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2024.11.25

アートフェア「artists N,G,Y 2024 ~アート、今、未来~」を開催

アートフェア「artists N,G,Y 2024 ~アート、今、未来~」を開催  2024年11月20日(水)~26日(火)、松坂屋名古屋店南館8階 マツザカヤホール(美術画廊)にて、美術領域の学生、大学院生による展覧会「artists N,G,Y 2024 ~アート、今、未来~」を開催しました。  「artists N,G,Y 2024 〜アート、今、未来〜」は、「Next Global Youngsters(これからを生きる若者たち)」を基本理念に掲げ、芸大生を始めとする若手アーティストの社会進出によりアート市場の拡大及び名古屋(Na Go Ya)の活性化を志したプロジェクト。松坂屋名古屋店のご協力で、昨年から始まったものです。作品を鑑賞するだけにとどまらず、購入することも可能となっています。  昨年は日本画コースのみの出展でしたが、今年は、日本画、洋画、現代アート、コミュニケーションアート、工芸、美術総合と、美術領域すべてのコースからの出展となり平面作品だけでなく立体作品も展示されています。  初日の11月20日には、オープニングイベントとしてギャラリートークが行われました。  始めに、日本画コース 長谷川喜久主任教授から「このartists N,G,Y は、若い作家、学生が、ここをスタート地点として羽ばたいていけるような、そういう機会になればと思っています。同時に、学生がアートフェアに参加し作品を販売することができる、お客さまのお手元に作品を届けることができる、そういう形で支援をしていただける場にもなっています。今回は美術領域にある6つのコースから、さまざまな作品を展示させていただいております。気に入った作品も見つけていただければと思っております」と挨拶しました。  ギャラリートークには、大学院日本画1年 伊藤歩生さん(→作品)、田口果歩さん(→作品)、洋画コース4年 大澤綺さん(→作品)、2年 澤田萌菜子さん(→作品)、現代アートコース3年 嶋野文台さん(→作品)、花井和瑚さん(→作品)、大学院工芸2年 池田考作さん(→作品1/→作品2)、周維清さん(→作品)の8名が参加、それぞれの作品について来場者に説明しました。  訪れたお客さんからは「日本画だと思って観に来ましたが、立体作品もあり、びっくりしました。若々しいしバラエティがあって、作品を観て元気になりました」との声も聞かれました。購入しやすい価格に設定されていることもあり、オープン早々に売れてしまう作品もあり、盛況な展覧会になりました。

2024.10.31

名古屋芸術大学 ALPs × SLOW ART LAB「Edible Classroom 食の小さな循環 ~それぞれの農と小さな道具たち~」 開催

名古屋芸術大学 ALPs × SLOW ART LAB「Edible Classroom 食の小さな循環 ~それぞれの農と小さな道具たち~」 開催  デザイン領域では、2024年3月に名古屋市栄にオープンしたアートセンター「SLOW ART CENTER NEGOYA」と連携し、2024年10月20日(日)~27日(日)「Edible Classroom 食の小さな循環 ~それぞれの農と小さな道具たち~」と題し、名古屋近隣の農業にかかわる6組を取材、それぞれの農のありかたや食べる(料理する)人とのかかわりを調査、インタビューを冊子にまとめ、農をめぐる関係性を図示し使われている道具などを展示しました。  展示にあわせ2024年10月26日(土)には、食育活動を推進するエディブルメディア代表の冨田栄里さんをお招きし、エディブルメディアの取り組みや「持続可能な生き方のための菜園教育—エディブル・エデュケーション」の創造と発展をミッションとするエディブル・スクールヤード・ジャパンの活動についてお話しいただきました。  Edible Classroomでは取材・調査のほか、6月からSLOW ART CENTER NEGOYAの屋上で野菜作りも行っており、それらの報告も行われました。  担当するデザイン領域 小粥千寿准教授は、学生が食の生産者へのインタビューを通じて食の循環やデザインの役割について考えるプロジェクトと説明し、フィールドワークで実際に現場に出て人々と触れ合い生の声を聞く経験をすること、食への理解として小規模な生産者との交流を通じて生産から消費までの過程を深く理解し食の循環の大切さを学ぶこと、さらにデザインの役割として食に関する問題を解決したり新たな価値を生み出したりできることを実感することの3点を目標にしたといいます。最終的な展示の型式や道具に着目することなどはインタビューを重ねる中で次第に見えてきたもので、リサーチをしながらアウトプットを少しずつイメージしていく過程を実体験を通して学べたのでは、とプロジェクトをまとめました。  プロジェクトに参加、取材とリサーチを行った、ライフデザインコース3年 鴨下ゆうさん、長岡知里さん、メディアコミュニケーションデザインコース 3年 伊藤怜奈さんに取り組みと感想を伺いました。  「初めに取材が中心となると聞き、取材やリサーチみたいなことがやってみたかったので、軽い気持ちで参加しました。私は、普段スマホやモニターを見てばかりの生活をしていますが、家の周りや身近な場所で畑をやっている人がいます。これまでそれほどかかわりを持っていませんでしたが、とても興味がわきました。自分のことは自分でやるみたい考えがありますが、突き詰めると自分の食べるものも自分で作る、自分の生活を考えることに食べることも大きくかかわっているんだなとあらためて思いました。土に触ることはこれまでありませんでしたが、そうしたこともいいなと思うようになりました」(鴨下ゆうさん)。  「メディアコミュニケーションコースではなかなか取材するような機会は少ないと思い、私もフィールドリサーチをやりたいと参加しました。リサーチを始め、最初の頃は最終的にどんなアウトプットをすればいいか何も想像できないままでした。インタビューされる人も何が聞きたいんだろうというのもありますし、自分たちも何を聞き出せばいいのか手探りで、いろいろ考えながら進めて来ました。皆さん本当にいっぱいお話してくださって、まとめるときに広がりすぎたかなという反省があり、どの部分をクローズアップするかで苦労しました。プロジェクトを通して、野菜自体はすごく身近にあったんですけどその先の野菜育ててる人の考えに触れていなかったことに気が付きました。野菜や野菜作りを身近に感じるようになりました」(伊藤怜奈さん)。  「私は1年生の頃からフードドライブのボランティアに参加していて、 食に関するデザインとそのリサーチだと聞き、興味もあるしやってみたいと参加しました。取材することは初めてでしたが、取材に協力的な方がすごく多くて本当に助かりました。道具の展示を考えたのは、江南市のharutona farmに伺ったとき、林さんがキュウホーという除草器具がすごく良くてもっと広めたい、とおっしゃっていたのがきっかけです。小学生の頃は、芋掘り体験や野菜を育てたりすることを楽しく感じていたのに、中学、高校と上がっていくと農業イコール汚れることや虫がイヤみたいなことになっていくのはなぜだろうと考えました。農業にかかわる人に会い、実際にやってみると楽しいんですよ。一度離れて、大人になったら一周まわって楽しくなった、そうした道のりも楽しかったなと思います。たぶん、農業大学や農学部みたいに農に近い立場じゃないから気が付けたのではと思います。自分のステップアップにもなったように思います」(長岡知里さん)。  屋上菜園の野菜作りを行ったライフスタイルデザインコース 2年生の窪田晴さん、吉田優之介さんは、「うまく育っていくことのことに対して幸せを感じました。なんか嬉しいんですよね、ちゃんと育ってくれるのが。今、パプリカとかいっぱいなってますよ」(吉田優之介さん)、「野菜を作ったことなかったので、新鮮な感じです。普段スーパーで買ってたものがこうやって育つ、実際に食べることができることも面白いなって感じました」(窪田晴さん)と充実した表情。  トークイベントでは、エディブルメディア代表の冨田栄里さんに小粥千寿准教授がお話を伺う型式で行われました。  エディブル・スクールヤード・ジャパンの活動として米国カリフォルニア州バークレーにある「エディブルスクールヤード」の取り組みを基にして日本の学校で菜園作りや有機栽培の給食導入を支援していることを説明していただきました。また冨田さんは、ある参加者がバークレーで食育関連の活動に興味を持ち、映画『エディブル・シティ』を日本に紹介・翻訳する活動をしたいということで協力して始めたことなど、映画配給の経緯についてお話しいただきました。日本での上映は特にコロナ禍で再注目され、食の重要性や市民主体の持続可能な生活への関心を高める役割を果たしているといいます。映画やワークショップを通じ、地域のコミュニティガーデンでの野菜栽培や収穫を体験しながら、食の循環を学ぶ機会を提供し、学生への映画上映などで食育が次世代の教育にどう役立つかなどお話しいただきました。  最後に、デザインの力を活用し食や環境に関する意識を向上させることにも言及され、どんなメッセージを伝えたいかデザインというスキルで何を発信できるか、社会にかかわることを大事に考えて欲しいとまとめました。

2024.10.11

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアアートで科学のみりょくを伝えてみた!」開催

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアアートで科学のみりょくを伝えてみた!」開催  先端メディア表現コースは、名古屋市科学館、ナディアパークとコラボレーションし「メディアアートで科学のみりょくを伝えてみた!」展を開催。2024年10月5日(土)、10月6日(日)の2日間、学生が制作した作品を名古屋市科学館 生命館地下2階 サイエンスホールにて展示しました。  この2日間は、工作・実験を通じて科学を学ぶ「青少年のための科学の祭典2024・名古屋大会」も開催され科学館の入館料が無料ということもあり、多くの来場者が訪れました。作品は、PCを使ったゲームやクイズなどプログラミングの作品が中心ですが、VRゴーグルやプロジェクターを使ったマルチ画面など最新のガジェットを使ったものからカードゲームといったアナログの作品など、バラエティ豊かなものとなりました。  作品の一部は、2024年10月12日(土)~17日(木)にナディアパーク2階 アトリウムでも展示の予定です。ぜひご覧下さい。 先端メディア表現コース 加藤良将 講師  今回の展覧会は、名古屋市科学館、ナディアパークと連携する2回目の展覧会になります。授業の中にプログラミングがありそれを使った作品であったり、映像やカードゲームなどもあり、楽しいものになっています。昨年との違いとしては、前回は映像作品が多くありましたが、今回はプログラミングを得意とする学生が多く、操作して楽しむインタラクティブな作品が多いかなと思います。マウスを操作して進めて行くような作品が多く、対象となる年齢層が少し上がっているかもしれませんが、より深く楽しめる作品が増えていると感じます。VRゴーグルなど新しい機器を使った作品もありますが、実は僕は一切教えていなくて、学生が自主的に学習して制作したものです。作りたいものがあり、それを自分の手で作っていけている。このことがとても良かったと思います。 メタルガッチャ ~金属を学べるカードゲーム~ 森田隆太郎さん  金、銀、銅、鉄、アルミ、ニッケルなどの金属カードと、ハンマー、磁石、火炎など金属を変質させるアイテムカード、ステンレス(鉄+クロム)、青銅(錫+銅)などの合金カードを使い、自分や相手の金属カードを変質させてポイントを競うカードゲーム。  「周りがプログラミング作品ばかりでしたので、あえてアナログのゲームを作ってみました。小学生でもすぐに遊べるようにルールを簡素化して、わかりやすくするように意識して作りました。もちろんデジタル系のことも好きなんですけど、小学生の頃から図画工作というか手作業で作ることが好きで、今回の制作はやっていてとても楽しかったです」とのこと。実際に子どもたちが引っ切りなしにブースを訪れゲームを楽しんでいました。親御さんからも「これはどこで買えるの」や「ぜひ、販売して欲しい」といった声も聞かれ、笑顔で対応していました。 パンはどうしてふくらむの? 廣瀬美颯さん  PCとプロジェクターを使い2枚のモニターでパンを作りながらどうして発酵して膨らむかを解説する作品。遊ぶ人は電子ペンを手に、混ぜたりこねたりする動作をしてパン作りを体験します。電子ペンの操作を赤外線で認識し、もう一つの画面で説明を表示します。  「私はパンが大好きで、どうしてパンが膨らむのかをテーマに作品を作りました。手元の画面はプロジェクターで投影していますが、ペンの操作を認識して作業したりページがめくれるようになっています。プログラミングはあまり得意ではないのですが、先生に聞いたり調べたりしながら作りました。できあがって感動しました。実際に子どもたちも思った通りの反応をしてくれて、とても良かったです。保護者の方からは、どうやって動いてるの? と仕組みについても質問されました。たくさんの人に体験してもらえ、とても良い経験になりました」。 音の方向を感じてみよう 加藤陽介さん  VRゴーグルを使った作品。ゴーグルを装着すると現れる球体を手で掴んで動かします。球体の方向から音が鳴り、音の方向性を体験します。遠ざけたり近づけたりしても音は変化し、耳のすぐ近くに移動させると頭の中で音が鳴っているような感覚になります。  「初めて触ったソフトだったので制作は難しかったです。でも、思っていたよりもいいところまでできたかなと思います。最初はコントローラーで操作してもらうことを考えていましたが、ハンドトラッキング(ユーザーの手の動きをリアルタイムに検知・認識する技術)が使え、直接、球体を触ってもらうようにして気軽さができたのかなと思います。ハンドトラッキングまで作れると思っていなかったので、上手くいって良かったです。僕はVRのゲームとかあまり興味はなく、どちらかというと没入感よりも日常生活に入り込んで来るものに興味があります。スマホの延長線上にあり使えるもの、そういったものに作っていけたらと思います」とユニークな体験型のアトラクションを制作、子どもだけでなく大人も順番の列に加わり大人気となりました。

2024.10.8

テキスタイルデザインコース、尾州フェス「一宮モーニング」プロジェクト、本町通り商店街に設営完了

テキスタイルデザインコース、尾州フェス「一宮モーニング」プロジェクト、本町通り商店街に設営完了  テキスタイルデザインコースでは、一宮市から依頼を受け尾州産地の魅力をアピールするファッション・アートイベント「BISHU FES.」に参加、関連イベントである「まちなかアート展示」で、一宮モーニングをテーマにオリジナルテキスタイルを制作し一宮市本町商店街に展示します。  プロジェクトは6月にスタート、参加する学生は織物で作品を制作するグループと編物(ニット)で制作するグループの2つに別れ、織物は中伝毛織株式会社、編物は宮田毛織工業株式会社にご協力いただき(どちらの企業にもテキスタイルコース卒業生が在籍、多くのアドバイスをいただきました)、打ち合わせを繰り返し、制作を行いました。 過去の記事はこちら 「一宮モーニング」プロジェクト、キックオフ 宮田毛織を訪問、工場見学、生産打ち合わせ  中伝毛織で制作した織物作品は、兼松暖奈さん「心に火の灯る間」、柴山茉莉奈さん「もーにんぐ・さんど」、内田純平さん「コーヒーからの進化」。宮田毛織の編物作品は、清水咲和さん「もぐっ」、川松紗彩さん「Yippee」、荒木望那さん「Olu Olu」。しっかりした厚みと手触りに深い色合いが重厚な織物作品、カラフルでポップなパターンから楽しさがストレートに伝わる編物作品、それぞれの異なったテイストも見どころになっています。  展示にあたり、テキスタイルデザインコースの扇千花教授に伺うと、大きな作品となるため大学で事前に何度も実際に作品を吊してみて見え方を確認してきたとのことですが、実際の展示となるとやはり現場での調整が必要となります。想定よりも風の影響が大きく布が翻り、布の末端の処理をやり直したり、中に入っている芯の長さをその場でカットするなど、微調整しながらの設営となりました。高所作業をしていただく作業員の方にも意図を説明して調整を繰り返します。長さ5mの大きな作品を思うように展示することの大変さを実感、非常に良い経験となりました。  作品をつり下げ、離れた場所から見ると、やはり近くで布を見るのとはまた違った印象を受けます。  展示された作品を見て、編物グループの3名は「思ったよりも柄が小さく感じました、でも、かわいくはなりましたね」(川松さん)、「みんなかわいくって統一感が出ました、宮田毛織でまとまりがある」(清水さん)、「宮田さんに作ってもらったからか、ポップで直接伝わる感じになりました」(荒木さん)と、いくらか印象の変化を感じつつも仕上がりに満足の様子。  織物グループは「思ってたとおりの仕上がりですが近くでも見て欲しいですね、もっとカッコ良さがわかる!」(内田さん)、「素材にこだわって制作したので、私も近くで見て欲しいですね。でもつして離れて見るとトーンの感じ出ていて、それはそれでカッコいいなと思います」(柴山さん)、「出来あがった生地に満足していますが、それ以上に企業の方に提案してすり合わせていったプロセスがすごく良かったと感じています」(兼松さん)と、ぜひ細部まで見て欲しいとコメント、また、企業とのコラボ作業で得た経験に感慨ひとしおです。  一宮市 産業振興課 鈴木専任課長からは「非常に良いですね! 黄色い作品(川松さん「Yippee」)にパッと目が行きました。反対側に回り込むとコーヒーをイメージされた深い色(内田さん「コーヒーからの進化」)が印象的です。“一宮モーニング”としっかり書かれていることも嬉しいです。非常に良いものを作っていただいてありがとうございます」と嬉しい言葉をいただきました。  産業振興課の佐藤さんは「作品の展示、ありがとうございます。本当に素敵な作品を観て感動しております」と述べ、「ぜひ、皆さんがこだわった点をお聞かせ下さい」と学生ひとりひとりから説明を受けていました。  一宮商工会議所 一宮モーニング協議会の西脇さんからは「作品を拝見した第一印象として、地域文化や食への理解が深く、温かさや親しみやすさが反映されており、地域の人々に共感を呼ぶ作品だと感じました。本町商店街の昇降バーに取り付けられることで強いインパクトを与え、一宮モーニングや尾州生地への関心を高めると確信しています。この素晴らしい作品は、学生たちの努力と情熱の結晶です。このプロジェクトに関わることができたことに、心から感謝申し上げます。ありがとうございました」と感想をいただきました。  設営中、通りかかった近隣の方からも「かわいい、いつまで展示するの?」や「BISHU FES.が終わってからも残して欲しい」といった声が聞かれ反応は上々、手応えを感じました。  展示は「BISHU FES.」(2024年10月12、13日)に合わせ、10月1日(火)~13日(日)まで。ぜひ「BISHU FES.」と併せて一宮市本町商店街へお越し下さい。

2024.9.26

「佐久島SDGsプロジェクト」 最終報告会を開催

「佐久島SDGsプロジェクト」 最終報告会を開催  2024年9月13日(金)、美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり制作が進められている「佐久島SDGsプロジェクト」の最終報告会を開催しました。このプロジェクトは佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するもの。2024年6月の現地視察から2ヶ月余り、これまでに制作した作品とそのコンセプトについての報告会です。最終報告にあたり、西尾市佐久島振興課 三矢由紀子さん、佐久島のアートマネジメントを行ってきたオフィス・マッチング・モウルの代表/ディレクターの内藤美和さんをお招きし、プロジェクトを担当する松岡徹教授の三者で作品を確認しました。制作された作品は、今年度さまざまな会場で展示されることになりますが、さしあたり2024年10月6日に蒲郡市の西浦温泉パームビーチで開催される「第11回三河湾大感謝祭」にて一部の作品のお披露目が決まっており、その選考も兼ねています。  プロジェクトに参加する学生・院生は総勢14名、簡単にコンセプトを説明し作品をプレゼンテーションしました。  作品は、コミュニケーションアートコースらしく立体作品が中心。カプセルトイとして販売できるような小さなものから、佐久島の浜辺に設置することを想定した2mを超える巨大な作品(もちろん今回はミニチュアを作成)まで、さまざまな作品がプレゼンされました。立体作品のほかにも、アニメーション作品やSDGsの考え方を用いたデジタル作品など、バリエーション豊かな作品が揃いました。いずれの作品も佐久島とごみ、環境を考えた作品で、作品の背景がとても重要です。背景にある考え方が作品として上手く表現されているか、また、作品から考え方が伝わるかがポイントになりました。  発表から、作品の完成度、展示の大きさと見せ方などを考慮し、6つの作品が選ばれました。大学院 吉田絢音さんの神経衰弱のように貝殻を使って遊ぶ「貝柄あわせ」、4年生 石川清菜さんの佐久島の浜辺とごみの関係をレイヤー的に表現した作品、4年生 出口佳音さんのマイクロプラスチックを飲み込んでしまった魚を鯛焼きのように表現したオブジェ、4年生 山本星さんのシーグラスや貝殻など漂着ごみを使ったキーホルダー・ブローチ、3年生 松島佑芽さんの波と浜辺と漂着ごみをストレートに表現したオブジェ、2年生 竹内晴香さんの小さな漂着ごみやマイクロプラスチックを封じ込めたスノードームの6作品が「三河湾大感謝祭」で展示されることに決まりました。  内藤さんからは、見せ方を想定していない作品や作品の背景が伝わりにくい作品があり、パネルなどとあわせて展示するようにコメントがありました。松岡教授からは、現時点では未完成であるものの、作品それぞれの完成度に対してのアドバイスがあり、残り少ない時間ではあるものの一層のブラッシュアップをするよう指示がありました。展示にあわせ、9月末まで制作が行われることになります。  展示のスケジュールについては、三矢さんから説明がありました。2024年10月6日に「第11回三河湾大感謝祭」(西浦温泉パームビーチ、上記の6作品)、2024年10月10~12日「SDGs AICHI EXPO 2024」(愛知県国際展示場(Aichi Sky Expo)西尾市ブース、6作品)、2024年10月29日~11月24日「弁天サロン展示」(佐久島)、最終日の11月24日にはごみを拾いながらウォーキングするトレイルエコウォーキングもあり、ぜひ一緒に参加して欲しいとのこと。さらに、2024年12月5日~26日まで「佐久島ナビステーション 」(一色町)での展示となります。佐久島の今と課題を考えるアート作品、ぜひご覧下さい。

2024.7.10

「愛知県×名古屋芸術大学連携事業 あいちアール・ブリュット作品展」 ギャラリートークを開催

「愛知県×名古屋芸術大学連携事業 あいちアール・ブリュット作品展」 ギャラリートークを開催  2024年6月14日(金)~25日(火)、西キャンパス Art & Design Center Westにて、愛知県との連携事業「愛知県×名古屋芸術大学連携事業 あいちアール・ブリュット作品展」を開催しました。最終日の25日には展覧会にご協力いただいた特定非営利活動法人愛知アート・コレクティブ、社会福祉法人あいち清光会障害者支援施設サンフレンドから関係者をお招きし、ギャラリートーク「アール・ブリュットの時代」を開催、学生をはじめ多くの観覧者で賑わいました。  この展覧会は、先に締結された「」に基づくもので、障害者アートに直接触れて理解を深め、自身の作品作りに生かすことや芸術の知識を生かした障害者芸術文化活動の支援者となることを目的として開催されました。会場のA&D Center Westには、山本良比古氏(1948-2020 絵画)、小寺良和氏(1957- 陶芸)をはじめとした、あいちアール・ブリュットを代表する作者15名の作品50点以上を展示、大規模な展覧会となりました。 愛知県と県内3大学との障害者芸術文化活動の推進に関する協定  ギャラリートークでは、はじめに愛知アート・コレクティブ代表理事 鈴木敏春氏からアール・ブリュットの歴史についてお話しいただきました。1928年(昭和3)千葉県に知的障害者施設「八幡学園」が創設され、そこに図工の時間が設けられたことが障害者芸術文化活動の始まりといいます。初代園長である久保寺保久氏が「裸の大将」として知られている山下清氏を見いだすなど大きな功績をあげ、障害者アートの世界が開かれます。久保寺氏の、それぞれが持つ良い点を伸ばそうと「踏むな、育てよ、水をそそげ」という言葉が非常に印象的です。愛知県では1952年(昭和27)に県内初めての特殊学級が名古屋市立菊井中学校に開設され、後に山本良比古氏の指導を行う川崎昂氏が赴任します。1980年代から徐々に社会的にも障害者アートは認知されるようになり、1999年(平成11)に「生(いのち)の芸術フロール展」、2007年(平成19)「第1回 ふれあいアート展」、そして、2014年(平成26)に「あいちアール・ブリュット展」が開催されます。鈴木氏は、第1回から企画・作品展示に携わり、障害のある人の表現は美術の世界を変えていくようなエネルギーを持っていると、アートの可能性に語り、これまでの取り組みについて紹介しました。  続いて、社会福祉法人あいち清光会障害者支援施設サンフレンド 末松グニエ モルヴァン氏、竹田印刷株式会社 アートディレクター 安井和男氏に、作品について解説していただきました。参加者とともに会場を巡り作者の経験やこだわりなどを説明し、作者を尊重しつつ作品として成立するようサポートする支援者としての立場も説明していただきました。参加者からの質問を受けながら、盛況な作品解説となりました。  展覧会に訪れたコミュニケーションアートコース 4年 石川清菜さん、浅井優菜さん、城所ななみさんには、次のような感想をいただきました。 「今回の展示を見て、どの作品も非常に個性的であると感じました。特に印象に残ったのは、小早川さんの作品です。彼女の作品は、自然や植物の爽やかさが感じられるものでした。色の使い方や重ね方が作品ごとに異なり、とても魅力的でした。私も小早川さんの技法を参考にし、色の重ね方を工夫してみたいと思います。」(石川清菜さん) 「整えられた線や形というより、スケッチのように、その時の感覚や景色がそのまま作品に落とし込まれている印象があり、その活き活きとした雰囲気に惹かれました。私は現在アニメーションを主に制作していますが、下書きやスケッチの線を活かしたような作風で今後制作してみたいと思いました。」(浅井優菜さん) 「展示会全体を鑑賞し、不自然な硬さも不自由さもない作品だと感じました。子供特有の柔らかな描写と、経験を積み重ねた技術力が両立した面白い作品ばかりで大変楽しかったです。その人その人のこだわりが分かりやすく、追求していく大切さを感じました。今回の展示会を通して、今一度作品作りの楽しさを胸に制作をしていきたいと思いました。」(城所ななみさん)  作者の気持ちや考えを素直に表しているような作品たちに、大きく刺激を受けたように感じられました。

2024.2.29

株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、卒業制作展でプロトタイプを展示

株式会社ファーストとデジタルサイネージの新たな用途開発、卒業制作展でプロトタイプを展示  株式会社ファースト様との連携で進められている新しいデジタルサイネージの用途・形のアイデアを創出するプロジェクト、2023年度前期ではインダストリアル&セラミックデザインコース、カーデザインコースの4年生、大学院デザイン研究科の1年生が参加し、新しいデザイン案を提案しました(プレゼンテーションの様子は)。  プロジェクトの後期では、インダストリアル&セラミックコースの2、3年生13名の有志がスケールモデルを制作、それをもとに株式会社ファースト様にてプロトタイプを製作、卒業制作展で披露することとなりました。  当初の予定では、前期のデザイン案をスケールモデル化しようと想定していましたが、実際にプロトタイプまで製作することを考慮して実現可能性の高いデザインに落とし込み、サイネージの外観部分のデザインを考案しました。学生らしい自由なアイデアがあふれるユニークなものとなりました。 こちら  モデルの制作にあたり、設置される場所と表示されるコンテンツを想定し周辺に馴染むようなデザインを再検討。ID/CDコース所有の3Dプリンターやレーザーカッターを活用してスケールモデルを制作し、できあがったモデルをファースト様にプレゼンテーション。6つのデザイン案を実際にプロトタイプとして製作していただきました。  デザイン案は、モニターの存在をぼかすことを目的としたフレームを感じさせないデザイン、商品のディスプレイとしても使える家具のようなデザイン、柔らかな素材と組み合わせたソファーのようなデザイン、基本となるベーシックなディスプレイに着せ替えパネルを組み合わせて使える和風組子パネル、マンガの集中線がユーモラスな漫画パネル、柔らかな人工観葉植物を使った葉っぱパネル、と3つの案と着せ替えパネル3つの6種類。製作されたサイネージは、実際に卒業制作展の案内に使用しています。  指導したデザイン領域 後藤規文教授は「今回、サイネージの枠を意識させないようなアイデアが中心となりました。周辺の環境に馴染むように、透かしにしたり植物を取り入れたり、サイネージの存在を軽くするようなアイデアです。広告が中心となるサイネージでは、通常では採用できない、どちらかというと目立たせなくするようなアイデアです。それでも環境にマッチするという視点で提案ができ、すごく面白いものができたのではないかと思います」と手応えを感じている様子でした。新しいアイデアの提案という難しい課題に対し、学生らしいユニークで価値のある提案となりました。

2024.2.27

古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催

古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ移行)と古川美術館・分館爲三郎記念館とのコラボレーション企画、古川美術館プロジェクト2024 「メイゲイのコウゲイ」を2024年2月6日(火)~18日(日)に開催しました。2月5日の休館日、完成した作品を爲三郎記念館へ運び込み設営しました。生憎の天候となり、庭に展示する作品は冷たい雨に濡れながら、また、自然光が少なく晴れた日の光を想像しながらという難しい状況での作業となりました。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  作業の前に古川美術館 学芸員の早川祥子さんから、まず事故がないように、お客さんは料金を支払って見に来てくださるわけなので、妥協しないで最後まで粘って価値のある展示になるように、また、早く設営が終わった人はまだ終わっていないところを手伝うように、と指示があり設営が始まりました。大きな陶芸作品は運ぶだけでも一苦労、雨を恨めしく思いながらもひたむきに作業します。これまでの報告会で作品ごとに展示場所は決まっているものの、実際に置いてみないことにはわかりません。ことにインスタレーション的に空間を意識する作品は、その場で制作する部分もあり午前中は作品を置く作業に費やされました。4名の美術館スタッフは前回の展示を片付けつつ学生の展示をお手伝い下さり、相談に乗って置き方を考えたり台座を用意したりしていただきました。判断の速さと手際の良さに敬服です。実際に作品を置いてみると想定とは異なり、芳しくないと判断することもあります。自分の作品とのマッチングに納得できず設置場所を変更することもあり、グループで展示することの難しさを感じさせる一幕もありました。  午後には概ね置き場所が決まり、ライトを設置します。限られたライトの数で効果的に作品を照らすよう検討します。雨のため自然光が少なく、晴れの日を想定しながらの設置です。お客さんの動線からの見え方など、じっくりと検証しました。キャプションボードの場所も、建物に釘を打つことができないため設置場所が制約され、他の作品の邪魔にならないか、お客さんにとって読みやすい位置であるかなどを検討し、慎重に設置します。こうして検討を繰り返すことがあらためて学生それぞれ自身の作品に向き会うことになり、展示することで得られる非常に貴重な体験といえます。  設営を終え、早川さんからは「今日、展示を終えて皆さんほっとしたかと思いますが、明日からが展覧会の本番です。お客さんがどういうふうに展示を見てくれるのかというのも含めて、自分の今後の制作にどう生かしていくか皆さん次第です。今回の展覧会は自分の展示したものだけでなくほかの人の展示があって成り立っているものなので、それも含めどう見えるか、ぜひ丁寧に作品を見て欲しいと思います。自分がこの展覧会を受けてどう発展していくか、必ず一度は足を運んで下さい」と言葉をいただきました。  教員からは「実際に搬入してみると、いろいろ上手くいかないことがあり問題が生じることがあります。そうしたことが起こることも十分考慮しておかなければいけないし、どう自分を切り替えて対応するか、そうしたことがその人の持つ力になっていくのだと思います」(中田ナオト准教授)。「明日から展覧会が始まりますが、その間に何か起こることもあります。作品を見ていただくときにお客さんが当たってしまったりすることもあります。展覧会の間は作品のことを気にして、何かあったときにはすぐ対応できるよう心づもりをしておいて下さい。終わって片付けるところまでが展覧会です、最後まで頑張りましょう」(米山和子教授)。「こうした数寄屋造りの建物に展示させてもらえることを幸せに思って欲しいなと思います。私自身、皆さんのことを羨ましく思います。今日は雨ですが、晴れた日には自然光でぜんぜん違った感じに作品が見えると思います。日本建築で展示できることの良さですので、ぜひまた違った天気の日に来て作品を鑑賞し、今後の作品に生かして欲しいと思います」(扇千花教授)というコメントをいただきました。  は、2024年2月6日(火)~18日(日)、爲三郎記念館にて開催となります。ぜひ、ご高覧ください。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」

2024.2.8

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見  ヴィジュアルデザインコース3年生が例年取り組んでいる展示「ナゴヤ展」を、2024年1月29日(月)~2月4日(日)、名古屋市西区那古野 円頓寺商店街のワイナリー・コモンにて開催しました。  「ナゴヤ展」は、名古屋の街でフィールドワークを行い街の魅力を発見しデザインを通して伝える展覧会で、デザインの社会的な役割や重要性を学ぶ実践的な取り組みです。これまでのナゴヤ展では名古屋城や長者町、広く尾張地域そのものを対象とするなど、名古屋や尾張の歴史、文化、産業など、さまざまなものごとをデザインしその魅力を発信してきました。今年度は、名古屋の歴史が色濃く残る「那古野」地域が舞台。近年、リノベーションが進み注目を集める円頓寺商店街や四間道、護岸の整備が進む堀川などが含まれます。調査には地域の人にもご協力をいただき、足を運び聞いて話して考えを深め、作品を制作します。その成果が一堂に披露され、見応えのある展示となっています。  最終日の2月4日、ナゴヤ展を担当する則武輝彦准教授、ヴィジュアルデザインコース 中村直永准教授に加え、ナゴヤ展に長くかかわっていただいている株式会社クーグート 代表取締役 髙橋佳介氏、堀川の調査についてお世話になったナゴヤSUP推進協議会 事務局長 井村美里氏をお招きし、賑やかに講評会を行いました。プロダクト的な作品が中心となる例年にくらべ、街や裏路地の魅力を伝えるスケッチや写真、感じたことを伝えるマンガや書籍、実際に使うことができる食べ歩きの包装紙やパッケージ、Tシャツや提灯といったグッズ、レトロについての考察などなど、バラエティ豊かな展示となりました。  これまでは、まちづくりの企画案を考えることに重きを置いたプレゼンテーションでしたが、今年はストレートに発見した魅力を伝えることが重要視され、学生も楽しみながら制作したことが伝わってきます。  プレゼンテーションは、ひとり3分の持ち時間で説明を行い、参加者が質問し講評する型式で進められました。制作の初期から見ていただいている高橋さんは中間プレゼンから良くなったポイントを確認し、対象をさらに広げるようなコメントや実際にプロダクトにするまでのことなど、今後の展開についてのアドバイスをたくさんいただきました。井村さんは、堀川についての作品を楽しげに見守り、高く評価していただいたことも印象的でした。  学生たちにとってレトロな看板や街並みが印象深かったようで、教員が感じるレトロ感と学生の年齢で感じるレトロ感のギャップなど、掘り下げてみたくなるテーマの発見もありました。円頓寺商店街の近くに住んでいたり、若い頃に円頓寺へ行っていたという祖父、祖母に話を聞いて制作された作品では、家族と街の歴史を思わせデザインという枠組み以上の広がりと深みを感じさせました。  全体の講評として中村准教授は「このプロジェクトは、ふだんの課題以上にグラフィックデザインの力やデザインの本質的な考え方を求められる課題で、苦労したのではないかと思います。自分が興味を持ったことを見つけてそれを作品にする、その準備運動というか練習として非常に良かったと思います。学んだことはもちろん、逆にできなかった部分を糧にしていって欲しいと思います」とコメントしました。  則武准教授からは「半年という限られた時間で町の人とコミュニケーションを取るというのは、皆も大変だった部分もあると思います。それでも、レトロ感の面白さだとか、裏路地の魅力だったり堀川だったり、いろいろな魅力の方向性が浮かび上がってきたのではないかと感じています。おじいちゃん、おばあちゃん世代とのつながりから懐かしさや温かさも感じました。学外で展示するということは、社会を意識することだと思います。人とのつながりもそうですし、歴史の積み重ねもそうです。今いる場所の座標軸があり今という時間の軸があってその中に自分がいるという視点を、街を調べたりする中で持てるようになればと思います」とまとめ、今年のナゴヤ展は終了となりました ナゴヤ展 ホームページ 四間道備忘録 ナゴヤ今昔物語 MACHI ARUKI SHARE ナゴヤ地蔵プロジェクト まちもじ 豆味噌の知られざる魅力 円頓寺レトロ Point of view 守って!ホリカワン 古き良き調和 那古野の建築と室外機 キヨちゃんは、ぼーっと歩く。 円頓寺食べ歩き日記 Konseki ほおずき 日常の欠片 生活感と猥雑さ 路地裏痕跡手帖 Why do I feel nostalgic? あいちモーニング日記 堀川観察 円頓寺商店街と家族の歴史 宗春から読み解くナゴヤジン 堀葉 堀川逆行記 円頓寺商店街と廃線 円頓寺 名古屋最古の歴史と廃線 名古屋の特色−民謡から知る−

2023.12.12

メタル&ジュエリーデザインコース、七宝焼アートヴィレッジにて作品展示、ふるさと納税返礼品をめざす

メタル&ジュエリーデザインコース、七宝焼アートヴィレッジにて作品展示、ふるさと納税返礼品をめざす  デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から美術領域工芸コースへ移行)は、あま市七宝焼アートヴィレッジとコラボレーションし、伝統ある尾張七宝を使った新商品の開発を行い、尾張七宝の魅力を広く伝える取り組みを行っています。今年度のプロジェクトは2つ、「世界に認められた尾張七宝に再び輝きを」ということで学生が中心となり、七宝焼アートヴィレッジ常設展示の名品をモチーフとしたデザインを帯留めに落とし込み、ふるさと納税返礼品として商品化を目指すプロジェクト。さらに有志の学生とジュエリーデザイナー、作家として活動する卒業生らによる七宝の可能性をさらに広げる実験的な取り組み「尾張らない七宝プロジェクト」を立ち上げ、作品を制作しました。これらの作品を七宝焼アートヴィレッジの「第41回尾張七宝新作展」(2023年11月23日~26日)に併せて展示、最終日の2023年11月26日(日)には、安藤七宝店 安藤重幸氏、だいきち七宝工房 太田吉亮氏、加藤七宝製作所 加藤芳朗氏、インテリア七宝アート 加藤実氏をお迎えし、作品の講評会と商品化する作品の選定を行いました。  学生は、作品とともに作品のモチーフとした七宝の名品、さらに新しいデザインに込めた考えや思いなどを説明しました。基になった名品は七宝焼アートヴィレッジの常設展にある作品で、いずれも名品にふさわしい技巧の凝らされたもの。それらから発想し、デザインの一部を切り取ったもの、色味を揃えたもの、描かれているモチーフからさらにイメージを広げたものなど、それぞれに個性的な作品に落とし込みました。講評としては、七宝の技術的な面からのアドバイスと、商品として見た場合のアドバイス、2つの方向性からご意見をいただきました。初めて七宝にチャレンジした学生や制作2~3作目といった経験の少ない学生が大半で、それぞれが銀線を立てる(有線七宝の技法でテープ状の純銀の線を立て図案の輪郭とします)のに苦労したり、思ったような色味が出ずにいましたが、丁寧な作りをお褒めいただくこともあり大きな励みになりました。どの作品からも一心に取り組んだことが伝わり、学生らも制作することでさらに七宝の魅力に触れたのでは、と感じさせます。また、商品として見たときには、値段を付けたい!やすぐにでも店頭に並べたいと、いった言葉も聞かれ、これも嬉しい評価をいただきました。  「尾張らない七宝プロジェクト」では初めて七宝に取り組んだ2年生3名がプレゼンテーションを行い作品を説明しました。愛犬を現代アートふうに表現したもの、ツタンカーメンをモチーフにしたものなど、自由でユニークな作品が紹介されました。これまでの七宝焼にはないデザインを評価していただき、ぜひ、七宝も表現手段のひとつとして引き続きやっていって欲しいと講評をいただきました。  総評として、「非常に完成度の高い作品が多くありました。どこへ出してもおかしくないと感じます。ただ、ふるさと納税の返礼品となると作りやすさも考慮する必要があり、どれを選べばいいかじっくり考えたいと思います」(太田氏)、「返礼品としてどのデザインでも魅力のあるものになると思います。数を作るとなると、型に合うデザインとコストが重要です。トータルで考えて考えたいと思います。デザイン自体はどれも良くて、商品化することに問題ないです」(加藤実氏)、「クオリティと発想力に驚きました。初めて七宝で作品を作ったという方もいる中で、これだけのものが出てきたというのは期待以上です。こういった社会連携の取り組みは卒業後も役に立つことです。積極性をもって取り組んでいって欲しい、ぜひ頑張って下さい」(加藤芳朗氏)、「商品となると収益性が必要で、自分の創りたいものを創るということとは異なってきます。そこが今回勉強になる部分ではないかと思います。現状、七宝業界は厳しい状況におかれており、自分たちの常識だけでは打破できない部分がたくさんあります。いろんな人たちからアイデアをもらいながらやっていくことが必要で、今回、いろいろな意見をもらえたことは非常にありがたかったです。皆さんの努力を何らかのカタチにしたいと思っております」(安藤氏)、と言葉をいただきました。  講評会終了後、選考が行われ、返礼品の花瓶に3年生 鈴木歌乃さん「輪転」のデザインが、ブローチに3年 浅谷栞那さん「酔芙蓉」が選ばれました。おめでとうございます。今後、ブラッシュアップされ商品化されることとなります。  また、今回展示された作品は、1月中旬 名古屋栄の安藤七宝店本店新店舗にて展示していただくことになります。こちらもお楽しみに。 酔芙蓉 鯉と牡丹 幸福の花 夢の色 菊文様・螺旋 龍と唐草 輪転 心に秘めた愛 藤と鳩 香立 竹と雀 愛犬 蛙 君影草 波 ドクダミ 無題 pivoine papillon 顔 木目花瓶 Windows つらつら椿 群蝶 名古屋コーチン 蜥蜴 Dear James, moss 金魚皿 初