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2023.1.13

スペースデザインコース、多治見市モザイクタイルミュージアム「ザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」に出展

スペースデザインコース、多治見モザイクタイルミュージアム「ザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」に出展  デザイン領域スペースデザインコースでは、多治見モザイクタイルミュージアム(モザミュー)、名城大学理工学部建築学科と連携し、「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」に出展しています。「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト」とは、タイルの新たな魅力を模索・展開するため、モザイクタイルミュージアム、タイル産業関係者、大学が連携し、モザイクタイルミュージアム2階の産業振興展示室を刷新していく取り組みで、2023年度から5年間継続して行われる事業です。2023年度最初の参画大学は本学と名城大学であり、そのプレ企画展として作品を制作、2022年11月15日(火)に関係者を招いて作品のお披露目を行いました。  制作は、デザイン領域スペースデザインコース 3年生 小川直輝さん、黒木星冶さん、郡元朱音さん、酒井伸一さん、鈴木栞乃さん、林いちのさん、森晴信さんの7名。プロジェクトは2022年6月にスタート、コンセプトを考え4ヶ月ほどで作品を完成させなければならず、集中して作業を進めました。2022年6月下旬、学生らは多治見を訪れ展示場所を視察、タイルの製造工程や歴史について学び、タイルの素材となる粘土を製造する丸美陶料株式会社、素材の土をタイルに焼き上げる杉浦製陶株式会社、さらにタイルを専門に扱う商社の長江陶業株式会社を見学、作品の構想を練りました。  当初、タイルのノスタルジックな雰囲気と形と色のバリエーションの豊かさなどからかわいらしさを感じ、そこから作品を構想していた学生たちでしたが、産地と工場を見学し、タイルを支えている人の思いや環境について知ることで、タイルの魅力について深く考えるようになり、タイルの成り立ちを考えられるような作品へと構想は変化していきました。タイルは、笠原川周辺の土と水から成り立った産業であることを知り、また、タイルの魅力は施工されできあがった整然とした美しさだけではなく、タイルそのものの手触りや重さ、質感も魅力と捉え、そうしたことが実感としてわかるようにと考え、参加者が実際にタイルに触れる機会を作ろうという考えです。小屋の表面に参加者がタイルを貼るワークショップを開催し、ひとりひとりがタイルの魅力について感じ考えるというアイデアを提案することになりました。展示では、サンプルとしてタイルを貼った小屋を制作し、見てもらうことにしました。  小屋の制作にも工夫があります。小屋は簡単な骨組みで制作、そこへ多治見でいただいた土を壁土として塗ります。左官の技術が必要なため、学生らは左官業者を訪れ、一通り技術の体験・練習して制作に臨みました。作品は、タイルの成り立ちにちなみ土色が徐々に水を表す青色へと変化していくもので、色違いのタイルをグラデーションになるよう貼り付けます。壁土に近い部分では素焼きのタイルが用いられていますが、タイルの製造では素焼きにする工程はなく釉薬を塗って焼き上げるため、釉薬を塗布する前のものをいただきセラミック工房で焼き上げて専用のタイルを制作するなど凝ったものです。できあがった小屋は高さ2mあまり。小屋とはいえ、大きさも重量も迫力のある作品となりました。展示のためモザイクタイルミュージアムへ運び込んだところ、学芸員の村山閑さんからも思わず「わっ、大きい!」と声が上がるほどの作品となりました。  プレゼンテーションは郡元朱音さんが中心となって行いました。自分たちが経験して感じたタイルの魅力を説明し、その経緯を作品に落とし込んだことを丁寧に話しました。「今では、携わった学生ひとりひとりがそれぞれのタイルの魅力について言えるようになりました」という言葉が印象的で、参加した関係者からも、インパクトを受けたという声が聞かれました。質疑応答では、ぜひそれぞれが感じた魅力を聞かせて欲しいという質問があり、「形や色の面白さは当然ですが、自分で貼ることができるということは新鮮な驚きでした。やっていいんだと自由を感じしました」(郡元さん)、「タイルを施工することには手間がかかりますが、手間をかけることで工夫がはじまり思考が深まりました。手間がかかること自体に魅力を感じました」(鈴木さん)、「単純ですがかわいい、手触りが良く握ったときの感触や重さに愛着が湧きます。貼ってある完成品だけではわからなかった魅力です」(林さん)とそれぞれに感じた魅力を説明しました。  プレゼンを聞いた、水野雅樹代表理事は「自分が業界に入った頃、同じような感想を持ちました。懐かしさと同時に同じように感じてくれたこと驚き、また、嬉しく感じます」と感想を述べました。プレゼンが終わった後、交流会が行われ、学生らにはたくさんの言葉が寄せられました。BtoBばかり考えて最終のお客さんを見ていなかった、学生さんの提案を参考に考えたい、などの言葉や、ぜひワークショップを実現して欲しい、うちでもやりたい、といった嬉しい感想もいただきました。 「モザミュータイルラボ・リレープロジェクト プレ企画展」の展示は、2023年1月29日(日)まで行われます。ぜひご覧下さい。 現地視察 展示オブジェ制作 搬入・プレゼンテーション 現地視察 多治見モザイクタイルミュージアム 丸美陶料株式会社 杉浦製陶株式会社 長江陶業株式会社 展示オブジェ制作 搬入・プレゼンテーション

2023.1.13

本学卒業生が、KITTE名古屋 クリスマスイベント、「暗がりのクリスマスツリー」を企画、演奏会を行いました

本学卒業生が、KITTE名古屋 クリスマスイベント、「暗がりのクリスマスツリー」を企画、演奏会を行いました  本学デザイン科卒業生の株式会社スペース 木村ユカさん、石黒雄也さんが中心となり企画されたKITTE名古屋 クリスマスイルミネーション「暗がりのクリスマスツリー」の会場にて、12月24日(土)に音楽領域卒業生のヒラウチマイ スペシャルバンド(Vo.ヒラウチ マイさん、Gt. 須賀 奏太さん、B.中島 玄太郎さん、Perc.松原 瑞季さん)、25日(日)は音楽学部卒業生ユニットNUA strings quartetto(Vc. 城間拓也さん、Vn. 村越久美子さん、Va. 大竹温子さん、Vn. 近澤知世さん)が「暗がりの音楽会」として演奏を披露。それぞれ30分と限られた演奏時間でしたが、ロマンチックなクリスマスの夜に彩りを添えました。  KITTE名古屋 クリスマスイルミネーション「暗がりのクリスマスツリー」は、通常の電飾を使うのではなく自動車部品の製造過程で発生した廃棄プラスチックを、アップサイクル製品として製造された蓄光プラスチックを使って作られたもので、柔らかな光が幻想的なクリスマスツリー。アトリウムの環境照明を計画的に消灯して“暗がり”を作り、蓄光プラスチックのささやかな灯りを楽しめるようにしました。企画した木村さんは「愛知県は工業集積地であり、産業用の電力消費が日本でもっとも高くなっています。そうした現状をもっと知ってもらい、環境問題や節電とリサイクルについて考えてもらえるように企画しました」といいます。  その会場で催されたのが「暗がりの音楽会」。灯りを消した中で、蝋燭に火を灯し一層幻想的な雰囲気の中、演奏が行われました。24日のヒラウチマイ スペシャルバンドは、ポップス系の曲、25日 NUA strings quartettoは弦楽四重奏ですが、どちらもクリスマスらしい演目。薄明かりのイルミネーションと華やかな演奏に、道行く人々も思わず足を止め、ツリーを囲む2階、3階の吹き抜けにも人が集まり、演奏に聴き入っていました。  卒業生がクリスマスイベントを企画と音楽で、大いに盛り上げました。

2023.1.6

テキスタイルデザインコース、村瀬弘行氏、古川紗和子氏をお招きし、有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクトほか、特別講義を実施

テキスタイルデザインコース、村瀬弘行氏、古川紗和子氏をお招きし、有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクトほか、特別講義を実施  デザイン領域 テキスタイルデザインコースでは、2022年12月21日、SUZUSAN クリエイティブ・ディレクター 村瀬弘行氏、ミラノ在住のフリーランスデザイナーの古川紗和子氏をお招きし、「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」で制作した商品とブランドの講評会を開催、加えて、バッグデザイナーとしてVERSACE、 BOTTEGA VENETAといったラグジャリーブランドで活躍してきた古川さんのお話を伺いました。  「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」は例年、テキスタイルデザインコース2年生が取り組んでいる課題で、有松絞りを使ったオリジナルデザインの手ぬぐいを制作し、毎年6月に行われる「有松絞りまつり」の会場で販売するというプロジェクト。商品のブランドを考案し、ブランドコンセプトに基づいて商品を企画、制作、パッケージやショッパーバッグも制作し実際に販売する店舗もプロデュースする実践的な演習です。例年、企画の最初の段階から村瀬さんに見ていただいていますが、今回は完成した商品を古川さんにも見ていただくことになります。  学生らは2つのグループに分かれそれぞれにブランドを設定しており、今年は「永縁」(えにし)と「IRUMATS」の2つのブランドとなりました。それぞれにブランドのイメージを決めるために制作したムードボードと想定する顧客3名を具体的に記したバーチャルカスタマーのボードを掲げ、配色とデザインコンセプト、包装とショッパーを展示、プレゼンテーションを行いました。  「永縁」は、伝統と人のかかわりを感じさせるレトロなイメージで、カラフルでありながらどこか懐かしいイメージです。想定する顧客も美術館巡りが趣味の若い女性や、手芸やパッチワークが趣味の60代の女性などを想定し、ブランドイメージに沿ったものになっています。クラフト紙を使ったショッパーには、レーザーカッターを使って精密にブランドロゴが切り抜かれており、凝った作りに村瀬さん、古川さんからも思わず感心する声が上がっていました。販売時に着用するTシャツとちょうどスマートフォンが入る大きさのポシェットには、古川さんからキットとして販売すると良いのでは、との評価をいただきました。  「IRUMATS」は、有松(Arimatsu)と祭り(Matsuri)のアナグラムから作られた名前で、伝統的でありながらもどこか都会的な新しさがあることがコンセプトです。バーチャルカスタマーにアメリカ人が含まれていることはこれまでになく、時代性を感じます。学生らは板締め絞りの幾何学模様の連続性と不思議さに感動し、それをデザインに取り入れたとのこと。模様が不揃いだったり色の滲みや淡さが絞りの魅力といえますが、グラフィカルでクッキリしたデザインを取り入れており新鮮さを感じさせます。学生らは、Tシャツをサンプルで作っていましたが、B反(商品にできない外れ品)を使い、雑貨を生産販売したいと意欲的です。村瀬さんからは、「永縁」とはまた異なったコンセプトでファッションのテイストを感じユニーク、選ぶ楽しさがある、との言葉をいただきました。  講評としてお二人から、「どちらのグループも非常にクオリティが高く、販売の場を想定し衣装や小物を作っていることも良い、どちらもとても良いブランドになっている」と評価をいただきました。加えて、「アパレルとしてやっていくには、商品力とブランド力、さらに販売力の3つが重要。ブランドを後押ししてくれるのは販売力であり、ここまでで商品の魅力は十分できているので、ここからは販売をどうするか考えていって欲しい」と締めくくりました。  講義の後半は、古川紗和子さんのお話。長岡造形大学テキスタイルコースを卒業後、イタリア ミラノのドムスアカデミー マスターオブファッションコースで学び、DIOR HOMME、GIANFRANCO FERRE、VERSACE、BOTTEGA VENETAでバッグデザイナーとして働くことになった経緯、さらに8年間勤めたBOTTEGA VENETAでの勤務の様子や、通常では見ることのできない資料室の様子、デザインスケッチなど貴重な写真とともに説明していただきました。第一線で活躍するデザイナーの言葉に、学生らは興味津々、熱心に聞く様子が印象的でした。古川さんは「学生時代はツモリチサトやマルニなどのファッションが好きで、バッグのデザイナーになるとは考えていなかった。ドムスアカデミーで教わる先生が現役で働くバッグデザイナーでその道に入ることになり、運や縁がとても大事」といいます。二十歳の頃は海外のブランドで働くと考えたこともなく、今、学生が考えていること以上のことができるはす、夢を持っ てやっていって欲しい、とエールを送りました。  最後に、村瀬さんと古川さんの対談でSUZUSANから発売される古川さんデザインのバッグの試作品をお披露目し、学生から質問に答え交流を楽しむなど、盛りだくさんの特別講義となりました。 永縁 IRUMATS

2022.12.31

こどもデザインだいがく「パーティーをひらこう」を開催

こどもデザインだいがく「パーティーをひらこう」を開催  2022年11月26日(土)、27日(日)、12月10日(土)、11日(日)の4日間に渡り、西キャンパスにて、こどもデザインだいがく「パーティーをひらこう」を開催しました。「こどもデザインだいがく」は。デザインのさまざまなことについて体験し知ってもらうことを目的に、2018年から始められたワークショップ。今回で5回目の開催となります。今回は、本学OGの PLAY! PARKキュレーター 小栗里奈さん、デザイン領域 西岡毅講師が中心となり、有志の学生、OG、そして参加する子どもたちも加わり、パーティーを企画することからはじまり、必要な飾り付けやゲームなど必要なものを作って準備、パーティーを開催します。  初日の11月26日は、パーティーの企画を考えようということで、キッチンカーで出すお菓子のメニューを考案。食べるのに必要な紙ナプキンにレーザー彫刻機でかわいい絵柄を入れたり、乾杯のグラスにリューターで模様を彫ったりと、さっそく制作にも取りかかりました。グラスを使うのならコースターも必要と丸太を輪切りにしたコースターにレーザー彫刻機で模様を入れ、キッチンカーにもガーランドで飾り付けを施します。ガーランドは子どもたちが描いたイラストをコピーして切り抜いたものを使い、可愛らしく手作り感満載。パーティーにはゲームも必要と、クラッカーを作り、お菓子の入ったピニャータ(メキシコのお祝いで使われるくす玉)も用意、宝探しで遊ぶイースターエッグハントと、さまざまなゲームの準備も進めます。パーティーの招待券ももちろんお手製、11日のパーティー直前まで、準備が進められました。  印象的なのは創作に向かう子どもたち。リューターやグルーガンなど、丁寧に扱う必要のある道具もしっかりと使いこなしています。家庭ではなかなか体験できないことでもあり、熱心に作業に取り組んでいました。創作に関しては、風船あり、紙粘土あり、針金、紙皿、ダンボール、リボンに色紙とあらゆる素材、道具もレーザー彫刻機、リューター、グルーガンと大学にある機器を使い、思い切り創作を楽しみました。  11日午後3時、パーティーの時間になると招待状を持った親御さんや友達が集まってきました。乾杯しクラッカーを鳴らしてパーティーがはじまります。飾り付けの出来映えに声を上げスマートフォンで写真を撮る親御さんたちの姿があちこちで見受けられました。準備しておいたゲームも、大いに盛り上がりました。ピニャータはなかなか割れずスイカ割りの要領で割ることになりましたが、子どもたちが自由にルールを作り楽しく進行。まさに、遊びの中に創作があり協調がある、ワークショップが目指すものが現れているように感じました。  好天に恵まれ暖かな日曜日、日暮れまでパーティーを楽しみました。

2022.12.23

特別客員教授 宮川彬良氏による、ウインドアカデミーコース 公開リハーサルを開催

特別客員教授 宮川彬良氏による、ウインドアカデミーコース 公開リハーサルを開催 ダイジェスト版  2022年12月15日、東キャンパス3号館ホールにて、ウインドアカデミーコース・弦管打コース 特別客員教授 宮川彬良氏をお迎えして、公開リハーサルを行いました。宮川氏は、大阪フィル・ポップス・コンサートの音楽監督・常任指揮者をはじめOsaka Shion Wind Orchestraの音楽監督、また、NHK Eテレ「クインテット」、BS「宮川彬良のショータイム」などのTVやメディアなどへの出演、「マツケンサンバⅡ」や「第68回紅白歌合戦」のオープニングテーマを作曲するなど、さまざまな音楽シーンで活躍する作曲家・舞台音楽家でありエンターテイナー。あらかじめ課題曲として練習してきた2曲を演奏、公開の場で作曲者自身の指導で演奏がさらに高まり、仕上がっていく過程を披露しました。  曲目は、おなじみの「マツケンサンバⅡ」と、2021年度全日本吹奏楽コンクール課題曲でもある「僕らのインベンション」、もちろんどちらも宮川氏の作曲です。まずは、演奏の実力を把握したいと学生の指揮で演奏を聞きます。2曲を演奏し、まずはマツケンサンバⅡから指導が始まりました。指揮する学生からは、リズムの一定に保つこととシンコペーションに気を配ったとの発言がありました。しかしながら、打楽器の安定感がもうひとつ、リズム隊に余裕がなくいっぱいいっぱいになっていると宮川氏は指摘。指揮とドラム、ベースだけで演奏を行い、そこに打楽器を加え、リズムを確認していきます。聞いている他のバンドメンバーがリズムを取っていないことにも着目し、お客さんは何を聞きに来ているかが問題であり、この曲では鑑賞するだけでなく心の中で踊っている曲と説明。ビートに乗って安心して音楽を聴いており、踊らせる演奏が必要であるといいます。リズムを安定させ、宮川氏が全身を使って指揮を行うと、演奏はビート感のある楽しいものに様変わりしました。リズムと同時に、オーケストラのように大きな編成でもバンドであることに変わりなく、音楽を作っていくことにはメンバー、一人ひとりの気持ちやリズムへの乗り方が重要であることに改めて気付かされます。演奏が温まってきたところで塚本伸彦 准教授とソプラノ歌手の加藤恵利子さんがステージに加わり熱唱、会場を大いに沸かせました。  2曲目の「僕らのインベンション」でも同じようにまずは学生が指揮し、それをもとに手直ししていきます。指揮する学生は、譜面どおりに演奏するように気を配ったといいます。宮川氏は、あえて大きく抑揚を付けて指揮し、しっかりしたベースがあるからできることと、さらに楽曲の楽しさを引き出すため曲の背景を説明をします。インベンション(発明)は、音を発明してしている曲であり、主音と導音の関係性を示しメロディーを追いかけていく旋律が交互に交わり続ける曲であると解説。2つの旋律が重なりあう部分が曲の面白みで、パートによってはフルートとクラリネットが掛け合いを行い、旋律が常に重なり合う音楽理論を構築した音楽の基礎を讃えている曲と説明します。その上で、ここでは大きな帆船が入港してくるイメージであるとか、一軒一軒玄関のドアを開けているイメージ、というようにパートごとに絵本を開くような視覚的なイメージを伝えてくれます。「譜面に書けるのは考えていることの60%ほど」と説明しますが、作曲者から曲の背景について学ぶことのできる非常に貴重な機会となりました。楽曲について研究することの意味の大切さを感じさせました。  当初、質疑応答の時間を設ける予定でしたが、濃い内容にあっという間に時間は過ぎ、公開リハーサルは終了となりました。2曲の演奏でしたが、音楽への興味が一層わき起こる有意義なリハーサルとなりました。 公開リハーサルの全編はこちらからご覧いただけます

2022.11.28

ウィンドオーケストラ、声優アクティングコース iCANDY、特別客員教授 島本須美氏とともに「あいち市町村フェア」にてパフォーマンス

 総合MC、進行を福満薫 講師が務め、前半は島本さんを迎えてのトークショー。iCANDYから3年 永見怜奈さん、2年 水野杏菜さん、1年 福永杏子さんも参加しました。福永さんからの「ナウシカで印象に残っているシーンは?」という質問に「小さな王蟲が酸の湖に入ろうとするのを止めるところ、演じていてかなり熱くなりました、よく憶えています」。さらに、幼いナウシカのシーンを挙げ、「お父さん。母様もいる。嫌、あたしそっちに行きたくないの。来ちゃだめぇ!」と変わらぬ美声で台詞を熱演。会場はもちろん、舞台の主演者たちも感激した様子。「ナウシカでは、テトもすごく良いお芝居をしているので、ぜひテトを中心にも見て欲しい」とおすすめの見方も教えていただきました。  永見さんからの「やってみたいキャラクターは?」という質問には、「タイムボカンシリーズのドロンジョ様! ほかにも、考えてみるとガンダムシリーズには出ていないのでやってみたいです。 なんでもやってみたい!」と意欲的。「ジブリ作品で、演じてみたいキャラクターは?」には、「そりゃ、宮崎さんの新作でしょう」と会場を沸かせました。  水野さんからの「ジブリパークで行ってみたいエリアは?」という質問には「時間があったのでサツキとメイの家まで行ってみましたが、まだ開演前で中には入れませんでした(笑)。トトロではお母さん役でしたが、ちょうどその頃、自分の子どもが産まれたばかりで、赤ちゃんではなく、もう少し大きな子どもへの優しさの出し方にすこし苦労した思い出があります。同じ頃、キテレツ大百科でもお母さん役でした。声優の仕事は、お母さんになるとその役が来るようなところがあります。その頃からお母さん役が増え増したね」と声優のお仕事についても語っていただきました。 ウィンドオーケストラ、声優アクティングコース iCANDY、特別客員教授 島本須美氏とともに「あいち市町村フェア」にてパフォーマンス  2022年11月11日(金)から12月18日(日)まで愛・地球博記念公園で行われた愛知県政150周年連携イベントにて、音楽領域 ウインドアカデミーコース ウィンドオーケストラ、声優アクティングコース 女性声優ユニットiCANDYが、「風の谷のナウシカ」、「となりのトトロ」などジブリ作品にも数多く出演する特別客員教授 島本須美氏とともに特設ステージでパフォーマンスを行い、訪れた観客を魅了しました。 「あいち市町村フェア」  「あいち市町村フェア」は、ジブリパーク開園で全国から訪れる来場者に、愛知県内の県内市町村と連携し、観光や飲食物・特産品など愛知の魅力を発信するイベントで、6週に渡り地域ごとの催しを行います。本学は北名古屋市ということで尾張東部グループにて参加、2022年11月20日(日)にステージイベントを行いました。  後半は、まほろば遊 非常勤講師も交え、「風の谷のナウシカ」、天空の城ラピュタから「君をのせて」をウィンドオーケストラの演奏で熱唱、会場はうっとりと聴き惚れました。続いてウィンドオーケストラの演奏で、もののけ姫から「アシタカとサン」メインテーマの「アシタカせっ記」を演奏。豊かな響きと久石譲氏の美しい世界に会場は包まれました。  ここでiCANDYが登場、歌とダンスで「崖の上のポニョ」「さんぽ」を、島本さん、まほろば非常勤講師も交え「となりのトトロ」を披露、会場を大いに盛り上げました。  音楽ファン、ジブリファン、そして、子どもたちを大いに楽しませるステージとなりました。

2022.11.25

第10回「二輪デザイン公開講座」を開催

第10回「二輪デザイン公開講座」を開催  公益社団法人自動車技術会 デザイン部門委員会が主催する、デザインを学びはじめた大学1、2年生を対象にデザインの魅力を伝えるワークショップ「第10回 二輪デザイン公開講座」が、本学カーデザインコースの協力で西キャンパスにて開催されました。2022年9月1日(木)~2日(金)の2日間、ホンダ、ヤマハ、スズキ、カワサキの4メーカーで活躍するデザイナーが講師となり全国から32名の学生が参加(本学学生は5名)、講義ありワークショップありの充実した内容で、学生らはどっぷりとバイクデザインの世界を体験しました。  プログラムは、ヤマハバイクのデザインを担当するGKダイナミックス元代表取締役社長の一条厚氏の基調講演から始まりました。「バイクデザインは面白い、バイクは素敵だ(基調漫談)」と題し、ユーモアたっぷりのお話です。一条氏の個人的なデザインとのかかわりから始まり、過去のバイクのデザインや自身が係わったバイクについて、造形論やデザインから海外でのバイクの使われ方やオートバイという乗り物の文化的な側面にまで話はおよび、二輪の世界を俯瞰して観るような幅広く奥深い講演でした。  続いて、本田技術研究所 デザインセンター 澤田琢磨氏の講演「二輪開発プロセス ~なりたい自分を見つけよう~」。商品企画に始まりデザイン、開発、量産、販売に至るまでのプロセスと、そこにデザイナーやモデラーがどのように係わっているかをお話しいただきました。2つの講演に共通するのが、バイクへの深い愛情。一条氏、澤田氏ともにオートバイへ乗ることやその背景に対しても深い愛情を感じさせるお話でした。また、業界全体でバイクを盛り上げたいという気持ちが強く、日本の二輪業界をさらに発展させたいという気持ちが伝わってきました。  昼食をはさみ午後からは、学生時代に二輪デザイン公開講座に参加し現在はメーカーに入社した4名が登壇する「公開講座出身OB座談会」を開催。学生時代のバイク経験(学生時代にはバイクの乗ったこともなかった人も)や普段の仕事内容や将来自分で欲しい乗り物、お勧めのツーリングコースなど、気軽な座談会で盛り上がりました。学生らにとって、自分に近い年齢でありながらも第一線で活躍する方々のお話は、大いに刺激となった様子です。「社販割引はあるのか」や「入社してすぐはどんな仕事をしたのか」など、学生から具体的な質問が飛びだし、真剣さも伝わってきました。  1日目の残りの時間と2日目は「デザイナー/モデラーの卵 養成講座」としてワークショップが行われました。用意されたワークショップは、鉛筆やマーカーを使い実際に紙に描く「フィジカルスケッチ」、あらかじめ用意されたスケッチに液晶ペンタブレットを使い立体的に着色、表現する「デジタルスケッチ」、カラーリングを考え実際のバイクにカッティングプロッターで切り出したカッティングシートを貼る「CMF(Color Material Finish)」、実際に使用されているインダストリアルクレイを使い曲面を削り出す「クレイモデル」の4種類。実際に普段業務として行っているプロから直接指導を受けられる、非常に有意義なワークショップです。  「フィジカルスケッチ」では、立体的に見せる描き方やポイントとなるコツなどを説明、学生からの質問に答えたりときには講師が実際に描くところを見せるなど、非常に実践的なものとなりました。  「デジタルスケッチ」では、ひとつひとつ段階を追って下絵にフォトショップで彩色していきます。学生からは、レイヤーの使い方について、使う枚数や技術的な方法など具体的な質問もあり、こちらも非常に有意義な内容でした。また、講師からアイデアを具体化する方法として、下絵のスクーターをサンプルにその場でキャンプ仕様のデザインに変更して見せるなど実際のデザインの現場を垣間見るような場面もありました。  「CMF」では、誰が、どこで、何をするか、という状況設定をくじ引きで行い、配色を考えます。学生らは「20年後の東京で通学したいヒーロー」や「南極でレースしたいちょい悪親父」などユーモラスなお題に悪戦苦闘しながらカラーリングを施しました。  「クレイモデル」では、クレイ専用のヘラ(レイク)やプレートを使って実際に曲面を削りだしていきます。初めてクレイに触れる学生も多く、道具の使い方を聞きながら削ります。手本となる曲面を観察し一心に取り組む学生らの姿が印象的でした。  講演とワークショップの2日間ですが、昼食と1日目の夕飯は食事が用意され、学生らには常に交流する機会が作られます。文字通り、同じ釜のメシを食う仲間となり、参加者同士の交流が生まれていました。OBにも公開講座で知り合い現在のメーカー勤務になった方も多数おり、学生時代から交友を深めデザインの世界に魅力を感じてもらうことが目的のひとつとなっています。  すべての講座を終えると閉会式が開催され、自動車技術会 デザイン部門委員会 田口雄基 委員長から、学生ひとりひとりに修了証の授与が行われました。「昨日の朝、ここに来てからの2日間でバイクの見方が変わったと思います。デザインの世界に興味を持ってもらえた嬉しく思います」と言葉がありました。本学カーデザインコース 高次信也 教授は「公開講座に来てくれた学生の何人かが、今回、スタッフとして講座を支えてくれています。若い世代が育ち、10回続けてきた甲斐があったと感じています(高次教授は2013年に二輪デザイン公開講座を企画、立ち上げたメンバー)」とコメントしました。  最後に、学生らにはお土産としてセミナールームに飾られていたデザイン画をプレゼント。学生らも友人となった学生、企業の方々とも談笑する中、充実した2日間の講座は終了となりました。 一条厚氏 基調講演 澤田琢磨氏 講演 公開講座出身OB座談会 【デザイナー/モデラーの卵 養成講座】フィジカルスケッチ 【デザイナー/モデラーの卵 養成講座】デジタルスケッチ 【デザイナー/モデラーの卵 養成講座】CMF 【デザイナー/モデラーの卵 養成講座】クレイモデル

2022.11.19

カーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏、展覧会「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」開催、ギャラリートークを行いました

カーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏、展覧会「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」開催、ギャラリートークを行いました  2022年11月4日(金)~15日(火)、Art & Design Centerにて、カーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏のイラスト展「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」を開催、12日(土)にはArt & Design Center Westにて、カーデザインコース、インダストリアル&セラミックデザインコースの学生向けにギャラリートークを開催しました。  永島譲二氏は、BMW AGにてデザイン部門 エクステリア クリエイティブ ディレクターを務め、BMW Z3(1996)、5シリーズ(1996)、3シリーズ(2005)などを手がけ、BMWの生産車からショーモデルまでほとんどのデザインをまとめる立場で現在のBMWデザインを作り上げたデザイナー。また、デザイナーとしての活動以外にもカーデザイン史を研究、カーグラフィック誌でのエッセイとイラストを連載するなど、多彩な活動を行っています。  今回のイラスト展は、2018年11月に開催されたイラスト展「ヨーロッパ自動車人生活」の続編ともいえるもので、多数の新作を加えArt & Design Center West、East合わせ、100点以上の作品を展示しています。ギャラリートークでは、イラストのクルマについて、そのクルマについてのエピソードや個人的な思いなどを交え、1時間ほどお話しいただきました。  一枚一枚、それぞれのイラストに思い入れがあり、穏やかな口調でユーモラスに語られる内容が面白く、興味深く楽しいギャラリートークとなりました。参加者が学生とあって、水彩画で描くコツや技法についても簡単に説明。透明水彩と不透明水彩の使い分けや展示作品と同じだけの失敗作があることなど、たくさんの枚数を描いていることを説明していただきました。クルマについての思い出のお話も面白く、ランチア フルビア スポルト ザガートでは、子どもの頃に駐車場で見かけクルマの周りをグルグルと何周も廻って観察したことや立体作品でも音楽や小説のように感動できることを知るきっかけとなったことなどが語られました。デザイナーになる動機ともいえるお話で、非常に感銘を受けました。また、ブレッド&バターカーと呼ばれる、生活の道具としてのクルマたちのイラストが印象的で、その背景にある生活や文化にも言及し、永島氏のクルマというプロダクトへの深い思索と愛情を感じさせました。  永島氏のイラストの特長ともいえるのが写り込み。デザイン画でもボディへ写り込む光の反射が描かれボディの曲面を表現していますが、イラストでは写り込みに情景が描き込まれており、そのクルマが置かれている場所やシチュエーションを想像させるようになっています。ときには海辺、ときには華やかなコンクール・デレガンスの会場と、その状況がクルマのキャラクターと相まって、デザイン画とはまた異なった味わい深いものになっています。。あらゆる国、あらやるジャンルのクルマが描かれ、クルマが好きでカーデザインという職業に就いた人であることをあらためて感じさせる展覧会とギャラリートークとなりました。 イラスト展「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」展示作品 Competition Sports Luxury Bread and Butter Power of America France <.div> Tradition 展示作品紹介・ギャラリートーク 実技特別授業・デザイントーク(公開講座)

2022.11.19

カーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏 実技特別授業とデザイントーク「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」を開催

カーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏 実技特別授業とデザイントーク「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」を開催  2022年11月4日(金)~15日(火)、Art & Design Centerにて開催されたカーデザインコース 特別客員教授 永島讓二氏のイラスト展「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」にあわせ、11日(金)・12日(土)の2日間、カーデザインコース 特別客員教授 永島譲二氏による実技特別授業を実施、12日(土)には西キャンパス B棟 大教室にて公開講座としてデザイントーク「ヨーロッパ自動車人生活Ⅱ」を開催しました。  永島氏はドイツ ミュンヘン在住、2018年に本学で展覧会とワークショップを開催していますがコロナ禍で途絶え、4年ぶりの開催となりました。  実技特別授業には、カーデザインコースの学生に加え、インダストリアル&セラミックデザインコース(ID)の学生も参加。IDの学生にとっては不慣れなクルマのスケッチですが、永島氏から直接指導を受ける貴重な機会となりました。  実技特別授業は、永島氏がまず描き方をデモンストレーションしてみせ、学生が描いている様子を見てスケッチにアドバイスしたり、ときには直接手を加えるという、個別レッスンといった型式で進められます。画材は、ボールペンとカーデザインの世界で広く使われているマーカーのコピック。線画を練習する学生、陰翳をつけて表現する学生、思い思いのスケッチに取り組みました。  講義のはじめに、永島氏が描きながら、その技法を説明しました。クルマのシルエットを描き、そこへ影を加えていきます。影をつけることで、線だった絵が面として浮かび上がり、立体を感じさせます。さらに色を加えることでスケッチに重さが加わり、クルマの存在感が出てきます。数分という短い時間で鮮やかに立体が描かれる技術に見とれるばかりです。永島氏のイラストでもそうですが、ボディへの写り込みが特徴的で、線でありつつも面を意識させるように表現されています。実際に描いているところを見ると、面を想像しながら描いていることがよくわかります。  デモのあとは学生がスケッチを始め、それを見ながら個別の指導となります。スケッチを見ながら永島氏が車種にまつわる談話をしますが、それがなんとも印象的。過去に所有していたクルマの話など、個人的な思い入れがデザインに生かされていることが伝わってきます。また、学生によっては、ポートフォリオの作り方についても説明。BMW AG勤務の頃には、デザイナーの採用にも携わっており、その経験を生かしアピールすべき点などを説明していただきました。会話の一つ一つが非常に有用な経験になったのではないかと思われます。  学生の作品を見ながら、発想の面白いスケッチにはさらにアイデアを良くするブラッシュアップの案も閃いているようで、学生のスケッチに自身のアイデアを書き加えていく様子も見受けられました。  講義の終わりに、学生らのスケッチを壁に掲示、皆で見ながらアドバイスをいただきました。壁に貼ってみると、パースがよくわかり描いていたときにはわからなかった部分がよくわかります。あらためて、一度離れて客観的に見てみる視点も大事な事だと納得しました。ここでも、面白いアイデアや可能性を感じる作品にどんどんアイデアを付け加え、活発な意見交換が行われました。  学生らは適度な緊張感とともに集中してスケッチに取り組み、非常に濃密な時間が流れました。永島氏からの薫陶を受け、大いに刺激を受けた特別講義となりました。  12日(土)のデザイントークには、公開講座とあって学生のみならず、客員教授 木村徹氏(元トヨタ自動車)をはじめ、自動車関連企業で働くカーデザイナーも多数受講。会場には社会人も数多く見受けられました。  はじめに、永島氏から自己紹介としてBMWで働くようになるまでの経緯が語られました。大学卒業後、親類がいるアメリカデトロイトを訪れ、ウェイン州立大学大学院へ進学。大学に講師として来ていたGM(ゼネラルモーターズ)のデザイナーと出会い、就職の方法(誰にポートフォリオを見せ会うべきか)を聞き、GMへ入社。希望を出してGMの子会社であったオペルへ配属となります。オペルでは、15名ほどのデザイナーが7、8ヶ国から集まっており公用語は英語、80年代の当時すでにグローバル化していたといいます。その後、ヘッドハントされてルノーへ。フランス車は変わったクルマばかりだと思っていたところ実際にパリで見るととても良く見える、その面白さに魅了されたといいます。3年ほど働き、ドイツへ戻りたくなりBMWへ。学生時代、いろいろな自動車メーカーに就職希望の手紙を出したところ、英語の文面にもかかわらずその国の言葉で返してくるのが通常だったといいます。そんな中、英文で返答をくれたのはボルボとBMWだったといいます。そのことが好印象でBMWを選択、以降、定年退職するまで務めます。  講義の主題は、手を使って描くことの意味、です。デザインや美術の世界でもコンピューターを使うことが増えてきましたが、とりわけ工業デザインの世界では、手で絵を描くことよりコンピューターを使うことが普通になっています。そうした現状を踏まえ、永島氏はコンピューターで制作したカーデザインのスケッチを大量にスクリーンに表示していきます。続いて、キャリア最初のGM時代のスケッチを表示します。デジタルで制作されたスケッチは同じようなテイストになり、メーカーは異なれど特色がわかりにくくなってきます。ところが手描きのスケッチでは、メーカーどころか描いたデザイナーによってタッチが異なり、デザイナーごとに異なった妙味が感じられます。そして、その味がデザインの個性となり製品になっても残っています。また、特に裸婦にスケッチしたもののほうが個性が強く、最初に浮かんだアイデアを手早くカタチにしたもののほうが強さを感じさせるといい、数々のラフスケッチにはその通りの個性があります。 手で描くことの優位性を話す永島氏ですが、BMWでは意外なことにデジタル推進派だったそうで、進んでコンピューターをデザインに取り入れていたとのこと。デジタルでは修正やバリエーションの制作が簡単で大きなメリットもあり、これからはデジタルとアナログの良い部分を補うように使うべきであり、その方法をさらに探求していく必要があると提言しました。  質疑応答では、現職のデザイナーからも質問が上がり、自動車製造の専門的な話も出ました。印象的だったのは、海外から見た視点です。日本人は細かなところを見る癖があり、もっと意識して全体を捉えるようにすべきといいます。また、日本人が思うより世界は多様で入り交じっているといいそのことをもっと知っておくべきと説き、講義を締めくくりました。 展示作品紹介・ギャラリートーク 実技特別授業・デザイントーク(公開講座)

2022.11.10

テキスタイルデザインコース JRタカシマヤ「やさしい暮らしと彩るコモノたち」に出店

テキスタイルデザインコース JRタカシマヤ「やさしい暮らしと彩るコモノたち」に出店  デザイン領域 テキスタイルデザインコースでは、2022年10月27日(木)~11月1日(火)ジェイアール名古屋タカシマヤ 10階 催会場にて開催された「やさしい暮らしと彩るコモノたち」に出店、有松絞りの手ぬぐい、尾州産の装飾糸を使ったファンシーバンドなどを販売、リストバンドを作るワークショップを開催しました。  「やさしい暮らしと彩るコモノたち」は、SDGsに取り組みアップサイクルでできあがった商品や持続可能な農法で育てられた作物を使った食品など、おしゃれで便利なエコグッズやエシカルグッズを販売するイベント。その中に、東海地方の大学生がSDGsテーマに作った商品を集めた「やさしい暮らし学園祭」コーナーが設置され、そこへテキスタイルデザインコースが出店しました。  テキスタイルデザインコースが販売する商品は、昨年(2021年)全国の伝統工芸品が集う「KOUGEI EXPO IN AICHI」にも出展した有松の豆絞りにシルクスクリーンプリントを加えた手ぬぐいと、ウールの生地を織る際に模様のために使われる装飾糸を使って作られたファンシーバンド。豆絞りの手ぬぐいは、例年、授業でもお世話になっている「張正」さんの、製品にならなかったB反を再利用してプリントを加えたもの。手ぬぐいを半分の長さでカットし、ハンカチなどとしても使いやすいサイズになっています。また、装飾糸も尾州で使われなくなったものやオリジナルの生地を制作した際の余りを再利用したものと、SDGsにふさわしいものとなっています。  期間中、テキスタイルデザインコースの学生が当番で入れ替わり、店番をしました。天候にも恵まれた土日にはたくさんの人が訪れ、学生らは対応に追われました。有松絞りや板締めという技法について説明したり、尾州のウール生地や模様・装飾糸などについて紹介したり、お客さんとのコミュニケーションも貴重な経験となりました。本学のブースに足を向ける方々は有松絞りをよくご存じの方も多く、「豆絞りは知っていたけど、若い人が手を加えるとおしゃれになるわね」と感心する声も聞かれました。  ワークショップでは、尾州の飾り糸を使ってリストバンドを作成しました。使う糸を選ぶことに加えバンドの長さも自由に調整でき、販売している商品よりもお客さんの好みに合ったものができるよう学生らが対応しました。  学生ブースの「やさしい暮らし学園祭」には東海地区の大学12校が出展、学生同士の交流も生まれ、華やかな催しとなりました。