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2021.12.17

名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ 第40回 定期演奏会

名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ 第40回 定期演奏会  12月2日 (木)、愛知芸術文化センターコンサートホールにおいて、名古屋芸術大学ウィンドオーケストラ 第40回 定期演奏会を開催しました。  40周年を記念した本演奏会は、ヤン・ヴァン・デル・ロースト名誉教授を招待し今年9月に開催を予定していましたが、コロナ禍による緊急事態宣言により延期となっていました。残念なことではありましたが、当日は鈴木英史、雲井雅人両特別客員教授という、吹奏楽界を牽引する両名が演奏に華を添えました。 曲目: ヴィヴ・アズ・アン・オーク/高 昌帥 祝典のための音楽/P.スパーク ロシアのクリスマス音楽/A.リード イントラーダ「S-S-S(スリーエス)」/鈴木英史 太平洋の祭り/R.ニクソン バラード(Sax.solo 雲井雅人)/A.リード エルサレム讃歌/A.リード ソリスト: 雲井 雅人本学特別客員教授 指揮: 鈴木 英史本学特別客員教授 遠藤 宏幸本学准教授 今回のコンサートをバイノーラル・ステレオでお楽しみください  今回のコンサートは、音楽領域サウンドメディア・コンポジションコースで作曲・録音・音響を学ぶ学生が中心となり、本コンサートの模様をYouTubeでライブ配信いたしました。また、「アーカイブページ」で改めてバイノーラル・ステレオによる立体音響と通常ステレオの違いをお楽しみいただけます。 ライブストリーミングページはこちら

2021.12.16

地域交流センター 音楽体験型イベント「音楽の森」を開催

地域交流センター 音楽体験型イベント「音楽の森」を開催  2021年12月5日(日)名古屋芸術大学アートスクエア(北名古屋市文化勤労会館)にて、「音楽体験型イベント&家族で楽しむオーケストラ 音楽の森」を開催しました。北名古屋市、北名古屋市教育委員会にご後援いただきました。内容は、「トムとジェリー」などのアニメーションを背景に迫力あるオーケストラ演奏を親子で楽しめるコンサートと、音楽に親しむワークショップのイベントです。演奏は名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団、ワークショップはアートマネジメントコース2年生が中心となって企画されました。  当日の朝からワークショップの受付が始まり、たくさんの子どもたちが集まりました。ワークショップは2種類で、ひとつは午後からのコンサートにオーケストラと一緒に演奏に参加するもの、もう一つは五感で音楽を体験するものです。  オーケストラと一緒に演奏するワークショップは、コンサートで上映されるアニメーションに合わせて打楽器で参加するもので、アニメーションを見ながらタイミングを合わせて練習します。午後からの本番に向けて、午前中は段取りを憶えながら何度も繰り返し練習しました。  五感で音楽を体験するワークショップは、アートマネジメントコースの学生が内容を考え準備してきたもので、「視覚」「聴覚」「触覚」「嗅覚」「味覚」それぞれに音楽を合わせて体験してみるもの。たとえば、嗅覚ではバニラ、オレンジ、お香の3種類の香りと、甘い響き、爽やか、和を連想する音楽が用意され、それぞれをクイズ形式で当てるというもの。聴覚では、自動販売機や踏切といった町中にある音、水道やまな板と包丁で切る音など日常生活にある音を聴くクイズといった具合に、音や音楽をそれぞれの感覚に結びつけて体験するものです。五感それぞれに音楽を楽しみ、充実したワークショップとなりました。子どもたちはワークショップの内容だけではなく、学生らとのおしゃべりを楽しみ、5種類の体験をたっぷりと楽しみました。  午後は、親子で楽しむコンサート。指揮に竹本泰蔵さん、ピアノにCHIAKiさんを迎え、名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団の演奏です。コロナ禍での貴重なコンサートであり、会場にはたくさんの親子連れが訪れました。予約制となっていましたがすぐに満席になってしまうほど人気で、楽しみにしていたお客さんが多かったようです。5歳と1歳のお子さんを連れたご家族に伺うと「5歳の子もオーケストラは初めて、下の子はまだわからないかもしれませんが本物に触れる良い機会だと思ってきました。泣き出したらすぐ出られるようにドアの近くの席にします」と話してくれました。小さな子どもでも聴くことのできるコンサートはとても貴重な機会です。  コンサートは、イベール作曲「ディベルティメント」から始まり、続いてサン・サーンス作曲「動物の謝肉祭」が演奏されました。組曲ですが、コンサートの進行に声優アクティングコース2年の白木麻菜さんによるナレーションが入り、情景を想像しながら楽しく進行していきます。続いて、ディズニーアニメ「ファンタジア」でおなじみのデュカス作曲「魔法使いの弟子」。竹本氏の大きな動きの指揮もあってかオーケストラの音も楽しげ、伸びやかでノリのいい音楽が会場を充たします。  そして、いよいよワークショップで打楽器を練習してきた子どもたちがステージに登場し、「トムとジェリー」のアニメーションに合わせた楽曲。お話はアカデミー賞短編アニメ賞を受賞した「ピアノ・コンサート」、曲はリスト作曲「ハンガリー狂詩曲」です。映し出されたアニメに合わせて、子どもたちが打楽器で効果音を加えます。会場からは笑い声がおこり、大いに盛り上がりました。さらに、もうひとつ「星空の音楽会」というお話では、ヨハン・シュトラウス2世作曲のオペレッタ「こうもり」から序曲。ピアノのCHIAKiさんも猫耳カチューシャをつけて、いたずら心いっぱいに効果音に参加します。トムとジェリーのドタバタに合わせてピッタリのタイミング、劇中でジェリーに曲が換えられてしまう場面も完全再現で会場は笑い声に包まれました。  まだ歩けないような小さなお子さんも泣き出すようなことはなく、子どもたちの笑い声が絶えない温かな雰囲気が会場を包む、素晴らしいコンサートになりました。  ワークショップとコンサート、子どもたちが音楽の魅力に触れる有意義な1日になりました。 親子で楽しむコンサート オーケストラと一緒に演奏しよう! オーケストラと一緒に演奏しよう! 練習風景 [ワークショップ] 触覚/音楽を触るとどんな感じ? [ワークショップ] 視覚/音楽って見えるの? [ワークショップ] 嗅覚/音楽ってどんな香り? [ワークショップ] 聴覚/耳を澄まして! [ワークショップ] 味覚/音楽って食べられるの?

2021.12.16

ミュージカルコース 卒業公演 「A Little Princess」上演

ミュージカルコース 卒業公演 「A Little Princess」上演  2021年12月4日(土)、5日(日)の2日間、ミュージカルコース卒業公演「A Little Princess」を上演しました。  「A Little Princess」は、アメリカの小説家 フランシス・ホジソン・バーネットによる児童文学。日本では「小公女」と知られる作品で、アニメ化された「小公女セーラ」の原作でもあります。2004年に劇作家 ブライアン・クロウリーと作曲家 アンドリュー・リッパのコンビによってミュージカル化され、今回の公演では2011年ライセンス・バージョンを日本語翻訳し上演しました。  物語は、19世紀のイギリス、ロンドンの寄宿舎が舞台。資産家の父親とアフリカで暮らしていた主人公サラが、学業のためロンドンに帰国、ミンチン女学院の寄宿舎に入ります。そこでのいじめ、寄付金を目当てに起こる騒動や父親の事業破綻といった出来事を通し、成長していく姿が描かれます。主人公サラに加え、ミンチン女学院の使用人ベッキーとの友情、また、舞台としては憎まれ役のミンチン先生も見どころとなります。  前半は、寄宿舎でのからかいやミンチン先生からの意地悪の中、サラとベッキーに友情が生まれ、寄付金目当てのサラの誕生会と父親のクルー大佐の訃報と事業破綻の知らせが届くまで。逆境にあってもプリンセスになったつもりで気高く誰にでも優しくあろうとするサラの健気さが物語の軸です。なまりのあるベッキーの台詞ですが、身近な尾張弁になっていてくすりとさせられます。ベッキーを慰めるために空想上のアフリカ人たちと歌い踊る Let Your Heart Be Your Compass の活気あふれるダンスが印象的です。  後半は、破産のため使用人となったサラがクリスマスパーティの準備に奔走するなか、父親のクルー大佐の行方を知るパスコがサラとベッキーの窮状を救い、ヴィクトリア女王に助けを求めて学院が救済され大団円を迎えます。物語は19世紀が舞台となっていますがお金や格差がテーマとなっており、今の社会にも響くメッセージがあります。  今回の公演では、ダンスのシーンもさることながらソロパートの歌唱が印象的でした。サラ、ベッキー、クルー大佐、パスコ、ミンチン先生と、それぞれにソロの曲があり、しっかりと歌い上げます。この歌唱が素晴らしく、各キャストとも危なげなくこれまでの努力の成果を充分に発揮できたのではないかと感じました。じっくりと聞かせ、会場も歌に聞き惚れていました。曲や歌詞に集中することができ、物語の世界に素直に入り込めたように思います。  2日間で3回公演でしたが、いずれも満席、ミュージカルコース卒業公演の人気の高さが窺えました。完成度の高さは、まさに4年間の集大成といえるもので、人気の高さにも納得の卒業公演でした。

2021.12.15

名古屋東急ホテル 「芸大生の〈Show Case〉」 工芸分野の作品を展示

名古屋東急ホテル 「芸大生の〈Show Case〉」 工芸分野の作品を展示  名古屋東急ホテル2階レストランフロア廊下の6つの展示ブースに、東海地区の芸大生の作品を展示する企画「芸大生の〈Show Case〉」展に、テキスタイルデザインコース、メタル&ジュエリーデザインコース、アートクリエイターコース(工芸コース)の学生、大学院生が作品を展示しています。  2021年9月から開催されているこの展示、10月 日本画コース、11月 アートクリエイターコースの作品でしたが、12月は工芸分野3コースの作品が展示されます。11月30日、夕方に東急ホテルに作品の搬入を行いました。  作品は、メタル&ジュエリーデザインコース 4年 岡島真怜さん、テキスタイルデザインコース 4年 加藤ひいろさん、横山ゆうさん、アートクリエイターコース 4年 木原大貴さん、清水菜月さん、クラフトデザイン研究大学院1年 冨永侑里さんの6名。  ショウケースのサイズに合わせて展示を考え、あらかじめ制作してきた背景と作品を丁寧に設置しました。  名古屋東急ホテル マーケティング マネジャーの染谷健二さんからは、「作品で館内が華やかになり素晴らしいです。お客さまはもちろん、今度はどんな作品かと、ホテルのスタッフがとても楽しみにしています」とうれしい言葉が聞かれました。展示された作品をじっくりと眺め出来映えを賞賛したり、テキスタイルが作品になることに感心したり、ご自身も作品を楽しまれていることが伝わってきました。  作品の展示は2021年12月末まで、名古屋東急ホテル2階レストランフロア 「なだ万」-「南国酒家」間通路のショウケースとなります。一般の方もいつでもご覧いただけますでの、ぜひお越しください。

2021.12.1

認定こども園 森のくまっこにて、ワークショップ2回目 線の造形活動を開催

認定こども園 森のくまっこにて、ワークショップ2回目 線の造形活動を開催  2021年11月10日、11日の2日間、本学グループの認定こども園 森のくまっこにて、人間発達学部 非常勤講師の荒木まさかずさんによるワークショップ「かたち遊び こどもと共育」の2回目のワークショップが開催されました。前回は、10月に水風船を使い絵の制作を行いましたが、今回の趣向は? 子どもたちは、荒木さんからは具体的な内容を聞かされておらずどんなことが始まるのか、わくわくしながら遊戯室に集まりました。  今回のワークショップを始める前に、前回制作した絵をみんなで鑑賞することから始まりました。ひとりひとりの絵を荒木先生が手に取り、色合いや模様の面白い部分を子どもたちと共有します。子どもたちは、作品の感想を声にだしたり、自分の作品の順番が来ると少し照れたようにしたり、大いに盛り上がりました。同時に子どもたちには、今日も作品の制作をするんだという実感がわいたようで、制作への集中力が高まったように感じました。  鑑賞が済んだところで、今日の制作のテーマ、縄の登場。線の造形とは、縄を使った制作のようです。箱から出てくる長い縄に、子どもたちは大はしゃぎ。綱引きのように引っ張ってさっそく遊びが始まります。縄を跳ねたり潜ったり、まずは身体を使って遊びます。先生にしっぽのように付けた縄をとりっこする鬼ごっこなどひとしきり遊んだところで、今回制作する作品が登場。荒木さんがあらかじめ制作した、紙粘土に縄をスタンプしてかたどったレリーフです。制作の手順はなかなか複雑そうですが、子どもたちに全体の手順は説明せず、ステップごとにやることを説明して進めていきます。  まずは、ベースとなる合板をサンドペーパーで滑らかにし、白く塗ります。合板とサンドペーパーが配られると、見ようみまねで子どもたちは合板を削り始めます。サンドペーパーを使うことなどほとんどないと思われますが、板の端を指でなぞって確かめたり、子どもたちの手つきはなかなかのもの。ヤスリがけが済んだら、白の絵の具で合板の裏表、端まで塗って乾かしておきます。  続いて、ベースの板に盛る紙粘土の準備です。紙粘土をちぎって団子状に丸め、それぞれに色を付けます。パレットに絵の具を用意し、子どもたちは紙粘土の団子に好きな色を付けていきます。絵の具で手を染め、それぞれが紙粘土1パック分を丸め終わったら、白く塗った合板に紙粘土を並べ、板で挟んで上から潰します。この時、子どもたちは板の上に乗り、ぴょんぴょんと飛び跳ねて潰します。子どもの体重がちょうどいいくらいで、紙粘土は厚みを残して潰れ、カラフルなベースができあがります。さらにそのベースの上に、今回のモチーフである縄を載せ、再び板で挟んで縄の型を取ります。ここでも、子どもたちは板の上で飛び跳ね、身体を使っての創作です。最後に、平らな部分にローラーで黒を塗って完成となります。縄の形にカラフルな紙粘土が残り、見事なレリーフができあがりました。  午前の時間をフルに使い、子どもたちは集中して創作を楽しんだ様子でした。子どもたちは、すでに次回が楽しみな様子で、今度はいつ? 何するの? と期待する声が上がっていました。  今後のワークショップは、来年1月に点・線・面の絵画活動を行い、2月に展覧会となります。こども園の先生方からも2月の展覧会に期待を寄せる声が聞かれ、ますますできあがりが楽しみになってきました。

2021.11.29

CROSS INTERACTION 2021 陶芸教育機関交流展 2021に、アートクリエイターコースが出展

CROSS INTERACTION 2021 陶芸教育機関交流展 2021に、アートクリエイターコースが出展  多治見市の「とうしん学びの丘“エール”」にて開催された「CROSS INTERACTION 2021(陶芸教育機関交流展 2021)」に、本学アートクリエイターコース(工芸コース)が作品を出展しました。この展覧会は、東海地区で陶芸教育を行う8つの学校・研究機関が参加する交流展覧会で、本学からは工芸コースで学ぶ9名が参加しました。本来であれば9月に開催される予定でしたが、新型コロナ禍の状況に合わせ2021年11月6日~8日の開催に変更され、6日(土)に岐阜県現代陶芸美術館 館長 石﨑泰之氏、岐阜県美術館 副館長 正村里美氏をお招きし講評会が行われました。展覧会には総数50以上の作品が展示され、時間的にすべての講評を行うわけにもいかず、各校2名ずつ作品を選んで講評を行いました。それぞれが、作品についてプレゼンテーションを行い、石﨑氏、正村氏がそれぞれ講評を行う型式で行われました。  本学からは、4年生 木原大貴さん「海の宝石」、松岡真矢さん「Wiege」(独語で、揺りかご・ 揺籃の意)、さらにその場で正村氏からのリクエストがあり 3年生 池田考作さん「溶積」の講評が行われました。  木原さんの「海の宝石」は、沈没船とともに沈んだ宝物をイメージした作品、手びねりで作られた楕円体に釉薬を染みこませた毛糸を巻いて制作されています。石﨑氏からは、抽象性は高いものの具体性のある部分が作品の一部にでもあればタイトルと合わせもっと伝わりやすくなる、巻き方のバランスを考えれば作品に動きが出ると思う。正村氏からは、非常に美しい作品だが、ほかの素材でも可能な表現であり陶芸という技法を使って表現できる美しさをもっと探してみて欲しい、と評価をいただきました。  松岡さんの「Wiege」は、手びねりで造形することや、穴を開けたりディテールを作っていく自身が感じている陶芸の楽しさを表現した作品。正村氏からは、作品のサイズや表現からもっとわくわくするような気持ちが出ても良いのでは、優しいけれど移ろうような悶々とものを感じる。石﨑氏からは、完成度が高くて良い作品だと思う、内側のでディテールを楽しんで作っていることもわかるし、表面の手の感じも好ましい、とお褒めの言葉をいただきました。  池田さんの「溶積」は、土への興味がストレートに表された作品で土の粒感や重量感が表現されています。正村氏からは、素材自体が持っている力の美しさと変化に魅了されていることが伝わる、もし今後も土でやっていくのならスタートといえる作品、いろいろな素材を使っていくというのならこういう表現も良いと思う、土との付き合い方を今後もっと考えていって欲しい、とエールをいただきました。  講評会を終えて学生らからは、他の学校の先生方もいてとても緊張した、プレゼンテーションで準備していたことがいえなかった、今後に向けての良い経験になったと、ほっとした様子と同時に今後への展望の声が聞かれました。  講評会のあと、各学校の指導者に自分の作品について感想を求める参加者や、参加者同士が談笑する姿が見られ、和やかな講評会となりました。また、参加者、指導者それぞれが各作品について感想やコメント書き込んだメモを後日それぞれの学校に送られることになっており、作品を見て刺激を受け、それぞれに言葉を交わし作品について考えを深める、意義深い交流展示会となりました。 名古屋芸術大学 出展作品

2021.11.25

音楽領域 声優アクティングコース1期生 卒業公演「2.5次元舞台 COLORS 彩られた世界へ」開催

音楽領域 声優アクティングコース1期生 卒業公演「2.5次元舞台 COLORS 彩られた世界へ」開催  2021年11月14日(日)、音楽領域 声優アクティングコース 卒業公演「2.5次元舞台 COLORS 彩られた世界へ」が、本学 東キャンパス 3号館ホールにて開催されました。原作は、本学美術領域 アートクリエイターコース卒業生の有志からなるアニメ制作チーム「ACREATION」の自主制作アニメ。2019年に公開されましたが、その声を声優アクティングコースの学生が担当していました。当時は1年生だった学生が、思い入れのある同じ作品を再び演じることとなったのが今回の卒業公演なのです(「ACREATION」中村大樹さんのアートクリエイターコース卒業制作アニメ「プロポーズ」(2019年度ブライトン大学賞 優秀賞)の声も、声優アクティングコースが担当。。公演では、リアルな時間軸の部分はお芝居で進行し、回想シーンになるとスクリーンにアニメが表示されアフレコでその場で声を当てるというユニークな構成。また、COLORSオリジナルの本編は40分ほどなのですが、今回の公演にあたり大幅に加筆され、登場人物それぞれの背景が盛り込まれました。それにあわせ新たなアニメパートも制作され、公演ぎりぎりまでかかり滑り込みで間に合いました。原作、脚本、音楽、そして舞台公演の音響、照明、美術、フライヤー……、すべて本学学生およびOB、OGがかかわる作品となりました。公演は2回公演で、Aチーム、Bチームでキャストを入れ替え演じます。観客席は学生のご家族で埋まり、温かさを感じました。 YouTubeでも見られます  物語は、美術大学学生らの制作に対する葛藤を描いた青春群像劇。大学に入ったころのプライドと自信の喪失がテーマであり、創作の怖さや苦しみを乗り越え制作意欲を取り戻すまでのストーリー。演ずる学生も、登場人物と自身の状況が重なることが多いであろうし、また、舞台を見る学生にとっても思い当たることが多い内容のように思われます。領域にかかわらず芸術大学という場では、日常に近い普遍的なテーマであるともいえます。しっかりと物語に引き込まれ、完成度の高い舞台に仕上がりました。とくに、演者たちのアフレコの技術が素晴らしく、アニメパートは安心して見られる印象です。対して、お芝居のパートはホール全体に伝わる芝居が必要となり、異なった技術と能力が必要なのだとよくわかります。映像作品の演技とも異なった発声や身体表現など考えさせられ、興味深く観劇することができました。  第2部は、殺陣パフォーマンス「you」。殺陣アクションに、季節を表す派手な衣装とメッセージ性を含む登場人物が加わり見ごたえ充分、照明も盛り上げます。ケレン味あふれるステージで、こうした演目も演劇の魅力のひとつといえます。声優アクティングコースが学んできた幅を感じさせるステージとなりました。  引き続き、声優アクティングコースで結成された声優ユニット iCANDYの1~3年生が先輩に贈る歌を披露。元気いっぱいに歌い踊りました。  ここで司会の声優アクティングコース 福満薫 講師が登場、初の卒業生を迎えた感慨とともに最後の演目を紹介しました。最後は、4年生による歌のステージですが、こうした公開のステージは学生時代これが最後。福満先生のコメントもあってか潤んだ歌声もあり、観客席にも目頭を拭う姿が見られました。2回目公演の最後の曲、サプライズで観客席に「ご卒業おめでとうございます」の横断幕が現れると、緊張が解けたように涙する学生も。後輩らから花束を受け取り、鳴り止まぬ拍手の中会場から送り出され卒業公演は終了となりました。

2021.11.16

デザイン領域 スペースデザインコース デザイン展覧会「UPCYCLE DESIGN EXHIBITION」開催

デザイン領域 スペースデザインコース デザイン展覧会「UPCYCLE DESIGN EXHIBITION」開催  2021年11月6日~14日、デザイン領域 スペースデザインコース、デザインスタジオ Bouillon(ブイヨン)で活動するスペースデザイン 非常勤講師 服部隼弥氏、那須裕樹氏、助手 池田将輝氏による展覧会 「UPCYCLE DESIGN EXHIBITION」が、名古屋市中区の長者町コットンビルにて開催されました。この展覧会は、ユネスコ・デザイン都市なごや推進事業実行委員会・なごや環境大学が主催するもので、名古屋市錦2丁目エリアで11月に開催された地域・企業・団体が連携してSDGsに関するプログラムを展開するイベント「錦2丁目SDGsWEEKs」(主催:「なごや環境大学」実行委員会・錦二丁目まちづくり協議会・名古屋市)に連動した展覧会です。アップサイクル(UPCYCLE)をテーマにした授業でデザイン・制作した家具を展示し、スツールをリメイクするワークショップも併せて開催しました。アップサイクルとは、使われなくなったモノや廃棄されたモノに、新たな付加価値をつけて社会に再び流通させることで、服部・那須両氏がBouillonで以前から取り組んできたもの。授業で学生らと制作したパイプ椅子を中心に、同じように廃物を利用したアップサイクルの家具、Bouillonが携わってきたアップサイクルの家具シリーズを部屋を模した空間に展示しています。  作品の基になっている廃棄物のパイプ椅子、スツール、プラスチックバケツ、クルマのシートベルト、体育館や倉庫の水銀灯のランプシェードも併せて展示され、どうやってリメイクされているかがわかるようになっています。ただ単に形を変えるだけでなく、新しい用途となったり、意味付けが変わることで新たな付加価値が与えられていることがよくわかります。住空間のような展示も、実際に使う場を想像させ、ホームユースに馴染むようにデザインされていることにも納得できます。業務用の照明のディフューザーを扉にした4年生 日比野優香さんのシェルフ、古い事務所で使われていたようなファイルキャビネットを利用したデスクなど、説明されなければそうとわからないようなアイデアに溢れた作品にも驚かされます。  会場となった長者町繊維問屋街やリフォームされたビルもアップサイクルやSDGsに適うもので、考えさせられる展覧会でした。また、デザインの学生にとっては作品を広く発表する場も貴重であり、とくに学外での展覧会は非常に良い経験になったのではないかと思われました。

2021.11.11

テキスタイルデザインコース 有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト ドイツから村瀬弘行氏を招き講義を実施

テキスタイルデザインコース 有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト ドイツから村瀬弘行氏を招き講義を実施  テキスタイルデザインコース「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」は、学生が有松絞りを使いオリジナルデザインの手ぬぐいを制作し、毎年6月に行われる「有松絞りまつり」の会場で販売するというプロジェクト。絞りまつりは、昨年、今年とコロナ禍のため中止されましたが、プロジェクトは例年行われており、工夫しながらさまざまな場所で販売を続けています。手ぬぐいを商品として捉え、コンセプトを考えブランドを考案、実際に販売する店舗をプロデュースする実践的な体験ができる重要な演習です。昨年は、絞りまつりへの出展がかなわなかっただけでなく、ドイツで活動する特別客員教授 SUZUSAN クリエイティブ・ディレクター 村瀬弘行氏をお招きすることができず、オンラインでの講義となっていました。今年村瀬氏は帰国することができ、待機期間を経て、2021年10月27日に貴重な対面講義の実現となりました。  講義に先立ち、村瀬氏からは、自身が運営する会社 SUZUSAN の小売店舗「aigaeshi」を、新しいブランド「tetof」としてリニューアルしたことについて説明がありました。その過程は、まさにこれから演習で行うブランドプロデュースそのもので、とても参考になる内容です。社内向けに行ったプレゼンテーションの資料を公開しつつ、マーケティングや商品構成について考えたことなどを説明いただきました。学生らがこれから行う演習と重なる部分も多く、実際のブランドでも同じように考えて運営していることが理解できたのではないかと思います。  さて、演習ですが、前回までの授業でテキスタイルデザインコース2年生は2つのグループに分かれ、それぞれムードボード(アイデアやコンセプトを紙面上にまとめてコラージュしたもの)を作成、それぞれのグループが想定する顧客(バーチャルカスタマー)をディスカッションしています。これらを発表するところから始まりました。それぞれのグループでテーマとするカラーと3人のバーチャルカスタマーを説明します。例年、具体的に性別、年齢、生活の背景や消費性向などを想定するバーチャルカスタマーの説明が、学生らが考える時代や流行を反映していて興味深いのですが、今年は6名中4名が男性で、男性を強く意識したブランドとなり、これまでの手ぬぐいプロジェクトとは一風異なった展開となりました。  この後、ブランド名を決めるディスカッションを行い、大人っぽさやシックなイメージの「Varigent」(various、gentleなどからの造語)、落ち着きや自然や四季を連想させる「木洩レ日」に、それぞれのブランド名を決定しました。名前から触発されるイメージの良さやロゴなどの展開を予感させるブランド名に扇教授も村瀬氏も大いに満足、この後の展開に一層期待が高まりました。続き、それぞれのグループで店長を2名ずつ選出、ロゴのアイデア出しを行い、SNSで発信するために150文字程度でブランドのコンセプトを紹介する説明文を考えました。  次回に向け、実際の染めに使う4色のカラーを決定、また、バーチャルカスタマーがどうような動線で絞りまつりに訪れ、どんなシーンで手ぬぐいを使うのか、できるだけイメージを具体化しておくように課題が出されました。デパートやショップに赴き、お店の作りを観察したり、チラシやショッパー、スタッフのコスチュームなど、実際の店舗がどのようにできているかを意識して見ておくことも大事なことと説明があり、注意しておくように意識付けも行われました。  講義の最後に、村瀬氏がパリを訪れたときに見た、凱旋門を布で梱包したクリスト&ジャンヌ=クロードの最後の作品とそれを楽しげに見つめるパリの人々を紹介し、テキスタイルは思っているよりも大きなことが可能でたくさんの人に希望と楽しみを与えることのできるもの、そう思って取り組んで欲しいと学生らを鼓舞激励し、講義は終了となりました。

2021.11.9

認定こども園 森のくまっこにて、ワークショップ「かたち遊び こどもと共育」を実施

認定こども園 森のくまっこにて、ワークショップ「かたち遊び こどもと共育」を実施  2021年10月28日、29日の2日間、本学グループの認定こども園 森のくまっこにて、人間発達学部 非常勤講師の荒木まさかず先生によるワークショップ「かたち遊び こどもと共育」が開催されました。荒木先生は10年ほど前から、もの作りや造形、絵画、デザインなどを通して親や先生ができるだけ子どもに干渉せず自由に制作を行い、何事にも自発的に取り組み自分自身を好きになる子どもを育てたいと「こどもデザイン室」という活動に取り組んでいます。荒木先生は、本学スペースデザインコースのOBであり、デザイン学部非常勤講師を務める中で小学校の机や椅子などの廃材を活用する「Re∓design project」を行うなど、モノとヒトをつなげ豊かにする活動を行っています。こどもデザイン室も、子どもがモノと自由に触れ合うことで、自由に自分を表現できるようにしようというもので、その活動の一環として今回のワークショップが行われました。  今回のかたちは球で、風船を使った遊びと風船を絵筆の代わりにして絵を描くというワークショップです。ワークショップに先立ち、9月に教職員向けのレクチャーが行われ、準備を整えて当日を迎えました。絵の具がこぼれてもいいように、絵の具を使う場所はブルーシートで広く養生、子どもたちにもあらかじめ汚れてもいい服装と替えの服の準備もお願いしました。  子どもたちが遊戯室に集まると、あいさつもそこそこに大きな風船が登場。好きに遊んでいいということで、子どもたちはビーチボールで遊ぶようにさっそく大きな風船で大はしゃぎ。遊びに夢中になっているところで、今度はヨーヨー風船のサイズの小さな風船が大量に登場。併せてうちわが配られ、あおいで風を送ってみたり、金魚すくいのようにうちわに載せて運んだり、と新たな遊びに促されます。さらに、今度は小さな風船を割って遊んで、散らかったゴムをみんなでかたづけて……と、子どもが飽きるまでの短い時間で次々と遊びのルールが変わっていきます。じつは、ここまでは下準備。このあと、風船を使って絵を描くことなりますが、それまでに風船を使った遊びを子どもたちに存分に体験させることで、子どもたちは自然に集中して制作に向かうようになります。さんざん遊んだあと、満を持して、水の入った小さな風船を子どもたちに見せます。水が入っているので大事に扱うように子どもたちに説明。事前に存分に風船を割って遊んであるので子どもたちも素直に受け入れ、いよいよ屋外の制作の場へと移動します。  ブルーシートで養生された園庭には、長さ3メートルほどのスロープが作られています。そこに紙を貼り、絵の具を着けた風船を転がしアクション・ペインティングさながらに、遊びながら絵を制作していきます。水風船が一つずつ子どもたちに配られ、好きな色の絵の具を着けるとコロコロとスロープで転がします。子どもたちは、絵の具とスロープの間を何度も行ったり来たりしながら、模様を描いていきます。はじめは単色だった絵の具も好きなように混ぜ、だんだんと複雑な色合いの絵ができあがっていきました。 全員で作った大きな絵が完成すると、今度は小さな紙にそれぞれの作品を作ります。画用紙が配られると、子どもたちは好きな絵の具を手に取り風船を転がし、自分だけの絵を制作していきます。ここまでに存分に身体を使って遊んできたからか、自分の作品にしっかりと集中する子どもたちの様子が印象的。ここでも単色からはじまり徐々に色を加え混ぜ合わせ、色とりどりの作品が完成しました。  絵が完成したら、最後は水風船を園庭に放り投げて割っておしまい。遊戯室で風船割りをして遊んだときと同じように、ちぎれたゴムを拾って終了となりました。  子どもを飽きさせないための工夫がしっかりと作り込まれていて、園長はじめ先生方からも感心する声が聞かれました。準備も入念で、子どもたちの行動をいっさい規制しないでいて作品づくりに向かわせる方法も、森のくまっこの「遊び通して学び、生きる力を身につける」という方針にぴったりと適うもの。なにより、子どもたちのはつらつとした笑顔が印象的でした。  今回のワークショップは球を使った混色活動でしたが、さらに11月に線の造形活動、来年1月には点・線・面の絵画活動、2月に展覧会を開催する予定となっています。どんな作品が生まれてくるのか、ワークショップの内容と併せて非常に楽しみです。