• 学科・領域

  • 形態

2022.8.1

デザイン領域 産学連携企画 中部文具工業協同組合「2022 文具デザインプロジェクト」最終発表会 最優秀賞は2名に

デザイン領域 産学連携企画 中部文具工業協同組合「2022 文具デザインプロジェクト」最終発表会 最優秀賞は2名に  2022年7月27日(水)、デザイン領域と中部文具工業協同組合との産学連携企画「2022 文具デザインプロジェクト」の最終発表会を開催、優秀賞が決定しました。デザイン領域で例年行われているこのプロジェクト、最終プレゼンテーションは今年もシヤチハタ株式会社本社会議室をお借りして行い、審査の結果、最優秀賞とメーカー賞を決定、表彰式を行いました。  今年度の課題は、森松産業株式会社「デスク周りを使いやすく! 持ち運べる収納グッズ」、シヤチハタ株式会社「暮らしを助ける、新しい用途のスタンプ」の2題。例年ならば学生は課題をひとつ選択して進めますが、今年は15名全員がどちらの課題にも取り組み、30案のプレゼンテーションとなりました。6月のテーマ発表から、2ヶ月弱の期間で2案制作と厳しい条件でしたが、ユニークなアイデアが数多く見られました。  審査は、シヤチハタ株式会社 舟橋正剛 代表取締役社長、森松産業株式会社 森直樹 代表取締役社長の2名を中心に5名の審査員で行われ、①ターゲットは明確か ②シナリオは具体的か ③アイデアは魅力的か ④ユーザーが使いやすいデザインか ⑤発表は分かりやすかったか、の5つの項目で採点、合計点での評価となります。  発表に先立ち、シヤチハタ株式会社 舟橋社長から「毎年、この発表では目から鱗が落ちるような提案をいただき感謝しています。我々が携わる文具の市場もコロナ禍の影響を受け、これまで以上に幅広く考えていかなければならない状況です。しかし、逆にいえばチャンスの時期ともいえます。学生さんの柔軟なアイデアは大いに刺激になり、どんな提案が出てくるのかワクワクしております」と挨拶がありました。  プレゼンテーションは、1案につき4分、ひとり8分ずつの説明と質疑応答です。休憩をはさみながら3時間以上、壮大な発表会となりました。長丁場となりましたが、どのアイデアも興味深く、テンポ良く説明が進み飽きさせません。質疑の時間もプロダクトの背景を聞くものが多く、まるで学生世代の感覚を知ろうというリサーチのようになりました。印象的だったのは、学生らがアルバイト先での経験を基に発案しているものがいくつかあったこと。自身の経験に基づいて課題解決しようという考え方がデザイン領域の学生らしく、提案にも説得力を感じました。  審査の結果、森松産業賞は、金田太典さんのひざの上でパソコンを使うのに便利な鞄「テレワークかばん」、シヤチハタ賞は、アイドルのコンサートでファンサービスをもらうためにアピールする“ファンサうちわ”を簡単に制作できるスタンプマシーンを提案した仲田亜利沙さん「推し活を便利に」が受賞しました。最優秀賞はなんと同点で2名が受賞、佐村拓音さんの「フットメジャースタンプ」と再び金田太典さんの「おままごとスタンプ」が受賞となりました。「フットメジャースタンプ」は、佐村さんが靴量販店でのアルバイト経験から考えられたもので小さな子どもの足のサイズをスタンプを利用して簡単に計る道具、「おままごとスタンプ」は、香りの付いたスタンプを重ねて押すことで料理や普段匂いを嗅いだことのないものの香りを楽しむことができるようにするもの。両名には、それぞれ賞品が贈られることとなりました。  最後に講評として、森松産業株式会社 森社長から「今回もアイデアの幅の広さに驚かされました。プロダクトは、まずアイデアがありそれをどうやって実現するか、さらにどう量産化するか、できてからでも改善点を探るなど、幾重にも大変なステップがあり、その都度苦労があるものです。しかしながら、最初の起点はアイデアを出す人の思いであり、どう実現するかはひとまず置いておいて、発想を大事にして欲しい」との言葉がありました。シヤチハタ株式会社 佐藤旭 取締役からは「具体的に自分たちが困ったことを解決していく、この姿勢がよく現れていてZ世代の考え方なのかなと感じ入りました。さまざまな解決策もさることながら、皆さんのニーズそのものが非常に参考になりました。靴量販店だけでなくドラッグストアや飲食店でのアルバイト経験のお話を伺い、さまざまなところにニーズがあることを改めて思い起こさせていただきました」とお話しくださいました。  担当する三枝樹成昭 非常勤講師からは、「狙ったとおりの今どきのアイデアを提案することができました。また、日々の経験から出てくるデザインを我々も体験できたのではないかと思います。デザインの価値は、使っている人の経験に響きそれに対応できるかというところにあると思いますが、受賞作品はいずれも使っているシーンをよく感じられるもので、そうした点が評価されたのだと思います」と述べました。表彰式には、現在、シヤチハタ 商品企画部所属で学生時代にこのプロジェクトにも参加したインダストリアルデザインコース出身のOB 安田駿太さんも飛び入り参加、和気あいあいとした雰囲気の中、最終発表会は終了となりました。

2022.7.6

デザイン領域 産学連携企画 中部文具工業協同組合「2022 文具デザインプロジェクト」キックオフ

デザイン領域 産学連携企画 中部文具工業協同組合「2022 文具デザインプロジェクト」キックオフ  2022年6月8日、西キャンパス U102教室にて、本学と中部文具工業協同組合加盟の文具メーカーとの産学連携企画「2022 文具デザインプロジェクト」 1回目のミーティングと説明会を行いました。文具デザインプロジェクトは例年行われているもので、3年次までに習得したデザイン技術や知識を用い、商品や製品の企画、調査、開発、製造、販売までを見据えデザイン提案を行うもの。実際にこれまでの優秀作品が製品化されたこともあり、学生はもちろん企業にとっても非常に大きな意味を持つプロジェクトです。今年は、スタンプ・ネーム印でおなじみのシヤチハタ株式会社様、デスクマットやコロナ対策のパーティションなど樹脂製品の製造を行う森松産業株式会社様の2社に参加いただき、15名の学生が2社それぞれの課題に対し、デザインを提案することとなります。  はじめに、各社から会社概要の説明と課題の発表が行われました。森松産業の課題は「デスク周りを使いやすく! 持ち運べる収納グッズ」。森直樹社長から、ポリ塩化ビニルやポリプロピレンを素材にした製品とプレス機やカッティングプロッターなど簡単に工場設備を紹介していただきました。課題に対しては、最近ではオフィスで自分の席を決めずノートパソコンなどを活用して好きな場所で働くフリーアドレスを採用する企業が増えてきており、コロナ禍もあり出勤する人が減り、自宅やカフェなどでも活用できる持ち運べて収納にも便利なグッズを考えて欲しいと説明がありました。付け加え、資料などのデジタル化のメリットや逆に対面でないデメリットなども考慮して考えて欲しいとありました。  シヤチハタ株式会社からは「暮らしを助ける、新しい用途のスタンプ」という課題が出されました。シヤチハタは企業として「人の想いに応える『しるしの価値』を提供する」ということを目指しており、「はんこの新たな価値を創出する」ことが社命として挙げられています。今回の課題はその考えに沿ったもので、企業の本気度が窺えます。日常の生活の中で、しるしを上手く使えば助かることをぜひ見つけて欲しいと説明がありました。考えるヒントとして、やりたくないけど仕方なくやっていること、やりたいけれど方法がないからやれないことの2つを挙げ、自分に当てはめて考えて欲しいとアドバイスしていただきました。両社からは過去の優秀作品などの説明もあり、優秀作品には商品化があることも発表されました。 後半は、学生ひとりひとりの自己紹介と質問を受けつけ、ディスカッションとなりました。学生がこれまでに制作した作品について質問を受けたり、逆に企業側でできることや試作品についてなどの質問をするなど、意見交換が行われました。担当する三枝樹成昭 非常勤講師からは、文具というと鉛筆や消しゴムなど机上にあるものを想像しますが、はんこも文具であり鞄やデスク周りの収納なども含むよう幅広く設定しているのでいろいろな発想をしてもらえればいい、とコメントがありました。 今後の進め方としては、隔週で森松産業からは森社長、シヤチハタからは商品企画課 松田孝明さんに本学にお越しいただき、学生のアイデアをブラッシュアップし、実際に製品化可能なレベルに近づけるようにしていきます。2ヶ月後に最終プレゼンテーションを行い、最終審査となります。どんなデザイン文具が出てくるのか、楽しみなプロジェクトです。

2021.8.16

株式会社菊谷生進堂×インダストリアル&セラミックデザインコース 「香源プロジェクト」最優秀賞決定

株式会社菊谷生進堂×インダストリアル&セラミックデザインコース 「香源プロジェクト」最優秀賞決定  株式会社 菊谷生進堂 様とデザイン領域 インダストリアル&セラミックデザインコースとの連携プロジェクト「お香文化を楽しむ新しい道具のデザイン開発 (香源プロジェクト)」の最終プレゼンテーションテーションと優秀賞の発表が、2021年8月10日(火)に行われました。現代の生活にマッチしたお香の新製品を考えるという課題で、2ヶ月という短い時間でしたがユニークな発想のものや実用化も十分可能と思わせる新商品の提案など、さまざまなアイデアが発表されました。  プレゼンテーションはひとり5分程度で、質疑応答というよりも菊谷生進堂 菊谷勝彦代表取締役社長、菊谷進之介専務取締役とともにアイデアのブラッシュアップを考えるような和やかな雰囲気で行われました 。学生は、アイデアの基になった考えの背景や解決したい課題を説明し、それに対応する商品を画像で説明します。試作品を作り込み、実際にお香を焚いて煙の様子や想定通りに使用できるか検証した作品もあります。学生らは自分と同世代の消費者にお香が浸透していない理由を考えつつ、近年の住宅事情に合わせたデザインや色の香炉、アロマオイルやリラクゼーションのようにもっとカジュアルに使えるようにしたもの、価格を抑え手に取りやすくしたもの、お香が好きな人がもっとマニアックに楽しめる商品など、さまざまなアイデアを提案しました。制作期間が2ヶ月という短い時間しかありませんでしたが、いずれも完成度が高く、実現できそうなものがたくさんありました。  プレゼンテーション終了後、優秀賞と最優秀賞を菊谷生進堂と後藤規文教授で決定、発表となりました。最優秀賞は大学院1年生 青山健太郎さんの「時計のない生活」、優秀賞は3年生 吉野廉平さん「INCENSE HOLDER」が受賞となりました。  青山さんの「時計のない生活」は、お香が燃える時間で時を計る時香盤を使いやすくする商品で、時香盤は灰の上に抹香(細かい粉末のお香)を帯状に敷いて使いますが、あらかじめプレートを用意しておきスタンプのように簡単に抹香を敷くことができるようにしたもの。用途に合わせて幾何学模様や猫をモチーフにしたデザインのプレートも用意され、現代の生活の中でも違和感なく時香盤が使えるようになっています。代表取締役社長の菊谷氏から「ちょうど興味を持っていた分野で、これから仕掛けたいと思っていた領域にぴったりです。もちろん、質も高く素晴らしいです」と講評をいただきました。  優秀賞の吉野さんの「INCENSE HOLDER」は、お香を初めて使う人が香炉など道具を揃える必要がないように、パッケージがそのままお香立てになる商品。価格も抑えて気軽に購入できるように考えられています。菊谷氏からは「商品化しやすいことがポイント。若い人にも手軽に楽しんでもらえる商品になると思います」とコメントをいただきました。  後藤教授は「期待していた以上にクオリティが高くそれぞれ自分なりに面白いテーマを扱ってもらえたのではないかと思う。産学連携の機会を活用してリアルな商品開発に近い経験を積んでいって欲しい」と講評しました。また、菊谷氏からは「全員とても良いアイデアで候補がたくさんあり審査は大揉めに揉めました、商品化できそうなものばかりで、ぜひ、今後とも一緒に商品を作っていきたいです」と嬉しいお言葉をいただきました。

2021.8.16

産学連携企画 中部文具工業組合「2021 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催

産学連携企画 中部文具工業組合「2021 文具デザインプロジェクト」最終審査発表会を開催  例年行われている本学デザイン領域と中部文具工業組合加盟の文具メーカーとの連携プロジェクト、「2021 文具デザインプロジェクト」の最終審査発表会が、7月28日(水)シヤチハタ株式会社 本社会議室にて開催されました。6月にスタートしたこのプロジェクト、2ヶ月という短い期間ですが、提案を考え資料を作成し、この最終審査発表会でプレゼンテーションを行います。発表後、審査され最優秀賞、各メーカー賞を決定、表彰式が行われました。  今年の課題は、株式会社馬印「コロナ後のカキ・コミュニケーション、(サブテーマ)つながる黒板・ホワイトボード」、シヤチハタ株式会社「もともとの価値を拡張した文房具」、森松産業株式会社「自分の仕事環境を作る フリーアドレス快適化グッズ」。学生らは、これらの課題に2ヶ月間取り組み、各メーカーの担当者に相談しながらアイデアを練り、場合によっては模型や試作品を作成してプレゼンテーションに臨みました。最終発表会では17名の学生がプレゼンテーションを行い、各メーカー代表の方々が審査を行いました。  プレゼンテーションは、説明3分質疑応答2分と短いものですが、実際に企業で数々の商品を手がけてきた審査員を前に学生たちは緊張した面持ちで発表を行いました。  審査の結果、最優秀賞は馬印様の課題に対し、「折れないチョークホルダー」を提案した古川達也さんが受賞。メーカー賞は、馬印賞 小椋巧海さん「スライドホワイトボード」、シヤチハタ賞 佐藤祐貴子さん「いつでもそばにペンとメモ」、森松産業賞 玉置晨さん「オフィス内におけるフリーアドレス用ファイルマット Osi-Filemat」が受賞しました。  最優秀賞を受賞した古川さんの「折れないチョークホルダー」は、チョークをシャープペンシルの芯のように扱い、バネでクッション性をもたせ折れないようにするもの。機能性に加え質感やデザイン性にも配慮し、長く使うことで風合いが生まれ万年筆のように愛着を感じることのできるものを考案しました。審査では、チョークという消耗品を万年筆のように個人の嗜好や個性を表すことのできるアイテムへと昇華させている点が高く評価されました。古川さんは、知り合いの教員や教育実習に行った友人の話からアイデアを得たと説明しましたが、今回のプロジェクトでは同じように自身のアルバイトでの経験や友人の体験などから発想されたものが多く、身近な困りごとを解決しようとする実際的な提案が印象的でした。学生らしく新しいトレンドを取り入れつつも実現性を考えてアイデアが練り込まれており、企業との連携の意義を感じさせました。  講評では、株式会社馬印 千嵜匠氏から「数年前から文具プロジェクトにかかわってきましたが、初めて最優秀賞を受賞できて非常に嬉しいです。本社で盛大に報告したいと思います。点数は付けたものの、どれも豊かな発想で考えられており素晴らしいものだと思います。2022年にはオフィス家具の見本市『オルガテック東京』に弊社も出展する予定ですが、展示のどこかに学生のアイデアを入れ込めないかと考えております」と、嬉しい評価をいただきました。  担当の三枝樹成昭講師からは、「使う人のことを考え、その人がどんな体験をできるかということに着眼し、楽しくワクワクできるできるデザインを目指してやってきました。ユーザーを大切にしながら自分の発想を乗せていくことの大事さが、学生たちにも伝わったことと思います。短期間ながらも、大学とものづくりの世界を結ぶことの大切さ、ことに今回は学生に工場見学の機会をくださったこともあり、多くの人が携わり、ひとつの製品ができていると感じることができたのではないかと思います。今後デザイナーとしてかかわっていく上でも、学生にとって非常に意義深いプロジェクトであり、今後もこのプロジェクトを続けていきますのでご協力をお願いします」とお礼の言葉がありました。  ものづくりの現場を見ることや実際に企業で開発を行う方々と直接触れ合うことで、学生たちにとって非常に大きな経験になったことと思われます。 プレゼンテーション風景 受賞者

2021.7.13

株式会社菊谷生進堂×インダストリアル&セラミックデザインコース「お香文化を楽しむ新しい道具のデザイン開発 (香源プロジェクト)」始動

株式会社菊谷生進堂×インダストリアル&セラミックデザインコース 「お香文化を楽しむ新しい道具のデザイン開発 (香源プロジェクト)」始動  デザイン領域 インダストリアル&セラミックデザインコースでは、株式会社菊谷生進堂(以下、菊谷生進堂)と連携し、「お香文化を楽しむ新しい道具のデザイン開発 (香源プロジェクト)」という、お香文化を楽しむ道具を提案するというプロジェクトに取り組んでいます。  菊谷生進堂は、「香源」というブランドで名古屋市に本社、銀座、上野にも店舗を置くお香の老舗。インターネット販売や海外への通信販売を手がけるなど、お香についての情報発信、新しい商品やサービスの提案を通し、お香文化を広く伝えることを経営理念として活動しています。今回のプロジェクトでは、お香文化の歴史や伝統を踏まえつつ、現代の生活にマッチした香源ブランドの新商品のコンセプトを考案し提案するというものです。  2021年7月1日に行われた授業は、プロジェクトの第1回で菊谷生進堂 菊谷勝彦代表取締役社長にお越しいただき、予備知識としてお香についての講義を行っていただきました。  講義に先立ち、担当する後藤規文教授から、学生はお香について馴染みがないかもしれないが、今回に限らずプロダクトを考える上では「コト」というところから発想することがとても大事であり、「モノ」を作る前にその世界観をできるだけ拡げて考えて欲しい。デザインの提案というと不便を見つけその問題を解決するというやり方で普段は考えているが、今回は理想的な生活の創造、お香という馴染みのないものを自分の生活に取り入れるためにはどうあるべきか、どんな道具があればいいか、そうしたことを考えてその世界観を模索して欲しい、とプロジェクトの趣旨が説明されました。  菊谷氏の講義は、お香の素材、たくさんのお香の商品、お香を楽しむための道具が用意され、文字通り香りを感じながらのお話となりました。はじめに菊谷氏からは、お香屋さんが考えるとこういう商品になってしまう、今回はこうした現状をお伝えするので学生の皆さんでぜひ新しいものを考えて欲しい、いわばこちらからの悩み相談です、と挨拶がありました。  講座は、まずお香の基本的なことの説明から始まりました。お香には七種類あるといいます。ひとつ目はお香の原料にもなる香木。白檀、沈香、伽羅の三種類で、香炉で熱を加えると香るものです。香木は、線香や匂い袋の原料にもなるお香の中心となるもので、非常に高価なものでもあります。二つ目は匂い袋で、香木や香原料を刻んで常温で香りが出るようにしたもので、火を使えない場所でも香りを楽しむことができます。もともとは虫除けとして使われたのがはじまりといいます。ほかには、茶の湯の席で使われるお香の原料に蜜を入れて練った煉香、一般的に知られよく使われている線香、葬儀や法事で使われる香木や香草などを細かく刻んで混ぜ合わせた焼香、仏教で身体に塗り身を清めるために使う香原料をパウダーにして携帯できる入れ物に入れた塗香(ずこう)、椨(タブノキ)を粉末にし香木や焼香を焚くときの導火線の役割として使う抹香。これら七種類のお香を紹介しつつ、場や自身を清めるために使われたことや、燃え終わるまで一定の時間がかかるため時間を計るタイマーのように使われたことなど、お香の役割を説明していただきました。また、それにあわせ、これまでに企画された商品の紹介、燃やすタイプのものであれば灰が落ちることや燃えない部分が残ってしまう香炉の問題なども紹介してしていただきました。  お香の文化としては、時間を計るための時香盤といった道具や古典に登場するお香のエピソード、香りの異同を鑑賞する香道とそこで用いられる源氏香の図、香道と名古屋にお香が伝わった歴史的な背景なども解説していただきました。  説明のあと、学生らは、実際にお香を焚いて香りを確認したり、香木そのものや香炉、商品を手に取りパッケージや問題点を個別に聞き取ったりしました。学生らは、自分の生活や利用シーンを想像し、さっそくアイデアを検討している様子でした。このあと講義は7週に渡り行われ、8月に最終プレゼンテーション、展示発表が行われます。新しい視点でのアイデアが期待されます。

2021.7.6

三和興産株式会社ワーキングスーツのデザイン開発プロジェクト 最終プレゼンテーションと審査結果発表・表彰を行いました

 プロジェクトには本学ID・CDコースの4年生・3年生、そして大学院生の計30名の学生が参加、2021年4月からの実技授業の枠でデザイン案を作成しました。計8回の授業でデザイン完成というタイトスケジュールでしたが、本学教員をはじめ、三和興産・未来縫製スタッフの皆さんからアドバイスをいただきながらデザインレベルを高めていき、本日無事「最終プレゼンテーション」を迎えました。  本日の講評で評価の高いデザイン案は、担当教員のフォロー作業を経て三和興産のワーキングスーツとして専門メーカーである未来縫製により実際に製作されるだけに、会場には期待と緊張が入り交じった独特の雰囲気が漂います。  そして、本学後藤規文教授の進行により最終プレゼンテーションがスタートしました。学生達は個人やチームに分かれて、スライドや実物の模型を使いながら作品をアピール、4〜5組発表したところで木村徹客員教授・片岡祐司教授による質疑応答の後、三和興産の田中一秀代表取締役と未来縫製の福田穣代表取締役に寸評をいただく、という流れで進みました。  しっかりとしたリサーチを披露する学生や自らの実体験を基にした説得力のあるコンセプトメイクで審査陣を唸らせる学生、「いやぁ、かっこいいね!」と声をかけられる学生や模型を自ら着用しながらアピールする学生など、見応えある内容のプレゼンテーションが続きました。 大学院デザイン研究科1年 インダストリアルデザイン4年 大学院デザイン研究科1年 三和興産株式会社ワーキングスーツのデザイン開発プロジェクト 最終プレゼンテーションと審査結果発表・表彰を行いました  本学芸術学部デザイン研究所及び、デザイン学部インダストリアルデザイン&セラミックデザインコース(以下、IDコース)、カーデザインコース(以下、CDコース)では、地元のリサイクル及び環境、インフラ企業である三和興産株式会社(以下、三和興産)の依頼により、2021年度に『三和興産ワーキングスーツのデザイン開発プロジェクト』を受託、デザインを実技授業内で開発することとなりました。 経緯  三和興産は産業廃棄物のリサイクル活用を積極的に研究しており、今回のワーキングスーツの開発においても、モデル製作や製品化において同じくリサイクル業態で実績をもつ地元企業の有限会社未来縫製(以下、未来縫製)と連携し、環境に配慮した製品を目指しています。本学においても環境をテーマにしたデザイン開発は地球温暖化対策に貢献し、大変意義深いことと考え、プロジェクトを受託しました。 期待と緊張〜6月24日の最終プレゼンテーション 有限会社未来縫製 福田穣代表取締役 コメント  私達は長くファッションや作業着の仕事に携わっていますが、最近の作業着に求められるものについては従来の「安全性」「着やすさ」に加え、最近は「ファッショナブル・スタイリッシュ」であることや「環境・エコ」に配慮したものであることが重要視されるようになってきました。  そういう意味で、皆さんが今日発表した作品は(これらを含んでいるので)すべて正解と言えて、後は作業着を必要とする個々の会社が重視するものはどれかによって選ばれる作品が変わってくると思います。今回賞に選ばれない作品の中にも、後の作業着に変革をもたらすヒントが隠れているかもしれません。  一方、そのヒントがはっきりするように、もっとテーマを突き詰めて絞り込んでもよかったかと思います。(ニューヨークの「一風堂」が新たに取り入れたスタッフ用ユニフォームのデザインを紹介しながら)結果的に「突拍子もない」と受け取られるような作品があってもよかったと思います。 三和興産株式会社 田中一秀代表取締役 コメント  まずもって先生方、これまでご指導をいただきましてありがとうございます。そして学生のみなさん、このような素晴らしい機会に立ち会わせていただきありがとうございます。二週間前に皆さんの最初デザイン案を見せていただいたとき「今までなかったものが現実にかたちになり自分の目で見ることができる」ようになって私はとても感動しました。そして、あれからたった二週間で(先生方のご助力があったとは思いますが)デザインが洗練され、コンセプトがはっきりとしました。みなさんの作品から三和興産に対する「愛情・愛着」を大いに感じ取り、さらに感動した次第です。  思えば、私は親や周囲からの愛情を受け成長し、その私は愛情をもってこの会社を成長させてきました。人も企業も「愛情・愛着」なしでは存在しえないというのが私の考えです。 木村徹客員教授 コメント  皆さんお疲れさまでした。今プロジェクトはスタートこそ若干の不安はありましたが、そこは先生方の指導と学生諸君の頑張りである程度の水準でプレゼンをまとめ上げることができたのは素晴らしいことだと思いました。この後審査選考の上、最優秀の作品は実際の制服のデザインとして検討するチャンスを与えられる訳ですが、当然ながら皆さんはまだプロではないので完成度にはギャップがあり、教員と未来縫製さんの手が入ることを前もってお知らせしておきます。 片岡祐司教授 コメント  実はこのプロジェクトのお話があったときに、プロダクトデザインを中心に学ぶ本学学生なので、ファッションデザインの領域を多く含むこの案件をお受けするかどうか少し悩みましたが、杞憂だったようです。ファッションデザインのイラストもこなす学生に「別の才能」を発見したのは収穫でした。よいプロジェクトになったと思います。 審査結果発表  プレゼンテーションは順調に進んだ印象だったのですが、新型コロナワクチンの大学拠点接種のスケジュールが授業時間と重なるという今年ならではの事情もあって、最終審査の時間が十分に確保できなかったので、審査結果発表・表彰は7月1日に持ち越され、受賞者3名が改めて招集され表彰されました。 最優秀賞 陳雪晴 優秀賞 SOH YUN PING 優秀賞 辻村大地 三和興産株式会社 田中一秀代表取締役 寸評  先日もお話ししました通りどれも優秀な作品で選考には本当に苦労し、改めて選考基準を決めるところから始めました。コンセプトやデザインが私共の想いに一番リンクする作品を選ばせていただきました。  陳さんの作品は、実現可能なデザインで弊社の10年後に向けてのテーマを追求してくれました。社員の多くが「これだね」と気に入っていた様子です。  SOHさんの作品は弊社の名に含まれる「和」の字からの着想や所在地である一宮市の地域活性化もコンセプトメイクに加えていただいたことが素晴らしかったです。「着てみたい」と思いました。  辻村さんの作品は「ガンダム」「ドラゴンボール」世代の支持を受けました。これを着たら元気になること間違いなしですからね!(笑)。社員の気持ちが高揚することは意欲と安全意識の高まりにも繋がりとても有益です。  満足そうに記念写真に収まる受賞者と田中一秀代表取締役に今回のプロジェクトの意義を強く感じました。スーツの完成が待ち遠しいです。 有限会社未来縫製 福田穣代表取締役 三和興産株式会社 田中一秀代表取締役 木村徹客員教授 片岡祐司教授 受賞作品 最優秀賞 陳雪晴 大学院デザイン研究科1年 優秀賞 SOH YUN PING インダストリアルデザイン4年 優秀賞 辻村大地 大学院デザイン研究科1年 左より、三和興産株式会社 田中一秀代表取締役・辻村大地さん・陳雪晴さん・SOH YUN PINGさん

2021.6.10

産学連携企画 中部文具工業協同組合「2021 文具デザインプロジェクト」キックオフミーティングを開催

産学連携企画 中部文具工業協同組合「2021 文具デザインプロジェクト」キックオフミーティングを開催  2021年6月9日、西キャンパスB棟大講義室にて、本学と中部文具工業協同組合加盟の文具メーカー3社との産学連携企画、「2021 文具デザインプロジェクト」の1回目のミーティングが行われました。このプロジェクトは、デザイン領域の学生が受講する「デザイン実技Ⅳ」の講義で、3年次までに習得したデザイン技術や知識を用い、商品や製品の企画、調査、開発、製造、販売までを見据えデザイン提案を行うという実践的な内容の講座。文具メーカーで実際に開発を担当する方とディスカッションを行い、実際に製品化できるようにアイデアをブラッシュアップし、場合によっては本当に製品化も行われる夢のあるプロジェクトです。今回の授業では、メーカーと学生の顔合わせと課題テーマの発表が行われました。参加の企業は、ホワイトボード・黒板・チョークなどの製造を行う株式会社 馬印様、スタンプ・ネーム印でおなじみのシヤチハタ株式会社様、デスクマットやコロナ対策のパーティションなど樹脂製品の製造を行う森松産業株式会社様の3社。学生らには、あらかじめ希望を聞き取り、6名ずつの3つのチームに割り振られました。  講座のはじめに、担当する三枝樹成昭講師からプロジェクトの目的、デザインプロセスの説明が行われました。学生には自由な発想で製品企画の提案を行って欲しい、また、実社会で製品やサービスの開発にあたりデザイナーがどんな役割を果たしているかを実体験として感じ取って欲しいと説明しました。参考として、これまでプロジェクトで提案された作品の紹介があり、実際に製品化された作品なども紹介されました。  続いて、各社から会社の概要説明と課題の発表が行われました。課題は、馬印「コロナ後のカキ・コミュニケーション、(サブテーマ)つながる黒板・ホワイトボード」、シヤチハタ「もともとの価値を拡張した文房具」、森松産業「自分の仕事環境を作る フリーアドレス快適化グッズ」です。  馬印の「コロナ後のカキ・コミュニケーション」では、製品の機能、性能、効能をポイントとしてよく考え、既存の黒板やホワイトボードをアナログ的に活用するような製品を考えて欲しいと要望が出されました。シヤチハタ「もともとの価値を拡張した文房具」では、これまでのシヤチハタ製品がインクと印鑑のように2つの機能を組み合わせることで生み出してきたことを説明し、本来の文房具の機能に別の関連する機能を付け加え、より便利に使えるデザインを考えるように課題が出されました。森松産業「自分の仕事環境を作る フリーアドレス快適化グッズ」では、オフィス内で自分のデスクを固定しないフリーアドレスの説明をしつつ、メリットとしてコミュケーションの活性化・オフィス面積の削減、デメリットとして集中しづらい・収納スペースの縮小などを挙げ、デメリットを小さくしメリットを強化するようなものを考えて欲しいと説明がありました。いずれの課題も、製造コストを考慮し、場合によっては特許などについて調べ、アイデアのみを優先した荒唐無稽なものではなく、実現可能なところまで落とし込んで欲しいと要望がありました。  授業の後半では、チームごとに分かれ、担当者とディスカッションが行われました。学生の自己紹介にはじまり、製品カタログを閲覧しつつ今後の進め方やSNSを使った連絡方法の確認などが行われました。すでに考えているアイデアを担当者にぶつけてみる学生もおり、早くから具体的なディスカッションが始り、今後への期待が高まります。  次回からの予定では、毎週、各社の担当の方に本学に来ていただき、学生は週ごとの成果を説明しながら打ち合わせを行い8週間で提案を完成させることになります。チームごとに会社訪問や製造現場見学なども交え、アイデアを詰めて行くことになります。2ヶ月後、終の講義では、全体でひとりひとりがプレゼンを行い最終審査が行われます。どんなアイデアが出てくるか、とても楽しみです。

2020.12.7

レゴランド®・ジャパン×名古屋芸術大学 産学協同プロジェクト 最終プレゼンテーションを行いました

レゴランド®・ジャパン×名古屋芸術大学 産学協同プロジェクト 最終プレゼンテーションを行いました  2020年11月29日、昨年6月にスタートしたレゴランド®・ジャパン株式会社との産学協同プロジェクトの最終プレゼンを、レゴランド®・ジャパンからコマーシャル マーチャンダイジング マネージャー土岐彰人さんとコマーシャル スーバーバイザーの岡野裕美恵さんをお招きし、本学西キャンパスB棟大講義室で行いました。  冒頭に本学デザイン領域准教授の水内智英先生から、ご多忙の中本学へお越しいただいたレゴランド®・ジャパンのお二人への謝意、頑張ってきた学生たちへのねぎらいの言葉があり、最終プレゼンのスタートとなりました。 チームを代表してヴィジュアルデザインコース鈴木瑛士郎さんのあいさつ  プロジェクトはコース・学年も全く異なる約20名の学生チームでスタートしました。7月の現地視察に始まり、学生ミーティングを経て集まった気づきを分類、9つの切り口で具体的なアイデアへと展開、班ごとに別れ企画を深めました。中間プレゼンではレゴランド®・ジャパンからお越しいただいた土岐さんとテクニカルサービス モデルショップスタッフの村松賢さんからご指摘・アドバイスを受けながらいくつものステップを越え、7つの提案に統合、実現可能な段階までブラッシュアップし本日ご提案できるまでになりました。 各チームプレゼンテーションを開始  内容についてはレゴランド®・ジャパンで今後採用されるものもあり、現段階では残念ながら詳細なご報告は控えますが、学生ならではの着想はもちろん、費用面・お客様やスタッフの拘束時間やコロナを含めた安全対策まで、どれもよく練られた企画案でした。プレゼン自体も以前に比べかなりスムーズになり、企画案への考察の深まりを背景にした自信とプレゼンの練習量を感じました。土岐さんと岡野さんは熱心に耳を傾け、時折頷きながらメモをとっていました。  発表後はスクリーン前のモックアップサンプルを手にとって確かめながら、担当学生から説明を受けていました。  休憩を挟み、各企画ごとに質問と講評が行われましたが、講評に先立って土岐さんからご挨拶がありました。 レゴランド®・ジャパン土岐彰人さんご挨拶  今春に皆さんに最終プレゼンをお願いしてからコロナ禍の影響で半年程時間が経ってしまいました。その間、私どものパークも感染症拡大防止のためクローズ、1日も早い再開に向けて、不自由な環境の中奮闘してまいりました。名古屋芸大の学生の皆さんも大変な時期だったと伺っております。おそらく私共と同様、リモートでの打合わせや、制限下で集合しての作業だったと思いますが、しっかり最終プレゼンまで仕上げていただき、とても感謝しております。  この半年の間に新型コロナウイルス感染症拡大の影響で「できること」と「できないこと」が大分変わってしまいました。一方、私共もパーク再開に向けて模索し、「できないこと」も多い中、消毒を徹底するとこれは「できる」、お客様に並んでいただく列を工夫すればこれも「できる」と、ノウハウを積み上げてまいりました結果、営業を再開することができました。  そういったことも踏まえた上で、今日プレゼンしていただいた提案のなかに「やはりこれはやりたい」というものがあります。私は皆さんに「実現することを前提に提案を」とお願いしました。アイデアの中には感染防止の工夫の更なる検討が必要なものもあり、全てやると現時点ではいえませんが、できるものは今日皆さんにお伝えして帰りたいと思います。  その後の質問と講評は学生へのねぎらいと、この企画をパークの活性化へつなげようとする意欲にあふれたものでした。 水内智英先生コメント  今までいくつもの産学連携事業を経験してきましたが、今回ほど丁寧に課題をいただいて、真摯に向き合っていただいたことは無かったと思います。今回の企画は、実際の現場担当者さんに参加していただいたことで、具体的なコンセプトと、それに結びつく実際のデザインと仕組みのアイデアが展開されています。一般に産学連携事業は「大枠のコンセプトとざっくりとしたアイデア」で終わってしまうものが多い中、今回のプレゼンテーションはどこに出しても恥ずかしくないものに仕上がっていると思います。大変な状況の中でのプロジェクトでしたが、ご協力いただいたレゴランド®・ジャパンさんと、我々の数々のダメ出しに耐え(笑)最後までやり遂げた学生達に感謝します。 則武輝彦先生コメント  レゴ®社に視察に伺ったときに、レゴ®社の商品やレゴ®社の精神に大きな可能性を感じました。学生達がその「可能性」を丁寧に拾った結果、ご提案のヒントにつなげられたのではないかと思います。  レゴ®ブロックは教育的構造を持っていて、最近多い「遊び方を強いる」玩具にはない「自分で遊びをみつけていく」素晴らしさがあると思います。この素晴らしさを消費者に知ってもらうには丁寧なアプローチが必要で、今回の学生達の提案はその点でも良くできているのではないかと思います。 レゴランド®・ジャパン土岐彰人さん 総評  私が産学協同事業に参加するのはこれが2回目で、実際はどう進めて、どこまで一緒にやったら良いのか手探りの状態でした。先生方のお話で「丁寧な対応」とのお褒めをいただきましたが、皆さんと密に事業を進められたことはよかったなと思います。  社会人・企業人の私達と学生の皆さんが対等のパートナーとして仕事に取り組めるよう、バランスには注意を払いました。「企業側の私達が出す指示に従って学生の皆さんが動く」というような場面は無く、のびのびと取り組んでいただいた結果、今回のすばらしい提案につながったと思います。  社内でも今回の事業のフィードバックが何回か行われ、社長をはじめ上層部からも「これからもっともっと、地域貢献や地元の皆さんと何かする機会を増やしましょう」という動きが広がってきました。名古屋市内の小学生とワークショップをしたり、中高も含め、いろいろな教育機関とも連携し、地域とのつながりを拡げていこうとしています。皆さんの企画は、既存の企画会社と比較しても遜色ないほど、内容として整っていたと思いますし、良い提案だったと思います。本当にありがとうございました。  総評の後、優秀賞(土岐さんは優秀賞とおっしゃらず「これはぜひやりたい、来春にはやるぞ!」という表現をなさいました)が発表され金色に輝くメダルが授与されました。先生方も含めた、プロジェクト参加者にそれぞれをイメージして作られたミニフィギュアが贈られました。 このメダルは海外のレゴランド®のアトラクション「砂金堀り」で砂金を掘り当てた者だけが購入できる超レアアイテム。首からメダルを下げてニコニコ顔の受賞者をお見せできなくて残念 背中には参加者の名前、土岐さんからの「こだわり」の解説に爆笑・歓声が大講義室に響き渡りました。この後「全員のフィギュアが並んだ姿が素敵すぎて、自分のだけ持って帰れない」問題が発生(笑)。人を喜ばせるプロの実力を見せつけられる一幕 満面の笑みで記念撮影を終え、最終プレゼンテーションは終了となりました。 当日は萩原芸術学部長と濵田経営統括本部副本部長が参加、レゴランド®・ジャパンのお二人への感謝とプレゼンテーションへのお褒めの言葉をいただきました

2020.12.6

企業とユーザーを想定して提案 スペースデザインコース企業とのコラボレーション

企業とユーザーを想定して提案 スペースデザインコース 企業とのコラボレーション スペースデザインコースでは、デザイン演習Ⅱの授業で、株式会社オダタイヤ様、株式会社パームホルツ様、株式会社ガーデンメーカー様のご協力を得て、産学連携プロジェクトを進めています。 株式会社オダタイヤ様とは、トヨタカローラ愛豊株式会社にて新型ハリアーのショールームディスプレイの提案、株式会社パームホルツ様とは、産業廃棄物であるパーム材を原料とした海外のパブリックスペースで使用できるストリートファニチャーの提案、株式会社ガーデンメーカー様とは、家族や地域社会のコミュニケーションを活性化させる庭とそのための装置やツールの提案を行っています。新型コロナの影響で、対面授業がままならない前期でしたが、各企業の方々を本学にお招きしたり、学生らが企業へ出向いてプレゼンしたりするなど、提案をブラッシュアップさせ試作する段階に来ています。最終的には、採用された案を実現し、実際に店舗などで展示されることになります。非常に楽しみなプロジェクトです。 株式会社オダタイヤ×トヨタカローラ愛豊株式会社 展示車のショールームディスプレイ 店舗とクルマのイメージと購買層を想定して、3つの提案を行いました。学生らは、一宮インター店を訪れてプレゼンし、店舗で働く方々にも提案を見ていただきました。幅広い人にクルマへ興味を持ってもらうための「漫画」パネルの案が好評でした。実際に展示する場合の構造や安全面への質問もあり、実現へ向けての課題が新たに見えてきました。同時に、大きく手応えも感じました。 株式会社パームホルツ OPT(オイルパーム樹幹)を使ったストリートファニチャー 株式会社パームホルツ様は、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を、材木の代わりとして再利用する事業を進める企業。そのオイルパーム樹幹を使い、材木として利用できる強度があることや、再利用されず廃棄されているという問題そのものを広く知ってもらうため、ストリートファニチャーを提案しました。9名の学生が、9つの案をプレゼンしました。 株式会社ガーデンメーカー 庭に対するデザインの提案 狭い庭を広く活用できるようにする構造体や、水はけをコントロールして水遊びのできる庭、地域社会を楽しませるギャラリーの機能を持つ庭、庭のない家でも室内で自然を感じリラックスできる小さな庭など、家族や地域社会のコミュニケーションを活性化させる庭のデザインを提案しました。株式会社ガーデンメーカー様の会社見学もさせていただき、提案以外にも多くの交流が生まれました。

2020.9.20

名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画

名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 名古屋高速道路公社とのコラボレーション、橋脚ラッピングアートを公開 名古屋高速道路公社と本学の開学・設立50周年を記念してコラボレーション企画が進められました。2020年9月15日(火)、名古屋高速黒川出入口にある黒川ビルにて、橋脚ラッピングアートを公開、あわせて、50周年記念ロゴマーク、イメージソングが披露されました。新型コロナウイルスの影響によりさまざまなイベントが中止される中、黒川ビル前の屋外スペースを使い、感染防止に配慮する形で式典を行いました。 式典では、名古屋高速道路公社および本学関係者、また、ラッピングアートのモチーフとなった愛知・名古屋アジア競技大会組織委員会の方々、さらにヴィジュアルデザインコースの学生が参列、盛大に除幕式が行われました。 作品の公開にともない、制作チームを代表し、ヴィジュアルデザインコース3年の荒木香奈子さん、大熊美央さん、小久保楓さんが作品について説明しました。橋脚ラッピングアートは、名古屋市内の黒川、円頓寺交差点、ささしまライブ、若宮大通公園、名古屋みなとアクルス前の5か所10面に施され、それぞれ街のイメージやカラーリングなどデザインに工夫が凝らされています。「名古屋らしさ」や街の特色を出すために、設置場所をリサーチしたことや、アジア競技大会の訴求効果などに考慮したこと、苦労した点についてなど説明しました。また、ラッピングアートにはSNSでの拡散を考え、ハッシュタグとアイコンもあわせて提示されていることも紹介されました。 除幕式に続き、イメージソングが披露されました。歌は、声優アクティングコースのオーディションで選ばれたボーカルユニット「Rue*Claire(リュ*クレール)」(仏語で「道」の意。3年の塩澤美響さん、2年の伊藤佳帆さん、羽田佳令さん、増田真衣さん、1年の上田晴菜さんで構成)、曲はオリジナルの「君と行きたい」(作詞:文芸・ライティングコースの小田真帆美さん、サウンドメディア・コンポジションコースの濱元衣織さん、作曲: 濱元衣織さん)。揃いの衣装に身を包み、振り付けも軽快に歌い上げ、会場に彩りを添えました。耳なじみが良く、公社の方々も口ずさんでいる姿が印象的でした。 名古屋高速道路公社 黒川ビルには、レインボー黒川広場というスペースがあり、今回制作された橋脚ラッピングアートの作品が展示されています。式典出席者が作品を閲覧する間、名古屋高速道路公社 新開輝夫理事長にお話を伺いました。「橋脚ラッピングアートですが、そもそも都市景観上、橋脚に絵を描いていいのかという問題からスタートしました。大きなスペースであり公共性も高いため、景観に配慮する必要があります。ちょうどその頃、同じような形で首都高速で東京オリンピックのPR活動があり、愛知ならアジア競技大会で可能であるなと考えました。組織委員会の方々にもご協力いただき、非常にいいものができたと喜んでいます。絵の部分については、名古屋芸大さんにできるだけお任せして自由に作っていただきたいと思いましたが、制約もありどうだろうと心配していました。ですが、スポーツとデザインの要素をうまく取り入れて考えられていて、本当に素晴らしいものができたと嬉しく思っています。イメージソングについても、3つ案をいただき、公社の中で投票して今回の曲が選ばれました。どんな人に歌っていただけるのだろうと思っていたところ、専門に勉強されている学生さんだと聞いて驚きました。元気があってみずみずしく素晴らしいです。グループ名も「道」に関連したものとのことで、感謝でいっぱいです。公社としては、これからこの歌を使ってどんなPRをやっていこうか、次の仕事をいただいたように感じています。公社も名古屋芸大さんも50周年を迎えますが、自分たちだけでやってきたというわけではありません。社会やいろいろな人と関わりあいがあって、それだけの年数活動してこられたのだと思います。これまでやってきたことを振り返りつつ、コラボレーションすることで新しいことができるのではないかと思います。今回、新型コロナウイルスの影響で予定していた式典はできませんでしたが、逆にそのおかげといっては変ですが、新しい形で除幕式を開くことができました。これまで、公社は道路事業を基本に、安全を考え渋滞や事故を減らす、そういったことに取り組んできました。名古屋高速も50年経ち、利便性を高めることに加え、「利用する皆様に愛着を持っていただける高速道路」へと変わっていく必要があります。今回のコラボレーションは、公社にとっても非常にいい経験になりました。名古屋芸大さんには、街作りやいろいろな形で社会貢献できることがあるのではないかと、大きな可能性を感じています」。 橋脚ラッピングアートは、名古屋市内5か所で展示されています。お近くにお越しの際は、ぜひご覧下さい。また、イメージソング、Rue*Claireの「君と行きたい」のMVをメディアデザインコースの学生が制作中、間もなく公開予定です。こちらもお楽しみに。 Rue*Claire『君と行きたい』は、からお聴きいただけます。 こちら 橋脚ラッピングアートプロジェクト 「名古屋らしさ」を表現するために設置場所についてリサーチし、それぞれの場所にマッチしたパターンを作成しています。色彩についても場所と関連付けてカラーパレットを構成、色彩の共通性と幾何学形態によって10面のラッピングアートそれぞれに連動性を持たせています。 アジア競技大会を連想させるスポーツのイメージは、墨で描いたシルエットにして躍動感と期待感を表現しています。種目はラッピングアートが設置される場所の近くで開催される競技が選ばれています。各スポーツの代表的なシルエットを墨と筆で抽出し、動きや骨格のイメージと重ね力強さやしなやかさを、また、かすれ具合で躍動感を表現しています。 制作チーム/ヴィジュアルデザインコース 片山浩 准教授 3年 荒木香奈子 大熊美央 川瀬詩乃 小久保楓 永井希実 名取友春 平林花菜 若宮 賑やかで栄えているイメージ。若宮には4面のスペースがあるため、1面ずつ大きく使う色を決め、パターンと組み合わせて展開しています。繁華街のキラキラした印象をダイヤ型で表現しています。 黒川 ビルが多く、ビジネスマンと近くの堀川のイメージから、紫、濃い青といった落ち着いた配色にしています。円になっている名古屋高速道路公社の建物から円状のパターンとなっています。 円頓寺 歴史ある商店街から、レトロ感のある淡い配色にしています。名古屋の歴史を象徴するしゃちほこの鱗のパターンと円頓寺商店街の木目のパターンを合わせています。 ささしま 若者が多く爽やかでフレッシュなイメージから配色しています。新しい建物、さまざまなイベントなど、新たな街が生まれる躍動感と先進的なイメージを表現しています。 港 名古屋港と水族館から水のイメージ。アクセントとして補色のオレンジを加えています。波を曲線で表現しています。連続させることで勢いや美しさを演出しています。 50周年記念ロゴマークを作成 ヴィジュアルデザインコース3年の学生8名がアイデアを提出、4名が選ばれてデザインを考え、それらを基に片山浩准教授がブラッシュアップ。最終的に名古屋高速道路公社が選定して、ロゴデザインが決定しました。 デザイン/ヴィジュアルデザインコース3年 荒木香奈子 名古屋高速をモチーフとした曲線と50の丸い形を重ねて表現しています。曲線の柔らかさとメリハリある奥行き感で過去から未来への時間の経過を表し、街と市民に寄り添う歴史と未来を作っていくということを伝えています。 名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 名古屋高速道路公社とのコラボレーション、橋脚ラッピングアートを公開/50周年記念ロゴマークを作成 名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 「君と行きたい」MVをメディアデザインコースが制作 名古屋芸術大学×名古屋高速道路公社 開学・設立50周年記念コラボレーション企画 名古屋高速道路公社 50周年記念動画にヴィジュアルデザインコースの学生が出演、西キャンパスにて撮影