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2023.11.10

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催  Art & Design Center West / Eastにて、2023年10月28日(土)~11月13日(月)、先端メディア表現コース特別客員教授 anno lab(あのラボ)(藤岡定、井原正裕、岩谷成晃、うさみたけし、遠藤舜、金スルギ、須藤史貴、田中喜作、長野櫻子、西村元晴、船津文弥、村上ヒロシナンテ、吉田めぐみ)による企画展「あのラボのいろいろ展」を開催しました。  anno labは、福岡を拠点に活動するクリエイティブ・ラボで、学術研究員、アニメーション作家、ゲーム開発者、広告代理店勤務、映像ディレクター等の経歴を持つメンバーが集まるクリエイター集団。それぞれの専門を生かしながらさまざまな領域を横断して作品を制作、美術館や科学館、芸術祭などで発表する作品、広告や舞台演出などの商業的な分野でも活躍しています。  今回の展示は、福岡県外での初めての個展となり、これまでのanno labの活動を紹介し、作品を体験できる内容となっています。  設営を終えた2023年10月27日夕方に内覧会が行われ、先端メディア表現コースの学生を中心に一足先に展示を見学、続いてコロナ禍を経て4年ぶりとなったレセプションパーティーが開かれました。  Art & Design Center Westでは、いつもの展示方法をガラリと変え、新たな壁を設けて通路を設置、動線を作った展示となっています。いたるところに作品が所狭しと並べられ、いちばん奥に当たる部屋にArt & Design Center Westの1/10のミニチュアを設置、そこで初めて展示についての説明があります。まずは作品に触れることが優先され、意味や鑑賞のしかたを考えながら体験する仕組みのようです。  今回の展示について、メディアデザインコースの卒業生でプロジェクトマネージャーを務める吉田めぐみさんに伺いました。  「この展示は、完成したものを受け取るというのではなく、一見あまり深い意味がなさそうなものや、なんだかよくわからないけど触ってみたくなるものを置いてみて、見る人それぞれに触ってもらおうと考えて作っています。特にギャラリーでの展示となると鑑賞という受身のスタイルになりがちですが、私たちはお客さんとキャッチボールできるような作品を考えています。  2023年6月に特別講義を「日常のとなり」というテーマで実施して、anno labの活動を話しながら、日常の中にちょっとしたクリエイティブを取り入れることで楽しくなる話をしました。そこで募集した有志の学生や、講義を聴講していた卒業生も展示に参加してくれています。  anno labの作品も学生の作品も先入観なく体験して楽しんでもらって、展示の後半に作品の説明がわかるようにしました。  作品によってはケーブルも出したまま、雑然として未完成のように見えるものもありますが、それは今まさにanno labメンバーが創っているような感覚を抱いて欲しいと、あのラボの空間をなるべく持ってきました。作品のコンセプトがしっかりしていれば、雑然としたアウトプットでもいいと受けとめてもらえたらいいですね。」と、なにより作品を楽しんで欲しいとのことでした。また、Westの展示を見て面白いと感じたならば、ぜひ東キャンパスの展示も楽しんで欲しいとのコメントもありました。  4年ぶりに開かれたレセプションパーティーは、あのラボのメンバーとさまざまな領域の学生が参加し交流を楽しみました。作品について質問する学生の姿も見られ、盛況なパーティーとなりました。

2023.11.1

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示  2023年10月5日(木)、6日(金)の2日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたに、株式会社パームホルツ様とスペースデザインコースがコラボレーションし、自由に組み合わせて使う家具を提案、試作品とモデルを展示しました。 「あいちモノづくりエキスポ 2023」  (株)パームホルツは、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を材木の代わりとして再利用する事業を進める企業です。素材としてしてのOPT(オイルパーム樹幹)の魅力を広く知ってもらうためスペースデザインコースとコラボレーションし、2018年から活用法について取り組んでいます。そして来年度マレーシアに工場を建設、本格的にOPTの生産を開始するにあたり、今回のあいちモノづくりエキスポ 2023への出展となりました。  取り組みの当初スペースデザインコースでは広くOPTを知ってもらうため、公共のスペースに置くことのできるベンチなどストリートファニチャーを提案してきましたが、今回は部屋に置ける家具「Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-」(多田陽菜さん、高野萌さん、伊藤大翔さん、平田賢さん、望月梨帆さん、山田愛美さん)の提案となりました。Ka-Na-Fuは、古語のかなふ(叶ふ)を意味し、思い通りになることを表現しています。それ自体を複数組み合わせ好きな形にしたり、オプションの小さな箱や仕切りを加え自由に使うことができます。ブースではKa-Na-Fuの試作品を中心に、これまでの取り組みとして2018年からのコンセプトと提案、モデルもあわせて展示してしました。さらに今回、(株)パームホルツの展示ブース全体も学生がデザインを行いました。 2018 おいしい家具はじめました -香りを楽しむ家具- 2019 Partition Furniture -空間を楽しむ家具- 2020 Sink Chair -動きを楽しむ家具- 2021 Sound Bench -音楽を楽しむ家具- 2022 Reversible Chair -色を楽しむ家具- 2023 Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-  取り組みの背景を、担当する西岡毅 講師に伺いました。  「パーム材の魅力を知ってもらうためいちばん興味を持ってもらうのはどんなものだろうと考えたとき、ストリートにあるものよりもむしろ身近なものではと、これまでとは異なった考えで進めてみました。自分の好きなものを置いてみたり自由にカスタマイズしたりして使うことで、愛着が湧き素材の魅力を感じるような家具です。ストリートファニチャーの場合、学生たちの提案がどうしてもベンチなど単純な形になってしまいがちで、これまでで良いアイデアがかなり出てしまっていることもあります。工場を作られるということで、今後、実際に生産してく流れを考え、そうしたことにも対応したしっかりしたものを提案したいと考えました。プロダクトとしてアイデアが世に出るまでどんなに短くても2〜5年ほどかかってしまうこともあります。これまでの提案を含めて展示し、実物としては今年の作品を展示、今後の実用化につなげていければと思います」。  (株)パームホルツ 福山昌男 取締役は、「まだ確定していない部分がありますが、来春にはマレーシアで生産を行い、拡大していく計画です。その中で大学の先生、学生の皆さんの作品でより具体的に素材をPRしたいと思います。マレーシアでは家具の生産が拡大、輸出も増加しています。日本の技術を使いマレーシアの材料を使って作り、いずれは世界中で販売する。10年ほどかかるかもしれませんがそんな計画を立てています。長い目で見て、大きな可能性を秘めていると思っています」と抱負を語りました。  今後、2023年12月に東京ビッグサイトで行われる「先端材料技術展2023」に出展予定、さらに試作品を増やしての展示を予定しているとのことです。

2023.10.18

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力”を再発見!」で作品展示

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力"を再発見!」で作品展示  先端メディア表現コースは名古屋市科学館とコラボレーション、ナディアパークの協力で「メディアデザインの力で"科学の魅力"を再発見!」と題し、2023年9月30日(土)、10月1日(日)の2日間、学生が制作したメディアデザイン作品を名古屋市科学館 生命館地下2階 サイエンスホールにて展示、作品の一部が、2023年10月10日(火)~15日(日)まで、ナディアパーク2階 アトリウムでも展示されました。  このイベントは、作品を通して来場者に科学の魅力を再発見してもらおうというもの。PCを使ったプログラミングの作品、立体パズルやカードゲームなどの立体作品、音を使ったインタラクティブな作品、進化や科学の不思議を扱った映像作品など、さまざまな作品が展示され、来場者は実際に動かして遊ぶことができます。  名古屋市科学館からは、科学館にある展示品をメディアデザインの力でより興味を持ってもらえるように、子どもたちの興味を惹くようにしてもらいたい、というオーダーがあり、事前に学芸員の方に科学館の展示について講義していただきました。講義を参考に学生らも科学館を訪れ展示を確認して作品を構想、それぞれに興味のある展示のエッセンスを作品に落とし込みました。  名古屋市科学館での展示日は、工作・実験を通じて科学を学ぶ「青少年のための科学の祭典2023・名古屋大会」も開催され入館料が無料ということもあり、多くの子どもたちで賑わいました。来場者に作品を説明したり遊んでもらうなど実際にコミュニケーションすることも学生たちにとっては初めてのことです。笑顔で子どもたちに対応する学生の姿が印象的でした。 先端メディア表現コース 加藤良将 講師  このような機会をいただいて感謝しています。先端メディア表現コースの学生にとってこうした場での展示は初めてのことで、とても良い経験となりました。理系の学生もけっこういますので、テーマに興味を持って取り組めたと思います。多種多様な作品になっていて、とても面白い展示になったのではないでしょうか。映像が得意な学生、アニメーション、化石……、それぞれに自分の好きなテーマと自分の表現、伝えたい科学をミックスして作品を作っています。事前の講義や科学館をリサーチした上で作っているので、より深められたのではと思います。 会場:名古屋市科学館 海に生きた骨たち 3年 平松咲希さん 「海の恐竜、正確には海生爬虫類といいますが、それをテーマにしたパズルを組み立て、完成したパズルをカメラで読み取るとその恐竜の説明が表示されるという作品を作りました。説明に加え、どれくらいの大きさだったのか人間の大きさと比較できるアクリルスタンドも制作しました。科学館の2階の化石の展示が好きで、化石と恐竜の骨で作品を作りたいと真っ先に浮かびました。私の推しは、モササウルス。1番カッコイイと思います(笑)」  会場では、明かりの具合からか画像認識が上手くいかずひやっとする場面もありました。調整を繰り返して動作するようになるとほっとした様子で、実際に展示することの難しさを感じさせました。 ペンデュラムアートをやってみよう 3年 木下朋香さん 「ペンデュラムアートという振り子を使った美術を体験してもらおうというワークショップです。実際にやってみて、できた作品を家に持ち帰ることができたら楽しいなと考えました。普通の絵の具だと乾きが遅いので、早く乾くいて持ち帰ることができるようにインクに揮発性の高いアルコールを混ぜ工夫しました。キャンバスも素材をいろいろと試行錯誤して選びました」  混ぜて好きな色が作れるよう複数のカラフルなインクを用意したりと、汚さないように養生したり、大掛かりなものとなりました。ワークショップの人数が限られるため、家で同じようにペンデュラムアートを再現できるマニュアルをパンフレットにするなど細やかな配慮もあり、楽しい作品となりました。 会場:ナディアパーク

2023.10.16

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示  2023年10月9日(月)、名古屋市で開催された自動車のイベント、(コッパ・チェントロ・ジャポネ)にヴィジュアルデザインコース、カーデザインコースが参加、ポスターとポートフォリオを展示しました。  COPPA CENTRO GIAPPONEは、久屋大通公園でのクラシックカーの展示 Concorso d'Eleganza(コンクール・デレガンス)を中心とする、全国でも珍しい都市型のクラシックカーのイベント。今年の展示は、名古屋の姉妹都市であり同じく自動車産業が盛んなイタリア トリノで生まれたクルマ、今年100周年を迎えたル・マン24時間レース、そして現代のエコカーにも通じる最小限の機能に絞った小さなクルマ、と3つのテーマでクルマが集められました。さらに、名古屋中心部をめぐるパレードラン、オアシス21では学生ブースが集められ学生が製作したフォーミュラカーや電動カートの体験、展示と、クルマ一色の盛りだくさんのイベントです。 COPPA CENTRO GIAPPONE 2023  このイベントのポスターをヴィジュアルデザインコースの学生が制作したことはですが、これらの作品がオアシス21に飾られました。また同じ場所で、カーデザインコース4年生のポートフォリオも展示。イベントに花を添えました。  大会ポスターは、最優秀賞の黒木里帆さんの作品のほか、入賞の池田琴葉さん、真田遥佳さんの作品も展示。当日は、黒木里帆さんもご家族と一緒に見学に訪れイベントを楽しみました。  ポスターの展示にあわせ、カーデザインコースでは4年生 小野田亘佑さん、佐々木貴啓さん、長友玲人さん、松下滉輝さんのポートフォリオを展示、ボランティアとして7名の学生がイベントに参加しました。COPPA CENTRO GIAPPONEは、参加者に自動車関連企業に携わる方も多く、展示されたポートフォリオの頁を熱心にめくる方も見受けられました。 また、久屋大通公園でのクルマの展示に、デザイン領域 助手 後藤晃世さんのご家族が所有するホンダ シティ カブリオレ(ソフトトップとフルオープンボディをピニンファリーナ社が担当、トリノ関連のクルマとして)を出展、彩りを添えました。  ボランティアの学生らも交代で展示車両を見学、秋の日を大いに楽しみました。

2023.10.11

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示  2023年10月5日(木)~7日(土)の3日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたで、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」で学生が制作した作品を展示しました。このプロジェクトは、美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり、佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するというもの。アート作品を通して、佐久島の環境と問題について広く知ってもらおうというプロジェクトです。5月の佐久島視察に始まり、9月に最終のプレゼンテーション、さらにブラッシュアップして今回の展示となりました。 「SDGs AICHI EXPO 2023」  今回の展示は西尾市が主体で、会場の中の自治体エリアでの展示となり、限られたスペースのためすべての作品を展示することができません。プロジェクトを運営する西尾市 佐久島振興課 三矢由紀子さん、東海テレビプロダクション クリエイティブセンター ディレクター 中山篤史さんのお二人に作品をセレクトしていただき、設営もお任せする運びとなりました。自治体エリアの他の展示は地域の特産品が多く、アート作品を展示する佐久島ブースは一味違うユニークな存在となりました。  作品の選択について伺うと、「今回、発表の場所がイベント会場ということもあり観光客も多く来場されます。そんな中、美術館に置いてあるようなものよりも、親しみやすさや入り込みやすさということを考えました。そこで、まず触ることのできる作品『はぐくみくん』(美術総合コース 2年 宮池莉菜さん作)を前面に置き、お客さんにも『どうぞ触って下さい』と声をかけています。触っている間にごみの話をし、特にごみ自体は悪くないというコンセプトを伝え、他の作品へ誘導する、そんな流れの展示にしました。難しいデータを見せなくても、なにか感じるものを伝えることができる、アートの力を感じています」(中山さん)。  「アート作品として単純にかわいい、きれいがあり、その裏にはこうした環境に対するテーマがありますと説明しています。佐久島の問題について、まず知ってもらうことが大切だと思います。これまで佐久島での活動は、人員が足りなくてボランティア活動というか、外部の人に来ていただいてやってきました。それをこうした機会にアピールして上手く広げられればと思います。来ていただいた方がまた来たいと思えるような、今度は私たちがこれまで来ていただいた方たちに恩返しというか、おもてなしをしていけたらと思っています」(三矢さん)、と展示に手応えを感じているようで安心しました。  取材当日は、平日ということもあり出展の関係者が多くいらっしゃいましたが、しっかりと作品の背景まで見て説明を受けるお客さまが多く見られました。企業の方、環境省の方にもしっかり作品を見てもらい、取り組んだ甲斐があったとの声も聞かれました。町おこし的な出展が多い中、ごみ問題という社会問題を扱う出展は、SDGsの考えに即したものであり意義深いものなりました。  今後、作品は、2023年10月14日(土)に田原市で行われる「三河湾大感謝祭」、2023年11月18日(土)、19日(日)に東京で開催される全国の島々が集まる祭典、2023年11月23日(木)~12月10日(日)、佐久島へ渡る船乗り場近くの「佐久島ナビステーション(さくナビ)」にて展示されます 「アイランダー2023」

2023.10.1

石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会

石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会  2023年9月22(金)〜27日(水)、本学西キャンパス Art&DesignCenter Westにて「石塚硝子とガラス・やきものをめぐる展覧会」を開催しました。この展覧会は、2023年度前期授業にて工芸コースに所属する学生、大学院生が取り組んだの成果展となります。  あわせて会場には、2023年度前期に制作されたガラスの作品も一堂に介して並びました。 「ガラスとセラミック(ボーンチャイナ)を活用した素材の可能性を探る研究プロジェクト」  2023年度前期授業内にて工芸コース3・4年生、大学院生が中心となって取り組んだ、産官学協働プロジェクト「石塚硝子プロジェクト」の成果展を開催いたします。  名古屋芸術大学は、東海地区では唯一のガラス教育を行う教育機関として、ガラス工房開設から23年目を迎えました。工芸コースでは、陶による教育、ガラスによる教育を通して、アート&デザインの視点をもつ豊かな感性を拠り所とし、素材に触れながら世界とつながる方法を教員、学生がともに模索し、これからの社会に貢献・予見できる人材育成に取り組んでいます。  本プロジェクトを行う石塚硝子株式会社(以下、石塚硝子)は、本学が位置する北名古屋市に隣接する岩倉市に工場を持ち、日本では屈指のガラス素材を中心とした容器のメーカーです。さらにはガラス素材に限定されることなく、ガラス製造で培われた知識や技術を軸に他分野にも展開されています。またグループ会社である鳴海製陶株式会社(以下、NARUMI)は、ボーンチャイナを中心とした名高い陶磁器メーカーです。  本プロジェクトは、石塚硝子・NARUMIとともに、若い世代、同時代から発想し得る協働による試みを、新たな関係性を構築しながら未来への提案の可能性を探り、互いが位置するこの地域から産業と教育、社会とアートの両側面によって発信したいとの思いからスタートしました。会場には、「ギフト・おくりもの」をキーワードに、学生が各素材やそれらを取り巻く状況を鑑みながら、作品・商品・素材開発などの観点から制作した作品群が並びます。  また本プロジェクトの成果展に合わせて、2023年度前期に制作された陶・ガラス素材の作品群を一堂に介して展覧いたします。二つの素材をめぐって繰り広げられる表現の可能性をお楽しみください。 名古屋芸術大学 美術領域 工芸コース 准教授 中田ナオト ※'23年度名古屋芸術大学では、一部のガラス作品において石塚硝子株式会社の硝子材料を使用しています。 「石塚硝子プロジェクト」成果展 2023年度前期制作 陶・ガラス素材作品群..........

2023.9.26

佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」最終報告会

佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」最終報告会  2023年9月11日に本学西キャンパスにて、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」最終報告会を開催しました。このプロジェクトは美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり、佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するというプロジェクト。14名の学生と院生、さらにスタッフと卒業生も加わり、それぞれが制作した作品や試作品、アイデアのプレゼンテーションを行いました。  この制作のため、学生らは6月に一泊で佐久島を訪れ、漂着ごみを実際に見学、ごみ拾いを体験し、島の人に話を聞くなどリサーチを行いました。学生によっては再度佐久島を訪れ、作品に対して考えをさらに深めたり、それぞれに思い入れのある作品を2ヶ月で制作しました。  作品は、コミュニケーションアートコースらしく立体作品を中心に、平面作品や映像作品、さらに廃棄される「おひるねハウス」を再び活用するアイデアや、ごみ拾いを促すゲームやワークショップの提案など、バラエティに富むたくさんのアイデアが披露されました。立体作品は、漂着ごみを活用してプラスチックやシーグラスを使ったものが多く、美しさと同時に背景にある問題を感じさせるものとなりました。可愛らしいキャラクターを制作した作品でも作品の背景には影の部分があり、佐久島の美しい海や自然を感じさせると同時に、佐久島が抱える問題を感じさせるものとなっています。学生それぞれが、佐久島の現在を上手く捉え、それをアート作品に仕上げて問題提起を行っています。どの作品も、深みのあるものとなっているのことが印象的です。  西尾市 佐久島振興課 三矢さんは総評として「作品をすごく楽しみにしていましたが、本当に素晴らしいです。これらの作品を展示会でどう見せられるか、プレッシャーに感じています。島のごみ問題をこうやって伝えられることは本当に嬉しいです。展示を見に来てくれる人たちにどうやってつなげるか、大変なミッションをいただきました。それから、ごみ拾いをゲーム化するようなアイデア、ぜひ実現したいと思います。ご協力をお願いします」と高い評価をいただきました。  東海テレビプロダクションの中山さんからは「すごくいろいろな視点があり、見た人の興味を惹くようなアイデアもたくさんありました。じつは、今回、イベントで作品を展示するわけですが、お客さんは作品を見に来るわけではないので少し心配していました。でも、パッと興味を惹きつけるような、何だろうって思ってもらえそうなきっかけになる作品ができたと思います。インパクトの強い作品を中心に置きながら、それぞれの作品の思いが伝えられるような、そんな流れの展示ができたらと構想が浮かんできました」と展示について語られました。  松岡徹 教授からは「中間報告から良さそうな感じに思っていましたが、それぞれに自分の視点がしっかり出せていて良いと思います。このプロジェクトをきっかけに、自分の作品も変わっていくような期待がもてる学生も何人かいます。僕からしたら良いことずくめで、本当に良いプロジェクトになったと思います。今後、展示についてですが、飾りやすいようにこうして欲しいなど、要望を聞きながらブラッシュアップして下さい。この取り組みが最後にしっかりした形になるよう、もうしばらくの間かかわっていって欲しいと思います」と講評がありました。  プレゼンテーション終了後もう一度作品を並べ、学生たちと展示についてや作品の今後について、意見交換が行われました。作品はさらなるブラッシュアップを経て、2023年10月5、6、7日に愛知県国際展示場で開催されるの西尾市のブースで展示、さらに2023年11月18、19日に東京で開催される全国の島々が集まる祭典「アイランダー2023」にて展示されます。佐久島の今と社会課題を伝えるアート作品、ぜひご期待下さい。 「SDGs AICHI EXPO 2023」

2023.8.23

【工芸リレー】テキスタイルデザインコース「素材展」を開催

【工芸リレー】テキスタイルデザインコース「素材展」を開催  2023年7月14日から、西キャンパス Art & Design Center Westでは【工芸リレー】と銘打ち、工芸分野3コースの展覧会を開催しています。はじめに「CONNEXT2023 陶ガラス教育機関講評交流展」(工芸コース)、2023年7月21日からは「素材展」(メタル&ジュエリーデザインコース)、そして2023年7月28日から「素材展」(テキスタイルデザインコース)を開催、それぞれ前期の成果を展示しました。  テキスタイルデザインコースでは、2年生、3年生が前期の課題で制作した作品、4年はプレ卒業制作ということで卒展に向けての展示を行いました。これにあわせて、8月1日には2年生、2日には3年生の講評会が行われ、2年生の講評会にお邪魔しました。  2年生は、描画技法を学びモノクロで自然を表現する「図案制作」(シミズダニ ヤスノブ 客員教授が担当)、羊から毛を刈り取り、その毛を紡ぎ〜織り〜後加工をして布をつくりブックにまとめる「スピニング」(貝塚 惇観講師が担当)、繊維素材の実技として「フェルトメイキング」(扇 千花教授、木下 幸子 非常勤講師が担当)、染料を布を浸して染める技法の「浸染」(樫尾 聡美非常勤講師が担当)の4作品を展示。それらの作品を観つつ、専門コースではじめての授業を受けた学生に、前期の手応えと感想をヒアリングしました。  学生たちは、ひとりひとり自分の作品を指し示し、前期の課題についてやテキスタイルコースで学んだことの感想を述べました。「紙漉きや羊の毛刈り、染めも初めての経験で、新しい体験があった」「やったことのないことばかりで面白かったけど、それぞれに反省もある」「1年のファンデーションよりも精神的に余裕ができてしっかり取り組めた」「手仕事が好きで、テキスタイルコースに入ることができてよかった」と、手仕事の面白さを実感したという感想が多く聞かれました。また「映像系のコースに行きたくて立体は作ったことがなかった、自分にとって新しいチャレンジ」「絵画をやってきてデザイン的なことをやったことがなく難しく感じた」「ほかの人の作品を観ると皆自分の世界観を持っているように感じる、自分にはあるのかわからない」といったように作家的な志向とデザイン的な志向で、迷う学生も見受けられました。今回の講評会では、そうした方向性を見い出したり確認するために行われている側面もあり、講師陣は学生の作品を観ながら共通性と志向を探っていきます。学生がまだ自分でも気が付いていない、それぞれ作品の魅力を見つけ出していくような場となりました。  テキスタイルコースの課題のユニークな点として、使用する技法は決まっているものの、そこで表現するものには制限がないということが挙げられます。デザイン的に広く受け入れられることを考え制作する学生もいれば、自分の表現を模索するような学生もいます。これまでにもテキスタイルデザインコースでは、デザイン領域でありながら作家性の強い作品を制作する学生もおり、デザイナーとして活動する卒業生と作家として活動する卒業生の両方がいます。今回の講評会でも「自分の好きなことを受け入れてもらえて本当にうれしい」という学生もおり、十人十色、さまざまな作品が並びました。  また、実際に展示することの意味も考えさせられました。2年生にとって、今回が初めての展覧会。展示してそれぞれの作品を見せることもそうですが、展示作業にはじまり白い壁に展示して作品がどう見えるかを体験します。天井の高さや照明、展示空間の中で自分が思っていたこととは違う作品の姿を発見します。先輩の作品と見比べ、何年後かには自分もできるようになるだろうか心配になったり、自分のやりたい方向性を自覚したり、初々しい感想が聞かれました。  展示と学生の声からはたくさんの可能性を感じさせ、有意義な展示と講評会となりました。 講評会 プレ卒業制作 羊毛の紡ぎ〜織り〜仕上げ加工【2年生】 フェルトメイキング【2年生】 型染【3年生】 産学連携プロジェクト 尾州産地×名古屋帽子【3年生】 織物組織応用【3年生】 浸染【2年生】 図案制作【2年生】

2023.8.9

名古屋芸術大学×佐久島SDGsプロジェクト計画(仮)が始動 佐久島の自然・アート・環境課題について学びました

名古屋芸術大学×佐久島SDGsプロジェクト計画(仮)が始動 佐久島の自然・アート・環境課題について学びました  本プロジェクトの狙いは、アート作品などを通じて佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制に繋げようというものです。プロジェクトで生まれたアイデアや作品の発表は、同年10月5日~7日に開催される「SDGsAICHI EXPO2023」にて西尾市ブースの一部に出展された後、西尾市の会場など、を2、3か所で展示される予定です。  2023年6月24日から25日の2日間、本学の学生やOBで構成された選抜チーム15名が愛知県西尾市の佐久島に渡りました。  初日は佐久島西港から上陸、「弁天サロン」で西尾市の担当者さんから説明を伺った後に海ごみ拾いを体験、大浦沿いのアート作品を鑑賞しながら東港側に渡ります。  二日目は8時ごろから学生・スタッフで、筒島(弁天様の祀られている島)を見学しました。筒島の海岸もゴミが多く漂着しており、神様が祀られている場所としては少し心配になる様子でした。  10時からはレンタサイクルに乗り、島の西側から海岸線を走り、「北のテーブル」「ひだまり庵」「王様のイス」(松岡徹 教授作品)、「星を想う場所」(荒木由香里 非常勤講師作品)を見学しました。また、東港付近のアート作品や、「佐久島のお庭」(松岡徹 教授作品)を午前の時間を使って先生からの解説を聞きながら見学をしました。  午後からは「昼間の星」(荒木由香里 非常勤講師作品)を見学し、初日と同様に海岸を歩きながら、ゴミの清掃、素材の採取、リサーチなどを行いました。  潮が引いている時間帯だったので、丹梨の海岸からスタートし、新谷や男子岩のあたりの海岸を歩き、筒島へ続く道から上がってリサーチを終えました。 プロジェクトに参加した学生から、以下のようにコメントをいただきました  今回初めて佐久島に訪れてみて、漂着ゴミの多さに驚きました。  「アートの島」ということは知っていましたが、様々な環境問題を抱えていることや、佐久島を守る活動が行われていることも知ることができました。  海岸に行くと漂着ゴミがたくさんあり、ゴミ拾いをする中でよく目を凝らすと、目に見えないような小さなごみがたくさんあることに気がつきました。  砂と同じくらいの大きさのゴミは拾うことが困難であることから、海ゴミ問題の深刻さを感じ、もしかしたら自分の出したゴミも佐久島に流れ着いてしまっているのではないかと思うと、とても他人事とは思えませんでした。  これから、2023年10月に行われるイベントに向けて、ゴミ拾いが楽しくなるようなアイデアを考えて制作した作品を発表できることを楽しみにしています。  佐久島リサーチワークの中で、佐久島の素晴らしい部分もたくさん発見することができたので、ゴミ問題を知ってもらうとともに、佐久島を訪れたくなるようなものが制作できたらと思います。 私たちの出すごみが佐久島に!? 西尾市 佐久島振興課 三矢さんのお話  佐久島を所管する私共私西尾市では、「海ごみ」(漂着ごみ)―海岸漂着物の発生の抑制につながる活動に取り組んでいます。  皆さんは海ごみはどのように発生するかご存じですか?これから実際に海岸で海ごみを拾っていただきますが、海岸にはペットボトルや苗ポットなどの比較的軽いものが多いのです。これらは島の人が消費したものではなく、殆どは本土からやってくるごみなんです。  もちろん、本土の皆さんも周囲にむやみにゴミを捨てる習慣はないと承知していますが、ちゃんとゴミ箱に捨はずのゴミが、風に飛ばされて道に落ちて、雨が降って川にたどり着いて、それが海までやってくる・・・これは一つのケースですが、色んな経緯を経て愛知のごみが潮の流れで集まってきます。 佐久島より海ごみが深刻な三重県の答志島では雨が降る度に漁船が出港できなくなる程です。  私共もごみ拾いのボランティアさんのお手伝いをしたりビンゴカードなどで楽しくごみ拾いをする工夫をしていますが、一旦きれいになったはずの海岸が潮の満ち引きで元通りになってしまったり・・・。きりが無い状況です。佐久島のごみを減らすには、 本土に住んでいる皆さんがごみの始末の仕方をちょっと変えてもらうだけで、とても効果があることを多くの方に知っていただきたいです。  そこで今回は皆さんにお力をお借りして、アート作品などを通じて佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制に繋げたいと思います。 皆さんの得意分野を活かして 本学松岡教授からのアドバイス  私達の身の回りのごみを海ごみにしない効果的なアイデアや、佐久島をなかなか訪れることができない方にも海ごみの問題を知ってもらう広報動画など、海ごみを利用した作品に拘らないで皆さんの得意な事を活かした提案をお願いします。 作品は分割してコンパクトにすると有利 東海テレビプロダクションの中山さんからのアドバイス  今回の皆さんの作品は複数箇所の会場で展示をいたします。作品は分割してコンパクトに梱包できるようになっていると、遠方の会場へも躊躇せずお送りできので多くの方に作品をご覧いただく上でとても有利です。 佐久島振興課 三矢さん 島を美しくつくる会の皆さん 東海テレビプロダクションの中山さん。複数箇所の会場での作品展示でご協力いただきます 本学松岡教授

2023.7.31

スペースデザインコース「ほんとこどもの家具」展を開催

スペースデザインコース「ほんとこどもの家具」展を開催  東キャンパス Art & Design Center Eastにて、2023年7月21日(金)から26日(水)まで、「ほんとこどもの家具」展が行われました。この展覧会は、デザイン領域スペースデザインコース3年生によって制作された、子どもたちが本を読むための家具を展示するもので、毎年、実際に子どもたちが遊ぶことができるように公開され、ワークショップを訪れた親子が立ち寄ったり、クリエ幼稚園から遊びに来たり、多くの親子連れが訪れる人気の展示となっています。  学生たちは、図書館や公園で子どもたちの行動を観察し、その結果をもとにデザインを練り上げました。家具は、木材とスチールパイプにロープや布などを組み合わせて作られていて、学生たちは不慣れな木工やパイプの溶接にもチャレンジ、子どもたちが安全に遊べるようにしっかりとした作りとなっています。今年目立ったのは、チャンキーヤーンと呼ばれる肌触りの良い極太の毛糸を使った作品(chunkyは、分厚い、ずんぐりとした、の意)。ざっくりとした編み込みで手提げを作ったり、子どもが中に入ることのできる大きな作品を作ったり、いくつかの作品で活用されています。  また、展示にも工夫が凝らされています。作品の共通項に基づいて「ぬののしま」、「あみのしま」、「おとのしま」、「しょくぶつのしま」、「ゆかいなしま」の5つのエリアに分けられ、それぞれが違った遊びを提供しています。それぞれのエリアは色分けされ、また、使い方をイラスト化した説明も提示され、安全に遊べるようになっていて、楽しげな展示となりました。  学生たちは、展示の見どころや制作に込めた思いを説明しており、子どもたちの反応に期待を寄せています。例年であれば、名古屋芸大グループの認定こども園 森のくまっこから子どもたちを招くのですが、今年は猛暑のため見送りとなり、子どもたちに遊んでもらう機会が減り少し残念です。  今後は、学外での展示やワークショップが計画されており、子どもたちが家具を使って楽しむ機会を提供する予定です。清洲図書館では2023年8月5日(土)と6日(日)に、展示と絵本を楽しむワークショップが行われる予定となっており、また秋には森のくまっこへ作品を運び展示することも考えられています。展示会を楽しみたい方は、ぜひ足を運んでみてください。 あみしま おとのしま しょくぶつのしま ゆかいなしま ぬののしま