衣さん、名古屋矯正管区のデジタルサイネージ映像を制作、感謝状を授与されました

イラストレーションコース 尾上優衣さん、名古屋矯正管区のデジタルサイネージ映像を制作、感謝状を授与されました  デザイン領域 イラストレーションコース 3年 尾上優衣さんが、サカエチカ クリスタル広場のデジタルサイネージに表示する再犯防止の広報動画を制作、感謝状を授与されました。名古屋矯正管区は、法務省の地方機関で刑務所、拘置所、少年院、少年鑑別所に対し、矯正事務全般にわたって指導、監督等する機関で、地方公共団体や民間支援団体、地域社会とともに再犯の防止と更生支援に取り組んでいます。再犯防止には、地域の支援が不可欠であるため、広く一般に地域の方の理解を得るためのPR映像の制作依頼が本学にあり、イラストレーションコース 片山浩 准教授の推薦で尾上さんが制作することとなりました。尾上さんは、イラストレーションコースでありながら、これまでにもアニメ制作に取り組んでおり実力を買われての起用となりました。  尾上さんは、事前に名古屋矯正管区から業務の説明を受けたり、刑務所を見学するなどして映像を制作しました。ストーリーは、出来心で起こした窃盗で刑務所に入った主人公が、罪を償い出所後社会復帰を目指します。しかしながら思うように就職できず、再び罪を犯してしまいそうになるところ優しい声をかけられ社会復帰ができるという内容。社会復帰には地域の支援が必要なことを伝えるアニメーション作品です。  この連携事業に対して名古屋矯正管区から名古屋芸術大学に感謝状が贈られることになり、2023年1月19日に受領しました。管区長 高橋昌博氏からは「15秒という短い時間の中に、矯正施設から出所し社会復帰するまで数年分の時間が表現されており、素晴らしい出来映えです。また、栄という場所で、こうした私たちの取り組みをアピールできることも非常に大事なことで、とても嬉しく思っています」とお褒めの言葉をいただきました。  PR映像は、サカエチカ クリスタル広場のサイネージエイト(クリスタル広場ビジョンの外側、4本の柱、合計8面)で1月31日まで5分に1回放映されます。栄にお越しの際は、ぜひご覧下さい。

2022.6.16

鯱バス×先端メディア表現コース デジタルツーリズム、映像発表会

鯱バス×先端メディア表現コース デジタルツーリズム、映像発表会  鯱バス株式会社様とデザイン領域 先端メディア表現コースが進めてきたコロナ禍での新しい観光のあり方を共同研究開発するプロジェクト、デジタルツーリズムの映像発表会を2022年5月11日に行いました。昨年9月にプロジェクトがスタートして8ヶ月、対象となる株式会社えびせんべいの里様、株式会社まるや八丁味噌様、大野精工株式会社様を視察、デジタル化でできることのアイデアを出し構成とシナリオを考え撮影、2本の映像作品が完成しました。その映像を、鯱バス 宇津木滋 社長と経営戦略部の方々、撮影にご協力いただいたえびせんべいの里、まるや八丁味噌、大野精工株式会社 キングファームそれぞれのご担当者様をお招きして発表、評していただきました。  作品は2つ。ひとつはツアーと香りを結びつけ、赤味噌、えびせんべい、いちごのアロマを用意し、映像を見ながらその場所の香りを感じツアーの記憶とリンクさせる「アロマツアー」。もうひとつは、視聴者に模した人形が視聴者に代わってツアーに出かけそれをオンラインで体験する「あなたが人形になる!?オンライン体験ツアー」。それぞれは5分程度の映像にまとめられ、「アロマツアー」をメディアデザインコース4年 川口和也さん、「あなたが人形になる!?オンライン体験ツアー」を同じく4年 岩下梨々花さんがプレゼンテーションしました。  どちらの作品も学生と鯱バスのガイドさんが出演し、味噌蔵、えびせんべいの工場、いちご農園とそれぞれのシーンが印象的にまとめられています。また、どちらの作品もサウンドメディア・コンポジションコースの学生が音楽を制作しており、スタイリッシュな印象になっています。プレゼンした川口さんは、「記憶に強く訴えかけ追想体験させることでより広いターゲットに対応できるようになると思います。改良を重ねてツアーのことを印象付けられるサービスになればいいと考えています。今回のプロジェクトではたくさんの体験ができました。学生として面白いか面白くないかを基準に考えていましたが、ビジネスという観点からご意見をいただいたことがとても勉強になりました。実際にサービスとして成立させることの難しさと考え方を学ぶことができました」とまとめました。岩下さんは「ツアー参加者が写真と人形を見ることで体験を重ね合わせられ、人形視点に主観転換することで他視点からツアーに参加できる魅力があります。実際に社会に活躍している方々とプロジェクトに参加し、自分の成長を感じています。芸大生として作品を作って来ましたが、ビジネスという部分では力不足を実感しました。初めての経験ばかりでしたが、その分新しい気付きを得る機会をたくさんいただいたと感じています」とまとめました。どちらの作品も、単に映像を見るだけでなく映像に香りや人形というリアルなものを組み合わせることでデジタルと現実を強く結びつける作品となりました。  講評は、関係者10名がその場で審査・集計して行われました。アロマツアーの評価は、サービスの魅力がよく伝わる映像としてまずまずの評価。企業の特色が表現されているかという点ではもう一つ。サービスのオリジナリティという点では概ね高く評価されました。あなたが人形になる…、では、評価が分かれました。企業の特色が表現されているかという点では同じくもう一つ。オリジナリティについては高く評価されました。持続性・発展性を考慮しどちらの案を推すかについては、ほぼ同数ですがわずかに、あなたが人形になる…案が上回りました。審査員からの感想は、その場だけで終わらない体験を上手く表現してくれた、ふだんアイデアをどう現実化するかについてばかり考えているので学生の考え方は大きな刺激になった、企業のことをよく考えていて予想以上に良い出来で感動しました、とうてい自分たちではできないことをやってくれて感謝、新しい気付きをたくさんいただいた、やりきった体験は必ず役に立つ、この経験を社会に役立てて欲しい、などうれしい言葉をたくさんいただきました。  宇津木社長からは「着眼点、技術、どれも自分たちにないもの。会社としても新しい分野を見ることができたことは深く感謝します。企業として常に新しい方々に活躍の場を提供したいと考えていますが、そういうことができたのではないかとうれしく思います。できればこうしたプロジェクトを継続して行きたい」と感想と抱負を述べました。  先端メディア表現コース 加藤良将講師は「学生らを温かい目で見守っていただきありがとうございました。学生にとって貴重な経験になりました」。竹内創教授からは「プロジェクトの長い期間、本当に感謝しかありません。このプロジェクトで、今現在こうした時間を共有していますが、これが一番の成果ではないかと感じています。他の領域の学生も数多く参加して立体を作ったり音楽を付けてくれました。彼らと企業の皆さんと今一緒にいるということが何よりの成果だと思っています」と締めくくり発表会は終了となりました。

2022.6.14

鯱バス×先端メディア表現コース「withコロナ時代の新”旅体験”モデル」動画撮影

鯱バス×先端メディア表現コース「withコロナ時代の新"旅体験"モデル」動画撮影  鯱バス株式会社とデザイン領域 先端メディア表現コースの共同研究、デジタルツーリズム「withコロナ時代の新"旅体験"モデル 」のコンテンツ制作が進んでいます。コロナ禍で落ち込む観光業の回復と新しい観光のあり方を模索し、東海地区の特性を生かした産業観光の魅力を伝えるコンテンツとして、まるや八丁味噌、えびせんべいの里、King Farmを9月に取材()、2022年3月17日、22日の2日間、撮影のため再び現地を訪れました。 掲載記事  学生らは、前回の取材からそれぞれの場所の魅力を伝えるためもインタラクティブなコンテンツを考案。そのための映像を撮影するため、シナリオと絵コンテを用意し撮影に臨みました。いずれの場所も食べものに関係するもので、映像と音のシズル感はもちろん、製造現場の雰囲気や案内する人の魅力を伝えるもの。鯱バスのガイドさんをはじめ、味噌蔵の職人さん、えびせんべいの里をPRする営業の方、いちご愛あふれる農園管理の方やカフェの方々などなど、その場所で働く人々のいきいきとした姿も伝えます。  映像は、鯱バスのガイドさんが出演するもの、視聴者が観光を疑似体験できるような一人称視点、視聴者の分身である人形の視点になったものなど、同じカットでも数パターンの映像が必要となります。入念にコンテを準備し、お店の方々にも多大なご協力をいただき、時間内に収録ができました。クイズあり、コメディ的な要素もあり、楽しい映像に仕上がりそうです。 撮影した映像は先端メディア表現コースで編集し、4月以降テストマーケティングという運びになります。どんなものができあがるのか、非常に楽しみです。