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2022.6.16

鯱バス×先端メディア表現コース デジタルツーリズム、映像発表会

鯱バス×先端メディア表現コース デジタルツーリズム、映像発表会  鯱バス株式会社様とデザイン領域 先端メディア表現コースが進めてきたコロナ禍での新しい観光のあり方を共同研究開発するプロジェクト、デジタルツーリズムの映像発表会を2022年5月11日に行いました。昨年9月にプロジェクトがスタートして8ヶ月、対象となる株式会社えびせんべいの里様、株式会社まるや八丁味噌様、大野精工株式会社様を視察、デジタル化でできることのアイデアを出し構成とシナリオを考え撮影、2本の映像作品が完成しました。その映像を、鯱バス 宇津木滋 社長と経営戦略部の方々、撮影にご協力いただいたえびせんべいの里、まるや八丁味噌、大野精工株式会社 キングファームそれぞれのご担当者様をお招きして発表、評していただきました。  作品は2つ。ひとつはツアーと香りを結びつけ、赤味噌、えびせんべい、いちごのアロマを用意し、映像を見ながらその場所の香りを感じツアーの記憶とリンクさせる「アロマツアー」。もうひとつは、視聴者に模した人形が視聴者に代わってツアーに出かけそれをオンラインで体験する「あなたが人形になる!?オンライン体験ツアー」。それぞれは5分程度の映像にまとめられ、「アロマツアー」をメディアデザインコース4年 川口和也さん、「あなたが人形になる!?オンライン体験ツアー」を同じく4年 岩下梨々花さんがプレゼンテーションしました。  どちらの作品も学生と鯱バスのガイドさんが出演し、味噌蔵、えびせんべいの工場、いちご農園とそれぞれのシーンが印象的にまとめられています。また、どちらの作品もサウンドメディア・コンポジションコースの学生が音楽を制作しており、スタイリッシュな印象になっています。プレゼンした川口さんは、「記憶に強く訴えかけ追想体験させることでより広いターゲットに対応できるようになると思います。改良を重ねてツアーのことを印象付けられるサービスになればいいと考えています。今回のプロジェクトではたくさんの体験ができました。学生として面白いか面白くないかを基準に考えていましたが、ビジネスという観点からご意見をいただいたことがとても勉強になりました。実際にサービスとして成立させることの難しさと考え方を学ぶことができました」とまとめました。岩下さんは「ツアー参加者が写真と人形を見ることで体験を重ね合わせられ、人形視点に主観転換することで他視点からツアーに参加できる魅力があります。実際に社会に活躍している方々とプロジェクトに参加し、自分の成長を感じています。芸大生として作品を作って来ましたが、ビジネスという部分では力不足を実感しました。初めての経験ばかりでしたが、その分新しい気付きを得る機会をたくさんいただいたと感じています」とまとめました。どちらの作品も、単に映像を見るだけでなく映像に香りや人形というリアルなものを組み合わせることでデジタルと現実を強く結びつける作品となりました。  講評は、関係者10名がその場で審査・集計して行われました。アロマツアーの評価は、サービスの魅力がよく伝わる映像としてまずまずの評価。企業の特色が表現されているかという点ではもう一つ。サービスのオリジナリティという点では概ね高く評価されました。あなたが人形になる…、では、評価が分かれました。企業の特色が表現されているかという点では同じくもう一つ。オリジナリティについては高く評価されました。持続性・発展性を考慮しどちらの案を推すかについては、ほぼ同数ですがわずかに、あなたが人形になる…案が上回りました。審査員からの感想は、その場だけで終わらない体験を上手く表現してくれた、ふだんアイデアをどう現実化するかについてばかり考えているので学生の考え方は大きな刺激になった、企業のことをよく考えていて予想以上に良い出来で感動しました、とうてい自分たちではできないことをやってくれて感謝、新しい気付きをたくさんいただいた、やりきった体験は必ず役に立つ、この経験を社会に役立てて欲しい、などうれしい言葉をたくさんいただきました。  宇津木社長からは「着眼点、技術、どれも自分たちにないもの。会社としても新しい分野を見ることができたことは深く感謝します。企業として常に新しい方々に活躍の場を提供したいと考えていますが、そういうことができたのではないかとうれしく思います。できればこうしたプロジェクトを継続して行きたい」と感想と抱負を述べました。  先端メディア表現コース 加藤良将講師は「学生らを温かい目で見守っていただきありがとうございました。学生にとって貴重な経験になりました」。竹内創教授からは「プロジェクトの長い期間、本当に感謝しかありません。このプロジェクトで、今現在こうした時間を共有していますが、これが一番の成果ではないかと感じています。他の領域の学生も数多く参加して立体を作ったり音楽を付けてくれました。彼らと企業の皆さんと今一緒にいるということが何よりの成果だと思っています」と締めくくり発表会は終了となりました。

2022.6.14

鯱バス×先端メディア表現コース「withコロナ時代の新”旅体験”モデル」動画撮影

鯱バス×先端メディア表現コース「withコロナ時代の新"旅体験"モデル」動画撮影  鯱バス株式会社とデザイン領域 先端メディア表現コースの共同研究、デジタルツーリズム「withコロナ時代の新"旅体験"モデル 」のコンテンツ制作が進んでいます。コロナ禍で落ち込む観光業の回復と新しい観光のあり方を模索し、東海地区の特性を生かした産業観光の魅力を伝えるコンテンツとして、まるや八丁味噌、えびせんべいの里、King Farmを9月に取材()、2022年3月17日、22日の2日間、撮影のため再び現地を訪れました。 掲載記事  学生らは、前回の取材からそれぞれの場所の魅力を伝えるためもインタラクティブなコンテンツを考案。そのための映像を撮影するため、シナリオと絵コンテを用意し撮影に臨みました。いずれの場所も食べものに関係するもので、映像と音のシズル感はもちろん、製造現場の雰囲気や案内する人の魅力を伝えるもの。鯱バスのガイドさんをはじめ、味噌蔵の職人さん、えびせんべいの里をPRする営業の方、いちご愛あふれる農園管理の方やカフェの方々などなど、その場所で働く人々のいきいきとした姿も伝えます。  映像は、鯱バスのガイドさんが出演するもの、視聴者が観光を疑似体験できるような一人称視点、視聴者の分身である人形の視点になったものなど、同じカットでも数パターンの映像が必要となります。入念にコンテを準備し、お店の方々にも多大なご協力をいただき、時間内に収録ができました。クイズあり、コメディ的な要素もあり、楽しい映像に仕上がりそうです。 撮影した映像は先端メディア表現コースで編集し、4月以降テストマーケティングという運びになります。どんなものができあがるのか、非常に楽しみです。

2022.6.14

mozoワンダーシティ産学連携イベント『森のがっこう』
二限目《森にふれる》

mozoワンダーシティ産学連携イベント『森のがっこう』 二限目《森にふれる》  本学と名古屋市西区 mozoワンダーシティでは、連携イベントを開催いたしました。  2022年5月28日(土)・29日(日)には二限目となる授業《森にふれる》が行われ、受講した皆さんに森の恵みの材料を使ったワークショップを通して五感で森にふれる経験をしていただきました。 『森のがっこう』 ①木端を使ったウッドオーナメントづくり 好きな木端を選んで、麻紐に通して作るオーナメントづくり。 ②お風呂で楽しむヒノキアロマづくり ヒノキのかんなくずでつくるアロマづくり。お家のお風呂でヒノキの香りのバスタイムを楽しもう。 ③丸太でつくるカスタネット 木の厚さによって音が変わる木のカスタネット。好きなイラストを描いてオリジナルのカスタネットをつくろう! ④木片でつくるバードコール 木につけたネジを回すと、鳥の鳴き声のような音がするバードコールづくり。 ⑤小枝でつくった枝鉛筆で手紙を書こう! 枝の先に鉛筆の芯を挿してつくる枝鉛筆。つくった鉛筆で使い心地を体験しよう。 本学 駒井貞治教授・米山和子 教授に伺いました ■森の存在を身近に感じよう  ワークショップ『森のがっこう』は全体を通して「森の存在を身近に感じよう」というメッセージが込められています。前回の一限目授業は《学ぶ》。トークショーで森の現状を知ってもらおうという主旨でした。そして二限目の今回は《触れる》がテーマ。手触りや匂い・音など、五感を刺激して森を味わってもらう狙いがあります。都会にいながらまるで森の中にいるような感覚を楽しんでいただけたと思います。  また出来上がった作品をそれぞれのお家に持ち帰っていただき、ご家族も同じ体験をすることでより多くの方が森の存在に関心をもっていただけるのではと期待しています。 ■相互の学び  本学デザイン領域には、ワークショップそのものを企画する授業「デザインワークショップ」があり、ここで生まれたアイデアをmozoワンダーシティに提案したのがきっかけで『森のがっこう』が開校しました。mozoさん側からは安全面や満足度など様々なアドバイスと当日運営のサポートをしていただいています。今日のワークショップは私達(駒井・米山教授)の企画なのですが、次回からはいよいよ学生の企画がスタートします。  学生は4月に行われた第1回と今日の第2回の経験を活かして、自分達の企画したワークショップをより充実させてくれるでしょう。主催者側の一方的な発信ではなく、ファシリテーターとして受講者と相互に学んだ経験が次に繋がっていくのです。 ■ワークショップの重要性  ワークショップは近年、デザインする上での重要なプロセスになっています。私達の社会の中で問題が何処にあるのかを探したり、試作品を試してもらいフィードバックを改善に役立てたり、(廃棄された材料から)環境への負荷や持続性を検証したり…。これからのデザイナーに必須となるこのスキルを学生にみにつけてもらうのも『森のがっこう』開校の大きな目的となっています。 学生さんに聞きました ○準備の段階から参加しているので、受講されてた方が親子が楽しんでいる様子などを見ていると素直に嬉しい気持ちになり、やり甲斐を感じました。 ○お子さんたちは、バードコールやカスタネット等、音の出るものに強く関心を持っていたようです。バードコールとお子さんの黄色い歓声が館内で反響して独特の音を生んでいたのが印象的でした。 ○自然と笑顔になる空間になったと思います。

2022.6.10

産学連携 mozoワンダーシティとのコラボレーション 「森のがっこう」開校

産学連携 mozoワンダーシティとのコラボレーション 「森のがっこう」開校  本学と名古屋市西区 mozoワンダーシティでは、連携イベント「森のがっこう」を開催いたしました。「森のがっこう」は日本の森林を体験するイベントで、建材や家具、紙の原料として生活に欠かせない「木」を通して、森林のことを考え、木を身近に感じる展示やワークショップなどを行っていく内容。イベントの第一弾として、2022年4月30日(土)、5月1日(日)に、デザイン領域 スペースデザインコース 駒井貞治 教授と豊田森林組合 山田政和氏によるトークショーを開催。あわせてスペースデザインコースの学生が制作し、東京都立川市 PLAY!MUSEUMにて展示した「本とこどものかぐ展」の展示を再現。GWで賑わうショッピングモールで、お客さまにトークショーと作品を見ていただきました。  はじめに駒井教授から、この連携イベントについて説明がありました。「大学では家具などを作って来たが、これまで材料は材木屋さんから買ってくるのが通常だった。その材料となる木材を山で切ることから始める機会があり、そこで現在の林業の問題を知ることになった。こうした話を聞くことで、作る家具にも変化があり、より良いものができると感じた。もっと多くの人に森のことを知ってもらう機会を作りたかった」と森のがっこうの目的が語られました。  トークショーでは、80年前にスギとヒノキに重点を置いた国の施策の歴史についてから始まり苗木や木の育成についてなど、実際に林業に携わる森林組合の山田さんのお話は、大変興味深いものでした。苗木はある程度間隔を詰めて植えないと木が成長したときに横に広がってしまい真っ直ぐな木に育たないそうで、材木に適した木を育てるためには詰めて植える必要があること。そのため、成長するに連れ定期的な間伐が必要となり、最終的に木材として活用されるのは植えられた苗木の1/4以下となってしまうこと。3/4以上の木が間伐材として切られることになりますが、太さがあるものは商品として価値があるといいます。しかしながら、価格は安く、また利用のされ方も十分とはいえないのが現状です。従来であれば、建築現場の足場や木杭として使われていましたが、時代の移り変わりとともに使われなくなっています。海外から安価な輸入材が入ってくることで国産材の使用率が減っていることも林業にとっては大きな問題です。日本で年間に使われる木材の量はおおよそ8000万立方メートルなのですが、そのうち国産材は3000万立方メートル。日本の林業が経営的にも健全な状態で循環するには、国内産だけで年間1億立方メートルの木材の使用を必要とする試算もあり、国内産の木材を活用し、使用量を増やすアイデアが望まれている状況です。また、防災や都市の環境装置としても森林の存在は重要で、木材の利用と防災の両方の面から、都市と森を関連づけて考えていく必要性などが語られました。山田さんは、名古屋・錦二丁目まちづくり協議会とも連携し、錦二丁目長者町の路上にストリート・ウッド・デッキを設置する「都市の木質化」というプロジェクトにもかかわっており、多くの人に都市と森をつなぐ活動を知って欲しいといいます。駒井教授からも、木という素材に触れて、興味を持つことからはじめてもらいたいと説明がありました。  「本とこどものかぐ展」の展示では、たくさんの子どもたちが実際に学生が作った家具に触れました。展示について説明を担当したスペースデザインコース4年 杉浦初望(すぎうら はつみ)さんは、「たくさんの人に作品を見てもらえてうれしい。使う人のことを考えて作っていますが、実際に手に触れた人から感想を聞けたことはとても貴重な経験となりました。子どもたちに遊んでもらえたことも、とても良かったと思います」と話してくれました。  この日、森のがっこうに参加していただいたお客さまには、レーザー彫刻機で焼き印を描いた特製の木製コースターをプレゼント。実際にレーザー彫刻機が動作するところも紹介。観客も彫刻機を興味津々で見守り、美しい出来映えや木の香りを楽しみました。

2022.5.26

工芸分野、一宮市と連携、街をアートで彩るプロジェクト始動

工芸分野、一宮市と連携、街をアートで彩るプロジェクト始動  本学、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースでは、一宮市と連携し、2022年7月30日から行われる「国際芸術祭『あいち2022』」にあわせ、一宮市銀座通商店街、一宮市本町商店街、一宮駅前のI.T.K.ビルに、本学学生、一宮市内の高校美術部生徒らの作品を設置、『あいち2022』を盛り上げる連携企画を行います。2022年5月7日、その手始めとして、学生らが一宮の街を訪れ、商店街、真清田神社などを視察、作品を設置する場所を探しました。  「新しい日常風景」をテーマに、『いちのみや芸術商店街』と称し、一宮駅前から銀座通りを経て、アーケードのある本町商店街を抜けて真清田神社までの公共スペースや店舗に作品を設置します。公共スペースとしては、往来の邪魔にならない歩道、植え込みなどのスペースならば一宮市の許可が得られていて設置可能、店舗など私有地の場合は、学生がそれぞれ店舗などと交渉して設置することになります。この日は、良さそうな場所を探し、工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコースの学生が参加、メタル&ジュエリーデザインコース 米山和子 教授、瀬田哲司 准教授、工芸コース 中田ナオト 准教授の説明を聞きながら、一宮の街を散策しました。  本学の工芸分野としては、工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコースのほかにテキスタイルデザインコースがありますが、テキスタイルデザインコースは一宮市の尾州毛織物産地の産業廃棄物を使用した共同作品を本町商店街のアーケードの中心に設置するため、準備の都合で4月26日に見学を行いました。  駅前をスタートし、歩きながら設置スペースを検討します。商店街では、繊維の街である一宮らしさを感じる布や糸を扱う店が数多くあり、レトロな看板やロゴタイプなど風情を感じます。気になる場所に想定する作品が置けるかどうか、実際にスペースを確認しながら歩きます。商店では、お店の人に声をかけお話を伺ったりしながら真清田神社まで歩きました。  真清田神社の門前には、境内にある「服織神社」にあやかり、糸や雑貨を扱う小さなお店があり、お店を観察したりお話を聞いたり、大いに刺激をいただきました。本町商店街では、中田ナオト先生が学生時代に同じように一宮の街にアート作品を展示する企画で作品を置いた場所も紹介。感慨にふける一幕もありました。  最後に駅前のI.T.K.ビルに集合、休日で中には入れないものの場所を確認しました。I.T.K.ビルでは、高大連携として一宮の高校生とコラボレーションで制作するボックスアート(30cm×30cm×30cm程度の箱の中に作品を制作、本学に高校生を招き制作予定)を展示する会場となります。実際に会場となる場所を確認し、学生らは制作への気持ちを高めていました。  現段階ではプロジェクト名や展示期間など未決定ではありますが、作品制作過程も含め、順次お伝えすることになります。ご期待下さい。 「国際芸術祭『あいち2022』」ホームページ

2022.3.31

岐阜県池田町・㈱OKB総研・デザイン領域「揖斐・池田サイクルトレイン 日本一への挑戦プロジェクト」検証事業 周遊マップ制作 最終報告会

岐阜県池田町・㈱OKB総研・デザイン領域 「揖斐・池田サイクルトレイン 日本一への挑戦プロジェクト」検証事業 周遊マップ制作 最終報告会  岐阜県池田町、㈱OKB総研、デザイン領域による地域創生プロジェクト、「レンタサイクル」を活用したモデルコースマップ制作の最終報告会が2022年3月17日に行われました。岐阜県池田町は、濃尾平野の北西部、西に標高924mの池田山、東には揖斐川が流れる自然豊かな小さな町。地域を走る養老鉄道と協力し車内への自転車の持ち込みや移動した先で自転車を返却することのできる「養鉄トレクル」というレンタサイクル事業を行っています。学生らがこのレンタサイクルの利用を促すコースマップの制作に取り組んできました。  コロナ感染症に対応し、OKB総研のコーディネイトで池田町総務部企画課長 小川孝文氏、揖斐川町政策広報課 加納和貴氏、道の駅池田温泉駅長 寺田直樹氏、まちづくり工房「霞渓舎(かけいしゃ)」NPO法人校舎のない学校 馬淵規嘉氏と教室をオンラインでつなぎ、モニター越しの報告会となりました。  はじめに、OKB総研から事業の経緯について説明がありました。2015年に「池田町版地方創生総合戦略」の施策としてサイクルトレインプロジェクトがスタート。「養鉄トレクル」が整備され、揖斐町、池田町で「岐阜のマチュピチュ 天空の茶畑へ行こう!」キャンペーンを実施、レンタサイクルの利用者が大幅に拡大。しかしながら、コロナ感染症拡大で観光産業へ打撃、レンタサイクル利用者数もピークの半分以下にまで減少。そこで、本学デザイン領域が加わり、池田町の魅力について、若い学生の新しい視点でもう一度考えてみる、というのがこの連携プロジェクトです。  プロジェクトには、ライフスタイルデザインコース、インダストリアル&セラミックデザインコースの有志の学生が参加、最終案として、制作した周遊コース「みずぽたマップ」について説明しました。説明は、ライフスタイルデザインコース2年生 川部羽瑠香さん、榊原里紗さんが行いました。  プレゼンテーションは、このプロジェクトに携わり学生らがやってきたことのプロセスと考えたことを順を追って説明しました。2021年8月の1回目の現地調査では4つのチームに分かれてスポットの確認を実施()、Aグループは「地元住民の行きつけのスポット巡り」、Bグループ「古墳群などの歴史スポット巡り」、Cグループ「観光客目線での調査」、Dグループ「川を中心とした街の調査」を行いました。その結果をもとに学生間で情報を共有、9月に中間プレゼンに向けてキーワードを選出するための話し合いを行いました。そこから、養鉄トレクルの利用者の特性を生かした案として池田町の地形を生かした「エクササイズマップ」、利用者同士が共有することで完成されていく「情報共有アプリ」、池田町の川に着目した川推しの「Ikeda Water Map」、豊かな自然に包まれ自分が物語の主人公になったような気分になることに着目しボイスドラマを交えた「池田町ドラマチックサイクリング」の4つの案を制作、10月に中間プレゼンを行いました。その結果、川推しの案「Ikeda Water Map」が採用となりました。そこからは、川推し案をブラッシュアップし、川辺のスポットを五感に訴える要素で分類し直し、2022年1月池田町を再調査、水と五感という観点でリサーチし、ミーティングを行いマップの記載するポイントやデザインについてすり合わせを繰り返しました。「ポタリング」(目的地を決めることなく気分や体調に合わせてサイクリングすること)というキーワードを提案し、「水の地図」と「ポタリング」から「みずぽた」というネーミングが決まりました。また、観光だけでなく、地元の人にとっても「池田町の水」の魅力を再発見できることを取り入れ、最適な形へと修正されていきました。最終的には、町の価値を見つめ直すことにつながるマップとなり完成に至りました。こうした経緯を、修正していった考えやポイントについて丁寧に説明しました。 掲載記事  講評では、揖斐川町政策広報課 加納氏からは「新たな集客を行うのに、若い人の視点は貴重なものでとても良かった。これまで目につかなかった点をたくさん挙げてもらったことも成果。揖斐川町としても新たな試みができればと思う」とのコメント。  道の駅池田温泉 寺田駅長からは「学生さんらしい、かわいらしいマップができた。これまで配布してきたものにくらべ、女性や若い人にも手にとってもらいやすいものになったと思う。水路の写真を見て、地元の目だけでは気が付かなかったと感じる」。  まちづくり工房「霞渓舎」 馬淵氏からは「プロセスの話を聞き感動した。生活の中の水に着目したところが新鮮。山を中心に描かれた地図もとても良い。個人的には、エクササイズやボイスドラマの案も、どんなふうになるのか見てみたかった」。  池田町総務部企画課 小川課長は「一所懸命取り組んでいいただき感謝している。このマップを手がかりに、今後どうやって活用していくか考えていきたい。池田町としてしっかり取り組んでいきたい」と抱負を語られました。  担当したライフスタイルデザインコース 水内智英准教授は「アイデアを実際に形にしていくステップには難しさがあり学生にとって非常に良い経験となり感謝します。『みずぽた』という着眼点は非常に良いものであると思います。限られた予算や制限の中、地元の人の生活にアクセスできるマップという当初の精神を失わず完成できたことは素晴らしいこと。マップは地元にとって資源となると思われます、上手く活用していただければと思います」とお礼を述べました。  インダストリアル&セラミックデザインコース 後藤規文教授は「進め方に迷いながらも、学生がたくさんのアイデアを出してくれました。プロセスに無駄が多いように思われたかもしれませんが、最終的にまとめられて良かったと思います。個人的には、現地を訪れ質の高い田舎暮らしの良さや池田町そのものに多くの観光資源があるのでないかと感じました。学生が提案した4つの案以外にもまだまだいろいろな切り口があるように思います。今後の活動、ワークショップで新たな魅力を見つけるなど、長い視点で活動できればと思います。ぜひ、協力させていただければと思います」とまとめ、報告会は終了となりました。

2022.3.17

竹本学長、名古屋高速道路公社設立50周年記念イベント Expressway to the Future シンポジウムに登壇

竹本学長、名古屋高速道路公社設立50周年記念イベント Expressway to the Future シンポジウムに登壇  2022年3月13日(日)、名古屋コンベンションホールにて開催された「名古屋高速道路公社設立50周年記念イベント Expressway to the Future~未来へつなぐ、名古屋高速道路~」シンポジウムに本学 竹本義明 学長が登壇、地域経済を専門とする中京大学経済学部 客員教授 内田俊宏氏、名古屋高速50周年記念ソング「Highway」制作のミュージシャン SEAMO氏らと意見交換しました。また、名古屋高速イメージソング「君と行きたい」を声優アクティングコースの学生ユニット Rue*Claire(リュ*クレール)が披露し、イベントに花を添えました。  このイベントは、名古屋高速道路公社50年史の発刊を記念して行われたもので、50年の歴史を紹介し、内田氏により「名古屋都市圏と名古屋高速道路の未来」と題して記念講演が行われました。  シンポジウムでは、竹本学長、名古屋高速道路公社 新開輝夫理事長、内田氏、SEAMO氏、エシカル・コーディネーター 原田さとみ氏、ハイウェイタレント 山形みらい氏の6名のパネリストが登壇し意見交換しました。竹本学長から、本学と名古屋高速道路公社との50周年コラボレーション事業の、橋脚ラッピング、イメージソングの制作、50周年記念ロゴの制作を紹介し、すべてに学生の手によるものと説明しました。また、去る2020年9月に行われた橋脚ラッピングアート、イメージソングお披露目式のイベントを紹介し()、「制作に携わった学生や卒業生にとってこれらの経験は大きな自信になっている」と説明しました。また、「今後大学としてはSDGsに取り組み、芸術大学として感性と創造性を生かした教育を行い、名古屋高速道路公社の役割や価値、未来への期待と関連させて大学として共にできることをやっていきたい」と考えを述べ、手始めとしてSDGsの11番目の目標「住み続けられるまちづくりを」を挙げ、自分たちの身近な問題を解決するよう取り組んでいきたいと説明しました。この発言を受け内田氏からは、「名古屋はものづくりの都市として機能性や品質が重視されがちだが、芸術性を補うような両者のコラボは名古屋の将来にとっても意義のあること」とコメントをいただきました。新開理事長からは、「ハードとソフト、なにか新しいことができるのではと期待があります。1度の記念式典で終わるのではなく、これからも学生さんは学生さんの未来、名古屋高速は名古屋高速の未来を一緒に作っていくことができるのでは」と思いを語っていただきました。  後半のエンターテインメントステージでは、 Rue*Claire(リュ*クレール)が登場、元気いっぱいにイメージソング「君と行きたい」を披露しました。また、同時に会場ロビーで展示されていた名古屋高速Instagramフォトコンテストの優秀作品の表彰が行われ、審査員長を務めたデザイン領域 ヴィジュアルデザインコース 遠藤一成 准教授が総評を行いました。「いずれの写真も、高速道路と人との係わりと未来を予感させるようなものが写真に表現されており、名古屋高速が地域の人に愛されていることを感じた。今後も多くの人々とこのような取り組みを続けて行って欲しい」と述べました。引き続き、エンターテインメントステージではSEAMOさんのステージが行われ、盛大なイベントとなりました。 紹介記事

2022.3.17

デザイン領域1年生が北名古屋市フードドライブ事業にボランティア参加

デザイン領域1年生が北名古屋市フードドライブ事業にボランティア参加  2022年3月12日(土)、北名古屋市の「フードドライブ事業」にデザイン領域1年生の疋田未有さん、熊谷未玖さんがボランティア参加、市民が持ち寄った余剰になった食品を受け取りました。フードドライブ事業は、賞味期限の切れていない家庭で余った食品を回収し子ども食堂など食糧支援につなげる事業で、今回は、北名古屋市、NPO法人フードバンク愛知、スーパーマーケット バロー、本学の協力で行われました。今回の事業に向けて疋田さん、城田さんがポスターを制作し、告知にも一役買いました()。回収の当日も、制作したポスターとともに食品廃棄に関するデータのパネルを展示し、食品ロスに関する啓蒙活動が行われました。  食品の回収は午前中の3時間ほどでしたが、前回の45世帯を上回る数の方々から食品をお持ちいただきました。缶詰やジュース、乾麺、お米など、さまざまな食品が持ち寄られました。なかには、ダンボール箱をいくつも持ってくる方もおられ、人々の温かさを実感しました。  当日は、この事業について学生に紹介しボランティア参加へつなげたデザイン領域/国際交流センター長 松崎久美 准教授、SDGsの活動にも取り組む 声優アクティングコース まほろば遊 非常勤講師も駆けつけ、お手伝いしました。 松崎准教授は「ボランティア活動に参加することで社会や世の中のことをもっと知って欲しいし、こうした経験を作品制作にもぜひ生かして欲しい、今後もこうしたフードドライブ事業や学校・地域に根差した国際交流の活動を広げていきたい」と抱負を語りました。  参加した熊谷さんは「高校時代はこうした活動を実際にやったことはなく大学生になり新しい世界が広がったように思います」と話し貴重な経験になったようすです。  今回集まった食品は、NPO法人フードバンク愛知を通して北名古屋市内の子ども食堂など必要とする方に届けられることになります。フードドライブ事業は、今後も継続して行われる予定です。 紹介記事

2022.3.11

デザイン領域1年生が北名古屋市フードドライブ事業のポスターを制作、ボランティアに参加

デザイン領域1年生が北名古屋市フードドライブ事業のポスターを制作、ボランティアに参加  賞味期限の切れていない食品を回収し子ども食堂など食糧支援につなげる北名古屋市の「フードドライブ事業」に、デザイン領域1年生の疋田未有さん、城田菜月さんがポスターを制作しました。今回のフードドライブ事業は、北名古屋市、NPO法人フードバンク愛知、バロー西春店の協力で行われ、寄贈された食品はフードバンク愛知により、支援を必要とする福祉施設や団体に無償で届けられます。バロー西春店にて食品の回収を行うのに先立ち、2022年2月22日 北名古屋市役所にて記者発表が行われました。  本学学生が北名古屋市のフードドライブ事業にボランティアとして参加するのは今回が2回目。前回、2021年10月にも3人の学生が参加し、ポスターの制作と食品の回収を行いました()。  ポスターを制作した疋田さんは、「前回もポスターを制作しましたが、どれくらい人が来てくれるのかわからないまま作っていました。実際に参加してみると、思っていた以上に多くの方に食べものを持ち寄っていただき、人の温かさに触れたように思いました。その経験を生かして、今回のポスターを制作しました」と思いを語りました。北名古屋市の市章で使われている緑色と紺色を使い、イメージしやすく目立ちやすさを考慮したといいます。前回のポスターも西春駅をはじめ市内各所に貼られ「恥ずかしかったけど、大きな自信になりました」と話しました。  北名古屋市 環境課の方からは、「前回、想定していたよりも大きな反響があり、いろいろな新しい気付きがありました。地域で集められた食品が市内の必要としている人の手に渡り、市内で無駄なく循環できたことも良かったです。学生さんがやっているのが良いという意見もいただきました。スーパーマーケットの集客力、学生さんの作品を作る力、自分たちだけではできないことが連携することで可能になり、今後もさらにフードドライブ事業が拡大できればと思います」と話しました。 紹介記事  食品の回収は、2022年3月12日(土) 10:00~13:00 バロー西春店にて行われます。 当日は3名の学生がボランティアで参加予定。ご協力をお願いします。

2021.11.4

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 尾張七宝チーム、鋭意制作中!

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 尾張七宝チーム、鋭意制作中!  本学デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)は、今年度から領域横断による連携を始めています。愛知県の伝統工芸とコラボレーションし「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に出展する「工芸EXPOプロジェクト」において、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース・美術領域ガラスコースでは尾張七宝とコラボレーションし、メタル・ガラス2つの素材を融合させた作品作りに奮闘しています。制作の様子をすこし見せていただきました。  ガラス工房では、学生が溶解炉で溶かしたガラスを竿に巻き取って成形するホットワークにチャレンジしていました。学生に聞くと、伸ばしたガラスをS字に成形し、それをメタルと組み合わせる作品にするとのこと。S字の加工は難易度が高く、技術員の方にうかがっても何度か練習して作るものだとか。方法としては、ガラス全体を温めておいて一気に成形するか、前後に分けてゆっくり慎重に成形するかの2種類。当然、ガラスの扱いに不慣れな学生は後者の方法で制作、しかもこれまでにこうした作業はやったことがないといいます。S字の半分を曲げ、炉の中ではガラスの先の方から温まるため、今度は逆向きにガラスを竿に取り付け、残りの半分を曲げていきます。とはいえ、ガラスを温めるにしても炉の中で溶け落ちないように注意しながら竿を扱い、いざ成形というときにも迷いなく狙う形に持っていかないとすぐに冷めて形が作れなくなってしまいます。温める過程で崩れてきた形を素早く修正しつつ狙う形に曲げていくことは非常に難しく、タイミング、決断、根気とさまざまざことが要求されます。技術員に指導を受けながら、何度も温め形を修正し狙う方向にすこし曲げてと、繰り返していきます。小一時間ほどかかり、逆向きに取り付けてなんとかS字に近づき始めた頃、残念ながら破損。無理に力を加え過ぎたようです。時間切れで、この日のチャレンジはここまでとなりました。  七宝焼の制作は、あま市にある七宝焼アートヴィレッジにて行われています。メタル&ジュエリーデザインコースでは後期の毎週金曜に尾張七宝伝統工芸師の加藤実さんの実技指導を受けていますが、その場で工芸EXPOのための制作も行っています。出展作品は、同じあま市の(資)相互七宝製作所様から、製品にならなかった仕掛品の花瓶を提供していただき、そこにメタルとガラスの作品を組み合わせるというもの。七宝焼自体が金属とガラスを融合させた作品とはいえ、有線七宝のように薄い銀線ではなくもっと大きなガラスを設置するための台座となる金属を溶かして接合するなど、加藤氏がこれまでにやったことのない技法もあり、試行錯誤しながらの制作となります。通常、七宝焼は、釉薬を乗せ800~850度で数分焼くことを絵柄に応じて数回繰り返し完成させますが、750度程度の低めの温度で何度も何度も試しながらの制作となりました。加藤氏いわく、七宝は焼き過ぎなければ修正が効くとのことで、頻繁に窯を覗いて中の様子を窺いながら制作します。七宝の制作は、釉薬を乗せたとき水分が残っていたり、釉薬と素材の間に空気が入っていたりすると大きくはがれてしまったり、でこぼこになってしまったりと、やはり繊細な技術が必要なもの。失敗しては修正して焼き直すといった過程を繰り返し、なんとか作品を仕上げていくことになります。修正が効くとはいえ、何度も焼き冷めるのを待って釉薬を差しという作業は、やはり根気と集中力の要るものです。  ガラスにしても七宝焼にしても、改めて感じるのは制作の難しさ。工芸は、思い通りにならない素材と向き合いながらの制作ということを実感させます。急場しのぎのごまかしや慌てて取り繕うようなことが一切できません。確かな技術はもちろん制作者の精神性といったものまで要求されるような、奥深い世界の一端を感じさせます。  この制作を機に、素材を提供して下さった相互七宝製作所さんの工場を見学させていただく機会に恵まれました。工芸EXPOに参加する学生とともに、七宝焼アートヴィレッジのすぐ近くの相互七宝製作所さんにお邪魔しました。ちょうど無線七宝に釉薬を差す作業中で、息を呑んで作業を見守りました。さまざまな色合いの釉薬や使い込まれた道具たちが並ぶ工房にピンと張りつめた空気が漂い、作品が生まれてくる現場を見ることはとても有意義な経験となりました。長く使われている窯や研磨機にも歴史の重みを感じます。七宝焼の伝統に触れ、大いに触発される素晴らしい工場見学となりました。 ガラス工房 七宝焼アートヴィレッジ 七宝焼制作 相互七宝製作所 見学