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2022.5.24

【WEST】杉山仁彦展

Art & Design Center WEST 『杉山仁彦展』   名古屋芸術大学 西キャンパス Art & Design Center Westでは2022年5/20(金)〜5/25(水)の期間、《粉のように、自由に。自然の美しさを陶器に。》をテーマに『杉山仁彦展』を開催中です。是非お越しください。 私はどこへ向かうのか。  私は、もの派や、新表現主義(ニューペインティング)などの作品から強く影響を受けている。  もちろん現代陶芸や前衛陶芸、骨董、もっと言うと自然や コンクリートなどの「素材」からも影響は受けているし、とても好きだが強く受けているのは、最初に書いた二つである。  知識は多いわけではないので、間違っているかも知れないが思うことがある。「もの派の作品には作家の内面が表現された物が少ない」と。それと同時に「新表現主義の作品には感情的に描いた作品が多く、勢いに溢れている」と。 何かしら意図があって作家の内面が作品に反映されていないのだろうと思っているが、私は新表現主義のように作品に自分の意図を、自身の内面を介在させたい。そうでなけ れば自分、つまりは杉山仁彦が制作をした意味がなくなっ てしまうのではないのかと感じている。  私が今回制作した作品は、もちろん人工物だが、その中にも自然が見せる美しい表情がある。しかしそれは普段生 活している中で、見過ごしてしまっていることが多い。壁 の汚れやコンクリートのひび割れ、角材の節などさまざま である。それらは、詫び・寂びの「見立て」ではないが、 そのような日本特有の美意識をもう一度取り戻し、生活してみて欲しい。すると、至る所に素材が時折見せる美しい表情が隠れていることに気づくだろう。 一つの力では、成し得ないこと。 移りゆく。 釉の流れのように。 材の力を借りて。 これからも変わらない、 変わって欲しくない。 アートクリエイターコース3年 杉山仁彦さん 取材当日は、(芸術学部 芸術学科 美術領域 工芸コース・・写真上列左から4人目)による講評中でした。 田中良和 非常勤講師

2022.4.27

『市野鷹生展2022』がギャラリー名芳洞で開催

 中国 唐時台、伝説上の二人の詩僧を通じ世俗の権威主義・価値観を否定した森鴎外の短編小説「寒山拾得」を奇想した。 『市野鷹生展2022』がギャラリー名芳洞で開催  2022年4月13日からギャラリー名芳洞(名古屋市中区錦1丁目20-12)で開催中の、本学日本画コースの元教授、の個展にお邪魔しました。 市野鷹生先生  少女の何気ない仕草、動物の親子等をモチーフに「無垢」「安らぎ」「慈愛」を表現した市野先生らしい世界が展開される中、ギャラリー中央には鬼気を纏ったかのような大きな作品が二点。  「連日テレビで報道されるウクライナの惨状に深い悲しみと憤りを感じています。また同じ過ちを繰り返してしまうのか。理不尽に奪われた子供達の魂や、深く傷ついた人々の心に救いが訪れますようにという祈りを込めて描きました。」  ウクライナ国旗の色で表された中央の球体の中は、よく見ると、子供達の魂がいくつも折り重なっているのが見て取れる。 『無題』 『寒山拾得』  先生は「偶然です」と微笑んでいたが、『無題』『寒山拾得』の二点は、人間それ自体の尊厳を踏みにじったかの国のリーダーへ突きつけた切っ先のように感じました。  悪天候にも関わらず今回も、先生の作品・人柄を慕って大勢の来場者が訪れていました。  『市野鷹生展』最終日は5月1日(日)までです。

2022.4.20

文芸・ライティングコース 豊橋市のんほいパークにて「新博物誌展」開催、ワークショップも

文芸・ライティングコース 豊橋市のんほいパークにて「新博物誌展」開催、ワークショップも  文芸・ライティングコースは、豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」にて、2022年4月10日(日) ~5月7日(土)、身近な動植物をテーマに散文詩とイラストをあわせた「新博物誌」の展示を行っています。新博物誌は、ジュール・ルナール(仏)の「博物誌」(1896年刊)を下敷きに、文芸・ライティングコースの学生が文章を書き、日本画・洋画・コミュニケーションアートの学生が挿絵を描いて制作している冊子。例年、文芸・ライティングコース学生が熱を入れて取り組んでいる課題です。今回の展示では、2021年~2022年にかけてのんほいパークの動植物について綴った15点の原画を展示しています。  これにあわせ、2022年4月10日(日)、体験型ワークショップ「のんほい博物誌ー園内の動植物を詩的な文章で表現してみよう!」を開催。参加者は学生とともに、のんほいパークを散策、自由な感性で詩や散文を制作、日本画コースの学生が描いた挿絵とあわせるか自身で挿絵も仕上げ、表現することを楽しむワークショップです。学生らにとっても身を入れて取り組む課題だけにワークショップとしては難易度が高めに感じますが、のんほいパークに何度も足を運んでいる公園をよく知ったお客さまが参加し、大いに楽しみました。  園内の散策は、作品の展示会場でもある展望塔に集合し、あらかじめ設定しておいた動物園コース、植物園コースなど参加者の希望にあわせて学生と一緒に散策しました。園内の説明書きなどを読んでイメージを膨らませながら、動植物の気になる部分をメモしたりスケッチしたり、思い思いの方法で記録し、豊橋市自然史博物館内の会場で創作しました。  参加者に同行した文芸・ライティングコースの学生らは、植物の名前などをメモ、追加してスマートフォンで植物の習性や花言葉、まつわるエピソードなどを調べ、それぞれにユニークなポイントを見つけだしていました。日本画コースの学生は、動植物をその場で手早くスケッチ。鮮やかな手つきと出来映えに一般のお客さんからも注目を集めていました。  散策を経て豊橋市自然史博物館内に集まり40分ほどで作品を仕上げたあとは、それぞれに音読して発表、簡単な講評会となりました。言葉と絵の組み合わせかたについて挿絵がある分、言葉で説明しすぎないようにすることや、さらにイメージを広げる表現方法などの質問も挙がり、参加者らは表現の奥深さやおもしろさを感じました。 ワークショップは終了しましたが、「新博物誌展」は2022年5月7日(土)まで開催しています。ぜひ、ご覧ください。 新博物誌展 期間: 2022年5月7日(土)まで開催中 時間: 9:00~16:30 (入園は16:00まで) 場所: 豊橋総合動植物公園「のんほいパーク」 展望塔エントランスホール

2022.4.19

テキスタイルデザインコース JR名古屋タカシマヤ「ニッポンの布しごと」に出展

テキスタイルデザインコース JR名古屋タカシマヤ「ニッポンの布しごと」に出展  テキスタイルデザインコースは、2022年4月14日(木)~18日(月)、JR名古屋タカシマヤにて行われた「ニッポンの布しごと」に出展、例年制作している手ぬぐいと、これまでに制作した尾州産地の織物を販売しました。  「ニッポンの布しごと」は、日本各地の織物、染め物の産地が出店、伝統技術あり、現代的なセンスで制作された商品ありのまさに現代の日本各地の布と製品があつまるイベント。今回、実際に製品を作っているプロの方々の店舗に並べて、学生が出展する貴重な機会となりました。JRタカシマヤのWEBサイトでも、他の店舗と同じように学生の店舗と作品が紹介されました。 JRタカシマヤWEBサイト「ニッポンの布しごと」  会場の10階催事場は、取材日は平日でしたが多くのお客さまが訪れていました。印象としては、手芸が趣味で「ニッポンの布しごと」の催しを楽しみにしていたような、いわば目の肥えたお客さまが多く、本学の店舗をご覧になる方も製品となった手ぬぐいはもとより、尾州産地とのコラボレーションで制作された計り売りの生地や端切れへの関心が高い様子です。それぞれの好みに合った生地を探し、何度も手に取って確認したり、学生に話を聞いたりしていました。  学生は4年生が持ち回りで接客、こちらも貴重な経験となりました。学生らからは「端切れが人気、在庫が足りなくなるほどでうれしい」、「迷っている方にもこんなふうにしたらいかがですかと用途を紹介すると買われていきます」といった声が聞かれ、お客さまの生の声を聞き、大いに意欲をかき立てられている様子でした。また、デパートの担当の方にも生地が人気で、学生が作って来たユニークな生地の価値があらためて評価されたように感じました。  5日間と短いイベントでしたが、非常に有意義な経験となりました。

2022.4.9

「ファーストイヤーセミナー」開催

「ファーストイヤーセミナー」開催  2022年4月6日に西キャンパス体育館で、学務部学生支援チーム主催による新入生を対象にした歓迎会「ファーストイヤーセミナー」を開催しました。  職員の奥村さんによる元気のいい挨拶の後、セミナーは新入生の緊張をほぐすために『積み木式自己紹介』からスタートしました。5名で1グループとなり、グループ内のメンバーの名前と好みのペットのタイプ「イヌ派かネコ派か」を全て覚え、覚えられた人のいるチームには、後のビンゴ大会で使えるビンゴカードをプレゼントというルールでした。人の話した内容を覚える事に集中するので、緊張感を忘れられるというメリットがあり、さっそく会話が弾んでいるようでした。  次に、愛知県警西枇杷島警察の「一日警察署長」に任命された、音楽領域 声優アクティングコースのまほろば遊先生から大学生活における注意点についてお話がありました。先生はご自身の家庭で起こった体験も紹介しながら、犯罪に巻き込まれない心構えについてお話されました。  続いて、まほろば遊先生のプロデュースする声優アクティングコースのアイドルユニット「iCANDY」による愛知県警の安全なまちづくりテーマソング「Hand to Hand」と、オリジナル曲「SHINING CANDY!」を披露、「名芸生としての誇りを胸に、地域と共に楽しい学生生活を送りましょう!」と呼びかけました。  休憩を挟み、学生にむけて大学の情報を配信するスマホアプリ「ユニバーサルパスポート」を体験するコーナーの後はクラブ紹介とお待ちかねのビンゴ大会!各クラブごとに景品を用意して、クラブ活動の紹介をしながらビンゴボールを引いていくというルールでスタート。なかなかリーチ・ビンゴが出ない大混戦でしたが、豪華景品を手にした新入生はみなニッコリ。  ビンゴ大会の後は、音楽領域 鍵盤楽器コースの鷹野雅史先生と、同3年生大前美咲さん・4年生の黒田詩穂さんによる電子オルガンの演奏があり音楽領域のある芸術大学ならではの歓迎に新入生も満足そうでした。  以上で「ファーストイヤーセミナー」は終了。新入生は会場出口で早速クラブ活動のチラシ・勧誘の洗礼を受けていました。

2022.4.5

2022年度 名古屋芸術大学 入学式

2022年度 名古屋芸術大学 入学式  2022年4月1日、2022年度名古屋芸術大学 入学式を西キャンパス 体育館にて挙行しました。  式典はまず、竹本義明学長により入学許可の宣言が行われ、式辞、入学生代表として大学院 デザイン研究科 中森健人さん、音楽領域 田中梨紗さんの宣誓と続きました。 二〇二二年度入学式 式辞  新入生の皆さんご入学おめでとうございます。  本学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。  名古屋芸術大学は、東海地区唯一の総合芸術大学として一九七〇年に設立され、今年創立五十二周年を迎えまました。その間、芸術教育、保育・幼児教育による人材育成により、その社会的使命を果たしてきました。  いま社会では、急速なグローバル化と情報化により、すべての分野で境界のない新たな社会が形成されています。本学は二〇一七年度から社会の変化に対応するため大学の教育組織を大きく改編しました。  学部・学科の垣根を低くし、専門教育や分野を超えて関係する分野との連携を強め、社会において時代が求める創造力、プロデュース力、表現力を発揮し、活躍できる人材育成を目指しています。  昨年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、授業運営に大きな影響を受けましたが、感染防止対策を徹底し、大きな混乱もなく対面授業を実施してまいりました。  本学が培ってきた音楽、美術、デザインの専門実技教育に、対面授業は不可欠であり、実施により学生の興味や資質に応え、意識の多様化に対応しています。教育学部においては、芸術系大学にある子ども学科という特徴を最大限生かし、主体的に学習・研究ができるよう、ゼミ活動を充実させ、教育・保育実習において地域の方との交流を行い、実践力を養うことに力を入れています。  また、大学卒業後を見据えて、キャリア教育の取り組みを強化しています。自治体や企業との連携を進展させ、具体的には芸術による教育・研究を発展させ、全学総合共通科目による学際的な学びにより、芸術的な素養を高め、すべての学生が社会に出て活躍できるようにするものです。  入学された皆さんは、それぞれの専門性の追求に加え、異なるものが連携することで新たな創造性が生まれることを意識し、自ら境界線や限界線を引かず新しい発想を持って下さい。そうすることにより芸術や教育を通じたグローバル人材として、社会に羽ばたくことができると考えています。  今日から、卒業後・修了後の自らの姿を想い描きながら、目標をもって、大学生活のスタートを切っていただきたいと思います。我々教職員は、皆さんの希望を実現するため、責任を持って関わって参ります。  皆さんのこれからの大学生活が、希望に満ちあふれ、実り豊かなものになる事を心から願い、入学式にあたっての私からの歓迎の挨拶といたします。 令和四年四月一日 学長 竹本義明

2022.4.4

「ザ・ベストテンコンサートXII」開催

「ザ・ベストテンコンサートXII」開催  2022年3月27日(日)、本学東キャンパス3号館ホールにて「ザ・ベストテンコンサートXII」が行われました。  「ザ・ベストテンコンサート」とは、名古屋芸術大学が主催する1970年~1980年代の日本の歌謡曲を中心とした構成で、毎回、会場が満席になる名古屋芸術大学の「顔」とも言えるコンサートです。  これまで北名古屋市や一宮市、小牧市、津島市、高山市、セントレア、JR等で開催し、多くの皆様に親しまれています。  懐かしい数々のナンバーが繰り広げる音楽空間は、まるでタイムスリップをしたかのように、観客の皆さんをあの頃にいざないます。 ベストテンコンサートのルーツって?  NUA「ザ・ベストテンコンサート」はどのようにして生まれたのか…??  それをご紹介します。  名古屋芸術大学音楽学部にミュージカルコースが誕生した時に、同コース担当教員の故・森泉先生と古くからお付き合いがあった、三原康博先生が本学の客員教授に着任されていました。  この三原先生は、TBSに在職中、美術部長として勤務され、日本レコード大賞や、あの伝説の歌番組「ザ・ベストテン」を手掛けられていました。  当時の美術セットは、現在の様なLEDビジョンのようなデジタル機材等は無く、全てをアナログ作業で作り上げていくものでした。  その美術セットの原案を三原先生は数多くの曲ごとに作られるわけですが、原案はマケット(模型)を作られ、決定後、具現化するという手法で番組の美術セットを作られていました。  さて、話は名古屋芸術大学でのこと。  その三原先生が長い間大切にお持ちだった大量の美術セットのマケット。これをそのままにしておくのはもったいないということで、横浜の放送ライブラリー様のお力を借り、2009年7月に「日本レコード大賞50周年記念 美術セットに見る1980年代ミュージックシーン展~ザ・ベストテンから日本レコード大賞まで~」を西キャンパス「アート&デザインセンターギャラリー」で開催することになりました。 「日本レコード大賞50周年記念 美術セットに見る1980年代ミュージックシーン展~ザ・ベストテンから日本レコード大賞まで~」マケット(模型)展示  この時、「せっかくの展覧会だから、関連イベントも…」と思い、私が森泉先生に「昭和歌謡を集めて、ベストテンのコンサート出来ませんかね?」と持ちかけたのがそもそものきっかけです。  森泉先生もノリノリで開催に向けてご協力をいただことを忘れません。  初ステージは西キャンパスの学食前。全て生音でボーカルだけPAに通しました。半野外なので音は散り散り、季節柄「蚊」がブンブン飛ぶ中で昭和のヒット曲を昼休みの時間に披露しました。  また、併せてTBSの音楽番組では中心的存在で、ザ・ベストテンやレコード大賞の企画・演出兼プロデューサーとして活躍された故・山田修爾さんをお迎えして、森泉先生と三原先生と3人でのトークショーも開催しました。  話が展覧会の話になってしまいましたが、「NUA ザ・ベストテンコンサート」は、このようなきっかけで生まれ、以後今日まで、懐かしい日本の数々の名曲を歌い続けている人気のコンサートなんです。 エンターテインメントディレクションコース 金子 靖

2022.3.31

岐阜県池田町・㈱OKB総研・デザイン領域「揖斐・池田サイクルトレイン 日本一への挑戦プロジェクト」検証事業 周遊マップ制作 最終報告会

岐阜県池田町・㈱OKB総研・デザイン領域 「揖斐・池田サイクルトレイン 日本一への挑戦プロジェクト」検証事業 周遊マップ制作 最終報告会  岐阜県池田町、㈱OKB総研、デザイン領域による地域創生プロジェクト、「レンタサイクル」を活用したモデルコースマップ制作の最終報告会が2022年3月17日に行われました。岐阜県池田町は、濃尾平野の北西部、西に標高924mの池田山、東には揖斐川が流れる自然豊かな小さな町。地域を走る養老鉄道と協力し車内への自転車の持ち込みや移動した先で自転車を返却することのできる「養鉄トレクル」というレンタサイクル事業を行っています。学生らがこのレンタサイクルの利用を促すコースマップの制作に取り組んできました。  コロナ感染症に対応し、OKB総研のコーディネイトで池田町総務部企画課長 小川孝文氏、揖斐川町政策広報課 加納和貴氏、道の駅池田温泉駅長 寺田直樹氏、まちづくり工房「霞渓舎(かけいしゃ)」NPO法人校舎のない学校 馬淵規嘉氏と教室をオンラインでつなぎ、モニター越しの報告会となりました。  はじめに、OKB総研から事業の経緯について説明がありました。2015年に「池田町版地方創生総合戦略」の施策としてサイクルトレインプロジェクトがスタート。「養鉄トレクル」が整備され、揖斐町、池田町で「岐阜のマチュピチュ 天空の茶畑へ行こう!」キャンペーンを実施、レンタサイクルの利用者が大幅に拡大。しかしながら、コロナ感染症拡大で観光産業へ打撃、レンタサイクル利用者数もピークの半分以下にまで減少。そこで、本学デザイン領域が加わり、池田町の魅力について、若い学生の新しい視点でもう一度考えてみる、というのがこの連携プロジェクトです。  プロジェクトには、ライフスタイルデザインコース、インダストリアル&セラミックデザインコースの有志の学生が参加、最終案として、制作した周遊コース「みずぽたマップ」について説明しました。説明は、ライフスタイルデザインコース2年生 川部羽瑠香さん、榊原里紗さんが行いました。  プレゼンテーションは、このプロジェクトに携わり学生らがやってきたことのプロセスと考えたことを順を追って説明しました。2021年8月の1回目の現地調査では4つのチームに分かれてスポットの確認を実施()、Aグループは「地元住民の行きつけのスポット巡り」、Bグループ「古墳群などの歴史スポット巡り」、Cグループ「観光客目線での調査」、Dグループ「川を中心とした街の調査」を行いました。その結果をもとに学生間で情報を共有、9月に中間プレゼンに向けてキーワードを選出するための話し合いを行いました。そこから、養鉄トレクルの利用者の特性を生かした案として池田町の地形を生かした「エクササイズマップ」、利用者同士が共有することで完成されていく「情報共有アプリ」、池田町の川に着目した川推しの「Ikeda Water Map」、豊かな自然に包まれ自分が物語の主人公になったような気分になることに着目しボイスドラマを交えた「池田町ドラマチックサイクリング」の4つの案を制作、10月に中間プレゼンを行いました。その結果、川推しの案「Ikeda Water Map」が採用となりました。そこからは、川推し案をブラッシュアップし、川辺のスポットを五感に訴える要素で分類し直し、2022年1月池田町を再調査、水と五感という観点でリサーチし、ミーティングを行いマップの記載するポイントやデザインについてすり合わせを繰り返しました。「ポタリング」(目的地を決めることなく気分や体調に合わせてサイクリングすること)というキーワードを提案し、「水の地図」と「ポタリング」から「みずぽた」というネーミングが決まりました。また、観光だけでなく、地元の人にとっても「池田町の水」の魅力を再発見できることを取り入れ、最適な形へと修正されていきました。最終的には、町の価値を見つめ直すことにつながるマップとなり完成に至りました。こうした経緯を、修正していった考えやポイントについて丁寧に説明しました。 掲載記事  講評では、揖斐川町政策広報課 加納氏からは「新たな集客を行うのに、若い人の視点は貴重なものでとても良かった。これまで目につかなかった点をたくさん挙げてもらったことも成果。揖斐川町としても新たな試みができればと思う」とのコメント。  道の駅池田温泉 寺田駅長からは「学生さんらしい、かわいらしいマップができた。これまで配布してきたものにくらべ、女性や若い人にも手にとってもらいやすいものになったと思う。水路の写真を見て、地元の目だけでは気が付かなかったと感じる」。  まちづくり工房「霞渓舎」 馬淵氏からは「プロセスの話を聞き感動した。生活の中の水に着目したところが新鮮。山を中心に描かれた地図もとても良い。個人的には、エクササイズやボイスドラマの案も、どんなふうになるのか見てみたかった」。  池田町総務部企画課 小川課長は「一所懸命取り組んでいいただき感謝している。このマップを手がかりに、今後どうやって活用していくか考えていきたい。池田町としてしっかり取り組んでいきたい」と抱負を語られました。  担当したライフスタイルデザインコース 水内智英准教授は「アイデアを実際に形にしていくステップには難しさがあり学生にとって非常に良い経験となり感謝します。『みずぽた』という着眼点は非常に良いものであると思います。限られた予算や制限の中、地元の人の生活にアクセスできるマップという当初の精神を失わず完成できたことは素晴らしいこと。マップは地元にとって資源となると思われます、上手く活用していただければと思います」とお礼を述べました。  インダストリアル&セラミックデザインコース 後藤規文教授は「進め方に迷いながらも、学生がたくさんのアイデアを出してくれました。プロセスに無駄が多いように思われたかもしれませんが、最終的にまとめられて良かったと思います。個人的には、現地を訪れ質の高い田舎暮らしの良さや池田町そのものに多くの観光資源があるのでないかと感じました。学生が提案した4つの案以外にもまだまだいろいろな切り口があるように思います。今後の活動、ワークショップで新たな魅力を見つけるなど、長い視点で活動できればと思います。ぜひ、協力させていただければと思います」とまとめ、報告会は終了となりました。