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2023.1.28

2022年後期、工芸コース、古川美術館・分館爲三郎記念館とコラボプロジェクト開始

2022年後期、工芸コース、古川美術館・分館爲三郎記念館とコラボプロジェクト開始  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、美術総合コースでは、名古屋市千種区の古川美術館・分館爲三郎記念館と連携、2023年2月14日(火)~26日(日)までの2週間、爲三郎記念館に学生の作品を展示することになりました。前期は、デザイン領域 テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコースが古川美術館・分館爲三郎記念館コラボし、ミュージアムショップで販売するグッズのプロデュースを行いました。今回、美術領域では、作品は自由とし、展示場所である数寄屋造りの爲三郎記念館や古川美術館のある池下という町からイメージを膨らませ、作品制作を行います。そのプロジェクトの第1回目として2022年10月20日、古川美術館 館長代理兼事務局長 伊藤洋介氏、学芸員 早川祥子氏にお越しいただき、学生に古川美術館について講義していただきました。  伊藤さんからは、古川美術館の魅力についてお話しいただきました。古川美術館の魅力として、(1)アクセスの良さ、(2)広すぎず心地良く見学できる規模、(3)美術に通じていなくて楽しめる作品解説、(4)数寄屋造りの爲三郎記念館での展示、(5)カフェやショップ、お茶会など美術鑑賞だけにとどまらない美術館の楽しさ、の5つを挙げ、説明していただきました。  早川さんからは、展示会場となる爲三郎記念館(旧古川爲三郎邸)の概要について、や写真を交えて説明いただきました。今回のプロジェクトで作品の展示会場となるのはと。それぞれ、6畳間と8畳間をつないだスペースで(2部屋で合計28畳のスペース)、襖の取り外しも可能とのこと。さまざまなサイズの展示台もあり、これらも活用して作品を考えて欲しいとのことでした。参考に過去の作品展示の例として、部屋をめいっぱい使った米山デザイン領域 メタル&ジュエリーデザインコース教授のインスタレーション作品などが挙げられました(「つむぐけしき よむこころ」米山和子 祖父江加代子)。  質疑応答では、陶芸作品を置く場合に底面の処理をどの程度まで整えればいいか、2023年2月の展示期間の頃庭の植物や木はどんな具合か、中庭を使っての展示も可能か、など具体的な質問が出て展示に対して大いに刺激を受けたようです。  担当する中田ナオト 准教授からは、「名古屋の都心からすぐにもかかわらず、緑が豊かで空気が変わるような、心が安らぐ場所であり、建物の高低差も含め複雑な印象を受けると思う。実際に現場を訪れてそういったところから作品を考えても良いし、伊藤さんのお話にはショップやカフェの魅力についてもありましたが、そういう場所で使える物や商品の提案でも良い。ほかにも美術館の歴史や背景から考えても良いし、所蔵の作品からインスピレーションを受けて創るというのも今回のプロジェクトならではの魅力ではと思う。いくつか切り口があり、いろいろな着眼点から考えて欲しい」と言葉がありました。早川さんからは「前期のプロジェクトでは、学芸員では思いつけない豊かな発想の作品がたくさんあり、とても刺激になり勉強になりました。今回も学生の皆さんの自由な作品をとても楽しみにしています」と期待する声がありました。  今後のスケジュールとしては、展示のアイデア出しを経て2022年11月中にプレゼンテーション、その後制作を行い2023年2月に展示となります。 敷地の見取り図 大桐の間 ひさごの間

2023.1.13

スペースデザインコース、多治見市モザイクタイルミュージアム「ザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」に出展

スペースデザインコース、多治見モザイクタイルミュージアム「ザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」に出展  デザイン領域スペースデザインコースでは、多治見モザイクタイルミュージアム(モザミュー)、名城大学理工学部建築学科と連携し、「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」に出展しています。「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」とは、タイルの新たな魅力を模索・展開するため、モザイクタイルミュージアム、タイル産業関係者、大学が連携し、モザイクタイルミュージアム2階の産業振興展示室を刷新していく取り組みで、2023年度から5年間継続して行われる事業です。2023年度最初の参画大学は本学と名城大学であり、そのプレ企画展として作品を制作、2022年11月15日(火)に関係者を招いて作品のお披露目を行いました。  制作は、デザイン領域スペースデザインコース 3年生 小川直輝さん、黒木星冶さん、郡元朱音さん、酒井伸一さん、鈴木栞乃さん、林いちのさん、森晴信さんの7名。プロジェクトは2022年6月にスタート、コンセプトを考え4ヶ月ほどで作品を完成させなければならず、集中して作業を進めました。2022年6月下旬、学生らは多治見を訪れ展示場所を視察、タイルの製造工程や歴史について学び、タイルの素材となる粘土を製造する丸美陶料株式会社、素材の土をタイルに焼き上げる杉浦製陶株式会社、さらにタイルを専門に扱う商社の長江陶業株式会社を見学、作品の構想を練りました。  当初、タイルのノスタルジックな雰囲気と形と色のバリエーションの豊かさなどからかわいらしさを感じ、そこから作品を構想していた学生たちでしたが、産地と工場を見学し、タイルを支えている人の思いや環境について知ることで、タイルの魅力について深く考えるようになり、タイルの成り立ちを考えられるような作品へと構想は変化していきました。タイルは、笠原川周辺の土と水から成り立った産業であることを知り、また、タイルの魅力は施工されできあがった整然とした美しさだけではなく、タイルそのものの手触りや重さ、質感も魅力と捉え、そうしたことが実感としてわかるようにと考え、参加者が実際にタイルに触れる機会を作ろうという考えです。小屋の表面に参加者がタイルを貼るワークショップを開催し、ひとりひとりがタイルの魅力について感じ考えるというアイデアを提案することになりました。展示では、サンプルとしてタイルを貼った小屋を制作し、見てもらうことにしました。  小屋の制作にも工夫があります。小屋は簡単な骨組みで制作、そこへ多治見でいただいた土を壁土として塗ります。左官の技術が必要なため、学生らは左官業者を訪れ、一通り技術の体験・練習して制作に臨みました。作品は、タイルの成り立ちにちなみ土色が徐々に水を表す青色へと変化していくもので、色違いのタイルをグラデーションになるよう貼り付けます。壁土に近い部分では素焼きのタイルが用いられていますが、タイルの製造では素焼きにする工程はなく釉薬を塗って焼き上げるため、釉薬を塗布する前のものをいただきセラミック工房で焼き上げて専用のタイルを制作するなど凝ったものです。できあがった小屋は高さ2mあまり。小屋とはいえ、大きさも重量も迫力のある作品となりました。展示のためモザイクタイルミュージアムへ運び込んだところ、学芸員の村山閑さんからも思わず「わっ、大きい!」と声が上がるほどの作品となりました。  プレゼンテーションは郡元朱音さんが中心となって行いました。自分たちが経験して感じたタイルの魅力を説明し、その経緯を作品に落とし込んだことを丁寧に話しました。「今では、携わった学生ひとりひとりがそれぞれのタイルの魅力について言えるようになりました」という言葉が印象的で、参加した関係者からも、インパクトを受けたという声が聞かれました。質疑応答では、ぜひそれぞれが感じた魅力を聞かせて欲しいという質問があり、「形や色の面白さは当然ですが、自分で貼ることができるということは新鮮な驚きでした。やっていいんだと自由を感じしました」(郡元さん)、「タイルを施工することには手間がかかりますが、手間をかけることで工夫がはじまり思考が深まりました。手間がかかること自体に魅力を感じました」(鈴木さん)、「単純ですがかわいい、手触りが良く握ったときの感触や重さに愛着が湧きます。貼ってある完成品だけではわからなかった魅力です」(林さん)とそれぞれに感じた魅力を説明しました。  プレゼンを聞いた、水野雅樹代表理事は「自分が業界に入った頃、同じような感想を持ちました。懐かしさと同時に同じように感じてくれたこと驚き、また、嬉しく感じます」と感想を述べました。プレゼンが終わった後、交流会が行われ、学生らにはたくさんの言葉が寄せられました。BtoBばかり考えて最終のお客さんを見ていなかった、学生さんの提案を参考に考えたい、などの言葉や、ぜひワークショップを実現して欲しい、うちでもやりたい、といった嬉しい感想もいただきました。 「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」の展示は、2023年1月29日(日)まで行われます。ぜひご覧下さい。 現地視察 展示オブジェ制作 搬入・プレゼンテーション 現地視察 多治見モザイクタイルミュージアム 丸美陶料株式会社 杉浦製陶株式会社 長江陶業株式会社 展示オブジェ制作 搬入・プレゼンテーション

2022.9.6

2022年前期「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」古川美術館・分館爲三郎記念館ミュージアムグッズを展示

 「今回のお話は、昨年の『KOUGEI EXPO IN AICHI』を拝見し、学生さんたちの作品を観たところから始まりました。その後、卒業制作展にお伺いして米山先生、扇先生に案内していただき、そうした交流を続ける中で米山先生から古川美術館で学生がなにかできるようなことがあればと、お声がけをいただきました。ちょうど美術館としても愛知県下の芸大と係わっていきたいと模索していたこともあり、今回の『デザインプロデュース』をご提案はいいタイミングでした。  作品ができあがってみると、それぞれにバラエティに富み、古川美術館・爲三郎記念館にこんなにも色々なイメージがあったんだと、とても新鮮に感じています。私たち学芸員にとっては日常となっている場所ですが、初めて来た学生、とりわけ異なった文化を持つ留学生の人たちからの視点の新鮮さが印象的です。キャラクターの作品では、これほどたくさんの種類、しかも思いもよらない視点があり、なるほどと感心させられました。自分たちでは気が付かなかった色々な魅力を引き出す扉はまだいっぱいあったんだと気付かされた思いです。  個人的には、ムジュムジュ様がお気に入りです。「夢寿夢寿(むじゅむじゅ)」というあんこを黒砂糖の羊羹で包んだ爲三郎記念館オリジナルの和菓子があるのですが、そのお菓子が精霊になった、という設定でキャラクターになっています。お菓子のとおり丸くて黒いキャラクターですが、そこに個性があふれていて面白いと思いました。お菓子がキャラクターになることや性別もあいまいで抽象的ですが愛着がわきます。これまで美術館ではキャラクターなどを作っていませんでしたが、今後、ワークショップなどで子どもの案内役にも活躍できるのではないかと考えています。じつは、このチームの学生さんたちが美術館へ来て、こういうキャラクターは受け入れられるか聞きに来てくれました。半信半疑だったと思いますが、否定してしまうと何も産まれないので、そのまま突き進んでもらいたいなと考えましたが、良い結果になったと思います。」  「今回の授業では、中間と最終の2回のプレゼンテーションがありましたが、中間プレゼンテーションのときに『今の学生の皆がいいと思うキャラクターを提案してくださっていますが、それが10年後またこの美術館に来てくれたときにいいなと思えるようなものであれば、とてもありがたいです』という言葉をいただきました。今新鮮に感じるアイデアと長い時間に耐える普遍性、この2つの要素をもう一度考えることになり、学生にとって勉強になったと思います。バランスを取ることが難しく、チームによって考え方も分かれました。中には、採用されなくても自分たちで納得のいくものを提案しようと考えるチームもあり、作品がより深いものになったように思います。また、デザインという領域は、採用されたものだけが表に出て、採用されなかったものは表に出てきません。今回、すべてのプロセスを展示してもらえたことが学生にとっては本当に良い経験になったと思います。展示の話を聞いて学生のモチベーションも大きく上がりました。一般の方々からご意見をいただけることも貴重です。」  「デザインプロデュース」の授業は今回で4年目になります。今年は大学院の「地域プロジェクト」と合同授業の年でもあり、授業登録者数が48名と今までで最多となりました。学生に受講理由を聞くと、『美術館との関わりに興味がある』『自分のデザインがミュージアムグッズになる可能性がある』などで、芸術大学が美術館と協働プロジェクトを行う有効性を感じました。デザイン領域の学生だけではなく、美術領域の学生、留学生も多数受講したので、バックグラウンドが異なる学生たちのグループによる多様性のあるプレゼンテーションになりました。今後も社会と学生が関わる場を作ることが出来ればと思います。」 2022年前期「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」 古川美術館・分館爲三郎記念館ミュージアムグッズを展示  デザイン領域 テキスタイルデザインコース 扇千花 教授とメタル&ジュエリーデザインコース 米山和子 教授による「デザインプロデュース」では、名古屋市千種区の古川美術館・分館爲三郎記念館のミュージアムショップで販売するグッズのプロデュースに取り組んできました。2022年7月20日に最終プレゼンテーションを終え、前期の講義は終了となりましたが、バラエティに富むアイデアをこのまま埋もれさせてしまうのは惜しいと、美術館のご厚意で、提案したアイデアを記したボードと試作品を2022年8月17日(水)~28日(日)の期間、爲三郎記念館にて開催された企画展「新発見 数寄屋の魅力」に合わせて展示していただきました。また、一部の作品はキーホルダーやシールとしてすでに商品化、実際にミュージアムショップで販売されています。  今回の展示とデザインプロデュースについて、古川美術館 学芸員 早川祥子さんにお話を伺いました。 古川美術館 学芸員 早川祥子さん(左)/メタル&ジュエリーデザインコース 米山和子教授(右)  担当教授からは、以下の感想をいただきました。 米山和子教授 扇千花教授  今回の成果として具体的な活用や商品化についてお伺いすると、「ネイルシールは、プレゼンのときから商品化できるという点で一番現実性が高かった作品です。それからコースターですが、すでに茶道体験で使わせていただいています。使い方に合わせてスタンプ帳にするなど内容をブラッシュアップして作っていただきました。今回、制作コストを考えてもらうなど、自分の作りたいものを作るという普段の課題とはまったく違う作業だったのではないかと思いますが、学生さんたちに色々と考えてもらえて良かったです。展示も含め、いい形で終えることができて、学芸員としてとても嬉しく思います」(早川さん)。  「デジタルツールが使いこなせることが学生の強みでもあります。工房で、使い方に合わせたものをすぐに制作していました。価格に関しても、学生にとって良い経験になったと思います。シビアな実践の場ですね。現実はそうなんだと少しわかったのではないかと思います。今後は、工芸分野で商品の提案ができるように考えていきたいと思います」(米山教授)。  展示は、早川さんをはじめ学芸員の皆さまによるもの。数寄屋造りの建築と相まって、作品の完成度が増したように感じます。展示は2022年8月28日で終了となりますが、キャラクターグッズのミュージアムショップでの販売は続きます。ぜひ、お立ち寄りください。 「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」の過程はこちら

2022.8.4

2022年前期「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」古川美術館・分館爲三郎記念館ミュージアムショップ事業 ミュージアムグッズの提案

2022年前期「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」 古川美術館・分館爲三郎記念館ミュージアムショップ事業 ミュージアムグッズの提案 中間発表会 最終プレゼンテーション  デザイン領域 テキスタイルデザインコース 扇千花 教授とメタル&ジュエリーデザインコース 米山和子 教授による「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」は、デザイン・美術を工芸の観点から地域の産業と人をつなげ生活を豊かにするものを考え制作するという講義で、名古屋市千種区の古川美術館・分館爲三郎記念館のミュージアムショップで販売するグッズのデザインプロデュースを行います。  2022年4月に、学生らは古川美術館を訪れ、美術館の成り立ちや古川爲三郎氏についての知識を深め、実際にミュージアムショップで販売されているグッズなどを見学しました。それらに基づいてアイデアをまとめサンプル品を制作、6月に古川美術館を運営する公益財団法人 古川知足会の皆様をお招きし中間発表会を行いました。学生たちのバラエティ豊かなアイデアやデザインを高く評価していただきましたが、実際に商品を販売しているプロの視点から、コスト面、安全性、流行の変遷、意匠の問題といった観点から継続可能か、という問いかけがあり、結果として制作費用の明確化と想定する販売価格と合わない場合はコストカットのアイデアが課題として残りました。また、販売期間においても、常設するものに加え期間限定で販売することも選択肢としてあり、それらのアイデア出しも課題となりました。  これらを受けてアイデアをブラッシュアップ、2022年7月20日、いよいよ最終のプレゼンテーションが行われました。今回は、古川美術館・分館爲三記念館の学芸員の方々に加え館長代理兼事務局長 伊藤洋介氏にもお越しいただき、一層、熱の入ったものになりました。  学生らは9つのチームに分かれ、制作したサンプルをお見せしながら、スライドやボードを使い自分たちの企画を説明しました。この授業は、領域に関係なく履修できるものであり、チームにはさまざまなコースの学生、大学院生、留学生と専門や立場が異なる学生が含まれており、それぞれが得意分野で貢献しているようで、成果物としてもグッズはもちろん、パンフレット、チケット、包装パッケージなど、いろいろなところで活用できるロゴマークやキャラクターのデザインといったような幅広いアイデアが提案されました。グッズに関しても、焼き物をベースにした工芸的なものから、キャラクターを活用したキーホルダーや缶バッジ、トートバッグ、さらに古川美術館の収蔵品をモチーフにしたネイルシールなど、幅広いサンプルが制作されました。学生らは、中間発表で指摘を受けた製造原価についても考慮し、中には複数の製造メーカーに相見積もりを依頼しその結果を資料に盛り込むチームもあり、そのまま企業の企画会議になりそうな非常に実践的なプレゼンテーションとなりました。製造原価や販売価格など、これまで携わったことのない分野への考慮も必要になり、苦心したことが伝わります。  結果としては、パンフレットなど現在も使われているものに置き換えるものや、チケットなど使用に関して役割があるものなどは調整が必要で直ちに採用することは難しいものの、限定商品やこれまで扱っていなかった商品は前向きに検討したいとの評価がありました。ことに、美術作品をモチーフとしたネイルシールと数寄屋造りの建築からかたどられた陶磁器の作品は、価格の設定を含め高い評価をいただきました。  伊藤氏からは「熱の入ったプレゼンテーションをしていただき、また、こうした機会をいただいたことに感謝申し上げます。学生の皆さんには、売り込むことの大切さを感じていただけたのではないかと思います。皆さん非常によくできていたと思います。難しい課題だったと思いますが、とてもよく頑張ってくれたチャレンジ精神を嬉しく思います」と評価いただきました。  当初、採用作品を古川美術館に展示することが考えられていましたが、バラエティに富むアイデアがあり、このままでは惜しいとの声もあり、嬉しいことにすべてのチームのプロセスボード、試作品を、8月17日(水)~28日(日)に開催する為三郎記念館 特別展示 「新発見 数寄屋の魅力」に併せて展示していただけることになりました。 特別展示については、古川美術館ホームページをご覧ください(画像をクリック)  デザインプロデュースの成果を、古川美術館・分館爲三記念館にて、ぜひご覧下さい。また、実現可能なものをぜひ商品化したいとの要望もあり、古川知足会でさらに検討することになりました。商品化も含め、非常に楽しみな講義となりました。 中間発表会(2022年6月15日) 最終プレゼンテーション(2022年7月20日)

2021.10.31

名古屋東急ホテル 「芸大生の〈Show Case〉」 日本画コースが作品展示

名古屋東急ホテル 「芸大生の〈Show Case〉」 日本画コースが作品展示  主催 名古屋東急ホテル、協力 CBCテレビ、CBCラジオ、名古屋芸術大学、愛知県立大学、名古屋造形大学による展示会「芸大生の〈Show Case〉」が2021年9月から開催されています。「芸大生の〈Show Case〉」とは、名古屋東急ホテル2階レストランフロア廊下の6つの展示ブースに芸大生の作品を展示する企画です。本学を含む県内の3つの芸大生の作品が持ち回りで展示されることになります。9月はスタート月ということで各大学から2作品ずつ展示し、本学からはアートクリエイターコース 松岡真矢さんメタル&ジュエリーデザインコース 濵上純華さんの作品が展示されました。10月から3ヶ月間は本学の順番となり、10月は日本画コースの作品を展示することとなりました。大学院2年 三柳有輝さん、4年 市川夢乃さん、佐野七海さん、3年 新井謙成さん、竹内亜美さん、早瀬葵さんの6名の作品が展示されています。  2021年9月30日の夕方搬入を行いました。設備の整ったギャラリーなどはない初めての展示場所に戸惑うこともありました。ガラス張りのショウケースの中に飾られるため反射が気になり、照明が電球色で場所も固定されているため思うように光を当てることができません。額のアクリル板を外したり、作品の位置や角度を微調整するなどして対応しました。制作の難しさとはまた別の展示することの難しさ、作品の意図を明確に伝えることの難しさを実感したのではと思われました。  工夫してなんとか作品を設置し終えると、学生からは「こうした場所で展示することは初めてで、すごくうれしい」「額装して飾ってみると違う作品に見える、自分の作品の新たな面を発見したような気持ちです」など、満ち足りた様子の声が聞かれました。  名古屋東急ホテル マーケティング マネジャーの染谷健二さんは、「これまで企業の宣伝ブースとして使っていた場所ですが、アート作品に変わるとでこれほど華やかになるのかと驚きました。ご協力いただき感謝しています。足を止めて作品をご覧になるお客さまを見かけることもあり、反響が楽しみです」とお話しくださいました。  日本画コースの展示は2021年10月末まで、名古屋東急ホテル2階レストランフロア 「なだ万」-「南国酒家」間通路のショウケースとなります。一般の方もいつでもご覧いただけますでの、ぜひお越しください。

2020.12.4

あま市七宝アートヴィレッジのデザインプロデュースを行いました

あま市七宝アートヴィレッジのデザインプロデュースを行いました  今回のプロジェクトは2019年度の北名古屋市の翔龍念珠堂とのコラボに続く、扇千花教授と米山和子准教授による「デザインプロデュース」授業の2回目で、世界的に評価の高い“尾張七宝”の情報・文化の発信拠点である「あま市七宝アートヴィレッジ」のデザインプロデュースを行いました。  プロジェクトの成果物は、2020年11月27〜29日に行われたあま市主催の「尾張七宝新作展」の期間にアートヴィレッジで発表・展示されました。 デザイン領域内でコースを横断して20名以上の学生が参加  「デザインプロデュース」授業のテーマである「大学近郊のクラフト特産品をどうプロデュースしていくか」という命題に加え、今回は「来館者数を増やしたい」「七宝焼を若い世代に広めたい」という七宝アートヴィレッジさんからのオーダーに応えるべく、大学や院から、デザイン領域内でコースを横断して20名以上の学生が参加しスタートしました。 コロナ禍で学ぶ「SDGs」「尾張七宝の文化」  対面授業自粛期間中も授業を工夫、「エシカル消費」についてフェアトレードで著名な原田さとみ氏による講義や、加藤芳朗氏(尾張七宝 伝統工芸士、加藤七宝製作所3代目代表)による「工房のバーチャル体験」等、有意義な講座をオンラインで提供。学生も各自プロデュースのため、リサーチの努力を怠りませんでした。  6月に対面授業が再開してからは、アートヴィレッジさんにご協力をいただきながら実体験中心の授業となり、実際に創る作業を見たり、歴史も知った上で、現在どのようなものが売られているかを確認したりして、若い感性で「もっとこうしたらいいのでは」といった意見交換をチームで行い、プロデュース案を練り上げていきました。 最終プレゼンの結果、4名の学生からの2つの提案が採用  授業の最終日にはアートビレッジの小林弘昌館長に本学までお越しいただき最終プレゼンを行い、あま市に持ち帰って検討して頂いた結果、4名の学生からの2つの提案が採用されました。  最終プレゼンには私も参加し講評もさせていただきました。  若い学生さんならではの、私達では思いつかないというか、避けて通ってしまうような、柔軟で斬新な発想がよかったです。採用したぬりえや擬人化キャラクターのアイデアも、流行の知識や発想は私達に全くなかったわけではないのですが、それを「試しにやってみる」ためのスキルや「やってみよう」とするエネルギーが芸大生らしく、とてもすばらしいと思います。  その他の企画もすぐに実行できるものばかりで、名古屋芸大さんとのコラボは正解だったな、と満足しています。 小林館長に伺いました 採用プレゼン紹介 七宝ぬりえはがき  はがきの表面には作品の簡単な解説文がつき、自分で着彩することで作品への理解と愛着が自然と深まる。1点1点集めるためにアートヴィレッジへ足を運ぶのも大人の楽しみだ。11種類を提案して今回は6種類が採用された。 soh-yunping(ソーユンピン)さん インダストリアルデザインコース3年 岩田智代(いわたともよ)さん 大学院デザイン研究科デザイン専攻クラフトデザイン研究1年 中川知穂さん(当日不在) :有線七宝の工程を見学した時に、薄い金属線で模様を描く様子と、その出来上がりを見て、『この柄を線で表現したら美しいのではないか』と思いつきました 岩田さん :まず、出来上がりの作品の写真から『見所』の図柄部分を選び、画像ソフトをつかって立体から平面に形状を修正し、第1段階のトレース。そこからさらに表現を整理・省略して、ぬりえ用の柄としました」「今日、来ていない中川知穂さんですが、日本語でのコミュニケーションにハンデのある僕をフォローして日本語の企画書の文章を直してくれたり、チーム内の意思疎通を図る努力をしてくれて本当に助かりました ソーさん 七宝焼 擬人化キャラクター撮影用パネル映えスポット  単に、現在の流行というだけでなく、高尚なイメージが先行しがちな芸術作品の声を聴く、作者に思いを巡らす「鑑賞眼」をもつきっかけを子供達に与えられそうなアイデア。  撮影用パネル映えスポットは、岩田智代さんと山田未来さん、解説ボード(七宝展示ケース内)&パンフレットは山田未来さんと稲山朝香さんが担当。 山田未来(やまだみく)さん イラストレーションコース4年 稲山朝香(いなやまあさか)さん メディアデザイン(MMD)コース4年 :パンフレットを作りたい私と尾張七宝のキャラクターを作りたい山田さんのアイデアをまとめて擬人化キャラクターのパンフレットをつくりました 稲山さん :展示作品横にこのキャラクターを使った解説ボードを設置します。アートヴィレッジさんのご協力もいただき、作品解説文を簡略化。稲山さんが個性豊かなセリフにアレンジした『自己紹介』になっています。キャラクターの等身パネルを館内2箇所に設置。SNS『映え』るスポットを設けることで集客を狙います 山田さん  同新作展では、本学メタル&ジュエリーデザインコースが2019年度から取り入れた「尾張七宝」の授業で創った帯留めを中心とした七宝作品や、同じ「尾州」の伝統文化としてテキスタイルデザインコースによるウール織り作品など、学生の自由な発想と産地の確かな技術が融合したすばらしい作品が展示されました。