• 学科・領域

  • 形態

2022.8.25

いちのみや芸術商店街 美術領域工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコース 作品展示 高校生とのコラボ BOXアート展示、作品の販売も

いちのみや芸術商店街 美術領域工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコース 作品展示 高校生とのコラボ BOXアート展示、作品の販売も  に合わせて、会場の一つとなっている一宮市では、さまざまなイベントや企画展が開催されます。本学の美術、デザイン、音楽の各領域も、パートナーシップ事業である「いちのみや芸術商店街」の企画・運営に参加、作品の展示と演奏会を行います。美術領域工芸コースとメタル&ジュエリーデザインコースは2022年8月9日(火)〜11日(木・祝)に一宮本町商店街のアーケードとその周辺に作品を設置しました。 国際芸術祭「あいち2022」 I・T・Kビルでは「BOXアート」を展示  「BOXアート」は、本学で一宮市の高校生を対象としたワークショップで制作されました。30センチ角の木箱に尾州織物の廃材等を用いて作られ、本学の111名の学生も「BOXアート」を制作しました。木箱のひとつひとつには作った人の内面や空想などが表現されており、個性が際立ち見応えのあるものになりました。一宮駅近くのI・T・Kビルでは、完成した約200個もの木箱を組み合わせ、ひとつの展示となっています。制作に参加した木曽川高校の生徒からは、「作っていて楽しかった」、「芸大生の作品と並べると見劣りするのではと思いましたが全体で見ると統一感があって安心しました」などの声が聞かれました。 会期前日には関係者を招いてI・T・Kビルで内覧会が開催  中野正康 一宮市長、一宮本町商店街振興組合代表、銀座通商店街振興組合代表ら、関係者を招いて内覧会が開催され、本学からは米山和子 教授、中田ナオト 准教授が出席しました。中野市長は会場に集まった関係者や学生達を前に、これまでの努力に謝意を述べ「多くの分野の方のお力添えをいただきまして「いちのみや芸術商店街」の企画をスタートできることを楽しみにしています」と挨拶されました。 美術領域工芸コースとメタル&ジュエリーデザインコースが作品を設置  2022年8月11日(木)には、メタル&ジュエリーデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)の学生が、一宮駅から一宮本町商店街の思い思いの場所に作品を設置しました。あらかじめ学内で制作された作品を運び込み設置するものもあれば、その場でシャッターに絵を描くなど作品もそれぞれ。炎天下の中、準備を行いました。大きなものでは、銀座通りのロータリーに設置した陶の作品や高さ2mを優に超える金属作品など、小さなものでは電力メーターのボックスの中にあるミニチュア作品といったものもあり、商店街を歩きながら作品を探す楽しみもあります。設置に際して、展示場所を提供してくださったお店の方々にもご協力いただき、学生との交流も生まれ、そのこと自体とても意味のある展示となりました。お店の方々をはじめ、設置の様子を眺める近隣の方々や、あいち2022に訪れた方からも声をかけられたり写真を撮られたりと、注目度の高さもまずまず。一般の方から作品について感想をいただけるのもこうした野外展示の魅力であり、非常に良い経験になるのではないかと思われます。 一宮駅前のアパホテルでも卒業生を中心に作品を展示、販売  一宮駅前のアパホテル(尾張一宮駅前)ロビー、レストラン「アンシエーヌ」では、印刷表現を拡める活動をする「Print for Sale」が、卒業生と学生の作品を展示、販売しています。ロビーでは、グッズやヴィジュアルデザインコースの学生によるTシャツを販売、レストランでは版画作品、ファブリックパネルを展示しています。  国際芸術祭「あいち2022」パートナーシップ事業の「いちのみや芸術商店街」にはこのほか、テキスタイルデザインコースの展示、また、10月には音楽領域の演奏会と盛りだくさんの内容です。一宮へお越しの際には、ぜひお立ち寄りください。

2022.8.8

テキスタイルデザインコース いちのみや芸術商店街 尾州織物の廃棄素材を使った作品を展示

 川邊さんの作品には、コラージュのほか2年生ではまだ授業で行っていない染めの技術も用いられています。「染めは3年生の授業でやるのですが、今回やってみたくて先生にやり方を聞きながら制作しました。思っていたよりも制作に時間がかかり、学校に遅くまで残ってなんとか仕上げることができました」。  3年生の藤川さんは、裏面にも対になるデザインを考案したものの上手くいかなかったのだとか。「裏にも端耳を付けようと思いやってみましたが、ミシンに糸が絡んで上手くいかず断念しました。やはり制作に時間がかかり、大きな袋に詰めて持って帰り自宅でも作業しました。模様は付けられませんでしたが裏面には縫い目が出ています。きれいに仕上がっているので裏も観て欲しいですね」。  4年生の江口さんの作品は端耳をたくさん使い印象的な模様を描き出しています。「模様からウールの良さが見てもらえればいいなと思います。卒業制作もあるので時間を決めて効率的にやろうと努力しました。朝早いうちに学校へ来て、ミシンが空いてる午前中に集中して作業しました」と3者それぞれに工夫を凝らし制作したことが作品からも伝わってきます。 テキスタイルデザインコース いちのみや芸術商店街 尾州織物の廃棄素材を使った作品を展示  に合わせて、会場の一つとなっている一宮市では、連携事業としてさまざまなイベントや企画展が開催されます。本学の美術、デザイン、音楽の各領域も、パートナーシップ事業の「いちのみや芸術商店街」に参加、作品の展示と演奏会を行います。テキスタイルデザインコースは、一宮本町商店街のアーケードに尾州織物の廃棄素材を使った作品を40点展示、2022年8月2日(火)に設営を行いました。 国際芸術祭「あいち2022」  作品名は「祈織(いのり)」。一宮本町商店街は、真清田神社の門前町として栄える商店街で、盛大な七夕の飾りで知られています。祈織(いのり)と命名したのは3年生の水野那美さん。織物の神様を祀る真清田神社の七夕飾りに因み、織物産業の発展とこれまで受け継がれてきた伝統が続くことへの「祈」りを作品に「織」り込むということを表します。作品は、学生がそれぞれ、尾州織物の廃棄素材である端耳をもらい受け、布にコラージュする形で制作されています。モチーフとしては、星や天の川、短冊など七夕飾りを連想させるものも観られます。いずれの作品もフワフワとした尾州の毛織物の柔らかさが印象的です。扇千花教授によれば、制作時期、尾州では秋冬物の生地を織っているタイミングで、端耳も落ち着いた色調になっているとのこと。学生らは、ベースとなる布とこれらの端耳を上手く組み合わせ、カラフルな作品を作り上げています。  アーケードの中心部、ドームになった部分には、1.5m×4mの一際大きな8枚の作品が飾られています。このうちの3作品を制作した、2年 川邊ななさん、3年 藤川裕樹さん、4年 江口桃世さん、にお話を伺いました。 川邊さんの作品 藤川さんの作品 江口さんの作品  すでにテキスタイルデザインコースの作品はいつでも見られますが、この後、メタル&ジュエリーデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)の作品も商店街周辺に設置され、本学学生の作品が一宮の街を彩ります。また、一宮駅近くのI・T・Kビルでは、本学と一宮市の高校生、中学生、小学生とコラボレートし制作した作品を展示。本学卒業生の作家が中心となって展示を行うPrint for Saleも一宮駅アパホテルにて開催されます。期間は2022年8月10日(水)~10月10日(月)(I・T・Kビルは月曜休)、国際芸術祭「あいち2022」と合わせ、ぜひご覧下さい。

2022.8.4

2022年前期「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」古川美術館・分館爲三郎記念館ミュージアムショップ事業 ミュージアムグッズの提案

2022年前期「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」 古川美術館・分館爲三郎記念館ミュージアムショップ事業 ミュージアムグッズの提案 中間発表会 最終プレゼンテーション  デザイン領域 テキスタイルデザインコース 扇千花 教授とメタル&ジュエリーデザインコース 米山和子 教授による「デザインプロデュース」「地域プロジェクト」は、デザイン・美術を工芸の観点から地域の産業と人をつなげ生活を豊かにするものを考え制作するという講義で、名古屋市千種区の古川美術館・分館爲三郎記念館のミュージアムショップで販売するグッズのデザインプロデュースを行います。  2022年4月に、学生らは古川美術館を訪れ、美術館の成り立ちや古川爲三郎氏についての知識を深め、実際にミュージアムショップで販売されているグッズなどを見学しました。それらに基づいてアイデアをまとめサンプル品を制作、6月に古川美術館を運営する公益財団法人 古川知足会の皆様をお招きし中間発表会を行いました。学生たちのバラエティ豊かなアイデアやデザインを高く評価していただきましたが、実際に商品を販売しているプロの視点から、コスト面、安全性、流行の変遷、意匠の問題といった観点から継続可能か、という問いかけがあり、結果として制作費用の明確化と想定する販売価格と合わない場合はコストカットのアイデアが課題として残りました。また、販売期間においても、常設するものに加え期間限定で販売することも選択肢としてあり、それらのアイデア出しも課題となりました。  これらを受けてアイデアをブラッシュアップ、2022年7月20日、いよいよ最終のプレゼンテーションが行われました。今回は、古川美術館・分館爲三記念館の学芸員の方々に加え館長代理兼事務局長 伊藤洋介氏にもお越しいただき、一層、熱の入ったものになりました。  学生らは9つのチームに分かれ、制作したサンプルをお見せしながら、スライドやボードを使い自分たちの企画を説明しました。この授業は、領域に関係なく履修できるものであり、チームにはさまざまなコースの学生、大学院生、留学生と専門や立場が異なる学生が含まれており、それぞれが得意分野で貢献しているようで、成果物としてもグッズはもちろん、パンフレット、チケット、包装パッケージなど、いろいろなところで活用できるロゴマークやキャラクターのデザインといったような幅広いアイデアが提案されました。グッズに関しても、焼き物をベースにした工芸的なものから、キャラクターを活用したキーホルダーや缶バッジ、トートバッグ、さらに古川美術館の収蔵品をモチーフにしたネイルシールなど、幅広いサンプルが制作されました。学生らは、中間発表で指摘を受けた製造原価についても考慮し、中には複数の製造メーカーに相見積もりを依頼しその結果を資料に盛り込むチームもあり、そのまま企業の企画会議になりそうな非常に実践的なプレゼンテーションとなりました。製造原価や販売価格など、これまで携わったことのない分野への考慮も必要になり、苦心したことが伝わります。  結果としては、パンフレットなど現在も使われているものに置き換えるものや、チケットなど使用に関して役割があるものなどは調整が必要で直ちに採用することは難しいものの、限定商品やこれまで扱っていなかった商品は前向きに検討したいとの評価がありました。ことに、美術作品をモチーフとしたネイルシールと数寄屋造りの建築からかたどられた陶磁器の作品は、価格の設定を含め高い評価をいただきました。  伊藤氏からは「熱の入ったプレゼンテーションをしていただき、また、こうした機会をいただいたことに感謝申し上げます。学生の皆さんには、売り込むことの大切さを感じていただけたのではないかと思います。皆さん非常によくできていたと思います。難しい課題だったと思いますが、とてもよく頑張ってくれたチャレンジ精神を嬉しく思います」と評価いただきました。  当初、採用作品を古川美術館に展示することが考えられていましたが、バラエティに富むアイデアがあり、このままでは惜しいとの声もあり、嬉しいことにすべてのチームのプロセスボード、試作品を、8月17日(水)~28日(日)に開催する為三郎記念館 特別展示 「新発見 数寄屋の魅力」に併せて展示していただけることになりました。 特別展示については、古川美術館ホームページをご覧ください(画像をクリック)  デザインプロデュースの成果を、古川美術館・分館爲三記念館にて、ぜひご覧下さい。また、実現可能なものをぜひ商品化したいとの要望もあり、古川知足会でさらに検討することになりました。商品化も含め、非常に楽しみな講義となりました。 中間発表会(2022年6月15日) 最終プレゼンテーション(2022年7月20日)

2022.5.26

工芸分野、一宮市と連携、街をアートで彩るプロジェクト始動

工芸分野、一宮市と連携、街をアートで彩るプロジェクト始動  本学、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースでは、一宮市と連携し、2022年7月30日から行われる「国際芸術祭『あいち2022』」にあわせ、一宮市銀座通商店街、一宮市本町商店街、一宮駅前のI.T.K.ビルに、本学学生、一宮市内の高校美術部生徒らの作品を設置、『あいち2022』を盛り上げる連携企画を行います。2022年5月7日、その手始めとして、学生らが一宮の街を訪れ、商店街、真清田神社などを視察、作品を設置する場所を探しました。  「新しい日常風景」をテーマに、『いちのみや芸術商店街』と称し、一宮駅前から銀座通りを経て、アーケードのある本町商店街を抜けて真清田神社までの公共スペースや店舗に作品を設置します。公共スペースとしては、往来の邪魔にならない歩道、植え込みなどのスペースならば一宮市の許可が得られていて設置可能、店舗など私有地の場合は、学生がそれぞれ店舗などと交渉して設置することになります。この日は、良さそうな場所を探し、工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコースの学生が参加、メタル&ジュエリーデザインコース 米山和子 教授、瀬田哲司 准教授、工芸コース 中田ナオト 准教授の説明を聞きながら、一宮の街を散策しました。  本学の工芸分野としては、工芸コース、メタル&ジュエリーデザインコースのほかにテキスタイルデザインコースがありますが、テキスタイルデザインコースは一宮市の尾州毛織物産地の産業廃棄物を使用した共同作品を本町商店街のアーケードの中心に設置するため、準備の都合で4月26日に見学を行いました。  駅前をスタートし、歩きながら設置スペースを検討します。商店街では、繊維の街である一宮らしさを感じる布や糸を扱う店が数多くあり、レトロな看板やロゴタイプなど風情を感じます。気になる場所に想定する作品が置けるかどうか、実際にスペースを確認しながら歩きます。商店では、お店の人に声をかけお話を伺ったりしながら真清田神社まで歩きました。  真清田神社の門前には、境内にある「服織神社」にあやかり、糸や雑貨を扱う小さなお店があり、お店を観察したりお話を聞いたり、大いに刺激をいただきました。本町商店街では、中田ナオト先生が学生時代に同じように一宮の街にアート作品を展示する企画で作品を置いた場所も紹介。感慨にふける一幕もありました。  最後に駅前のI.T.K.ビルに集合、休日で中には入れないものの場所を確認しました。I.T.K.ビルでは、高大連携として一宮の高校生とコラボレーションで制作するボックスアート(30cm×30cm×30cm程度の箱の中に作品を制作、本学に高校生を招き制作予定)を展示する会場となります。実際に会場となる場所を確認し、学生らは制作への気持ちを高めていました。  現段階ではプロジェクト名や展示期間など未決定ではありますが、作品制作過程も含め、順次お伝えすることになります。ご期待下さい。 「国際芸術祭『あいち2022』」ホームページ

2021.11.4

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 尾張七宝チーム、鋭意制作中!

工芸分野領域横断「工芸EXPO」プロジェクト 尾張七宝チーム、鋭意制作中!  本学デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコース、美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)は、今年度から領域横断による連携を始めています。愛知県の伝統工芸とコラボレーションし「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に出展する「工芸EXPOプロジェクト」において、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース・美術領域ガラスコースでは尾張七宝とコラボレーションし、メタル・ガラス2つの素材を融合させた作品作りに奮闘しています。制作の様子をすこし見せていただきました。  ガラス工房では、学生が溶解炉で溶かしたガラスを竿に巻き取って成形するホットワークにチャレンジしていました。学生に聞くと、伸ばしたガラスをS字に成形し、それをメタルと組み合わせる作品にするとのこと。S字の加工は難易度が高く、技術員の方にうかがっても何度か練習して作るものだとか。方法としては、ガラス全体を温めておいて一気に成形するか、前後に分けてゆっくり慎重に成形するかの2種類。当然、ガラスの扱いに不慣れな学生は後者の方法で制作、しかもこれまでにこうした作業はやったことがないといいます。S字の半分を曲げ、炉の中ではガラスの先の方から温まるため、今度は逆向きにガラスを竿に取り付け、残りの半分を曲げていきます。とはいえ、ガラスを温めるにしても炉の中で溶け落ちないように注意しながら竿を扱い、いざ成形というときにも迷いなく狙う形に持っていかないとすぐに冷めて形が作れなくなってしまいます。温める過程で崩れてきた形を素早く修正しつつ狙う形に曲げていくことは非常に難しく、タイミング、決断、根気とさまざまざことが要求されます。技術員に指導を受けながら、何度も温め形を修正し狙う方向にすこし曲げてと、繰り返していきます。小一時間ほどかかり、逆向きに取り付けてなんとかS字に近づき始めた頃、残念ながら破損。無理に力を加え過ぎたようです。時間切れで、この日のチャレンジはここまでとなりました。  七宝焼の制作は、あま市にある七宝焼アートヴィレッジにて行われています。メタル&ジュエリーデザインコースでは後期の毎週金曜に尾張七宝伝統工芸師の加藤実さんの実技指導を受けていますが、その場で工芸EXPOのための制作も行っています。出展作品は、同じあま市の(資)相互七宝製作所様から、製品にならなかった仕掛品の花瓶を提供していただき、そこにメタルとガラスの作品を組み合わせるというもの。七宝焼自体が金属とガラスを融合させた作品とはいえ、有線七宝のように薄い銀線ではなくもっと大きなガラスを設置するための台座となる金属を溶かして接合するなど、加藤氏がこれまでにやったことのない技法もあり、試行錯誤しながらの制作となります。通常、七宝焼は、釉薬を乗せ800~850度で数分焼くことを絵柄に応じて数回繰り返し完成させますが、750度程度の低めの温度で何度も何度も試しながらの制作となりました。加藤氏いわく、七宝は焼き過ぎなければ修正が効くとのことで、頻繁に窯を覗いて中の様子を窺いながら制作します。七宝の制作は、釉薬を乗せたとき水分が残っていたり、釉薬と素材の間に空気が入っていたりすると大きくはがれてしまったり、でこぼこになってしまったりと、やはり繊細な技術が必要なもの。失敗しては修正して焼き直すといった過程を繰り返し、なんとか作品を仕上げていくことになります。修正が効くとはいえ、何度も焼き冷めるのを待って釉薬を差しという作業は、やはり根気と集中力の要るものです。  ガラスにしても七宝焼にしても、改めて感じるのは制作の難しさ。工芸は、思い通りにならない素材と向き合いながらの制作ということを実感させます。急場しのぎのごまかしや慌てて取り繕うようなことが一切できません。確かな技術はもちろん制作者の精神性といったものまで要求されるような、奥深い世界の一端を感じさせます。  この制作を機に、素材を提供して下さった相互七宝製作所さんの工場を見学させていただく機会に恵まれました。工芸EXPOに参加する学生とともに、七宝焼アートヴィレッジのすぐ近くの相互七宝製作所さんにお邪魔しました。ちょうど無線七宝に釉薬を差す作業中で、息を呑んで作業を見守りました。さまざまな色合いの釉薬や使い込まれた道具たちが並ぶ工房にピンと張りつめた空気が漂い、作品が生まれてくる現場を見ることはとても有意義な経験となりました。長く使われている窯や研磨機にも歴史の重みを感じます。七宝焼の伝統に触れ、大いに触発される素晴らしい工場見学となりました。 ガラス工房 七宝焼アートヴィレッジ 七宝焼制作 相互七宝製作所 見学

2021.10.27

工芸分野領域横断による連携「工芸EXPOプロジェクト」、第三回ミーティング実施

工芸分野領域横断による連携「工芸EXPOプロジェクト」、第三回ミーティング実施  本学美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースは、本年度から工芸分野の領域横断による連携を始めています。領域横断プロジェクトとして、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場/常滑市)で2021年11月に行われる「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に、愛知県の伝統産業である「三州鬼瓦工芸品」「有松・鳴海絞」「尾張七宝」と本学がコラボレーションし、学生による作品を出展、展示します。これまでのミーティングで作品制作のテーマを「映える」に決めており、今回のミーティングでは、テーマに基づき学生らがどんな作品の制作を考えているかを参加者で共有。同じような作品が重なっていないか、大きさや色など展示するときに問題にならないかなど、作品全体がどんなものに仕上がりそうか現時点での確認を行いました。  プレゼンテーションは、工芸コースの学生から行いました。プレゼンテーションといってもプロジェクトには40名あまりの学生が参加しており、ひとり3分ほどの持ち時間。簡単なラフスケッチをもとに、どんな作品を考えているかを説明しました。工芸コースの学生は三州瓦を使った作品を考えており、瓦の色味を生かした重厚なものが揃いました。ただし、窯の大きさに制限があり、作品サイズは50cm角ほど。それ以上の大きさの作品となると、別々に焼き上げ組み合わせて展示することになります。大きな作品は、制作にも工夫が必要になります。まだアイデアが具体化されていない学生もいましたが、ユニークなモチーフがたくさんあり期待が高まります。  続いてテキスタイルデザインコースの学生が説明。テキスタイルデザインコースは、有松鳴海絞りとのコラボレーションですが、手ぬぐい制作でもお世話になっている(株)張正さんの豆絞りを使っての作品です。張正さんには染めむらのため商品にならなかった豆絞りのB反があり、それを活用して、学生がデザインを加えてシルクスリーンでプリントすることを考えています。テキスタイルコースでは、普段の制作からイメージを明確にしたり人にアイデアを伝えるため関連する写真や素材をコラージュしたムードボードを活用していますが、和柄をテーマにしたムードボードを各自が作成、それをもとにプリントするパターンを発表しました。  最後に、メタル&ジュエリーデザインコースとガラスコースの学生が説明。メタル&ジュエリーコースではアートヴィレッジで見た色のくすみや傷で作品とならなかった仕掛品の活用を考え、それら仕掛品と金属やガラスなど別の素材を組み合わせる作品がいくつか見受けられました。また、時計の文字盤やUSBメモリの筐体に七宝を取り入れるなど、身近な日用品と組み合わせた作品のアイデアもありました。パズルの要素を盛り込むなど工芸品でありながら日用品と組み合わせ、親しみを感じさせるようなアイデアが印象的でした。  工芸コース 中田ナオト准教授からは、「全体が把握できて良かったと思います。まだ制作プランが固まっていない人もいるようですが、プレゼンを見て自分とは違うアプローチもあると考えてみて下さい。これから制作に入っていきますが、実際にやってみないとわからないことも多く変わってくる部分もあるかと思います。計画的に進めて欲しいと思います。展示については、コースごとではなく、全体をミックスするような形で名古屋芸大のスペースが楽しい空間になることを目指しています。展示の方向性みたいなものが見えてきたのではないかと思います。今日のプレゼンから、さらに良い作品が展示に並ぶことを期待します」とコメントしミーティングは終わりとなりました。今後は各自で制作となります。

2021.10.14

工芸分野領域横断「工芸EXPOプロジェクト」 有松・鳴海絞り 張正 豆絞り制作を見学

工芸分野領域横断「工芸EXPOプロジェクト」有松・鳴海絞り 張正 豆絞り制作を見学  今年度から、テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコース、工芸コース(陶芸・ガラス)は、領域を越えた連携を進めています。愛知県の伝統工芸とコラボレーションし「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)に出展する「工芸EXPOプロジェクト」では、テキスタイルデザインコースの学生が、例年手ぬぐい制作でお世話になっている有松・鳴海絞りの張正さんとコラボレーションし、伝統の「豆絞り」を使った作品を制作します。  豆絞りは、江戸時代から続くドット模様の伝統的な絵柄ですが、戦争により制作方法が失われ、張正さんの先代、先々代が研究を重ね復活させたもの。今回、学生らは、生産の過程で出たB反(染めむらなどちょっとした難点のある二級品)を活用し、豆絞りの柄と重ねるように染めを加えて作品を作ります。これを機に、張正さんのご厚意で豆絞りの制作を見学させていただきました。  張正さんは、豆絞りを板締め(布を2枚の板の間に挟み強く締め、染料の浸透を防いで模様を染め出す染色法)、浸染(布を染料溶液に浸して染める方法)で制作しており、その技術は、長年の研究と経験で得られたもの。門外不出の技術で、なかなか見せてもらえるものではありません。見学会は、とても貴重なものとなりました。  工場に集まった学生らは、密にならないように、また作業の邪魔にならないように気を付けながら作業を見守りました。事前に屛風畳みに折られた布を、豆絞り用に溝を掘った専用の板に締めていきます。豆絞りの丸い模様は、染料がにじむことで丸くなるため、締めすぎると綺麗な丸になりません。もちろん締め方が緩いと模様がつながってしまい、やはり丸にならず、微妙な力加減が必要です。染料の温度や、その日の湿度も染みこみ具合に影響するため、しっかりと温度や浸す時間の管理が必要です。張りつめた雰囲気の中、締め上げた布をゆっくりと浸し、何度も時計を確認しながら布を返し、染めていきました。張正さんでは、通常ならば色味に深みを出すため染めた生地を1日置いてから洗うそうですが、今回は特別に一部を洗って見せていただきました。板から外した生地はストライプになっていますが、水の中で広げると鮮やかな豆絞りの模様が現れ、感嘆の声が漏れました。  張正さんは「こうした技術をぜひ若い人に受け継いで欲しい」と話し、学生らは作品作りへ向け薫陶を受けたようでした。  「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」(KOUGEI EXPO IN AICHI)は、2021年11月27日(土)~29日(月)、Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場・愛知県常滑市セントレア)にて開催されます。テキスタイルデザインコースの作品を含め、本学のブースでは愛知県の伝統工芸のコラボレーション作品が多数展示されます。お楽しみに。

2021.7.24

【工芸リレー】美術領域 アートクリエイターコース・工芸コース(陶芸・ガラス)「陶・ガラス教育機関講評交流展 CONNEXT 2021」を開催

【工芸リレー】美術領域 アートクリエイターコース・工芸コース(陶芸・ガラス)「陶・ガラス教育機関講評交流展 CONNEXT 2021」を開催  今年度から本学では、美術領域の工芸コース(陶芸・ガラス)とデザイン領域のメタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースの3コースで領域横断による連携を深め、素材と学生の人的な交流を促し対話しながら思考を深める『工芸分野領域横断プロジェクト』を進めています。その一環として西キャンパス アート&デザインセンターWestでは7月に、それぞれのコースの展覧会をリレー形式で連続開催、【工芸リレー】として作品を展示します。  第一弾としてアートクリエイターコース、工芸コース(陶芸・ガラス)による「陶・ガラス教育機関講評交流展 CONNEXT 2021」を、2021年7月16日(金)〜21日(水)に開催し、その初日に特別客員教授 井上雅之氏(多摩美術大学工芸学科教授、陶芸家)をお招きして講評会を行いました。CONNEXT 2021は、本学アートクリエイターコース、工芸コース(陶芸・ガラス)の3、4年生、岐阜県立 多治見工業高校 専攻科、富山ガラス造形研究所による合同の展覧会で、初日には各学校から学生にも本学に来ていただき、講評を受けました。  講評会は、12時15分にスタート。3校の学生ひとりひとりが10分程度のプレゼンテーションを行い、井上氏と自校以外の教員から評価を受けるという型式で、夜8時近くまでの長丁場となりました。密を避けるためアート&デザインセンターWestと大教室をオンラインでつなぎ、学生らは移動しつつ講評を受けるという変則的な方法での講評会でしたが、内容は非常に濃いものとなりました。  多治見工業高校 専攻科の作品は、それぞれの作品がオブジェとしての作品でありつつも置かれる場所や装置のとしての機能を想定してまとめられおり、ストレートに陶芸と向き合っている姿が印象的でした。  本学アートクリエイターコース4年、工芸コース(陶芸・ガラス)3年の作品は、陶芸・ガラスを木材や金属など他の素材と組み合わせて考えた作品や土やガラスの持つ重さや質感を違う形で見せるような、荒削りながらも素材の持つ魅力を捉え直そうとする作品が印象に残りました。  富山ガラス造形研究所 造形科 2年生9名の作品は、ガラスの色や質感、溶け方や温度による変質などガラスの特性を利用して表現に昇華しようという試みと完成度の高さを感じました。  今回の展覧会では素材の選択や技法など実験的な習作といったものもいくつか見られましたが、講評では、それをもっと推し進めて極限的にはどんなことが起こるか、またそうすることで新たな課題が見つかることや新たな考えに行き着くはず、もっと思いきって枠にとらわれず自分の考えることを突き進めるべきといった意見が多く出ました。また、今回が初めてのプレゼンテーションだった本学工芸コース(陶芸・ガラス)3年生たちは作品の発想について語ることが多かったのですが、もともとのコンセプトも大事だが制作の途中で作品は移り変わって行くもの、最初のアイデアよりも思考のプロセスや作品のどの部分に魅力を感じているか伝えるよう、自分の作品について客観的な目で見直して欲しいと助言をいただくことが多々ありました。こうしたものの見方は、陶芸やガラスといった工芸に限らずすべての領域に当てはまることであり、非常に意義深い講評会となりました。  講評会のあと、出席者がそれぞれの作品について感想やコメントを記したメモを交換、学生同士の交流の時間が設けられ、和やかな雰囲気の中、講評会は終了となりました。  引き続き、【工芸リレー】として、7月23日(金)〜28日(水)「素材展 デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース+特別客員教授藤田政利展」、7月30日(金)〜8月4日(水)「素材展 テキスタイルデザインコース前期制作展」を開催します。こちらもぜひご覧下さい。 岐阜県立 多治見工業高校 専攻科 名古屋芸術大学 アートクリエイターコース・工芸コース(陶芸・ガラス) 富山ガラス造形研究所

2021.7.5

工芸分野領域横断プロジェクト「工芸EXPO」第二回ミーティングを行いました

 今ミーティング開始前、扇教授が「美術領域とデザイン領域では学生の考え方・意見が異なることが多く、授業形態も異なることから、なかなかまとまらない場合があります。しかしながら、コロナ禍でオンライン授業を行うようになってから、学生が主体になって「classroom」や「LINE」を活用しながら活発に意見交換を行うようになりました。以前にはなかった展開で興味深いです。」と仰っていたのを思い出していたところ、わずか数日で結果がでたようです。  『映える』〜「光に照らされて美しく輝く」「調和して一段とよく見える。引き立つ」。SNS社会の到来と共に老若男女に普及、悪く言えば手垢がついた感のあった「ハエル/バエル」は、本来こんな素敵な言葉だったのかと驚きました。学生・教授陣の粘り強い作業の結果、「工芸EXPO」にふさわしい統一テーマとなりました。 工芸分野領域横断プロジェクト「工芸EXPO」 第二回ミーティングを行いました はじめに〜 工芸分野の領域横断による連携について  本学美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースは、2021年度から工芸分野の領域横断による連携を始めます。  領域を横断する授業やプロジェクトを通じて工芸分野で学ぶ学生の交流を促し、素材と対話しながら思考する教育からものづくりの魅力を伝え、美術領域とデザイン領域をボーダレスに繋ぐ狙いがあります。この領域横断は大学外の領域連携へとつながり、大学に望まれる地域や社会への貢献として機能できるのではないかと期待しています。 本年度実施する工芸分野領域横断プロジェクトは3つ 「工芸リレー」 前期授業の終わりに本学アート&デザインセンターで工芸分野の展覧会を連続開催します。 ①CONNEXT2021 陶・ガラス教育機関講評交流展 7/16〜21 ②素材展(メタル&ジュエリー)+特別客員教授藤田政利展 7/23〜28 ③素材展 テキスタイルデザインコース前期制作展 7/30〜8/4 「工芸から グリーンシティプロジェクト」  本学関係者及び大学外来者宿舎“グリーンシティ”の住環境の改善を目的に、美術領域とデザイン領域の学生がアイデアを出し、制作、提案を行います。昨年度は美術とデザインの大学院生、陶芸・ガラスコースの学部生が行いました。今年度は美術領域の工芸コースとアートクリエイターコース、デザイン領域の学生、全26名が領域を横断して協働します。 グリーンシティB-206号室 10/5〜10/8 「工芸EXPOプロジェクト」  伝統的工芸品月間国民会議全国大会(主催、経済産業省など)の大学コラボ展の制作と展示を行います。愛知県の大学でガラスとテキスタイルの専門があるのは本学だけであり、工芸分野が充実していることを生かします。 Aichi Sky Expo(愛知県国際展示場/常滑市) 11/26〜29 「工芸EXPO」へ向けて全体テーマ決めを行いました。  扇千花教授(デザイン領域 テキスタイルデザインコース)の進行でミーティングは始まりました。  学生達は第1回目のミーティングで「第38回伝統的工芸品月間国民会議全国大会」はどんなプロジェクトかという説明を受けた後、同プロジェクトでコラボレートする「三州鬼瓦工芸品」「有松・鳴海絞」「尾張七宝」の産地と製品の見学を経て、参加する伝統工芸品を決めて今回のミーティングに出席しています。  担当教員による産地見学のレポートのスライド発表で情報共有の後、伝統工芸品ごとに色分けした付箋を使ってブレインストーム形式で全体のテーマ決めを開始しました。  「直接テーマを考えられるものはそれでもいいし、思いつかないものは、工芸というワードから連想する言葉をなんでもいいからどんどん書いていこう」中田ナオト准教授(美術領域 工芸コース)に促され、学生達は躊躇しながらも付箋に言葉を書き始めました。付箋は内容によって分類されてホワイトボードに張り出され、書いた理由を発表・意見を交換することで、学生達の発想は次第に広がりを見せていきました。「若者らしさ」をタイトルに求めるあまりに、若年層のみが知っている最新のトレンドワードが出た時に、一般層でも「聞いたことがある」レベルで留めておくべきではないかという意見が学生側から出たのが印象的でした。  教授陣の辛抱強い誘導と学生達の頑張りで整理が追いつかないほどの付箋がホワイトボードに貼られました。「(ホワイトボードを)俯瞰すると、本学に求められている『若い感性』に応えようとするワード群と、コラボレーションする産地や一般層と『共有・共感』を大切にするワード群があり、どちらもすばらしいです。決められませんね(笑)皆さんが主体性をもって深く考えているのがとても良いです。」という米山和子教授(デザイン領域 メタル&ジュエリーデザインコース)のコメントもあり、結論は一旦持ち越しとなりました。 テーマは『映える』に決定

2020.12.29

メタル&ジュエリーデザインコースの学生が名古屋マリオットアソシアホテル 正月装飾を制作しました

メタル&ジュエリーデザインコースの学生が名古屋マリオットアソシアホテル 正月装飾を制作しました  名古屋マリオットアソシアホテルロビーの正月装飾をメタル&ジュエリーデザインコースの学生、卒業生が手がけました。鉄線を溶接して作られた亀のオブジェの上に、銀箔を貼った手漉和紙と縁起物をかたどった真鍮の飾りで彩った作品で、巨大でありながらも繊細な美しさのある作品に仕上がりました。1mほどの亀と岩を制作したのは、3年生の岡島真怜さん。自身が制作していた亀のオブジェを大きくしてブラッシュアップしています。米山和子准教授は、「前日まで学校で制作、現地で初めて合わせて不安でしたが何とか形になりました。真鍮の飾りには、多くの学生、卒業生が協力してくれました。数が必要な分、大変でしたが綺麗に仕上がりほっとしています」とコメントをいただきました。コロナ対策のため開けられた扉から外気と自然の光が入り込み、真鍮の飾りが風に揺れてきらきらと光を放ち、美しい佇まいを見せています。ホテルに訪れた人々がスマートフォンを取りだし、作品を撮影する姿も見られました。展示期間は令和3年1月7日(木)までとなります。 桑山明美、佐藤義之、伊藤さやか、柴田光穂、富山美鈴、西形友恵、波多野美早、加藤風璃、千田貴文、千田園美、加藤最也、浅井美樹、飯田祐子、加藤貴彦 制作 亀と岩 岡島真怜 真鍮飾り他 霜山優希、髙岸七海、桃澤恵美、小林有紗、鈴村依里、田村麻実、濱上純華、深谷竜馬、水野成美、中川知穂、岩川侑季子、川村侑己、池田若菜、金佳頴、冨永侑里 卒業生、助手、教員、技術指導員 手漉和紙提供 福西和紙本舗 銀箔協力 中村製箔所