• 学科・領域

  • 形態

2023.8.9

名古屋芸術大学×佐久島SDGsプロジェクト計画(仮)が始動 佐久島の自然・アート・環境課題について学びました

名古屋芸術大学×佐久島SDGsプロジェクト計画(仮)が始動 佐久島の自然・アート・環境課題について学びました  本プロジェクトの狙いは、アート作品などを通じて佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制に繋げようというものです。プロジェクトで生まれたアイデアや作品の発表は、同年10月5日~7日に開催される「SDGsAICHI EXPO2023」にて西尾市ブースの一部に出展された後、西尾市の会場など、を2、3か所で展示される予定です。  2023年6月24日から25日の2日間、本学の学生やOBで構成された選抜チーム15名が愛知県西尾市の佐久島に渡りました。  初日は佐久島西港から上陸、「弁天サロン」で西尾市の担当者さんから説明を伺った後に海ごみ拾いを体験、大浦沿いのアート作品を鑑賞しながら東港側に渡ります。  二日目は8時ごろから学生・スタッフで、筒島(弁天様の祀られている島)を見学しました。筒島の海岸もゴミが多く漂着しており、神様が祀られている場所としては少し心配になる様子でした。  10時からはレンタサイクルに乗り、島の西側から海岸線を走り、「北のテーブル」「ひだまり庵」「王様のイス」(松岡徹 教授作品)、「星を想う場所」(荒木由香里 非常勤講師作品)を見学しました。また、東港付近のアート作品や、「佐久島のお庭」(松岡徹 教授作品)を午前の時間を使って先生からの解説を聞きながら見学をしました。  午後からは「昼間の星」(荒木由香里 非常勤講師作品)を見学し、初日と同様に海岸を歩きながら、ゴミの清掃、素材の採取、リサーチなどを行いました。  潮が引いている時間帯だったので、丹梨の海岸からスタートし、新谷や男子岩のあたりの海岸を歩き、筒島へ続く道から上がってリサーチを終えました。 プロジェクトに参加した学生から、以下のようにコメントをいただきました  今回初めて佐久島に訪れてみて、漂着ゴミの多さに驚きました。  「アートの島」ということは知っていましたが、様々な環境問題を抱えていることや、佐久島を守る活動が行われていることも知ることができました。  海岸に行くと漂着ゴミがたくさんあり、ゴミ拾いをする中でよく目を凝らすと、目に見えないような小さなごみがたくさんあることに気がつきました。  砂と同じくらいの大きさのゴミは拾うことが困難であることから、海ゴミ問題の深刻さを感じ、もしかしたら自分の出したゴミも佐久島に流れ着いてしまっているのではないかと思うと、とても他人事とは思えませんでした。  これから、2023年10月に行われるイベントに向けて、ゴミ拾いが楽しくなるようなアイデアを考えて制作した作品を発表できることを楽しみにしています。  佐久島リサーチワークの中で、佐久島の素晴らしい部分もたくさん発見することができたので、ゴミ問題を知ってもらうとともに、佐久島を訪れたくなるようなものが制作できたらと思います。 私たちの出すごみが佐久島に!? 西尾市 佐久島振興課 三矢さんのお話  佐久島を所管する私共私西尾市では、「海ごみ」(漂着ごみ)―海岸漂着物の発生の抑制につながる活動に取り組んでいます。  皆さんは海ごみはどのように発生するかご存じですか?これから実際に海岸で海ごみを拾っていただきますが、海岸にはペットボトルや苗ポットなどの比較的軽いものが多いのです。これらは島の人が消費したものではなく、殆どは本土からやってくるごみなんです。  もちろん、本土の皆さんも周囲にむやみにゴミを捨てる習慣はないと承知していますが、ちゃんとゴミ箱に捨はずのゴミが、風に飛ばされて道に落ちて、雨が降って川にたどり着いて、それが海までやってくる・・・これは一つのケースですが、色んな経緯を経て愛知のごみが潮の流れで集まってきます。 佐久島より海ごみが深刻な三重県の答志島では雨が降る度に漁船が出港できなくなる程です。  私共もごみ拾いのボランティアさんのお手伝いをしたりビンゴカードなどで楽しくごみ拾いをする工夫をしていますが、一旦きれいになったはずの海岸が潮の満ち引きで元通りになってしまったり・・・。きりが無い状況です。佐久島のごみを減らすには、 本土に住んでいる皆さんがごみの始末の仕方をちょっと変えてもらうだけで、とても効果があることを多くの方に知っていただきたいです。  そこで今回は皆さんにお力をお借りして、アート作品などを通じて佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制に繋げたいと思います。 皆さんの得意分野を活かして 本学松岡教授からのアドバイス  私達の身の回りのごみを海ごみにしない効果的なアイデアや、佐久島をなかなか訪れることができない方にも海ごみの問題を知ってもらう広報動画など、海ごみを利用した作品に拘らないで皆さんの得意な事を活かした提案をお願いします。 作品は分割してコンパクトにすると有利 東海テレビプロダクションの中山さんからのアドバイス  今回の皆さんの作品は複数箇所の会場で展示をいたします。作品は分割してコンパクトに梱包できるようになっていると、遠方の会場へも躊躇せずお送りできので多くの方に作品をご覧いただく上でとても有利です。 佐久島振興課 三矢さん 島を美しくつくる会の皆さん 東海テレビプロダクションの中山さん。複数箇所の会場での作品展示でご協力いただきます 本学松岡教授

2023.7.31

スペースデザインコース「ほんとこどもの家具」展を開催

スペースデザインコース「ほんとこどもの家具」展を開催  東キャンパス Art & Design Center Eastにて、2023年7月21日(金)から26日(水)まで、「ほんとこどもの家具」展が行われました。この展覧会は、デザイン領域スペースデザインコース3年生によって制作された、子どもたちが本を読むための家具を展示するもので、毎年、実際に子どもたちが遊ぶことができるように公開され、ワークショップを訪れた親子が立ち寄ったり、クリエ幼稚園から遊びに来たり、多くの親子連れが訪れる人気の展示となっています。  学生たちは、図書館や公園で子どもたちの行動を観察し、その結果をもとにデザインを練り上げました。家具は、木材とスチールパイプにロープや布などを組み合わせて作られていて、学生たちは不慣れな木工やパイプの溶接にもチャレンジ、子どもたちが安全に遊べるようにしっかりとした作りとなっています。今年目立ったのは、チャンキーヤーンと呼ばれる肌触りの良い極太の毛糸を使った作品(chunkyは、分厚い、ずんぐりとした、の意)。ざっくりとした編み込みで手提げを作ったり、子どもが中に入ることのできる大きな作品を作ったり、いくつかの作品で活用されています。  また、展示にも工夫が凝らされています。作品の共通項に基づいて「ぬののしま」、「あみのしま」、「おとのしま」、「しょくぶつのしま」、「ゆかいなしま」の5つのエリアに分けられ、それぞれが違った遊びを提供しています。それぞれのエリアは色分けされ、また、使い方をイラスト化した説明も提示され、安全に遊べるようになっていて、楽しげな展示となりました。  学生たちは、展示の見どころや制作に込めた思いを説明しており、子どもたちの反応に期待を寄せています。例年であれば、名古屋芸大グループの認定こども園 森のくまっこから子どもたちを招くのですが、今年は猛暑のため見送りとなり、子どもたちに遊んでもらう機会が減り少し残念です。  今後は、学外での展示やワークショップが計画されており、子どもたちが家具を使って楽しむ機会を提供する予定です。清洲図書館では2023年8月5日(土)と6日(日)に、展示と絵本を楽しむワークショップが行われる予定となっており、また秋には森のくまっこへ作品を運び展示することも考えられています。展示会を楽しみたい方は、ぜひ足を運んでみてください。 あみしま おとのしま しょくぶつのしま ゆかいなしま ぬののしま

2023.7.25

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを制作、黒木里帆さんが最優秀賞を受賞

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを制作、黒木里帆さんが最優秀賞を受賞  名古屋栄の久屋大通公園で今年秋に開催されるCOPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターを、ヴィジュアルデザインコースの学生が制作、2023年7月13日、プレゼンテーションと最終審査が行われ、3年生 黒木里帆さんの作品が最優秀賞に輝きました。  COPPA CENTRO GIAPPONE 2023は名古屋 栄の久屋大通で行われる自動車の美しさと優雅さを競う展示会。今年度は、名古屋市の姉妹都市であり同じく自動車産業が盛んなイタリア トリノ市で作られた車両と、100周年を迎えるル・マン24時間自動車レースの2つが大きなテーマとなっています。この大会背景を踏まえ、学生たちはポスターの制作に取り組みました。  応募作品の中から、黒木里帆さん、池田琴葉さん、真田遥佳さんの3作品が入賞しました。最終審査では、COPPA CENTRO GIAPPONE 大会実行委員長の平松正光氏をお招きし、学生たちはプレゼンテーションを行いました。まずは池田さんから、アルファロメオ ジュリエッタ・スパイダーに名古屋城と中部電力 MIRAI TOWER(テレビ塔)をあしらったもの。大会の2大テーマに加え、本学日本画科卒業生でもある平松氏から、浮世絵や日本的な要素も加えて欲しいというオーダーがあり、クルマが作られた1950年代にあわせた雰囲気に仕上げてあります。平松氏からは「日本らしさ名古屋らしさが詰まった作品、背景はシンプルといいつつ、しっかりと表現されているように感じました」とコメント。  続いて、黒木さんの作品は、今大会のコピーである「自動車の昨日、今日、明日」からイメージを膨らませ、過去のクルマと未来をル・マンのレーシングカーで表現した作品。浮世絵の中でも華やかな錦絵の要素を取り入れ、カラフルながらも落ち着いた色合いが特徴です。平松氏からは「今回の大きなテーマであるトリノとル・マンという2つがしっかりと取り込まれていて嬉しく思います、また、日本画の技法も取り入れられ上手く融合していると思います」と高く評価しました。  最後は真田さん。クラシックカーのワイヤーホイールをモチーフにしたシンプルでダイナミックな作品です。「ホイールに美しさを感じ、その美しさを際立たせるよう浮世絵の配色とグラデーションを意識して制作しました」と説明しました。平松氏からは「あの時代のレーシングカーにはボラーニというメーカーのワイヤーホイルを履いていることが多く、クラシックカーの魅力のひとつになっています、雰囲気良くまとまっている作品だと思います」と講評をいただきました。  作品を見たカーデザインコース 片岡祐司教授、田中昭彦教授からも「ヴィジュアルコースの学生さんがクルマをどんなふうに捉えるか気になっていましたが基本的な部分をしっかりと捉えていて驚きました」「日本的な部分をあわせることによってクルマの文化の歴史みたいなところまで感じさせ3点とも素晴らしい」「短い制作時間の中でクルマのことをしっかりと考えてもらえとても嬉しく思う」と嬉しいコメントをいただきました。  審査の結果、最優秀賞は黒木里帆さんが受賞。黒木さんは、昨年の大会ロゴマークに継いでの受賞となります。  平松氏からは「黒木さんの作品は今回の大会の要素をしっかりと取り込んでくれたことが決め手となりました、PC上の画像で見るよりもこうして大きなパネルにして作品を見るとやはり良かったな感じます、則武先生(ヴィジュアルデザインコース 則武輝彦准教授)にもお伝えしていますが、名古屋芸大とのかかわりは今回で2回目です、今後さらに発展していくと感じています」と講評をいただきました。加えて「入選作品をぜひどこかの会場で展示できるようにしたい」とサプライズも飛び出しました。  受賞した黒木さんの作品は、今後のCOPPA CENTRO GIAPPONE 2023 大会ポスターとして広く使われることとなります。おたのしみに。

2023.7.21

学校部活動地域移行支援事業 名古屋芸術大学ウィンドオーケストラin碧南

学校部活動地域移行支援事業 名古屋芸術大学ウィンドオーケストラin碧南  名古屋芸術大学は、部活動の地域移行支援事業に取り組んでいます。本年度は碧南市と連携し、一回目の2023年7月には演奏指導・本学学生による演奏会、二回目の2023年11月には演奏指導、最終回の2023年12月には演奏指導と本学学生による演奏会支援を行うことになりました。  第一回の今回は、2023年7月1日(土)に行われた碧南中央中学校での演奏指導と演奏会『名古屋芸術大学ウィンドオーケストラin碧南』の様子をご紹介します。 碧南市の中学校で演奏指導  本学取材班は碧南市の五つの中学校の一つ、碧南市立中央中学校に伺って、本学音楽領域弦管打・ウインドアカデミーコースの学生が参加した吹奏楽部の練習を取材しました。  まずは、それぞれのパートに分かれて1時間程度、楽器の特性や音の出し方、イメージの作り方などを指導しました。はじめは硬くなっていた吹奏楽部の生徒さんも次第に打ち解け、本学学生に分からないところや日頃悩んでいることなどを質問しながら、有意義な練習ができたようです。最後に、コンクールで演奏する「ベンスルダトゥの3つの冠」を生徒さんと合奏しました。 「各パート揃っての合奏は今日が初めて」とのことでしたが出来は上々。演奏後は早速、課題点や練習方法について時間を惜しんで意欲的に本学学生と話し合う生徒さん達が印象的でした。 担当の伊藤奈々先生より 「短い時間でしたが、学生さんから教えていただいたことや間近でよい音に触れた経験が、今後の演奏に生かされるとよいと思います。」 碧南市文化会館ホールで演奏会『名古屋芸術大学ウィンドオーケストラin碧南』  前半の部では、碧南市の各中学校吹奏楽部がコンテストに向けて取り組んでいる曲や「アメリカンエレジー」「ルイ・ブルジョアの讃美歌による変奏曲」などを演奏。後半の部では、皆さんに馴染みの深い曲目を選んで演奏し、手拍子に包まれて演奏会は大盛況で終了しました。 碧南市教育長 生田弘幸氏の挨拶  今日は名古屋芸術大学より、竹内先生、遠藤先生、学生のみなさん50名ほどをお招きしました。こうした会を開くのは初めてかと思います。  これからの時代の中で、部活動をより一層高めていきたい、より良い環境の中で、子供たちが学んでいけるような体制を整えたい。それには専門性の高い指導者が何人も必要となってくる。特に今回のような吹奏楽の世界では、多種に渡る楽器を一人で全て指導するのは難しい。そこで今回名芸大にご協力いただだいた次第です。  今日の午前中は各中学校で名芸の学生さん方に指導をしていただきました。子供たちにとって身近な存在で、大人たちほど目線が高くない学生さんのアドバイスは、後で感想を聞きますと、「すごく良かった」ということでした。  本日のことからも、やはりより一層そうした機会を多くして、良質な部活動環境を作って、皆さんにより専門性の高い、子供の頃から指導が受けられる体制を作っていきたいと思います。これは教育委員会の願いでもあります。

2023.7.18

特別客員教授ヒグチアイ氏特別講座『やりたいことと得意なことのどちらを仕事にするのか』を開催

特別客員教授ヒグチアイ氏特別講座『やりたいことと得意なことのどちらを仕事にするのか』を開催  2023年6月29日(木)、本学東キャンパス2号館大アンサンブル室にて、ヒグチアイ氏による特別講座『やりたいことと得意なことのどちらを仕事にするのか』を開催しました。  本年度、音楽領域の特別客員教授に就任したシンガーソングライターのヒグチアイ氏は、2歳のころからクラシックピアノを習い、その後ヴァイオリン・合唱・声楽・ドラム・ギターなどを経験、様々な音楽に触れ、圧倒的な説得力を持って迫るアルトヴォイスとピアノの旋律、本質的な音楽性の高さが業界内外から高い評価を受け、大型フェスへの出演も果たしています。そして2022年、TVアニメ「進撃の巨人」エンディング曲として書き下ろした『悪魔の子』が大きな反響を呼びました。  特別講座では、最初に「ドームライブ5万人が感動するような合唱」というテーマが与えられ、全員で合唱することとなりました。  「なぜ合唱させるのか?」は後ほど語られることとなりますが、参加者をソプラノ、アルト、テナーに分け、ピアノ、指揮も参加者から募り、各パートに分かれての練習の後、まず1度目の合唱。映像を確認した後、「さらに5万人足して10万人を感動させられるか考えながら練習してほしい」というリクエストで、再度全員が話し合います。  この話し合いの最中、ヒグチアイ氏は各パートの練習スペースを回り『どのように学生が考え取り組んでいるか』をチェックします。  そして2度目の合唱を終え「1度目より断然良くなったと思いませんか。話し合いの際、出る言葉をはっきり言ってみようとか、 子音を強く出してみようとか、同じような意見だったというのがすごく印象的でした。」というコメントをいただきました。  そして、この合唱を踏まえ『合唱して、どういう気持ちになったのか』を、感情をマップ化したものに当てはめる作業を3人一組になってディスカッションします。  その結果を発表後、「合唱した理由」や「感情をマップ化した理由」について、  「一通りやり終わったな、という後に何をするかというのがすごく大事。そこまで行ったら大体90点ぐらい。でも、そこから10点上げるにはどうしたらいいのか、やることがなくなったところから何をしたらいいのかということに、すごく意味があるような気がします。自分がその場でできることを探していくことを皆さんにやってもらいたくて、合唱してもらいました 」と語りました。  そして、ヒグチアイ氏自身の話へと続きます。  「音楽というものをすごくやりたい人間でした。けれど、 SNSで否定的な意見を言われることがあり、人前に出るのは好きじゃないかもしれないと思うようになりました。だけど、何かやりたい。じゃあ、まず自分がやりたいことって何なんだろうと考えた時に、自分の感情に言葉をつけたい人間だったんだなということに気づきました」。  そんな経験から『やりたくない』と思ったときに考えたこと、その考えを今回の合唱への取り組みに繋げて、  「どうしたらやりたくなるかと思った時に、 今までは完璧な音楽を届けなければいけないと思っていたけれど、そこにライブの楽しさを持ってくるのではなく、みんなの笑顔を見たいからやってみようとか、何か感情を持って帰ってもらえるんだろうと思えるようなライブ作りをしていこうと考えを変えていきました。だから今回の合唱を通して、どうせやらなければいけないのならば、どうしたら自分がやりたくなるんだろうというポイントを探してもらいたかったんです。そのポイントを探してくれた人たちに『やりたくない』にぶつかった時に、どうしたらいいのかという道が開けたのではないかなと思っています」と語りました。  そして、講座のテーマである『やりたいことと得意なことのどちらを仕事にするのか』について、挫折など自身のいろいろな経験を通して、  「自分の感情に言葉をつけたいということが自分のやりたいこと。自分の経験にあるものを全部組み合わせて、誰よりも最強になっていくというのが私のやり方。 やりたいこと、知っていることは、やったことの中にしかないんです。その経験を広げるという意味で、いろんなことを皆さんにやってもらいたいなと思っています。得意なことをやりたいことに寄せていく。やりたいことを得意なことに寄せていく。それをなるべく全部 1つにしたい。やりたいことも得意なことも両方欲しい。そういうふうになるべく自分を変えていくということをしていたので、やりたいことと得意なことのどちらを仕事にするのかというのは、やりたいことも得意なこともどちらも仕事にできる、していくというのが私の答えです」と締めくくりました。  そして自身の未発表曲のデモ版が披露され、学生にアレンジを依頼し、それをレコーディングしたいという、嬉しい提案がありました。こちらは後期の講演の課題となります。

2023.7.7

特別客員教授 宮川彬良氏の公開講座「クインテットの舞台裏」を開催

特別客員教授 宮川彬良氏の公開講座「クインテットの舞台裏」を開催  2023年6月22日(木)、特別客員教授 宮川彬良先生による特別公開講座「クインテットの舞台裏」を開催しました。「クインテット」はNHK教育テレビで放送された子供向けの音楽教養番組。2003年4月7日から2013年3月30日までの間、平日の午後5時50分から放送された10分間の番組で、多くの学生も子供の頃に親しんだ、学生の世代にとって思い出深い番組です。  今回の特別講義では、そのクインテットの制作のいきさつをお話しいただきました。講義は、先生方と学生(Tub. 水野はるかさん)によるテーマ曲“ゆうがたクインテット”の華やかな演奏で始まりました。  番組の構想は、放送が始まる1年前、2002年4月から始まったといいます。プロデューサー 近藤康弘氏(「おかあさんといっしょ」を担当、プロデューサーとして「ハッチポッチステーション」を制作、「クインテット」ではフリーのプロデューサーとしてかかわる)、脚本・構成を担当する放送作家 下山啓氏、そして宮川彬良氏の3人で8ヶ月もの間話し合いが行われ、どんな番組にするか、なにを伝える番組なのか、といった番組の骨子が決められたといいます。  このとき、ポイントとなったのが“世界観”。演奏する音楽や番組の構成など具体的な部分はすぐに思いつきますが、それよりもなぜ登場するキャラクターたちが演奏するのか、なぜその楽曲なのか、必然性がしっかりしていないと、番組そのもののクオリティに大きく影響することになり、その要となる“世界観”が必要だと説明します。「楽器を練習することは義務や命令ですることではなく、それこそが遊びであり、音楽そのものが遊ぶことである」ということを伝えたい、そのために自身も含め登場するキャラクターはすべて“精霊”だという案が出てきたといいます。そして、番組の中では語られませんでしたが5名のキャラクターはすでに亡くなっている設定で、生まれた町や年齢もばらばら、しかし、かつては音楽家やその卵であり自分の歌いたかった歌を歌い演奏する、全員、もう一度音楽を楽しみたいという共通の思いを持った魂、という世界観を作り上げます。そう決まると、あとはすべて人形のデザインも、一人一人のキャラクターも、番組の構成も、なにもかもがすんなり決まったと説明します。  重要なこととして、音楽に限らずすべての芸術は、人間の生命につながっているのでは、と宮川氏はいいます。「命は誰もが持っているもので、一番大事で、一番摩訶不思議で、そして一番エネルギッシュなもの。僕の持っている世界観はすべて命につながるものです」と述べ、今後、学生らもなにかを創作するときには参考にして欲しいと説明しました。  話を終えたあと、クインテットの1回分、10分間を全員で視聴し、番組のクオリティの高さと宮川氏の想いを再確認しました。最後の質疑応答では、さまざまな質問が挙がりました。遠く、長野から見に来られた方もおり、クインテットの思い出を語り合ったり、収録での苦労や番組内で使われた音楽についてなど、番組ファンとの交流会のような和やかな時間となりました。  音楽と、その裏側にある想いと、そしてユーモアにあふれる、素晴らしい講義となりました。 今回の講義で紹介された単行本「アキラさんは音楽を楽しむ天才」は、こちらでお求めいただけます〈Amazon販売ページ〉 「クインテット」NHKアーカイブ 「クインテット」DVD販売ページ〈NHKスクエア〉

2023.6.30

陸上自衛隊中部方面音楽隊が来学、演奏会と音楽隊説明会を開催

陸上自衛隊中部方面音楽隊が来学、演奏会と音楽隊説明会を開催 陸上自衛隊中部方面音楽隊 吹奏楽演奏 音楽隊の活動・入隊に関する説明会  2023年5月30日(月)、陸上自衛隊中部方面音楽隊のメンバーが東キャンパスを訪れ、吹奏楽演奏と音楽隊の活動や入隊に関する説明会が行われ、2号館大アンサンブルに室音楽領域の多くの学生たちが集まりました。  まずは演奏から始まりました。陸上自衛隊中部方面音楽隊の幅広いレパートリーから、セント・アンソニー・ヴァリエーションズや行進曲「士官候補生」、コロニアル・ソングなどを演奏していただきました。1時間ほどの演奏会でしたが、素晴らしい演奏に聴き入ることができました。  演奏会の後は、スライドを使った音楽隊の説明が行われました。陸上自衛隊音楽隊は、北海道の北部方面隊、東北方面隊、東部方面隊、中部方面隊、西部方面隊、そして中央音楽隊の6つの組織で構成され、合計約950人の隊員が所属しています。彼らの活動内容は、自衛隊員の士気を高めるための演奏や国家的な式典での演奏、広報活動などがあります。また、指揮所の警備も音楽隊の任務となっています。長野オリンピックやFIFAワールドカップ、大相撲千秋楽などでも音楽隊の演奏が披露されています。  音楽隊への採用については、自衛隊の採用試験を受け、その後に職種説明会に参加し、合格すれば採用となります。音楽隊の規模は大きいながらも、オーケストラの楽団員と同様に楽器の空きがなければ採用されません。説明会では、今年度の各楽器の募集人員も発表されました。リストが発表されると、参加者の中には自分の楽器のニーズに反応し、会場にざわめきが広がりました。こうした反応からも音楽隊への関心の高さがうかがえます。  陸上自衛隊音楽隊に引き続き、海上・航空自衛隊音楽隊の採用について詳しく説明されました。採用は競争率の高いプロセスですが、演奏にかかわる仕事として非常に魅力的な機会です。参加者たちは熱心に説明を聞き、将来の可能性について考えているようでした。  説明会の後は、楽器ごとに分かれ懇談会が開かれました。車座になり、学生らは音楽隊員の方に直接質問を投げかけていました。勤務の実態や、体力に自信がないけど大丈夫? といった学生からの忌憚のない質問にも丁寧に答えていただいき、和やかな懇談会となりました。  陸上自衛隊中部方面音楽隊の皆さま、ありがとうございました。 陸上自衛隊中部方面音楽隊 吹奏楽演奏 音楽隊の活動・入隊に関する説明会 懇談会

2023.6.27

【庄内緑地 初夏の華まつり】アートクリエイターコース 、コミュニケーションアートコースが協力、音楽領域の学生によるコンサートも開催

【庄内緑地 初夏の華まつり】アートクリエイターコース 、コミュニケーションアートコースが協力、音楽領域の学生によるコンサートも開催  庄内緑地グリーンプラザの恒例イベント「初夏の華まつり」。今年は2023年5月13日(土)〜6月11日(日)に催され、2021年から参加している本学はチラシ作成のほかマップ、スタンプラリーのデザイン、ワークショップをアートクリエイターコース 、コミュニケーションアートコースの学生たちが手がけました。最終日は音楽領域の学生による四重奏コンサートでイベントを締めくくりました。 水野所長 「最終日のコンサート、なにやら出だしはトラブルがあったようですが(笑)終わり良ければ全てよし!です。素晴らしい演奏をありがとうございました。天気の良い日は多くの方にご来園いただいでいるので、コンサート当日があいにくの雨だったのが少し残念ですね。グリーンプラザの南館イベント会場は、素敵な演奏を市民の皆さまに楽しんでいただけるように吹き抜け構造に設計されています。今後とも協力いただき、会場を活用した素晴らしい演奏をお願いします」 担当の近藤さん 「キャラクターのイラストレーションがレイアウトされていて若い方やお子さんにも関心をもっていただけるようになりました。最近は写真撮影にいらっしゃる若い方が増えている印象です。『スタンプラリー』は他にも福祉イベントで活用する計画でしたが、残念ながらこの雨で中止に。ただ、今秋のイベントに活用したいとのお話がありましたよ」 スタンプラリー&魅力マップ 園内に隠れている妖精のスタンプを集めると特製ポストカードをプレゼント 押し花ワークショップ バラの花びらを込めた缶バッジ 音楽領域の学生による四重奏コンサート