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2017.3.10

名古屋西文化小劇場連携事業 室内オペラ公演「魔笛」を開催しました

名古屋西文化小劇場連携事業 室内オペラ公演「魔笛」を開催しました 2017年2月24、25、26日の3日間、名古屋西文化小劇場にて、本学と名古屋西文化小劇場との初めての連携事業、オペラ公演「魔笛」を上演しました。名古屋市文化振興事業団ではオペラ公演を「普段、敷居が高く思われがちなオペラを身近の小劇場で」というコンセプトで開催を続けており、今年度から本学が連携することになりました。上演された「魔笛」は子供から楽しめる冒険活劇で、身近なオペラということに適ったものです。さらに「イママデミタコトナイ」というキャッチコピーにふさわしく、舞台背後のスクリーンいっぱいに映像を上映。オーケストラの音楽とソリスト達の歌唱、そしてそこに映像を加えた斬新な演出が試みられています。今回のオペラ公演は、初日24日(金)が学部学生公演、25日(土)が教員・卒業生公演、26日(日)が大学院生・学部学生選抜公演となり、観客はくらべて見ることが楽しめ、また、出演する学生にとっては、教員と一線で活躍する卒業生の音楽的技術を間近に見られる非常に良い機会となりました。 25日教員・卒業生公演での配役は、ザラストロ パクチー(名芸男子MGD!)、タミーノ 中井亮一(教員)、夜の女王 つじ村ふみ恵、パミーナ 久野絵里、パパゲーノ 澤脇達晴(教員)、パパゲーナ 成田七香。モノスタトス役の加藤市之亟サンタマリア(名芸男子MGD!)氏は体調不良のため、急遽、学部学生でも出演の平野友洋さんが代役を務めました。スタッフは、総監督・演出がパパゲーノ役でもある澤脇達晴、指揮 髙谷光信、映像監修 飯嶋慶太郎、演奏 名古屋芸術大学オーケストラ、という顔ぶれになりました。 序曲が始まると、スクリーンには宇宙の映像が映し出され、本来の舞台エジプトから時代も場所もエジプトとは異なる宇宙の別世界に設定されていることが伝わります。日本の古代や映画スター・ウォーズを思わせる衣装のキャストが登場すると、演出のユニークさがさらに際立ちました。導入から、ライトセーバーの立ち回りがあり、物語の世界にあっという間に引き込まれ、スクリーンに大蛇が映し出されファンタジーの世界が始まりました。タミーノと3人の侍女の歌唱が始まると、演劇的な面白さだけではないことを観客はすぐに感じ取ったようで、じっと集中していす。すると、会場からパパゲーノが登場、再び演劇的な要素にぐっと引き込まれ、コミカルな狂言回しの役割と「私は鳥刺し」の歌唱に心を掴まれました。第1幕では、観客達は音楽的な要素と演劇としての要素、行き来しながら翻弄されるように揺さぶられ、舞台を楽しみました。タミーノの「なんと美しい絵姿」には観客はうっとりと、第1幕の夜の女王のアリアでは「ブラボー!」の歓声がいくつも飛び、大きな拍手がわき起こりました。 休憩を挟んで、第2幕。荘厳さが印象的だったザラストロと合唱、パミーナを誘惑するように歌うモノスタトスと、じっくりと音楽を聴かせる構成です。そして、夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」では再び大きな拍手がわき起こりました。そして、パパゲーノとパパゲーナの「パパパの二重唱」、フィナーレの合唱となり、拍手はいつまでも鳴り止みません。観客をすっかりオペラを堪能したようでした。 終演後、キャスト達はロビーに並び、観客をお見送り。大盛況のうちに終了となりました。 ポスターのキャッチコピーは「イママデ ミタコトナイ」。序曲では背後に宇宙の映像が映し出され、普通の魔笛ではないことが示唆されます タミーノがライトセーバーで立ち回り。ファンタジーの世界が始まります 3人の侍女とタミーノ コミカルなパパゲーノを澤脇達晴教授が熱演。観客の心を掴みます パパゲーノは、大蛇からタミーノを救ったのは自分と嘘を 夜の女王登場。1曲目のアリア パミーナを誘惑しようとするモノスタトス。平野友洋さんが3日間とも出演 ザラストロと合唱、荘厳に響きます 夜の女王のアリア「復讐の炎は地獄のように我が心に燃え」 試練を乗り越え結ばれるタミーノとパミーナ。祝福の合唱 フィナーレ

2017.3.10

第44回名古屋芸術大学卒業制作展記念講演会 箭内道彦氏による記念講演会を開催しました

第44回名古屋芸術大学卒業制作展記念講演会 箭内道彦氏による記念講演会を開催しました 2017年2月21日(火)〜2月26日(日)にかけ、愛知芸術文化センター(8階・12階)、名古屋市民ギャラリー矢田、本学 西キャンパスの3会場で「名古屋芸術大学卒業制作展」が開催されました。この卒業制作展を記念して、最終日の2月26日(日)に、愛知芸術文化センター12階、アートスペースAで、卒業制作展記念講演会が行われました。今回は、クリエイティブディレクター、東京藝術大学美術学部デザイン科准教授の箭内道彦氏をお招きして「新人と旧人」という演題でお話しいただきました。 はじめにデザイン学部長 櫃田珠実教授から箭内氏の紹介がありました。制作した数々のCM、またNHKのMCを務めたことなどから、広告業界のみならず広く知られる存在であり、特に東北大震災以降は、人と人、人と社会をつなぐ活動に力を入れていることやいつもパワーがあり熱く優しいメッセージを届けてくれることなどの説明がありました。社会に羽ばたこうとする学生を、熱いメッセージで送り出して下さいと、紹介されました。 拍手とともにすこし照れるようにしながら登場した箭内氏は、トレードマークの金髪に、花火の柄のスカジャンにバラの模様のボトムと、いつもの派手な服装で現れました。立ち上がって挨拶をはじめると自己紹介用の映像を上映してくれました。「普段は、クライアントの企業に見せるもので、恥ずかしい……」と前置きして始まりました。2003年に独立して以降の経歴、TVで見かけたCMのスチル、などコンパクトにまとめられています。改めて見てみると、TOWER RECORDS、サントリー、資生堂、FUJIFILM、リクルート、パルコなど、ナショナルブランドの仕事をそれぞれに長く続けていることがよくわかります。また、TV、ラジオ、映画監督、猪苗代湖ズでの活動など、活動の幅の広さも目を惹きます。 講演は、名古屋との係わりから始まりました。NHKの「トップランナー」という番組で、西野カナさんと二人でサンシャインサカエの観覧車に乗ったと会場を沸かせ、猪苗代湖ズの「I love you & I need you ふくしま」の話になりました。2011年3月11日の6日後、17〜19日の3日間、名古屋に来てレコーディングしたといいます。計画停電で電車も間引きされ、役所、学校、公共の場の電気は落とされ暗くなった東京。電力に配慮し、名古屋に来てレコーディングして東京に持ち帰り、福島に音楽を届けました。当時を振り返り「重く暗い東京に対し、名古屋は何もなかったかのように眩しく、すこし苛立ちました。でも、そのときは自分でも地に足がついていない行動をしてた。日本全国で落ち込んでしまっては、東北を支えてもらうことはできない。名古屋は、全国と被災地とを考えるきっかけとなりました」と話しました。 「新人と旧人」とは、新しく社会人になる「新人」と、社会人2年目以降の人すべてを「旧人」として、新人の役目を説明しました。新人の役目は「古い人たちに教わることだけではなく、旧人を刺激することにある。今年の新人はひと味違うなと思われることが社会との出会いの大きなコツ」と卒業生を鼓舞する言葉をくれました。「社会に出ると、初日で勝負が決まると思うんです。新人は、借りてきた猫のよう。でもじつは迎える社会の側はすごいやつが来たらどうしようと怖がっています。だから、ぶちかました方がいい!」と話します。その上で、美術大学で学んできたことは、非常に意義深いことであるといいます。社会に合わせるだけではなく、自分の視点を持って考えること、学んできたことを生かすことの意義を唱えました。 ここで、うれしいサプライズがありました。一人で話すのは慣れていないという箭内氏は、会場にいる画家の杉戸洋氏を壇上に上がるよう求め、ここから二人の対談という形式になります。杉戸氏は、東京藝大准教授(元本学デザイン学科教授)を務めており、今回の箭内氏の講演のコーディネイトに尽力いただいた存在です。二人のクリエイターによるお話は、穏やかな雰囲気のなかにも、ドキリとさせられる言葉がたくさん含まれる、ユニークなものになりました。 箭内氏は、どこかで本で読んだと前置きし、「百人に一人の能力がある人が、3つ特技を持てば1/100のが3つで1/1000000、百万分の一の人になれる。人の個性とはそんなもの。僕は、デザインとロック、もうひとつはまだ探しているところ。3つ目を育てるのは大学を出たあとかな」 それに応えて、杉戸氏は「僕は、そんなにないですよ……。バイクかな、どれもちょっとずつ(笑)。大学入試の面接官をやりますけど、よく考えてみると、その人の3つ目を探して変なことを聞いているのかもしれない」と返します。 また、箭内氏は美大を応援したくて「美大のススメ」という本を出したいと思い出版社に企画を持ち込んだりしたものの、需要がないとのことで却下されたことを杉戸氏に相談。杉戸氏は「タイトルが良くない(笑)」と返答。美大生は、物事をまとめず解体したがる特徴があること。そして、課題を発見して持ち続け、生涯、課題に取り組みくすぶっている感じが抜けない。でもそれが美大生の強みと語りました。 箭内氏は、自分の経験から、なりたい職業よりもやりたいことを重視するよう、やりたいこととその目的が明確であれば、どんな状況になっても叶えられること。さらに、現代の社会は、さまざまな分野が断絶され、言語だけでは関係が修復できないところにあり、そんな時代だからこそ、芸術、美術、音楽などのアートが必要とされている。有史以来、最もアートが社会に必要とされている瞬間であるとの認識を示しました。 最後に、「大学を卒業し社会で武者修行をして、人と知り合い、失敗した経験で得たものを、自分の育った場所に恩返しして欲しい。そうすることで、もっと社会は良くなっていくはず」とまとめました。 現在の自分の考えをストレートに歌詞にしたとして、音速ラインの「生きてくことは」挙げ、PVを上映して講演は終了となりました。 杉戸氏との対談は、思わず吹き出してしまうような可笑しい話題を織り交ぜながらも熱のこもったもので、学生たちもしっかり熱いエールを受け取っていたように感じました。 一般からの関心も高く、開場と同時に多くの方が訪れました デザイン学部長 櫃田珠実教授から箭内氏を紹介 照れながら箭内氏登場 普段はクライアントに見せている自己紹介映像。活動の幅の広さに驚かされます 会場には本学4年生のほか、申し込みで一般からの入場も。他大学の学生と思われる来場者も多く見られました うれしいサプライズ。会場から杉戸洋氏登場 1/100が3つで1/1000000、3つ目を育てるのは大学を卒業してから なりたい職業よりも、やりたいことが大事。やりたいことがはっきりしていれば、必ず叶えられる 杉戸氏「名芸の良さは、学食が美味しいことと画材屋。画材屋の兄ちゃんに助けられたことあるでしょう?」 会場は大きく頷く 音速ライン「生きてくことは」 PVをじっくり鑑賞 質疑応答。「自分の力不足を感じています。どんなことをしていけばいいですか?」 箭内氏「あなた、何かやってくれそうな顔立ちしてる(笑)。たくさん失敗すればいい」

2017.2.15

人間発達学部主催、「春を呼ぶ芸術フェスティバル」を開催しました

人間発達学部主催、「春を呼ぶ芸術フェスティバル」を開催しました 2017年2月11日(土)、東キャンパス3号館ホールで、人間発達学部主催による恒例の「春を呼ぶ芸術フェスティバル」を開催しました。「春を呼ぶ芸術フェスティバル」は、人間発達学部を卒業する4年生と退任される先生方を送り、4月から入学する高校生を歓迎するとともに、地域の皆さまや子どもたちに楽しんでいただくことを目的として、例年、この時期に行われています。 演出は、学生実行委員によるもので、前半は、先生方の歌と演奏とともに、学生たちが日頃授業で研鑽してきた成果の発表、後半は、ダンス部や和太鼓部などサークルによるパフォーマンスです。 小雪の舞う寒い日となりましたが、開場の12:30を迎えると同時に多くの方が訪れ、受付には行列ができるほどでした。3月に卒業する既に本学の入試を終えた高校生も数多く来場し、受付をする学生からも歓迎の声が上がっていました。また、人間発達学部の卒業生、退任された先生の姿もあり、恩師や友人との再会を喜ぶ様子も見られました。 星野英五学部長のあいさつで開会、プログラムは「みんなで歌いましょう」から始まりました。「世界に一つだけの花」など誰もが知る歌、3曲を合唱、会場も口ずさんでいました。続いて、水谷映美先生の独唱で「さびしいカシの木」、「なにかが ほら」、「ある晴れた日に」の3曲を、星野英五先生のピアノでブラームス「ピアノソナタ第3番第5楽章フィナーレ」が演奏されました。水谷先生、星野先生、どちらも迫力のある素晴らしい演奏で、会場は聞き惚れている様子でした。 続いて、いよいよ学生による演奏で、ピアノとフルートのアンサンブル、独唱、連弾、2台ピアノによる演奏が行われました。緊張のため練習通りの実力が発揮できなかった学生もいたのではないかと思われましたが、演奏後はいずれも充実した表情を見せていました。 第1部の最後は、音楽指導法を履修する学生たちが星野先生の指揮で「ふるさと」、「花は咲く」の2曲を合唱しました。歌詞カードがプログラムと一緒に観客にも配られており、会場全体で歌い、演奏を楽しみました。 後半は、サークル活動の発表の場となり、リズム体操部、ダンス部、和太鼓部の演奏、演技が行われました。会場全体が一緒になって身体を動かしたり、迫力ある演奏、演技を熱心に見つめたりと、参加者たちは大いに楽しんでいる様子でした。 閉会の前に、今年度で退官する古川美枝子先生への花束贈呈、最後に実行委員長からの感謝の言葉があり、閉会となりました。 学生、教員らによる熱演に、会場からは惜しみない拍手が送られていました。 みんなで歌いましょう 「世界に一つだけの花」「世界中の子どもたちが」「エビカニクス」 水谷映美先生の独唱  「さびしいカシの木」「なにかが ほら」「ある晴れた日に」 星野英五先生 「ピアノソナタ第3番第5楽章フィナーレ」 石田凪さん、伊藤緋奈子さん 「涙そうそう」 服部愛さん、原田慎也先生 「日本舞曲:冬景色」「イタリア歌曲:O mio babbino caro」 式守あやかさん、佐竹美早紀 「2台のピアノのためのソナタ第1楽章」 音楽指導法(合唱)「ふるさと」「花は咲く」 リズム体操部 「僕らは探検隊」 ダンス部 「SOS」 和太鼓部の演奏 「鬼太鼓」「祭」