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2023.11.16

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション  美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ移行)、デザイン領域テキスタイルデザインコースは、昨年に引き続き、古川美術館・分館爲三郎記念館とコラボレーションし「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」と銘打ち、数寄屋作りの分館 爲三郎記念館から着想を得た作品を展示します。展示期間は2024年2月からとなりますが、2023年11月10日(金)には、展示にあたり学生がそれぞれどんな作品を制作するかをプレゼンテーションをしました。古川美術館からは、館長代理兼事務局長 伊藤洋介さん、学芸員 早川祥子さんにお越しいただき、制作について確認、ご意見をいただきました。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  今年度は、総勢47名の参加となり、それぞれが制作する作品についてと想定する展示場所や展示方法について説明しました。昨年度の展示や爲三郎記念館の見取り図、展示するために用意できる展示台などはあらかじめ説明されており、また、学生によっては実際に爲三郎記念館を訪れてイメージを膨らませて作品を考え、具体的なプレゼンとなりました。爲三郎記念館の茶室や洋風の桜の間からインスピレーションを得たもの、窓からの庭を借景にしたもの、欄間のデザインをモチーフにするものなど、さまざまな構想が発表されました。印象的なのは、展示台を使うようなオブジェの展示が少なく、インスタレーション的に空間全体を想定する展示が目立ったこと。また、テキスタイルコースでは、友禅染めとつづれ織りの2作品を提案しどちらかを制作するとのことで、壁に掛けて見せる作品が多くなっています。学生どおし事前に調整したわけではないので、同じ展示場所を想定した作品もあり、今後の調整も必要です。プレゼンテーションを聞きながら学芸員の早川さんは、作品をどう見せるのが効果的なのかを想像しているようで、悩ましくも楽しそうにプレゼンテーションを聞いている様子でした。  早川さんからは「テキスタイルは壁に掛ける作品が多く、爲三郎記念館では場所が限られてしまい、どこにどう掛けるかが難しいと感じました。縁側に置くことも面白いかもと思いますが、どう実現できるか考えたいと思います。また、ひとつの部屋を使ったインスタレーションを希望される方が何名かいらっしゃいますが、これも考えなきゃいけないことです。展示したときにそれぞれが独立しつつもお互いが引き立てあえるような、そんな展示を考えていきたいです。作品数が多いですが、散漫にならないように気を付けたいと思います」と講評をいただきました。  伊藤さんからは「どんどん要望をいただいてそれをまとめていくのが学芸員の仕事ですので、ぜひ熱い思いをしっかりと主張して下さい。数寄屋建築というのは主の遊び心にどこまで気付いてもらえるかが醍醐味ですとお客さんには伝えていますが、今日は学生さんたちの面白い視点を見せていただきました。私も気が付かなかったところにも気付き、それをどう作品に昇華するか、非常に期待が高まりました。楽しみにしています」との言葉をいただきました。  最後に中田ナオト准教授から、3つのコースが一緒に展示することでさまざまな視点と素材、考え方を体験すること、爲三郎記念館というギャラリーやホワイトキューブで展示するのとは異なった場所を経験すること、プロの学芸員の方と一緒に展覧会にかかわり全体を作っていくこと、と3つの点を挙げ貴重な経験になるので積極的に取り組んで欲しいと言葉があり、今回のプレゼンテーションは終了となりました。  「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」は、2024年2月6日(火)~18日(日)の開催となります。ご期待下さい。

2023.11.10

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催

先端メディア表現コース 特別客員教授 anno labによる「あのラボのいろいろ展」を開催  Art & Design Center West / Eastにて、2023年10月28日(土)~11月13日(月)、先端メディア表現コース特別客員教授 anno lab(あのラボ)(藤岡定、井原正裕、岩谷成晃、うさみたけし、遠藤舜、金スルギ、須藤史貴、田中喜作、長野櫻子、西村元晴、船津文弥、村上ヒロシナンテ、吉田めぐみ)による企画展「あのラボのいろいろ展」を開催しました。  anno labは、福岡を拠点に活動するクリエイティブ・ラボで、学術研究員、アニメーション作家、ゲーム開発者、広告代理店勤務、映像ディレクター等の経歴を持つメンバーが集まるクリエイター集団。それぞれの専門を生かしながらさまざまな領域を横断して作品を制作、美術館や科学館、芸術祭などで発表する作品、広告や舞台演出などの商業的な分野でも活躍しています。  今回の展示は、福岡県外での初めての個展となり、これまでのanno labの活動を紹介し、作品を体験できる内容となっています。  設営を終えた2023年10月27日夕方に内覧会が行われ、先端メディア表現コースの学生を中心に一足先に展示を見学、続いてコロナ禍を経て4年ぶりとなったレセプションパーティーが開かれました。  Art & Design Center Westでは、いつもの展示方法をガラリと変え、新たな壁を設けて通路を設置、動線を作った展示となっています。いたるところに作品が所狭しと並べられ、いちばん奥に当たる部屋にArt & Design Center Westの1/10のミニチュアを設置、そこで初めて展示についての説明があります。まずは作品に触れることが優先され、意味や鑑賞のしかたを考えながら体験する仕組みのようです。  今回の展示について、メディアデザインコースの卒業生でプロジェクトマネージャーを務める吉田めぐみさんに伺いました。  「この展示は、完成したものを受け取るというのではなく、一見あまり深い意味がなさそうなものや、なんだかよくわからないけど触ってみたくなるものを置いてみて、見る人それぞれに触ってもらおうと考えて作っています。特にギャラリーでの展示となると鑑賞という受身のスタイルになりがちですが、私たちはお客さんとキャッチボールできるような作品を考えています。  2023年6月に特別講義を「日常のとなり」というテーマで実施して、anno labの活動を話しながら、日常の中にちょっとしたクリエイティブを取り入れることで楽しくなる話をしました。そこで募集した有志の学生や、講義を聴講していた卒業生も展示に参加してくれています。  anno labの作品も学生の作品も先入観なく体験して楽しんでもらって、展示の後半に作品の説明がわかるようにしました。  作品によってはケーブルも出したまま、雑然として未完成のように見えるものもありますが、それは今まさにanno labメンバーが創っているような感覚を抱いて欲しいと、あのラボの空間をなるべく持ってきました。作品のコンセプトがしっかりしていれば、雑然としたアウトプットでもいいと受けとめてもらえたらいいですね。」と、なにより作品を楽しんで欲しいとのことでした。また、Westの展示を見て面白いと感じたならば、ぜひ東キャンパスの展示も楽しんで欲しいとのコメントもありました。  4年ぶりに開かれたレセプションパーティーは、あのラボのメンバーとさまざまな領域の学生が参加し交流を楽しみました。作品について質問する学生の姿も見られ、盛況なパーティーとなりました。

2023.11.1

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示

スペースデザインコース、(株)パームホルツとコラボ「あいちモノづくりエキスポ 2023」で家具を提案、展示  2023年10月5日(木)、6日(金)の2日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたに、株式会社パームホルツ様とスペースデザインコースがコラボレーションし、自由に組み合わせて使う家具を提案、試作品とモデルを展示しました。 「あいちモノづくりエキスポ 2023」  (株)パームホルツは、産業廃棄物として捨てられているオイルを採取したあとのパーム樹幹を材木の代わりとして再利用する事業を進める企業です。素材としてしてのOPT(オイルパーム樹幹)の魅力を広く知ってもらうためスペースデザインコースとコラボレーションし、2018年から活用法について取り組んでいます。そして来年度マレーシアに工場を建設、本格的にOPTの生産を開始するにあたり、今回のあいちモノづくりエキスポ 2023への出展となりました。  取り組みの当初スペースデザインコースでは広くOPTを知ってもらうため、公共のスペースに置くことのできるベンチなどストリートファニチャーを提案してきましたが、今回は部屋に置ける家具「Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-」(多田陽菜さん、高野萌さん、伊藤大翔さん、平田賢さん、望月梨帆さん、山田愛美さん)の提案となりました。Ka-Na-Fuは、古語のかなふ(叶ふ)を意味し、思い通りになることを表現しています。それ自体を複数組み合わせ好きな形にしたり、オプションの小さな箱や仕切りを加え自由に使うことができます。ブースではKa-Na-Fuの試作品を中心に、これまでの取り組みとして2018年からのコンセプトと提案、モデルもあわせて展示してしました。さらに今回、(株)パームホルツの展示ブース全体も学生がデザインを行いました。 2018 おいしい家具はじめました -香りを楽しむ家具- 2019 Partition Furniture -空間を楽しむ家具- 2020 Sink Chair -動きを楽しむ家具- 2021 Sound Bench -音楽を楽しむ家具- 2022 Reversible Chair -色を楽しむ家具- 2023 Ka-Na-Fu -個性を楽しむ家具-  取り組みの背景を、担当する西岡毅 講師に伺いました。  「パーム材の魅力を知ってもらうためいちばん興味を持ってもらうのはどんなものだろうと考えたとき、ストリートにあるものよりもむしろ身近なものではと、これまでとは異なった考えで進めてみました。自分の好きなものを置いてみたり自由にカスタマイズしたりして使うことで、愛着が湧き素材の魅力を感じるような家具です。ストリートファニチャーの場合、学生たちの提案がどうしてもベンチなど単純な形になってしまいがちで、これまでで良いアイデアがかなり出てしまっていることもあります。工場を作られるということで、今後、実際に生産してく流れを考え、そうしたことにも対応したしっかりしたものを提案したいと考えました。プロダクトとしてアイデアが世に出るまでどんなに短くても2〜5年ほどかかってしまうこともあります。これまでの提案を含めて展示し、実物としては今年の作品を展示、今後の実用化につなげていければと思います」。  (株)パームホルツ 福山昌男 取締役は、「まだ確定していない部分がありますが、来春にはマレーシアで生産を行い、拡大していく計画です。その中で大学の先生、学生の皆さんの作品でより具体的に素材をPRしたいと思います。マレーシアでは家具の生産が拡大、輸出も増加しています。日本の技術を使いマレーシアの材料を使って作り、いずれは世界中で販売する。10年ほどかかるかもしれませんがそんな計画を立てています。長い目で見て、大きな可能性を秘めていると思っています」と抱負を語りました。  今後、2023年12月に東京ビッグサイトで行われる「先端材料技術展2023」に出展予定、さらに試作品を増やしての展示を予定しているとのことです。

2023.11.1

大学院ライフスタイルデザイン研究 JIA東海支部とコラボレーション、絞り染めで古着をアップサイクル

大学院ライフスタイルデザイン研究 JIA東海支部とコラボレーション、絞り染めで古着をアップサイクル  大学院デザイン研究科ライフスタイルデザイン研究では、日本建築家協会(JIA)東海支部とコラボレーションし、2023年11月9、10、11日に常滑市で開催される「JIA建築家大会2023東海in常滑」にて発表されるアップサイクルな取り組みとして、古着を染め直した作品を制作しています。2023年10月23日(月)、JIA東海支部のメンバーである建築士の関口啓介さん、上原徹也さん、黒野有一郞さんを染色工房にお招きし、染色作業を見学、体験していただきました。  実際に作業を行うのは、大学院デザイン研究科(ライフスタイルデザイン研究)川原明さん。今回の企画に賛同し染色工房を快く開放した扇千花 教授(テキスタイルデザインコース/大学院デザイン研究科)の監修、同じくテキスタイルデザインコース卒業生で、現在、染色工房技術職員を務める山下眞美さん指導の下、ライフスタイルデザイン研究に在籍する他の学生たちも参加して作業を行いました。  今回の染めは、絞り染め。輪ゴムや紐などで生地を括り、染めむらを作り出し模様にする染色法です。さらに、テキスタイルデザインコースが例年かかわっている有松の絞り技法である、棒に巻き付けて鰯雲のような模様を作り出す群雲(むらくも)絞り、テキスタイルデザインコースで手ぬぐいの染めにも使う板締め絞りにも挑戦しました。染めの色は、大会のテーマカラーである紫という指定があります。テーマの紫は、とこなめ陶の森にある陶芸研究所(旧常滑市立陶芸研究所)がモチーフです。外壁はおよそ350万枚の紫色のモザイクタイルで構成されており、4色のタイルでグラデーションが表現されています。この色合いに近づけるよう、技術員の山下さんが綿密に調合した染料が用意されました。  素材となる古着はあらかじめ準備され、この日までに“括る”作業を終えています。当日、お越しいただいた建築士のみなさんには、JIA建築家大会でユニフォームとして着る私物の古着をお持ちいただきました。さらに、前回までの建築家大会で使われて残ったトートバッグやユニフォームなど、さまざまな素材が持ち込まれました。すでに役割を終えたこれらのものがどのようになるのか、期待が高まります。  染めの作業は、水に浸けておいた素材を、60度から100度に温度管理された鍋で染める作業です。生地全体に均等に染料がいきわたるように途中で攪拌するなど、温度と時間を計りながら行う手間のかかる作業で、冷ます時間も含め3時間ほどの工程です。これらの作業を、ライフスタイルデザイン研究の学生が分担して鍋の番を行います。その間、川原さんと山下さんに教えてもらいながら、建築士のみなさんには、持ち寄った古着の括りを体験していただきました。括った部分には染料が入らず色が付かないことを説明すると、こうしたらどうなる、あれをやってみたいと、絞りに興味津々の様子。好奇心を大いに刺激したようでした。  一度目の染色が終わり洗いの作業に移ると、学生にまじり建築士の方々も一緒に作業に参加。模様が現れると、イメージ通りの色合いと想像を超える模様に、感嘆の声があがりました。「カッコイイ! これならもう一度着られる」「今回の大会のテーマは“環る”。まさにアップサイクルというテーマにぴったり」「陶芸よりも早く結果が見えて楽しい、ワークショップでやりたい」と、喜びとともに絞りを活用したいとアイデアの声が飛び交いました。染色工房にある過去の学生作品にも話はおよび、絞り染めの魅力を感じる体験となりました。一同、あらためて伝統技法の素晴らしさと魅力に感じ入りました。  今後、新たなコラボレーションも始まりそうな、絞り染めのさらなる広がりを感じさせる1日となりました。

2023.10.18

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力”を再発見!」で作品展示

先端メディア表現コース 名古屋市科学館「メディアデザインの力で“科学の魅力"を再発見!」で作品展示  先端メディア表現コースは名古屋市科学館とコラボレーション、ナディアパークの協力で「メディアデザインの力で"科学の魅力"を再発見!」と題し、2023年9月30日(土)、10月1日(日)の2日間、学生が制作したメディアデザイン作品を名古屋市科学館 生命館地下2階 サイエンスホールにて展示、作品の一部が、2023年10月10日(火)~15日(日)まで、ナディアパーク2階 アトリウムでも展示されました。  このイベントは、作品を通して来場者に科学の魅力を再発見してもらおうというもの。PCを使ったプログラミングの作品、立体パズルやカードゲームなどの立体作品、音を使ったインタラクティブな作品、進化や科学の不思議を扱った映像作品など、さまざまな作品が展示され、来場者は実際に動かして遊ぶことができます。  名古屋市科学館からは、科学館にある展示品をメディアデザインの力でより興味を持ってもらえるように、子どもたちの興味を惹くようにしてもらいたい、というオーダーがあり、事前に学芸員の方に科学館の展示について講義していただきました。講義を参考に学生らも科学館を訪れ展示を確認して作品を構想、それぞれに興味のある展示のエッセンスを作品に落とし込みました。  名古屋市科学館での展示日は、工作・実験を通じて科学を学ぶ「青少年のための科学の祭典2023・名古屋大会」も開催され入館料が無料ということもあり、多くの子どもたちで賑わいました。来場者に作品を説明したり遊んでもらうなど実際にコミュニケーションすることも学生たちにとっては初めてのことです。笑顔で子どもたちに対応する学生の姿が印象的でした。 先端メディア表現コース 加藤良将 講師  このような機会をいただいて感謝しています。先端メディア表現コースの学生にとってこうした場での展示は初めてのことで、とても良い経験となりました。理系の学生もけっこういますので、テーマに興味を持って取り組めたと思います。多種多様な作品になっていて、とても面白い展示になったのではないでしょうか。映像が得意な学生、アニメーション、化石……、それぞれに自分の好きなテーマと自分の表現、伝えたい科学をミックスして作品を作っています。事前の講義や科学館をリサーチした上で作っているので、より深められたのではと思います。 会場:名古屋市科学館 海に生きた骨たち 3年 平松咲希さん 「海の恐竜、正確には海生爬虫類といいますが、それをテーマにしたパズルを組み立て、完成したパズルをカメラで読み取るとその恐竜の説明が表示されるという作品を作りました。説明に加え、どれくらいの大きさだったのか人間の大きさと比較できるアクリルスタンドも制作しました。科学館の2階の化石の展示が好きで、化石と恐竜の骨で作品を作りたいと真っ先に浮かびました。私の推しは、モササウルス。1番カッコイイと思います(笑)」  会場では、明かりの具合からか画像認識が上手くいかずひやっとする場面もありました。調整を繰り返して動作するようになるとほっとした様子で、実際に展示することの難しさを感じさせました。 ペンデュラムアートをやってみよう 3年 木下朋香さん 「ペンデュラムアートという振り子を使った美術を体験してもらおうというワークショップです。実際にやってみて、できた作品を家に持ち帰ることができたら楽しいなと考えました。普通の絵の具だと乾きが遅いので、早く乾くいて持ち帰ることができるようにインクに揮発性の高いアルコールを混ぜ工夫しました。キャンバスも素材をいろいろと試行錯誤して選びました」  混ぜて好きな色が作れるよう複数のカラフルなインクを用意したりと、汚さないように養生したり、大掛かりなものとなりました。ワークショップの人数が限られるため、家で同じようにペンデュラムアートを再現できるマニュアルをパンフレットにするなど細やかな配慮もあり、楽しい作品となりました。 会場:ナディアパーク

2023.10.18

特別客員教授ヒグチアイ氏特別講座 学生のアレンジ、演奏で新曲「この退屈な日々を」レコーディング

特別客員教授ヒグチアイ氏特別講座 学生のアレンジ、演奏で新曲「この退屈な日々を」レコーディング  2023年9月28日(木)、東キャンパス2号館にて特別客員教授 ヒグチアイ氏による特別講座「やりたいことと得意なことのどちらを仕事にするのか~実践~」を行いました。  今回の講座は、2023年6月に行われた講座の最後で発表された新曲「この退屈な日々を」を、学生のアレンジ、演奏でレコーディングするものです。プロの現場を学内で再現、学生が自由に見られるようにするもので、文字通り実践的な内容となりました。  「この退屈な日々を」は、2023年10月劇場公開の映画『女子大小路の名探偵』に主題歌として書き下ろされた作品。あらかじめ録音されているデモ版のヴォーカルトラックを生かし、演奏部分を新たに録音、置き換えていく作業となります。  アレンジを担当したのは、音楽総合コース 4年 首藤蒼門さん。「やりたいことを思いきりやってみました」と語るとおり、パートによってはかなり複雑なアレンジとなっています。演奏は、ピアノ 3年 棚澤実尋さん、ドラム 3年 清水碧斗さん、ベース 4年 パクジファンさん、ギター 3年 カクさん、パーカッション(コンガ) 2年 関谷百加さん、コーラス 2年 天音さん、ストリングス 2年 村瀬芽吹さん、2年 齋藤麻生さんと、プロフェッショナルアーティストコース、弦管打コース、ポップス・ロック&パフォーマンスコース、サウンドメディア・コンポジションコースの学生らによる編成で、音楽領域の総力をあげての取り組みとなりました。録音は、サウンドメディアの学生が行います。ピアノは大アンサンブル室、その他の楽器はレコーディングスタジオ、コンソール室は見学の学生も出入り自由とし、ヒグチアイ先生と演奏者とのやりとりも見られるようにしました。さらに、各レコーディングブースとコンソール室とやりとりの映像も2号館ホワイエに大型スクリーンを用意し、多くの学生が見られるように設置されました。これらは、サウンドメディアコースの学生らが設置、ふだんから演奏会の配信を行っている経験が生かされました。  レコーディングは、デモ版のヴォーカルに合わせ、まずはピアノ、ドラム、ベース、ギター、パーカッションを録っていきます。一斉に演奏して録りますが、もともとのデモ版とごくわずかなズレがあり、グルーヴ感がもうひとつ。クリック音よりも一緒に演奏しているドラムの音やヴォーカルに合わせる指示が入り、録り直していきます。何度か試すうち、心地良いグルーヴ感が生まれてきました。ここからは、楽器それぞれでやり直したい部分だけを演奏し、差し替える方法で修正していきます(パンチインレコーディング)。コンソール室と演奏者で合意できたところでOKテイクとなります。このやりとりが、実際のレコーディングと同じもので、プロの現場を見るような臨場感でした。  演奏に参加したドラム担当の清水さんは「自分にとって2度目のレコーディングがヒグチさんの楽曲で緊張しました。スネアの音にはこだわりを持って演奏しています。ぜひ、聞いて下さい」とコメント。ベースのパクさんは「アレンジが複雑でフレーズが難しかったけど、アレンジの意図をいかせるように演奏しました」、ピアノの棚澤さん「みんなに迷惑をかけないようにと緊張しました」と、良い緊張感を持ちつつ楽しく演奏できたようで、それぞれが充実した笑顔を見せてくれました。  基本の楽器がOKとなり、続いてストリングスとコーラスをレコーディング。同じように全体を録音して、修正部分をパンチインする形で収録しました。  最後のパートは、スタジオに入りきれる人数が集まってクラッピングを録音。皆、大はしゃぎでレコーディングは終了となりました。  3時間あまりと、こうしたレコーディングとしては異例の短時間での収録となりましたが、無事に形にすることができました。演奏した学生ら、また、スタッフとしてのサウンドメディアコースの学生らの集中力が功を奏しました。  最後に、完成した曲を皆で聴きました。ヒグチ先生からは「『やりたいことと得意なことのどちらを仕事にするのか』ということで、2回の講義を行いましたが、好きなことや自分の得意なことに対して柔軟な気持ちでいることが大切。環境が変わっていき、音楽が好きでないかもと考えてしまったりすることもあります。私自身、人に喜ばれることや、人から必要とされることに喜びを感じ、現在も音楽にかかわっています。自分に似合うことを見つけ、自分のやり方を探しながらやっていって欲しいです」と言葉をいただきました。  今回、収録された作品「この退屈な日々を」名古屋芸術大学バージョンは、「未決定ですが、配信など何らかの形で聴けるようにします」とのことで、決まり次第お伝えします。

2023.10.16

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示

COPPA CENTRO GIAPPONE 2023にて大会ポスター・カーデザインコース ポートフォリオを展示  2023年10月9日(月)、名古屋市で開催された自動車のイベント、(コッパ・チェントロ・ジャポネ)にヴィジュアルデザインコース、カーデザインコースが参加、ポスターとポートフォリオを展示しました。  COPPA CENTRO GIAPPONEは、久屋大通公園でのクラシックカーの展示 Concorso d'Eleganza(コンクール・デレガンス)を中心とする、全国でも珍しい都市型のクラシックカーのイベント。今年の展示は、名古屋の姉妹都市であり同じく自動車産業が盛んなイタリア トリノで生まれたクルマ、今年100周年を迎えたル・マン24時間レース、そして現代のエコカーにも通じる最小限の機能に絞った小さなクルマ、と3つのテーマでクルマが集められました。さらに、名古屋中心部をめぐるパレードラン、オアシス21では学生ブースが集められ学生が製作したフォーミュラカーや電動カートの体験、展示と、クルマ一色の盛りだくさんのイベントです。 COPPA CENTRO GIAPPONE 2023  このイベントのポスターをヴィジュアルデザインコースの学生が制作したことはですが、これらの作品がオアシス21に飾られました。また同じ場所で、カーデザインコース4年生のポートフォリオも展示。イベントに花を添えました。  大会ポスターは、最優秀賞の黒木里帆さんの作品のほか、入賞の池田琴葉さん、真田遥佳さんの作品も展示。当日は、黒木里帆さんもご家族と一緒に見学に訪れイベントを楽しみました。  ポスターの展示にあわせ、カーデザインコースでは4年生 小野田亘佑さん、佐々木貴啓さん、長友玲人さん、松下滉輝さんのポートフォリオを展示、ボランティアとして7名の学生がイベントに参加しました。COPPA CENTRO GIAPPONEは、参加者に自動車関連企業に携わる方も多く、展示されたポートフォリオの頁を熱心にめくる方も見受けられました。 また、久屋大通公園でのクルマの展示に、デザイン領域 助手 後藤晃世さんのご家族が所有するホンダ シティ カブリオレ(ソフトトップとフルオープンボディをピニンファリーナ社が担当、トリノ関連のクルマとして)を出展、彩りを添えました。  ボランティアの学生らも交代で展示車両を見学、秋の日を大いに楽しみました。

2023.10.11

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示

SDGs AICHI EXPO 2023で、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」作品展示  2023年10月5日(木)~7日(土)の3日間、愛知県国際展示場 AICHI SKY EXPOで開催されたで、佐久島SDGsプロジェクト計画「海のごみ 島だから見えるコト! わかるコト!!」で学生が制作した作品を展示しました。このプロジェクトは、美術領域コミュニケーションアートコースが中心となり、佐久島の環境を脅かす「漂着ごみ」の存在を広く一般に周知し、抑制につなげるためのアート作品を制作するというもの。アート作品を通して、佐久島の環境と問題について広く知ってもらおうというプロジェクトです。5月の佐久島視察に始まり、9月に最終のプレゼンテーション、さらにブラッシュアップして今回の展示となりました。 「SDGs AICHI EXPO 2023」  今回の展示は西尾市が主体で、会場の中の自治体エリアでの展示となり、限られたスペースのためすべての作品を展示することができません。プロジェクトを運営する西尾市 佐久島振興課 三矢由紀子さん、東海テレビプロダクション クリエイティブセンター ディレクター 中山篤史さんのお二人に作品をセレクトしていただき、設営もお任せする運びとなりました。自治体エリアの他の展示は地域の特産品が多く、アート作品を展示する佐久島ブースは一味違うユニークな存在となりました。  作品の選択について伺うと、「今回、発表の場所がイベント会場ということもあり観光客も多く来場されます。そんな中、美術館に置いてあるようなものよりも、親しみやすさや入り込みやすさということを考えました。そこで、まず触ることのできる作品『はぐくみくん』(美術総合コース 2年 宮池莉菜さん作)を前面に置き、お客さんにも『どうぞ触って下さい』と声をかけています。触っている間にごみの話をし、特にごみ自体は悪くないというコンセプトを伝え、他の作品へ誘導する、そんな流れの展示にしました。難しいデータを見せなくても、なにか感じるものを伝えることができる、アートの力を感じています」(中山さん)。  「アート作品として単純にかわいい、きれいがあり、その裏にはこうした環境に対するテーマがありますと説明しています。佐久島の問題について、まず知ってもらうことが大切だと思います。これまで佐久島での活動は、人員が足りなくてボランティア活動というか、外部の人に来ていただいてやってきました。それをこうした機会にアピールして上手く広げられればと思います。来ていただいた方がまた来たいと思えるような、今度は私たちがこれまで来ていただいた方たちに恩返しというか、おもてなしをしていけたらと思っています」(三矢さん)、と展示に手応えを感じているようで安心しました。  取材当日は、平日ということもあり出展の関係者が多くいらっしゃいましたが、しっかりと作品の背景まで見て説明を受けるお客さまが多く見られました。企業の方、環境省の方にもしっかり作品を見てもらい、取り組んだ甲斐があったとの声も聞かれました。町おこし的な出展が多い中、ごみ問題という社会問題を扱う出展は、SDGsの考えに即したものであり意義深いものなりました。  今後、作品は、2023年10月14日(土)に田原市で行われる「三河湾大感謝祭」、2023年11月18日(土)、19日(日)に東京で開催される全国の島々が集まる祭典、2023年11月23日(木)~12月10日(日)、佐久島へ渡る船乗り場近くの「佐久島ナビステーション(さくナビ)」にて展示されます 「アイランダー2023」

2023.10.6

こどもデザインだいがく2023 夏 「こどもデザイン市場 ~みんなのお店を開店しよう~」を開催

こどもデザインだいがく2023 夏 「こどもデザイン市場 ~みんなのお店を開店しよう~」を開催  デザインを楽しみながら体験しデザインについて子どもたちに知ってもらおうと例年開催している「こどもデザインだいがく」。今年のテーマは「こどもデザイン市場 ~みんなのお店を開店しよう~」ということで、子どもたちが考えたオリジナル商品を制作、秋の芸祭に出店し物々交換のお店を開こうというもの。この夏、2023年7月29日(土)、30日(日)さらに、2023年8月26日(土)27日(日)の4日間、子どもたちは大学を訪れ、それぞれに考えたオリジナル商品の制作を行いました。  子どもたちにアドバイスし制作のお手伝いをするのは、本学OGでありPLAY! PARK キュレーターの小栗里奈さんとデザイン領域 西岡毅 講師。さらに、デザイン領域の卒業生と学生、これまでにこどもデザインだいがくに参加した高校生たちもスタッフとして加わり、子どもたちと遊びながら制作を行いました。  子どもたちはあらかじめ自分が商品として作りたいものを考えてきました。作りたいものを作る、これがこのワークショップの基本です。中には家で材料を集め、準備するほど楽しみにしていてくれた子もいました。西キャンパスU棟に集まると、用意されたさまざまな道具を使い、制作を始めます。木、プラバン、レジン、紙粘土、シール……、とさまざまな材料を使い、それぞれ思い思いに制作していきます。糸のこ盤やレーザー加工機、缶バッジ製造器など、扱いが難しい機器もスタッフに使い方を聞きながら子どもたちが自分で扱います。アクセサリーやパズル、おもちゃ、ステッカー、ノートなどなど、バラエティ豊かなたくさんの商品ができあがっていきます。さらにシルクスクリーンプリントを使い、子どもそれぞれのマークをあしらったショッパーやトートバッグも制作、商品を入れるための袋も用意する凝りようです。  黙々と制作に打ち込む子もいれば友達とおしゃべりしながら制作する子もおり、それぞれに制作を楽しんでいる子どもたちの様子がほほえましく印象的でした。  27日の終わりにはできあがった商品を一堂に並べてみましたが壮観です。想定していたよりもたくさんの商品が揃い、置き場が不足するほどでした。気に入った商品があれば、作った子にその商品が欲しいことやもっと作って欲しいなど、商品を手にしながら子どもたちどうしリクエストする様子も見られました。  商品を並べてみると、実際にお店として陳列するには、ディスプレイの台が必要だったり、お店の看板が必要ということがわかります。ということで、秋にはお店の看板やディスプレイの棚を作るワークショップを行います。どういう飾り方をしたいか、それにはどんな棚や看板がいいか、次回のワークショップまでに考えておくことが子どもたちの宿題となりました。秋のワークショップでお店として看板などを制作、そしていよいよ2023年11月4日(土)に出店準備、5日(日)の芸祭で開店となります。  商品は物々交換となりますので、子どもたちと作品が交換できるよう、ぜひなにか交換できるものを用意して芸祭にお越し下さい。

2023.10.6

多治見市モザイクタイルミュージアム「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」に参加、タイルの製造現場を見学

多治見モザイクタイルミュージアム「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」に参加、タイルの製造現場を見学 2023年5月18日(製造現場見学・トークセッション) 2023年5月23日(フィールドワーク・製造現場見学)  スペースデザインコースでは、昨年に引き続き、多治見モザイクタイルミュージアム、名城大学 理工学部建築学科との連携企画「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」に参加します。「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」とは、タイルの新たな魅力を模索・展開するため、モザイクタイルミュージアム、タイル産業関係者、大学が連携し、多治見モザイクタイルミュージアム2階の産業振興展示室を刷新していく取り組みで、2023年度から5年間継続して行われる事業です。  本学スペースデザインコースからは3年生の7名が参加。これまでに昨年のプレ企画展の説明を受けたり、多治見モザイクタイルミュージアムを見学したりと作品制作に向け準備に取りかかっています。2023年5月18日(木)と23日(火)の二日にわたり多治見市を訪れ、タイルの製造方法を学ぶため、フィールドワークや製造現場を見学を行いました。  2023年5月18日(木)は、釉薬を製造する株式会社カクジンから見学します。代表を務める水野さんは、釉薬の研究・開発の仕事を25年にわたり行ってきており、これまでに12万色以上の釉薬を作って来たといいます。原料となる粉末の配合を考え、ポットミルを使い少量を試作、実際に焼成しサンプルを製造する過程を見せていただきました。  原料メーカーの有限会社YMMでは、規模に圧倒されました。山の斜面を利用した工場では、山頂に広大なストックヤードが設置されており各地から集められた原料となる土が保存されています。そこから、用途に合わせて調合、巨大なボールミルで粉砕、水と混ざった原料をスプレードライヤーで微粒化する課程を見せていただきました。  湿式、乾式タイルの製造を行う株式会社谷口製陶所では、原料をプレス成形しタイルの形ができたところに釉薬を吹きつけ、32時間かけて焼き上げ、タイルを完成させます。印象的なのは、見学した笠原町の工場では成形にあえて手作業を残し、不均等な模様を作っていることです。タイルに工芸品な付加価値を与えた特別な製品だといいます。  3つの工場を見学したあと、多治見モザイクタイルミュージアムに一同集まり、トークセッションとなりました。見学させていただいた、株式会社カクジン 水野晶太代表、有限会社YMM 前田市朗常務、株式会社谷口製陶所 谷口英二朗社長のほか、タイルを使ったアクセサリーや雑貨も手がける七窯社 鈴木耕二代表、モザイクタイルを専門とするメーカー、オザワモザイクワークス 小澤直樹代表、幅広く多彩なタイルを製造する杉浦製陶株式会社 林航代表、内装向けオリジナルデザインのタイルの企画・製造・販売・輸出を行う有限会社丸万商会 古田由香里代表にもセッションに加わっていただき、学生からの質問に答えます。  本学の学生からは、製造可能な最大サイズは? テストピースはどれくらい作るのか、釉薬は自分で作ることができるか、釉薬や色による価格の違い、などものづくりのかかわる質問が多く挙げられました。名城大学の学生からは、他の地域との連携についてや手仕事から産業化していった変遷と手仕事が残る部分についてなど、タイル産業と地域のかかわりについての質問も挙げられました。異なった視点でのトークセッションは双方に刺激のあるものとなりました。  トークセッションの最後に、担当する西岡毅講師から関係者へのお礼が述べられるとともに「今回はじめて釉薬を作るところを見せていただきさまざまな分野を見せていただくことが非常に有意義で、学生からも良い質問が挙がりました。こうした広がりがプロジェクトを大きくしていくことにつながると感じています」とまとめました。  有限会社YMM 前田常務からは「私たちはずっとこの業界でやってきていますが、その分、頭が凝り固まっています。学生さんたちの自由な意見をもっともっと聞かせて欲しいです。とんでもないと思うような無理なアイデアでも、どんどん思いついたことを言って欲しいと思います」と激励の言葉をいただき、今回のセッションは終了となりました。  2023年5月23日(火)に行われた2回目の視察では、笠原の町をフィールドワークしました。モザイクミュージアムで周辺のマップを手に入れ、1時間ほど周辺を散策しました。途中で立ち寄った笠原神明宮では、社殿の階段や壁にタイルが使われており、モザイクタイルで作られたレリーフも見ることができました。神社へと向かう道すがらにも、路上やごみの集積場、民家の塀や庭先など、さまざまな場所にタイルが貼られていることに気づきました。笠原の産業と生活の結びつきを感じさせる光景でした。その後、笠原川の支流である平園川へと向かい、川底に廃棄されたタイルを発見しました。水の中できらめくタイルは美しい光景であり、少しだけ拾ってフィールドワークを終えました。この経験により、地域とタイルのつながりを実感し、考えも深まりました。  昼食を挟んで、まずは株式会社カネキ製陶所を訪れました。株式会社カネキ製陶所は名古屋駅JRタワーズの外壁タイルを製造するなど、ランドマーク的な建物のタイルを手がける企業です。工場の規模や品質管理のレベルの高さから、産業としてのタイルの重要性を感じました。  次に有限会社丸万商会を訪れました。ここでは趣味性の高いタイルが展示されており、商社でありながらモザイクタイルを組み合わせてオリジナル商品を作っている様子を見学しました。また、地元で作られているタイルシート専用のメッシュなども使用しており、地域産業との結びつきを感じさせるものでした。  最後は杉浦製陶株式会社で、乾式の工場を見せていただきショールームを見学させていただきました。ショールームには、さまざまな色のサンプルと、表面の凹凸を作るため金型が用意されています。金型と釉薬の組み合わせを換えて、好みのタイルをオーダーすることも可能です。色とりどりのタイルに囲まれ、こっちの色合いのほうが好き、これはキッチンに貼ってみたい、これとこれとを組み合わせるとかわいい、と想像が膨らみ誰もが時を忘れタイルに見入っていました。  最後に見学会全体をコーディネイトしていただいた長江陶業株式会社 虎澤範宜代表から、「見学会はこれで終わりですが質問や疑問に思うことがあればどんどん寄せて下さい。また、もっと見学してみたいということであれば声をかけて下さい。タイルのことに興味を持ってもらえるようしっかり対応します」と嬉しい支援の言葉がありました。どの会社でも業界全体としてもタイルを盛り上げたいという意志を強く感じる見学会となりました。 株式会社カクジン 有限会社YMM 谷口製陶所 株式会社カネキ製陶所 有限会社丸万商会 杉浦製陶株式会社 フィールドワーク トークセッション(多治見モザイクタイルミュージアム)