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2024.8.29

ヴィジュアルデザインコース、庄内緑地の園内看板をリニューアル

ヴィジュアルデザインコース、庄内緑地の園内看板をリニューアル  ヴィジュアルデザインコースは、庄内緑地を管理する名古屋市みどりの協会・ミズノグループと連携し、庄内緑地に設置されている公園の案内看板を新しくデザインしました。看板の完成にあわせ、庄内緑地事務所 今井 鎮雄所長に看板を案内していただき、デザインを担当したヴィジュアルデザインコース 4年 鈴木雅也さん、松尾侑樹さん、吉田美結さんにお話を伺いました。  案内看板は、庄内緑地の入り口すぐ、庄内緑地グリーンプラザの前です。穏やかな色合いで園内の施設がアイコンで示され、季節の花もあしらわれています。昨年の春からプロジェクトは始まり、1年以上かかっての完成となりました。  庄内緑地事務所 今井所長からは「お客さんが最初に通る場所、いちばん目に付く場所です。学生さんの手によって、今までよりも見やすくイラストもわかりやすいものになりました。たくさんの人に見ていただき、公園の散策に利用していただければと思います。ありがとうございました」とお礼の言葉をいただきました。  松尾侑樹さんは「今回のような大きな看板は作ったことがなかったので不安がありましたが、みんなでアイデアを出し合い形になっていくプロセスを経ていくうちに、楽しんで制作できるようになりました。これから何年も残ってくれたらいいなと思います。私は花の部分を担当しましたが、看板なのである程度変色することも見越して鮮やかにするよう意識しました」。  鈴木雅也さんは「僕は文字を担当しましたが、伝えるためにどうすればいいかを考えました。機能として読みやすさがあり、親しみが持てるよう意識しました。PCで作業しているのと実際に出力して見たときの読みやすさの違いもあり、普段の課題との違いを感じました。仕事としてかかわり制作したときの責任や大切さを感じ、とても貴重な経験となりました」。  吉田美結さんは「マップのデザインは初めてで、何からリサーチすればいいのかから始まり、この公園の魅力は何だろうと考えました。海外のマップなども調べ参考にしています。プロジェクトが始まり1年間時間をかけて同じことについてデザインすることが、本当に貴重な機会ですごく良い経験になりました。マップはいろいろな方が利用するもので、やはり責任が大きくいつもの課題のデザインとは違い気を使いました。私は色合いやアイコンを担当しましたが、“水飲み場”がたくさんあり、マップに配置するとごちゃごちゃしてしまうので、目立たないようにしつつわかりやすいことを意識しました。池の白鳥のまつ毛など、親しみがわくように細かな部分にもこだわりが入っています」と、学生それぞれに責任と手応えを感じたようでした。  デザイン領域 片山浩准教授は「まず、公園に来られた方に親しんで見てもらえることがいちばん。加えて、長い期間掲示されるものなので一定の期間堪えうるデザインを考えてもらいました。文字の選び方、イラストレーション、レイアウト、すべてのデザインにおいて達成できているのではないかと思います。公園は年間を通して人が訪れるものであり、“花の見ごろ”を入れていますが、季節ごとにどんなことがあるのか想像できるような要素を加えました。ほかにもかわいいイラストレーションが仕込まれていますが、いろいろな人からいろいろなアクセスをしてもらえるようになったと思います」と出来映えを評価しました。

2023.2.1

スペースデザインコース 株式会社ガーデンメーカーとコラボ、「プチART×GARDENプロジェクト」で移動できる庭を試作

スペースデザインコース 株式会社ガーデンメーカーとコラボ、「プチART×GARDENプロジェクト」で移動できる庭を試作  スペースデザインコースでは、株式会社ガーデンメーカー様と2020年から「プチART×GARDENプロジェクト」としてコラボレーション、生活する人に庭を身近に感じ、もっと楽しんでもらうためのアイデアの提案と研究を行っています。今年度は「お庭 x モジュール」のコンセプトで、庭をモジュール化し簡単に設置できることや季節に応じ移動できる商品開発を行っています。2022年5月に稲沢市のガーデンメーカーを訪れ、実際の植木の生産・販売の現場を視察、さまざまなアイデアを検討してきました。2022年10月には最終プレゼンテーションを行い、軽トラックの荷台に積むことができ、季節や設置場所に合わせて大きさや、和風と洋風など好きなように展開できる庭を実際に作成することになりました。2023年1月16日、いよいよ制作したモジュールを軽トラックに積み込み、実際の家にモニター設置してみました。  モニターとして協力するのは、多治見市にある個人宅。軽トラックにモジュールを積み込み、高速道路で向かいます。  モジュール化された“庭”は、60cm×60cmサイズの小、それを2つ並べた120cm×60cmサイズの中、120cm×120cmの大の3種類。軽トラックの荷台には、大と中の2つがちょうど収まります。モジュールは、運搬用のパレットの上に作られ、屋外用のプラスチック水槽を使うなど工夫して軽量化され、大きいサイズでも大人2、3人で運べるようになっています。設置する場合は、まず場所を決めてモジュールを配置、表面に園芸用の砂利や砂を置き、水槽部分に水を入れて池にしたり、鉢植えや根切りした植物を置くようにします。  現地では、庭や玄関先の空きスペースを想定した設置、駐車場や物置を想定した設置、庭のないマンションなどベランダを想定した設置の3パターンを試しました。  陣頭指揮を執るのは、このプロジェクトのリーダーである3年生の早川宗汰さん。場所に合わせて、3種類、4つのモジュールの組み合わせを考え、配置を指示します。大人2人で運ぶことができるといっても、土や砂利を含むとそれなりの重量になるため、注意しながら全員で協力して配置します。場所が決まったところで土と砂利を入れ、植物を植えます。モジュールには、発泡ウレタンを使って作られた岩もあり、一見、チープに見えますが、周りにタマリュウの植え込みを作ると重厚な質感。駒井貞治教授によると、発泡ウレタンで作る岩は、代々スペースデザインコースで受け継がれている制作の技があるのだとか。色合いといい、ユニークさあふれる出来映えです。白い玉砂利を敷き詰め水を張って、池も完成です。玄関先、駐車場、ベランダと3か所に設置してみましたが、いずれの場所でも空間の雰囲気が一変します。組み合わせを考える楽しさや植え込みを作る工夫も感じられ、長く楽しめそうな感触です。  現場を訪れた、(株)ガーデンメーカー マーケティング本部 木場里紗さん、立岡佑亮さんからは「これまで、プレゼンでモデルを見てきましたが、1分の1スケールで迫力があります。実際のサイズになると、作り込みのバリエーションもいろいろ考えられ、さらに発展してアイデアが広がります」といった声が聞かれました。  3か所に設置するには時間がかかるものと思われましたが、軽量化のために内部が空洞化してあり、敷き詰める土や砂利の量も少量で済み、片付けも想定より短時間で完了しました。簡便に扱えるという点で想定以上の結果を確認でき、意義深いテスト設置となりました。