• 学科・領域

  • 形態

2024.2.27

古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結

古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  2024年2月6日(火)本学と古川美術館は「連携・協力に関する協定」を締結、協定締結式を古川美術館 分館爲三郎記念館(旧古川爲三郎邸) 桜の間にて開催しました。協定の概要は、古川美術館と本学が包括的な連携のもとに、地域活性化、産業振興、学術文化振興等の分野で相互に協力し、地域社会の発展や協働のまちづくりを推進すること、本学の教育・研究及び優れた人材の育成に寄与すること、を目的とするものです。締結式では川村大介理事長、公益財団法人古川知足会 古川美術館 古川爲之理事長が、協定書に署名しました。  協定締結式には、本学から川村大介理事長、濱田誠経営本部長、田中聰地域・社会連携部長、古川美術館からは古川爲之理事長、伊藤洋介館長代理兼事務局長、河田秀子館長秘書・事務局、早川祥子主任学芸員が参列。伊藤洋介氏の進行のもと、しめやかに式典が執り行われました。会場となった爲三郎記念館には、この日から公開となった本学の展覧会「古川美術館プロジェクト メイゲイのコウゲイ」の作品が展示され、式典に併せ、早川学芸員の解説のもと関係者が鑑賞しました。  川村理事長は「学生たちの作品を見せていただき、ほっとするような温かな気持ちになりました。連携協定の意味はその通りなのですが、実際にこの数寄屋造りの建物に入りますと、彼らは本当に貴重な経験をさせていただいたのだなと肌身で感じました。この連携が、関係する者にとって喜ばしく良きことにつながるようにと思います」と祝福の言葉を述べました。  古川理事長からは「過去、名古屋芸術大学の先生方にはお世話になっておりまして2000年に始めた若手作家展シリーズの第一回に長谷川喜久先生、瀬永能雅先生にご出展いただいたように記憶しております(2000年「岩絵の具の可能性を求めて~名古屋発、若手作家からの提言」)。今では教授としてご指導いただいているかと思うと感慨深く、また、今日でも展覧会などでお世話になりご縁が深いなと感じております。現在、国内外さまざまなことが起きています。天災、パンデミック、さらに理不尽な戦争……、そうした今だからこそ芸術文化というものが一層大切に思われます。名古屋芸術大学に少しでもお役に立てれば、これまで以上に協力しあえればと思っております」とお言葉をいただきました。  式典の終了後も歓談は続き、終始和やかな締結式となりました。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結

2024.2.27

古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催

古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ移行)と古川美術館・分館爲三郎記念館とのコラボレーション企画、古川美術館プロジェクト2024 「メイゲイのコウゲイ」を2024年2月6日(火)~18日(日)に開催しました。2月5日の休館日、完成した作品を爲三郎記念館へ運び込み設営しました。生憎の天候となり、庭に展示する作品は冷たい雨に濡れながら、また、自然光が少なく晴れた日の光を想像しながらという難しい状況での作業となりました。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  作業の前に古川美術館 学芸員の早川祥子さんから、まず事故がないように、お客さんは料金を支払って見に来てくださるわけなので、妥協しないで最後まで粘って価値のある展示になるように、また、早く設営が終わった人はまだ終わっていないところを手伝うように、と指示があり設営が始まりました。大きな陶芸作品は運ぶだけでも一苦労、雨を恨めしく思いながらもひたむきに作業します。これまでの報告会で作品ごとに展示場所は決まっているものの、実際に置いてみないことにはわかりません。ことにインスタレーション的に空間を意識する作品は、その場で制作する部分もあり午前中は作品を置く作業に費やされました。4名の美術館スタッフは前回の展示を片付けつつ学生の展示をお手伝い下さり、相談に乗って置き方を考えたり台座を用意したりしていただきました。判断の速さと手際の良さに敬服です。実際に作品を置いてみると想定とは異なり、芳しくないと判断することもあります。自分の作品とのマッチングに納得できず設置場所を変更することもあり、グループで展示することの難しさを感じさせる一幕もありました。  午後には概ね置き場所が決まり、ライトを設置します。限られたライトの数で効果的に作品を照らすよう検討します。雨のため自然光が少なく、晴れの日を想定しながらの設置です。お客さんの動線からの見え方など、じっくりと検証しました。キャプションボードの場所も、建物に釘を打つことができないため設置場所が制約され、他の作品の邪魔にならないか、お客さんにとって読みやすい位置であるかなどを検討し、慎重に設置します。こうして検討を繰り返すことがあらためて学生それぞれ自身の作品に向き会うことになり、展示することで得られる非常に貴重な体験といえます。  設営を終え、早川さんからは「今日、展示を終えて皆さんほっとしたかと思いますが、明日からが展覧会の本番です。お客さんがどういうふうに展示を見てくれるのかというのも含めて、自分の今後の制作にどう生かしていくか皆さん次第です。今回の展覧会は自分の展示したものだけでなくほかの人の展示があって成り立っているものなので、それも含めどう見えるか、ぜひ丁寧に作品を見て欲しいと思います。自分がこの展覧会を受けてどう発展していくか、必ず一度は足を運んで下さい」と言葉をいただきました。  教員からは「実際に搬入してみると、いろいろ上手くいかないことがあり問題が生じることがあります。そうしたことが起こることも十分考慮しておかなければいけないし、どう自分を切り替えて対応するか、そうしたことがその人の持つ力になっていくのだと思います」(中田ナオト准教授)。「明日から展覧会が始まりますが、その間に何か起こることもあります。作品を見ていただくときにお客さんが当たってしまったりすることもあります。展覧会の間は作品のことを気にして、何かあったときにはすぐ対応できるよう心づもりをしておいて下さい。終わって片付けるところまでが展覧会です、最後まで頑張りましょう」(米山和子教授)。「こうした数寄屋造りの建物に展示させてもらえることを幸せに思って欲しいなと思います。私自身、皆さんのことを羨ましく思います。今日は雨ですが、晴れた日には自然光でぜんぜん違った感じに作品が見えると思います。日本建築で展示できることの良さですので、ぜひまた違った天気の日に来て作品を鑑賞し、今後の作品に生かして欲しいと思います」(扇千花教授)というコメントをいただきました。  は、2024年2月6日(火)~18日(日)、爲三郎記念館にて開催となります。ぜひ、ご高覧ください。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」

2024.2.8

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見

ヴィジュアルデザインコース 名古屋の魅力を発信する「ナゴヤ展」、円頓寺商店街、四間道界隈の魅力を再発見  ヴィジュアルデザインコース3年生が例年取り組んでいる展示「ナゴヤ展」を、2024年1月29日(月)~2月4日(日)、名古屋市西区那古野 円頓寺商店街のワイナリー・コモンにて開催しました。  「ナゴヤ展」は、名古屋の街でフィールドワークを行い街の魅力を発見しデザインを通して伝える展覧会で、デザインの社会的な役割や重要性を学ぶ実践的な取り組みです。これまでのナゴヤ展では名古屋城や長者町、広く尾張地域そのものを対象とするなど、名古屋や尾張の歴史、文化、産業など、さまざまなものごとをデザインしその魅力を発信してきました。今年度は、名古屋の歴史が色濃く残る「那古野」地域が舞台。近年、リノベーションが進み注目を集める円頓寺商店街や四間道、護岸の整備が進む堀川などが含まれます。調査には地域の人にもご協力をいただき、足を運び聞いて話して考えを深め、作品を制作します。その成果が一堂に披露され、見応えのある展示となっています。  最終日の2月4日、ナゴヤ展を担当する則武輝彦准教授、ヴィジュアルデザインコース 中村直永准教授に加え、ナゴヤ展に長くかかわっていただいている株式会社クーグート 代表取締役 髙橋佳介氏、堀川の調査についてお世話になったナゴヤSUP推進協議会 事務局長 井村美里氏をお招きし、賑やかに講評会を行いました。プロダクト的な作品が中心となる例年にくらべ、街や裏路地の魅力を伝えるスケッチや写真、感じたことを伝えるマンガや書籍、実際に使うことができる食べ歩きの包装紙やパッケージ、Tシャツや提灯といったグッズ、レトロについての考察などなど、バラエティ豊かな展示となりました。  これまでは、まちづくりの企画案を考えることに重きを置いたプレゼンテーションでしたが、今年はストレートに発見した魅力を伝えることが重要視され、学生も楽しみながら制作したことが伝わってきます。  プレゼンテーションは、ひとり3分の持ち時間で説明を行い、参加者が質問し講評する型式で進められました。制作の初期から見ていただいている高橋さんは中間プレゼンから良くなったポイントを確認し、対象をさらに広げるようなコメントや実際にプロダクトにするまでのことなど、今後の展開についてのアドバイスをたくさんいただきました。井村さんは、堀川についての作品を楽しげに見守り、高く評価していただいたことも印象的でした。  学生たちにとってレトロな看板や街並みが印象深かったようで、教員が感じるレトロ感と学生の年齢で感じるレトロ感のギャップなど、掘り下げてみたくなるテーマの発見もありました。円頓寺商店街の近くに住んでいたり、若い頃に円頓寺へ行っていたという祖父、祖母に話を聞いて制作された作品では、家族と街の歴史を思わせデザインという枠組み以上の広がりと深みを感じさせました。  全体の講評として中村准教授は「このプロジェクトは、ふだんの課題以上にグラフィックデザインの力やデザインの本質的な考え方を求められる課題で、苦労したのではないかと思います。自分が興味を持ったことを見つけてそれを作品にする、その準備運動というか練習として非常に良かったと思います。学んだことはもちろん、逆にできなかった部分を糧にしていって欲しいと思います」とコメントしました。  則武准教授からは「半年という限られた時間で町の人とコミュニケーションを取るというのは、皆も大変だった部分もあると思います。それでも、レトロ感の面白さだとか、裏路地の魅力だったり堀川だったり、いろいろな魅力の方向性が浮かび上がってきたのではないかと感じています。おじいちゃん、おばあちゃん世代とのつながりから懐かしさや温かさも感じました。学外で展示するということは、社会を意識することだと思います。人とのつながりもそうですし、歴史の積み重ねもそうです。今いる場所の座標軸があり今という時間の軸があってその中に自分がいるという視点を、街を調べたりする中で持てるようになればと思います」とまとめ、今年のナゴヤ展は終了となりました ナゴヤ展 ホームページ 四間道備忘録 ナゴヤ今昔物語 MACHI ARUKI SHARE ナゴヤ地蔵プロジェクト まちもじ 豆味噌の知られざる魅力 円頓寺レトロ Point of view 守って!ホリカワン 古き良き調和 那古野の建築と室外機 キヨちゃんは、ぼーっと歩く。 円頓寺食べ歩き日記 Konseki ほおずき 日常の欠片 生活感と猥雑さ 路地裏痕跡手帖 Why do I feel nostalgic? あいちモーニング日記 堀川観察 円頓寺商店街と家族の歴史 宗春から読み解くナゴヤジン 堀葉 堀川逆行記 円頓寺商店街と廃線 円頓寺 名古屋最古の歴史と廃線 名古屋の特色−民謡から知る−

2024.1.31

工芸分野領域横断 3年「工芸・クラフトプロジェクト」最終プレゼンテーションを実施 陶+テキスタイル

工芸分野領域横断 3年「工芸・クラフトプロジェクト」最終プレゼンテーションを実施 陶+テキスタイル  本学では、陶・ガラス、メタル&ジュエリー、テキスタイルの工芸分野領域を中心に、領域を横断して共同作業を行うことで、素材の魅力を捉え直すことや美術とデザインの両面から創作について考える工芸分野領域横断を進めてきました(2024年度から美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)とデザイン領域メタル&ジュエリーデザインコースを一体化し、新しい「工芸コース」としてスタートします)。  工芸分野領域横断を始め今年度で3年目、1年生から3年生まですべての学年で連携授業が実施されるようになりました。1年生は、工芸の入門編として、二つの専門を別々に学んで合同講評会を行う「工芸制作」、2年生は、二つの専門を組み合わせた作品制作を行うことにより、その特性や活かし方を考える「工芸複合素材実習」、そして3年生は、工芸分野の素材と対話しながら思考する教育を役立てるために、地域産業の活性化を促すプロジェクトとして、社会的な課題に対して広い視野で解決を試みる「工芸・クラフトプロジェクト」に取り組んで来ました。  2024年1月10日(水)、カジツダイスキ 代表の中森絢子さんをお迎えし、プロジェクトでまとめた提案をプレゼンテーション、講評会を行いました。工芸・クラフトプロジェクトの授業は、工芸分野にかかわらずデザイン領域のどのコースの学生でも履修できる授業で、さまざまなコースの学生が集まりました。それぞれが自分の専門領域を持ち寄るような形になり、ユニークな提案となりました。  学生らは、専攻するコースに関係なく3つのグループに分かれ、中森さんからカジツダイスキの方針や商品について説明を受け、製造・販売する現場を視察、市場性や販売のリサーチを行い、企画をまとめてきました。さまざまなコースの学生が携わっていることもあり、多岐に亘る提案が行われました。商品をより魅力的に見せるためにパッケージとショッパーを提案したグループ、カジツダイスキのネット販売を強化するためきれいな商品撮影ができるようにする撮影マニュアルとSDGsの視点に立つ商品の背景を購買者に伝えるパンフレットを提案したグループ、マルシェでの販売に使える出店ブースと店舗を飾るガーランド、ディスプレイに使う陶器、パンフレットやお金のやりとりに使えるペーパーウェイトといったマルシェで使う店舗を提案したグループと、それぞれのグループが補完しあうような案が揃いました。  中森さんは、ひとつひとつの試作品を手に取りじっくりと検討。「中間のプレゼンテーションのときよりも具体的になって、すごく良いと思います」とコメントし提案を吟味します。ことにカジツダイスキのロゴをモチーフにしたカラーやデザインなどを使った提案が気に入った様子です。  プレゼンテーションを終え、中森さんから実際に店舗で使うために採用したい案の発表が行われました。  1つめのグループからは店のロゴをデザイン化したショッパーを採用、商品パッケージについては数量限定で試してみたいということになりました(制作が手作業のため大量に作ることができない)。2つめのグループからは撮影マニュアルを使いに写真をアップすることを約束、パンフレットをさらにブラッシュアップして使ってみたいとなりました。  パンフレットについては変形サイズのため印刷コストとの兼ね合いになりますが、カジツダイスキのイメージカラーを上手く使い商品の背景を上手く伝えられている点を評価していただきました。  3つめのグループからは、フルーツの断面をスタンプに使ったガーランド、果物をかたどったペーパーウェイトが採用となりました。ペーパーウェイトでは、「果物にあえてキズが入ったように作ればさらにカジツダイスキのイメージに近いものになるのでは。それからガーランドの色合いと模様が素晴らしくて、データ化してもらえたらさらに大きな布にしたりトートバッグにしたり、いろいろなことに使いたいと思います」とさらなるアイデアも飛び出しました。マルシェブースも、機会を見つけ使いたいとなりました。  学生からは「実際に企業の方とコラボするのは初めてだったので、初めて気づくことや学ぶことが多かったです。新しい発見ができ、すごくいい経験になりました」、「グループのメンバーがちゃんと意見を出してくれて、皆で進められて話し合いができて、ずっと授業が楽しかったです」、「チームで1つの課題っていうのに慣れていなかったのでちょっと大変だなって思っていましたが、みんなと話し合いながら進んでいくのが良かったなって思います」、「デザインは、いろんな人のが流れてるんだなと思いました。グループワークだからこそ、 見通しや計画がしっかりしないと全体が苦しくなりしっかり計画を立てようと思いました」、「布は専門外で自分だけではできないことでしたが、他の専門的な知識がある人と一緒に協力したからできたと感じてます」とそれぞれに充実した様子が窺えました。 お店のInstagram  授業を担当した テキスタイルデザインコース 貝塚惇観講師からは「今回、実際の企業の方に来ていただき、いろいろなコースの学生が入るプロジェクトでしたが、授業としては始めてだそうでどう進めていくかとても悩んだ授業でした。実際には、皆さんが想像以上のことをやってくれてそれに一所懸命ついていく、そういう学びが教員側にもありました。実際に中森さんにお会いしてリサーチしてものを作っていく、デザインの仕事のプロセスを体験できたことは、皆さんとても大きく成長できたのではないかと思っています」。工芸コース 田中哲也非常勤講師からは「教員としても貴重な経験をさせてもらいありがとうございました。でも、いちばん貴重な経験をしたのは皆さんだと思います。実際にお客さんの話を聞いて仕事を進める、そしてチームワーク。皆でプロジェクトを立ち上げてやっていくこと、今後もたくさんあると思います。非常に良い経験ができたのではないかと思います」とまとめました。  成果物としても、学生たちの経験としても、非常に実りのある授業となりました。今後、作品はブラッシュアップされ、実際の店舗やマルシェで使われることになります。お楽しみに。

2024.1.31

工芸分野領域横断 2年「工芸複合素材実習」講評会を実施 メタル+ガラス

工芸分野領域横断 2年「工芸複合素材実習」講評会を実施 メタル+ガラス  本学では、陶・ガラス、メタル&ジュエリー、テキスタイルの工芸分野領域を中心に、領域を横断して共同作業を行うことで、素材の魅力を捉え直すことや美術とデザインの両面から創作について考える工芸分野領域横断を進めてきました(2024年度から美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)とデザイン領域メタル&ジュエリーデザインコースを一体化し、新しい「工芸コース」としてスタートします)。  工芸分野領域横断を始め今年度で3年目、1年生から3年生まですべての学年で連携授業が実施されるようになりました。1年生は、工芸の入門編として、二つの専門を別々に学んで合同講評会を行う「工芸制作」、2年生は、二つの専門を組み合わせた作品制作を行うことにより、その特性や活かし方を考える「工芸複合素材実習」、そして3年生は、工芸分野の素材と対話しながら思考する教育を役立てるために、地域産業の活性化を促すプロジェクトとして、社会的な課題に対して広い視野で解決を試みる「工芸・クラフトプロジェクト」に取り組んで来ました。  2024年1月11日(木)に行われた2年生「工芸複合素材実習」では、ガラスとアルミを素材に鋳造で作品を制作しました。  作品は、ガラスとメタルのそれぞれの特性を表現したものでも、2つの素材を組み合わせたものでもよく、自由な作品が揃いました。ガラスもメタルも表面を磨くことも荒らすこともできるため処理もそれぞれ異なり、素材の違いを感じさせるもの、接着剤を使い文字通り2つの素材を組み合わせたものなど、学生それぞれの個性が表現されました。素材への興味や技法への探究心を感じさせるもの、中にはすでに作家性を感じさせる作品もあります。  プレゼンテーションは、学生が作品の背景を説明し学生同士でも感想を伝え合うような形で進められました。メタルを担当したメタル&ジュエリーデザインコース 瀬田哲司准教授から、メタルとガラスを組み合わせた作品は過去にも少なくもっと追求してみてもいいのでは、といった評価を受ける作品もあり、可能性を感じさせました。  ガラスを担当した工芸コース 深川瑞恵非常勤講師からは「自分が持っているテーマだとかモチーフだとか、それぞれが形にできていて驚かされることが多かったです。皆さんの今後の制作で役に立てばと思います。ガラスを取り入れたり、楽しんでかかわって欲しいと思います」と講評しました。瀬田准教授からは「今回、初めての課題としてガラスとアルミの鋳造を使って作品作りを行いました。どんなものができるかと期待していましたが、期待以上に面白いものがたくさん出てきて自分としても満足しています」と評価の言葉がありました。  異なった専門性が重なり合うことで新しい表現が生まれる、それを実感させる領域横断の授業となりました。

2024.1.31

工芸分野領域横断 1年「工芸制作」講評会を実施 メタル+テキスタイル

工芸分野領域横断 1年「工芸制作」講評会を実施 メタル+テキスタイル  本学では、陶・ガラス、メタル&ジュエリー、テキスタイルの工芸分野領域を中心に、領域を横断して共同作業を行うことで、素材の魅力を捉え直すことや美術とデザインの両面から創作について考える工芸分野領域横断を進めてきました(2024年度から美術領域工芸コース(陶芸・ガラス)とデザイン領域メタル&ジュエリーデザインコースを一体化し、新しい「工芸コース」としてスタートします)。  工芸分野領域横断を始め今年度で3年目、1年生から3年生まですべての学年で連携授業が実施されるようになりました。1年生は、工芸の入門編として、二つの専門を別々に学んで合同講評会を行う「工芸制作」、2年生は、二つの専門を組み合わせた作品制作を行うことにより、その特性や活かし方を考える「工芸複合素材実習」、そして3年生は、工芸分野の素材と対話しながら思考する教育を役立てるために、地域産業の活性化を促すプロジェクトとして、社会的な課題に対して広い視野で解決を試みる「工芸・クラフトプロジェクト」に取り組んで来ました。  2024年1月10日(水)に行われた1年生の「工芸制作」は、メタルでは針金を使って作った装身具、テキスタイルでは草木染めの手ぬぐいを制作、学生それぞれが2点の作品を前にプレゼンテーションを行いました。  針金を使った装身具は、自分でデザインのテーマを決めそれに基づきドローイングし、それを自身の身体に合わせて立体化。技法としては、針金を曲げスポット溶接でつなぎました。テキスタイルの草木染めは、化学染料を使わず植物や果実などを煮出して作った染液で染める技法で、自然な色合いが魅力です。学校周辺の植物を各自集めて、実験的な意味も含めた実習となりました。媒染剤に使われる鉄・アルミニウム・銅でも色合いが異なり、それぞれが独自の風合いとなります。作品に草の生えていた場所と季節が記録されることにもなり、それだけでアートといえる出来映えです。  プレゼンテーションでは、学生ひとりひとりが制作した装身具を実際に身に纏い、手ぬぐいを壁に貼り、実習の感想を述べました。金属を使った立体の制作も草木染めもほとんどの学生が初めての体験であり楽しんで制作したことが伝わってきます。いきいきと自分の作品と技法について語る姿が印象的でした。  メタル担当のメタル&ジュエリーデザインコース 浅井美樹非常勤講師は「素材に触れるという経験、あまり経験のない人もいたと思います。その中で色々試行錯誤して楽しいところを見つけることができればそれで良かったと思います。作品の中には、楽しんで制作したことが伝わるものもありました。良い経験ができたのではないかと思います」とまとめました。  草木染めを担当したデザイン領域 共通科目等担当 秋保久美子非常勤講師は「草木染めを経験したことにより身近な植物でも染めることができることがわかったと思います。今は、コース選択や課題のことで頭がいっぱいになってるかもしれませんが、本来、染色というものは暮らしにすごく近いものです。作る過程を楽しむこと、芸大を選んだ最初の理由みたいなところを感じてくれたらいいなと思います」と授業の感想をまとめました。

2024.1.30

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施

「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施  美術領域 工芸コース(陶芸・ガラス)、デザイン領域テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコース(2024年度1年次入学生から工芸コースへ学びを移行)では、名古屋市千種区の古川美術館・分館爲三郎記念館と連携し、2024年2月6日(火)~18日(日)までの2週間として爲三郎記念館に学生の作品を展示します。  会期が迫る2024年1月25日(木)、古川美術館学芸員の早川祥子氏をお招きして作品制作の現状を確認、展示について再検討する最終発表会を行いました。1mを超える大きな作品や焼き上げる前の陶芸作品など移動させることが困難なものもあり、テキスタイル工房、メタル工房、セラミック工房、ガラス工房、木工房を学生らとともに巡り、展示についていっしょに考えることとなりました。 「メイゲイのコウゲイ」 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」制作プランのプレゼンテーション 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」最終発表会を実施 古川美術館プロジェクト2024「メイゲイのコウゲイ」を開催 古川美術館と「連携・協力に関する協定」を締結  各作品概ね構想通りに制作が進んでいるものの、制作期間の最後の10日ということもあって、工房には慌ただしい雰囲気が漂っています。実際の作品の大きさや色味を確認し、想定している展示場所や同時に並ぶ作品との整合性などを検討していきます。  早川さんは、学生ひとりひとりに作品の意図を確認し、制作の途中で変わってしまった部分やどう見せたいか、学生の希望を聞いていきます。作家の考えに寄り添い、展示したときの希望を受け入れつつ最大限効果的に見えるよういっしょに考える姿勢が印象的で、学芸員の仕事の一端を見せていただいたように思います。中には、思うように制作が進まず展示を辞退したいと言い出す学生もいましたが、「途中まで作ったパーツだけでも見せることができる、できるところまで頑張って」と励ますこともあり、作家を支えることも学芸員の仕事だと感じさせます。作品の展示は、作品そのものだけでなく作品の背景にある作家の考えや感情を見せることだともいえそうです。工房を巡り、作品ひとつひとつと対峙して考える、濃厚な時間となりました。  発表会を終え、担当する中田ナオト准教授からは「忙しいスケジュールの中、個々、自分の意志でこのプロジェクトに参加して作品を作ってくれていることがすごく喜ばしいことだと感じています。失敗してもいいのでやりきることが、今後の創作への良い経験になると思います。昨年に引き続いて2回目の参加の人がいますが、空間の捉え方ややりたいことの幅が広がっているような印象です。展示まで楽しんでやって欲しいと思います」と講評。  瀬田哲司准教授からは「失敗してもいいとう話が出ましたが、作家になると失敗できないプレッシャーを感じることになります。失敗できるのは学生時代の特権なので、貴重な機会をぜひ生かしていただきたいと思います」と自由に創作、展示することの意義を述べます。  米山和子教授からは「現場をよく知っていらっしゃる学芸員さんの言葉を聞きながら制作するというのは本当に貴重な機会です。制作の最後の数日が作品の出来を分ける時間です。これからが良いものになる時間なので、最後まで諦めずに皆頑張って制作して下さい」と制作を応援。  扇千花教授からは「4つの素材、それぞれの違いを感じさせるのと各コースの違いなどがあり、すごく面白いと思います。コースそれぞれに違いがありつつも、全体として工芸の魅力が伝わっていけばと思います」とまとめました。  早川さんからは「すごくバラエティに富んでいて、それぞれ違う素材への向き合い方、造形の捉え方があるので、ごちゃごちゃにならないように見せることが一番大切だと思っています。それぞれの作品の良さが良さが見えるよう、賑やかでありながらも調和しつつ独立してるような展示をしたいと思っています。皆さんが自分自身の作りたいものを、ここに展示したい、そうやって制作することが面白くなる要素だと思います。こんなことできないんじゃないかと諦めず途中でもいいので、最後まで参加して下さい。失敗という話が出ていますが、出して展示をすればそれは失敗ではありません。思ったように行かなかっただけで、諦めてしまうことが失敗だと思います。実際に展示したときに思っていたのと見え方が違うということが起きますが、その場でいっしょに考えるのが私のたち役割です。途中までであっても持ってきて下さい」と力強い言葉があり、最終発表会は終了となりました。  は、2024年2月6日(火)~18日(日)、爲三郎記念館にて開催となります。ぜひ、ご高覧ください。 「古川美術館プロジェクト2024 メイゲイのコウゲイ」

2024.1.12

エンターテインメントディレクションコース 6期生卒業公演「人間椅子」

エンターテインメントディレクションコース 6期生卒業公演「人間椅子」 ※本映像はゲネプロ時のものとなります。 2023年12月24日(日) STORY 映画「人間椅子」の撮影中の事故で主役を務めていた俳優が亡くなってしまう。 代役を立てて撮影は続行。映画は完成し、公開に先立って試写会を行う事となった。 一方で主人公である探偵の元には一通の手紙が届く。「人間椅子の撮影中に起きた事故の真相を調べてほしい。」 探偵と助手は試写会に赴いた。 試写会は当初、順調であるかのように思われたが、助監督の遺体が発見された事を皮切りに、次々とキャストが殺されていく。 犯人は誰なのか。 探偵は犯人を捕まえる事ができるのか。謎に包まれた試写会が今、幕を開ける。 CAST 探偵 小室怜司 藤平凪騎斗 探偵の助手 和田悠仁 久野はるな 男 竹内隼人 黒崎琉紀 男 兵藤拓志 伊藤楓人 佳子 森澄麗花 牧野早耶香 女中 一条メイ 立石涼音 大使 佐々木譲治 西村響 監督 大塚隆史 山川冬聖 乙女 東雲葵 梶原彩琳 ダンサー 天海まこと 本木沙羅 旦那 横山一博 井上睦貴 司会 諸星太陽 森海将 刑事 番啓介 大浦将弥 STAFF プロデューサー 南雲美虹 アシスタントプロデューサー 加藤百々花 舞台監督 長谷川ゆきの 脚本・演出 谷岡真帆、佐藤夕楓 音響 小嶋涼斗、黒宮桃子、野村健斗、見崎光 照明 榊原舞優、佐野詩月、田畑創路、野田幹太、馬場抽奈、藤本椎名、藤井若菜、宮原歩夢、森大地 舞台 河嶋七凪、酒井愛未、白藤花、原千晴、松本愛莉 映像 板津早希、伊藤千紘、岩澤里々菜、加藤聖菜、鶴森ゆうな、小林さくら 衣装 川瀬里菜、清水彩伽、和井田佳蓮 制作 上田和佳、川田萌音、松原杏 教員 石黒諭(舞台美術)、内海豊司(音響)、金子靖(制作)、二川幸生(照明)、右来左往(演出)

2024.1.4

こどもデザインだいがく2023 冬 ~クリスマスツリーにチャレンジ~ 巨大ツリーを完成

こどもデザインだいがく2023 冬 ~クリスマスツリーにチャレンジ~ 巨大ツリーを完成  デザインを楽しみながら体験しデザインについて子どもたちに知ってもらおうと例年開催している「こどもデザインだいがく」。この冬は、「クリスマスツリーにチャレンジ」ということで、参加者みんなで力を合わせて大きなクリスマスツリー作りにチャレンジしました。  2023年12月23日(土)、西キャンパス 体育館に参加者が集まりました。子どもたちとお手伝いするこどもデザインだいがく卒業生に加え、今回は、脚立に登ってツリーを積み上げる作業が必要なためスペースデザインコースの学生、卒業生も助っ人として加わります。ツリーの素材となるのは、養生に使われるプラスチックダンボール(プラダン)。養生用の通常のプラダンは、通常のものよりも柔らかく、子どもの力でもカッターナイフなどで簡単に切ることができ扱いやすいのが特徴。白色のものが用意され、スチロールや風船などのオーナメントの素材も白で統一、白い大きなツリーを目指します。  まずは、ツリーを構成するプラダンを切ってパーツを作るところからです。パーツ作りといっても簡単で、幅910×長さ1820のいわゆる三六判サイズを斜めに半分にカットするだけ。1時間ほどかけて子どもたちはたくさんの三角形のパーツを切り出しました。この三角のパーツを16枚、ガムテープで貼り合わせ八つの角を持つ星形(八芒星)の形を作ります。これがツリーの一番下、土台となります。その上に、土台と同じ16枚のパーツで作った八芒星の形を乗せ、さらにその上に8枚のパーツで作った四本角の四芒星、てっぺんには半円に切ったパーツを組み合わせて乗せます。スペースデザインコースの学生、卒業生が脚立に載り、慎重にバランスを取りながらツリーを乗せてゆきます。子どもたちが固唾を呑んで見守る中、ツリーを積み上げました。中心部には脚立が入っているものの、プラダンで作ったツリーだけで自立しました。オーナメントを飾り付け、巨大なクリスマスツリーが完成しました。  構造を考えたのは、PLAY! PARK キュレーターの小栗里奈さんとデザイン領域 西岡毅 講師。三角のパーツで組み合わせる構造はトラス構造と呼ばれ、鉄橋や電波塔に使われている構造。名古屋のテレビ塔や東京スカイツリーも同じトラス構造です。「上手くいって良かったです。積み上がらないかと心配していましたが、みんなで協力して高いツリーが完成してほっとしました。5m以上になったと思います」と西岡講師。子どもたち同様、ツリーを眺めて満足感にひたります。  完成したあとは、ツリーを囲んでクリスマスパーティです。お菓子とジュースで乾杯しました。小栗さんからは「こどもデザインだいがくが2018年に始まり、みんなのものづくりのレベルがすごく上がってきて、こんなにすごいものもできるようになりました。次も、もっともっと面白いことができるよう計画していますので楽しみにしていて下さい」と作ることの楽しさを子どもたちと分かち合いました。 次回のこどもデザインだいがくは、3月に開催予定。どんなものを作るのか、お楽しみに。