• 学科・領域

  • 形態

nandt

2019.7.26

全学オープンキャンパスを開催しました

全学オープンキャンパスを開催しました 2019年7月7日(日)、全学オープンキャンパスを開催しました。 東キャンパス1号館1階ロビー、西キャンパスG棟前に受付が設けられ、10:00の開始時間に合わせ多くの高校生やご家族が集まりました。 参加者はいったん、東キャンパスでは3号館ホール、西キャンパスではB棟大講義室に集まり、全体説明会と大学紹介が行われました。そこから、学生たちに案内されて、参加者がそれぞれの目的の領域、コースのイベント会場へと移動していきました。 東キャンパスの音楽領域では、音楽領域の全体説明会を行い、各コースの簡単な紹介、また来年度から設置されるワールドミュージックコースについて紹介しました。全体説明会から、ボランティアの学生たちに誘導されてそれぞれのイベント会場や学習体験、入試相談会に分かれていきました。 3号館のホールでは引き続き、ダンスパフォーマンスコースの学生によるステージ、それに合わせてエンターテイメントディレクションコースの学生により音響・照明デザイナー体験、また、声優アクティングコースでは、トップ声優の松本梨香さんをお招きしてスペシャルトークステージ&ライブを開催しました。高校生はもちろん、ポケモンファンと思われる小学生中学生の来場者も詰めかけ、大いに盛り上がりました。このほかにもライブとして、ポップス・ロック&パフォーマンスコース、鍵盤楽器コースのミニコンサートや入試対策レッスンも行われ、こちらもたくさんの来場者が参加、音楽に聞き入っていました。 並行して、弦管打コース、ウインドアカデミーコースの進学相談会も行われ、ご父兄の方と一緒に熱心に話を聞く高校生の姿が見られました。音楽領域では、サウンドメディア・コンポジションコースのサウンドメディア体験学習、ミュージカルワークショップ、ウインドアカデミーコースの管楽器リペア体験、音楽ケアデザインコースの体験講座、声楽コースの合唱体験授業、アートマネージメントコースの体験授業など、たくさんのイベントが開催され大いに楽しめ、実際に大学でやることを体験できる内容となっていました。 芸術教養領域では、雑誌の切り抜きでつくる「眼で見る詩を書こう」、動物の鳴き声の音を使いスマートフォンの通知音を作る「動物の声からスマホの通知音をつくってみよう」というイベントが行われ、どちらも熱心に取り組んでいる参加者の様子が見られました。 人間発達学部では、コース全体の説明を行い、その後は音楽実技ワンポイントレッスン、クリエ幼稚園を見学する、付属幼稚園紹介・体験ツアー、子供について学ぶ体験授業など、こちらもまた盛りだくさんの内容となりました。 西キャンパスでは、美術領域、デザイン領域、芸術教養領域の各コースでさまざまなワークショップが開催され、普段学生が利用している工房やアトリエでの制作を体験しました。 美術領域では、日本画体験、洋画コースの生花をモチーフとした洋画体験、コミュニケーションアートコースのブローチづくり、版画コースの消しゴムはんこを使ったエコバッグ、彫刻コースのマスクの模刻、陶芸コースの電動ロクロ体験、ガラスコースのペーパーウエイトの作成など。 デザイン領域では、ビジュアルデザインコースのポストカード作り、イラストレーションコースのステンシル技法を使った絵本作り、メディアデザインコースのコマ撮りアニメ制作、メディアコミュニケーションデザインコースは缶バッジやアートブックを制作する雑貨ラボ、ライフスタイルデザインコースの自分専用の物差しづくり、インダストリアルデザイン&セラミックデザインコースのトレイの制作、カーデザインコースの体験授業、スペースデザインコースは身近なものを使い明かりを作るライティングデザイン入門、メタル&ジュエリーデザインコースのシルバーリング制作、テキスタイルデザインコースのリストバンドづくり、文芸・ライティングコースのキャッチコピーづくりと、授業さながらの数多くの体験学習が行われ、多くの高校生が熱心に制作に当たりました。 芸術教養領域では、これまでに学生たちがつくった作品を展示するデビュー展が行われており、訪れた来場者が興味深げに作品を鑑賞していました。 また、今回は、駐車場横のスペースに北名古屋市との交流プロジェクトとして、地域の農家から提供された野菜を使いスペシャルドリンクを無料提供し、一般の方が参加できるスタンプや布製短冊を作成するワークショップ「hito to hito のポケットスペース」も開催されました。こちらも盛況で、多くのお客さんが訪れました。 このほか、教員や学生支援課の職員による相談コーナーなども設置され、終日賑わいを見せていました。 次回のオープンキャンパスは、8月17日(土)に予定しています。多数のご参加をお持ちしています。 西キャンパス Z棟ギャラリー オープニング・大学紹介・合同説明会 キャンパスツアー デザイン領域 1年デザイン基礎「ファンデーション」展 デザイン領域 メディアデザインコース展示 デザイン領域 学生作品展<カーデザイン・インダストリアル&セラミックコース> デザイン領域 学生作品展<スペースデザインコース> デザイン領域 学生作品展<テキスタイルデザインコース> デザイン領域 学生作品展<メタルデザインコース> デザイン領域 学生作品展<メディアコミュニケージョンデザインコース> デザイン領域 学生作品展<ライフスタイルデザインコース> 相談コーナー デザイン領域 文芸・ライティングコース展示 hito to hito のポケットスペース<西キャンパスワークショップ> MCDアートブック・雑貨ラボ<デザイン領域ワークショップ> エアブラシのステンシル技法で絵本を作ろう!<デザイン領域ワークショップ> カーデザイン入門<デザイン領域ワークショップ> ガラスアート「ペーパーウェイトを作ろう!」<美術領域ワークショップ> コマ撮りアニメーションと光るバッジ制作<デザイン領域ワークショップ> シルバーリング制作<デザイン領域ワークショップ> もの作りの楽しさを体験「デザイントレイの制作」<デザイン領域ワークショップ> プログラミングで遊ぼう<デザイン領域ワークショップ> マスクの模刻<美術領域ワークショップ> ライティングデザイン入門<デザイン領域ワークショップ> レジンでブローチを作ろう<美術領域ワークショップ> わたしものさし<デザイン領域ワークショップ> 花のいろ、花のかたち、花のかおり<美術領域ワークショップ> 消しゴムはんこでエコバッグ作り<美術領域ワークショップ> 相手が思わず振り向くキャッチコピーを作ろう<デザイン領域ワークショップ> 電動ロクロ体験<美術領域ワークショップ> 日本画体験<美術領域ワークショップ> 輪ゴムで織るリストバンド<デザイン領域ワークショップ> 芸術教養領域 レビュー展 美術・デザイン領域 入試参考作品展示 美術領域相談コーナー デザイン領域 入試対策「デッサン講習会」 東キャンパス オープニング・大学紹介 音楽領域 音響・照明デザイナー体験 音楽領域 サウンドメディア体験学習 音楽領域 ダンスパフォーマンスステージ 音楽領域 音楽ケアデザイン(音楽療法)体験講座 音楽領域 管楽器リペア体験 音楽領域 鍵盤コースミニ演奏会 音楽領域 弦管打コース、ウインドアカデミーコース合同進学相談会 音楽領域 トップ声優・松本梨香さんスペシャルトークステージ&ライブ 音楽領域 全体説明会 芸術教養領域 眼で見る詩を描こう 芸術教養領域 説明会 芸術教養領域 動物の声からスマホの通知音をつくってみよう 人間発達学部 モンテッソーリ教具体験 人間発達学部 在学生による相談コーナー 人間発達学部 説明会 人間発達学部 体験授業 ー「子ども」について学んでみようー 人間発達学部 附属幼稚園紹介・体験ツアー 入試 ・ 学生生活関係相談コーナー

2019.7.26

テキスタイルコース、中嶋すみれさん、平光瞬さんが、パリ Institut Français de la Modeの学生とコラボレーションしました

テキスタイルコース、中嶋すみれさん、平光瞬さんが、パリ Institut Français de la Modeの学生とコラボレーションしました 本学芸術学部 デザイン領域テキスタイルコース4年生の中嶋すみれさん、平光瞬さんが、パリ Institut Français de la Mode(IFM)の学生とコラボレーションし、本学学生がデザインした生地を使いガーメントを作成しました。 Institut Français de la Modeは、フランス産業省から認可されるテキスタイル・モード・ラグジュアリーブランド産業の高等専門学校で、すでに大学で学士や修士を納めている学生、またはモード界で職業経験のある生徒が入学対象となっているレベルの高い学校です。卒業生の多くがハイブランドで職を得るようなフランス屈指のファッションエリート校とされています。去年度客員教授の齋藤統、宮浦晋哉両氏のご尽力によって、このコラボレーションは実現しました。 コラボレーションをやってみたいという希望者を募り、デザインの好みなどからマッチングが行われ、2組の学生が選ばれました。Institut Français de la Modeのデザイナー志望の学生からイメージを受け取り、それを基に実現可能なことや提案を盛り込みすり合わせを行う方法でテキスタイルのデザインが始まりました。やりとりはメールやビデオチャットを活用し、文字通り身振り手振りを交えて意思疎通を行いました。打ち合わせを重ねることで、英語力も向上していったといいます。 「最初にイメージが来て、提案が欲しいといわれ考えました。何を提案していいのかわからず手探りでした。自分から提案していくことで、双方の考えブラッシュアップされ形になっていきました。できた生地は、動物の毛皮をイメージしていて、密度を高めることに気を使いました」(平光) 「宇宙のイメージが来まして、いろんなパターンの中から、好みの色味のものを選んで作りました。グラデーションが織機の技術的にも難しくはじめのイメージ通りにはできず、そのことを伝えるのが大変でした」(中嶋) 生地の制作には、尾州産地(有)カナーレの足立聖氏にご協力いただきました。学生らは、デザインを決定するまで一宮の工場へ何度も足を運び、相談を重ねて生地の制作に入りました。 「これまでは自分の作品を作るということで自分だけで完結していましたが、ファッションデザイナーとテキスタイルデザイナーという立場で、考えや知識の違いがわかりました。服という形になったときにどう見せるか、自分が何をすべきなのか意識できたことがとても良い経験になりました」(平光) 「こちらが当たり前と思っているテキスタイルの知識がファッションデザイナーにはなく、そうしたことを伝えていくのが大変でした。最終的に、お互いのできること生かし、納得できるものができあがったことが良かったです」(中嶋) 縫製の技術も素晴らしくとても完成度の高い作品になっています。 完成した生地、服は西キャンパスA&Dセンターで行われる素材展7/26〜7/31にてご覧いただくことができます。 中嶋すみれさん(左)と、平光瞬さん(右)のテキスタイルが使われた作品 中嶋すみれさんが制作したテキスタイルは、技術的に難しいグラデーションの織りが特徴 中嶋すみれさんとIFMのJun LIAOとのコラボ作品 平光瞬さんが制作したテキスタイルは「獣の毛皮」がイメージ 平光瞬さんとIFMのMarou Baranとのコラボ 中嶋すみれさん 平光瞬さん 去年度客員教授の齋藤統氏と、IFM の Hans de Foer先生 IFMの授業風景

2019.3.27

カーデザインコース 第3回 みんなのハッピーカーコンテスト 本学学生が審査員を務めました

カーデザインコース 第3回 みんなのハッピーカーコンテスト 本学学生が審査員を務めました  子どもたちの豊かな夢を育む環境を地域で広めていくことを目指す教育支援事業「みんなのハッピーカーコンクール」に、本学 カーデザインコースの学生らが審査員として参加しました。  みんなのハッピーカーコンクールは、NPO法人Meets Visionが主催するコンテストで、今年で3回目。小学生を対象に、今回は「家族でおでかけするクルマ」をテーマに作品を募集しました。  1,599点もの応募作品からカーデザインコース、洋画コースの学生が審査を実施、また、優秀作品の副賞として贈られる記念の盾をメタルコースの学生が制作しました。  3月17日(日)に、愛・地球博記念公園(モリコロパーク) 地球市民交流センター体験学習室にて表彰式が行われ、カーデザインコースの学生が審査員として参加しました。  審査は、2月18日、19日の2日間。卒業制作展の準備が行われている西キャンパス体育館で行われました。  床一面に作品が広げられ、1年生から3年生までの低学年部門、4年生以上の高学年部門に分かれ、それぞれゴールド章、シルバー賞、ブロンズ賞と、合計6つの優秀作品を選出しました。  表彰式の会場には、審査する様子の写真が飾られ、来場者は興味深げに見入っていました。  表彰式では、審査を行った学生らが作品についてコメントしました。  多数の親子連れで満員の会場の中、学生らは緊張の面持ちで、作品の色合いやアイデアの発想の豊かさについてコメントしました。  審査員の代表として、カーデザインコースの中條桂佑さんが講評を行い、「カーデザインを学んでいるが普段からアイデアで悩むことがあります。子どもたちのアイデアがとても面白く勉強になりました。素晴らしい発想で、応募してくれた皆がカーデザイナーになれそう。来年もぜひ応募して欲しいです」とまとめました。  副賞で贈られた盾も展示され、受け取った受賞者は顔をほころばせ、家族と一緒に記念撮影する姿が見受けられました。  このほか会場では、カーデザインコースの学生らによるぬりえのワークショップが開かれたり、愛知県警により交通安全講習が開かれるなどして、盛りだくさんの表彰式となりました。 コンクール受賞者のみなさん 副賞の盾は本学メタルコースの学生が制作 作品を前に審査する学生たち 作品を前に審査する学生たち 表彰式では、学生たちが作品の講評を行いました 表彰式では、学生たちが作品の講評を行いました ぬり絵のワークショップ 低学年部門(1〜3年生)ゴールド賞 カラフルないも虫の車 低学年部門(1〜3年生)シルバー賞 ジェットキ1号 低学年部門(1〜3年生)ブロンズ賞 地球どこでも車 高学年部門(4〜6年生)ゴールド賞 みんなでかいてき!おでかけカー 高学年部門(4〜6年生)シルバー賞 海と空に行けるハッピーカー 高学年部門(4〜6年生)ブロンズ賞 カプセルカー

2018.11.15

テキスタイルデザインコース 有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト、客員教授 齋藤統氏、SUZUSAN 村瀬弘行氏による対談、講義を行いました

テキスタイルデザインコース 有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト、 客員教授 齋藤統氏、SUZUSAN 村瀬弘行氏による対談、講義を行いました  2018年11月13日(火)、テキスタイルデザインコースでは客員教授 齋藤統氏とSUZUSAN クリエイティブ・ディレクター 村瀬弘行氏をお招きし、「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」においての対談、講義を行いました。  「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」は、学生が有松絞りを使いオリジナルデザインの手ぬぐいを制作し、毎年6月に行われる「有松絞りまつり」の会場で販売するというプロジェクトです。  これまでは、手ぬぐい制作でお世話になった「張正」さん、テキスタイルデザインコースOGの「まり木綿」さんの店舗の一部をお借りして販売していましたが、今年度は街道沿いの店舗を借りることからはじめ、お店のプロデュースも含めて考え、実践販売する課題へとグレードアップ。  出店するにあたり、これまでヨウジヤマモトをはじめ数多くのブランドをヨーロッパで立ち上げ成功に導いてきた齋藤統氏、鈴三商店からSUZUSANへと今まさにブランドリニューアルを手がけている村瀬弘行氏のお二人にお越しいただき「ブランドを作ることとは?」という題目でお話しいただきました。  「なぜ、商品にはブランドが必要か」というところからお話は始まりました。齋藤氏は、LVMH モエ・ヘネシー・ルイ・ヴィトンのCEO ベルナール・アルノー氏が、米国のタクシー運転手は仏大統領の名前を言えなくてもDiorやCHANELのことを知っているという事実にショックを受けDiorを買収したという逸話を紹介し、商品のイメージや品質がブランド名から触発されることにより、ユーザーは所有することで優越感や楽しさを感じメリットが発生すると説明しました。  村瀬氏は、ドイツで立ち上げたSUZUSANでの体験を交え、誰にどういう方法でブランドのことを伝えていくかの重要性を語りました。齋藤氏は、欧州ブランドでの実体験として、デザイナーは意図したことをストレートに伝えようとし過ぎる嫌いがあり、販売することを考え市場に上手く伝わるようにコントロールしなければならない、ユーザーの手に届くまでに、バイヤー、出先の業者など、中間に入る人にブランドのコンセプト付加価値をきめ細かく根気強く伝えていく必要があるなどと話しました。  村瀬氏も、デザイナーとしてはクリエーションだけでやっていきたいものの、販売やブランドの構築を考えれば、ひとりでは限界があり、ビジネスを専門とする人と共同することも必要、ブランドを作るとなると役割としていろいろなポジションがあり、自分の才能を発揮できる場所が必ずあるはずと説明しました。  その後、7名ずつ2つのグループに分かれた学生らが、ブランドの対象となる顧客(バーチャルカスタマー)を想定、ブランドコンセプトを話し合い発表しました。  バーチャルカスタマーは、有松絞りまつりに数多く訪れるお客さんの中でも、近年増加傾向にある既製の服に満足しない年齢40歳以下のユーザーを想定、こうした人をターゲットに考えました。  2つのグループは、それぞれ「suisai」と「nukunugui」というブランド名を決め、コンセプトやカラーを話し合いました。  「suisai」は「水際」という言葉からイメージしたもので、絞り染めが水を使うことを意識し、水と陸の境界である水際を別々のものを馴染ませるものとして捉え、生活に馴染むブランドと説明しました。  一方、「nukunugui」は「温もりのある手ぬぐい」から取った造語で、ナチュラルなイメージをベースにすると説明しました。  引き続き、それぞれのグループでムードボードを作成しました。ムードボードとは、ボードにイメージに合う画像やタイポグラフィーやカラーチップを貼り付けるもので、グループでデザインのイメージをより分かりやすく共有するために使います。  村瀬、齋藤両氏によれば、どのブランドでもボードを作成し、新しいイメージが浮かべば上から新しく貼り付けていくことで、考えの経緯や最新の状態を確認できるということです。  グループ「suisai」は、岐阜関市にある“モネの池"をイメージのメインヴィジュアルに設置、緑と水色をベースに赤やピンクが差し色に入る構成となりました。  グループ「nukunugi」は、淡いベージュや薄めのグレーをベースに、オレンジやグリーンを配した色調となりました。  これまで、ナチュラルカラーの手ぬぐいは有松にはなく、ユニークなものができるのではと期待が高まります。  ムードボード制作の後は、再び齋藤、村瀬両氏が「ショップを作ることとは?」という題目で、実際に店舗を作る場合の話をされました。  通りのお客さまを惹きつけるメインとなるビジュアルの設定や、商品を手に取って見ることをスムーズに促す動線、さらに、販売員がアプローチする場所の設定など、さまざま考えておくべきポイントが説明され、実践的で非常に有意義な内容となりました。  今後の予定では、実際に有松の街道を訪れ店舗をチェック、手ぬぐいの制作、店舗のプランニング、衣装、案内状などの制作を行います。  完成した手ぬぐいは来年6月に行われる「有松絞りまつり」にて販売となります。ぜひ、ご期待下さい。 本学客員教授 齋藤統氏 SUZUSAN クリエイティブ・ディレクター 村瀬弘行氏 はじめに「ブランドを作ることとは?」という題目での講義から始まります 学生たちは2つのグループに分かれ、バーチャルカスタマーを想定し、ムードボードを作成 グループ「nukunugui」 グループ「suisai」 作成されたムードボードを前に講評する斉藤、村瀬の両氏 ヨーロッパでファッションの仕事をされているお二人は、親子のように親しい間柄

2018.3.19

第45回卒業制作展記念講演会(第2弾) 辻惟雄氏による記念講演会を開催しました

第45回卒業制作展記念講演会(第2弾) 辻惟雄氏による記念講演会を開催しました  2018年2月24日(土)、本学西キャンパス B棟大講義室で、辻惟雄(つじ のぶお)氏による記念講演会「“かざり”の生命」を開催しました。例年、卒業制作展ではゲストをお招きして講演会を開催していますが、本年は、デザイン領域主催で東浩紀氏、そして、美術領域主催で今回の辻惟雄氏の2名をお招きしました。今回の講演は、辻氏の幅広い研究の中から、氏が日本美術の本質的な特質のひとつに挙げている「かざり」について、お話しいただきました。  講演に先立ち、美術領域主任 須田真弘教授からあいさつがあり、続き、美術領域 長田謙一教授から、辻氏の紹介がありました。辻氏は名古屋市出身で、岐阜県の高校に進学した、この地方にゆかりのある方。辻氏の人物像を物語るエピソードとして、通っていた岐阜第一中学が戦争を隔て学区制が導入されることとなり、そのことに抗議して中退。その後、上京し日比谷高校へ転籍したという、気骨ある人柄を象徴する逸話が紹介されました。また、家の関係から医学を志すも、画家になりたいという本人の希望もあり、その間を埋めるものとしての美術史研究という学問があるように思いますと長田教授は説明。辻氏は伊藤若冲の発見者であり専門研究家として世界的に知られていますが、その本質は、美術の見方、デザインの見方に関する「眼の革命」の推進者であるという考えを話しました。美術とは、芸術とは、といった哲学的な問いを、具体的な作品を前にしながら、見る側の意識やモノの見方を革新してきた、辻氏のこれまでのキャリアは一貫してそういうものであると、紹介しました。  今回の講演は、かざりの概念についてですが、近代デザインが装飾を排除して成り立っているのに対し、その過程で切り取られていった「かざり」を見直してみること、また美術を考えるときに、「かざり」や「つくりもの」が一段低いものとして扱われてきたことに着目することで、新しく「かざり」を捉え直すことになり、改めてその価値に気づき、新たな見方を獲得することが期待されると、紹介しました。  講演は、前半で「かざり」という言葉の成り立ちと概念、また、歴史上、言葉としてどんな使われ方をしてきたかを確認します。後半は、スライドで過去の美術品を表示し、「かざり」という視点で過去を見たときにどのように感じるか、解説を加えながら見ていくという内容となりました。  講演は、どうして「かざり」に着目したか、というところから始まりました。1988年、東京のあるデパートでの展覧会の企画を考えているとき、歌舞伎研究家の服部幸雄氏が書いた、歌舞伎についてのパンフレットを偶然目にします。そこに、歌舞伎というものがいかに「かざり」の要素で構成されているか、演技、衣装、大道具、小道具、すべてにおいて「かざり」が非常に大きな役割を果たしている、という一文を見つけ、「かざり」を通して美術品を見るという発想を得たといいます。  日本人は茶の湯を生み出し、虚飾を取り去った簡素で洗練された表現を求めて来たように通常考えられていますが、「かざり」はその逆です。その両方は矛盾しているようでいて、しかしながら、日本美術はその両方を練り合わせるようにして展開してきたともいえると説明します。「かざり」という言葉は「かざる」という行為から派生してできた言葉であり、「かざる」という行為は、あるものを飾る役割だけを持ち、それ自体に独立した内容も目的もありません。そのため「Fine Art」(純粋美術)たり得ず、一段下位におかれることになりますが、「かざる」という行為そのものは、人間の本性に根ざした大切な行為であり、生のあかしであり、生の喜びの表現であるといえます。日本文化の中の「かざり」は、まさしく生とつながっており、伸びやかで、生き生きとしていると説明します。「ハレとケ」を引き合いに、「かざり」はハレの空間を作るための装置であり、祭りこそが「かざり」の最大の見せ場であり、日常を非日常へと変える役割を果たしていると説明します。  また、中国から伝播した文化や美術が、日本でどのように変容したか、また、西洋の美術もの中での「かざり」の位置付け、明治時代以降の訳語や意識の問題など、美術史という枠では収まりきらない文化論にまで「かざり」を押し広げて考え、美術と工芸の境界や、美術とデザインの境界など、興味深く、また、深く考えさせられる内容の講演となりました。  後半は、縄文式土器に始まり、古代から古墳時代、飛鳥、平安、桃山、江戸、近現代へと、さまざまな美術作品の画像を表示しながら、「かざり」という視点で見て、日本美術の変遷をたどっていきました。表示される作品は、有名で見たことのあるようなものなのですが、作品ごとに加えられる解説が面白く、新たな魅力に満ちあふれています。時代背景に加え、ときには和歌を引き、また、その時代の風俗や文化についての説明が加えられるなど、非常に有意義なものとなりました。また、デザイン的な作品を解説しながら作者にとっては区別なく制作されていたのではと説明を加える、非常に示唆に富んだ内容となりました。  最後に再び、長田教授から、飾らないかざり、飾り立てるかざり、「かざり」という言葉から、美術、工芸を超え、枠を超えた幅広い作品の中から、造形の、形そのものの美しさを見る新しい見え方を示していただいたのではとの言葉があり、講演は締めくくられました。 美術領域主任 須田真弘教授からごあいさつ 美術領域 長田謙一教授から辻氏の紹介 穏やかな口調で、「かざり」という言葉について解説する辻氏 後半は、作品を見ながら日本美術の変遷をたどる 美術、かざりに対しての大陸文化や仏教の影響など、多方面から解説 今回の記念講演にも幅広い年齢層、多くのお客さまにおこしいただきました 講演終了後、著書へのサイン会を開催。多くの人が行列に並びました

2018.3.19

第45回卒業制作展記念講演会 東浩紀氏による記念講演会を開催しました

第45回卒業制作展記念講演会 東浩紀氏による記念講演会を開催しました 2018年2月17日(土)〜25日(日)、本学西キャンパスにおいて、第45回名古屋芸術大学卒業制作展を開催しました。卒業制作展は、例年、愛知芸術文化センターにて開催していましたが、今年度は改修工事のため休館中であり、初めて本学の校内で行うこととなりました。記念講演会も本学校内での開催となり、今回は批評家であり、作家でもある東浩紀氏をお招きし、B棟大講義室にて「『観光客の哲学』と芸術の使命」という演題でお話しいただきました。 はじめにデザイン領域主任 駒井貞治准教授から、ごあいさつと東氏の紹介がありました。東氏は、近現代の思想家の思想と、現代の私たちの身の回りで起こっていることを結びつけて解き明かし、新しい視点を与えてくれるたくさんの活動を続けていること。駒井准教授自身の、京都に30年住んでいても古くから京都に住んでいる人から見れば他所から来た人としか思われていないという経験を説明しながら、ずっとそこに住んでいる人には見えないユニークなものの見方や使命について、考えることができるのではないかと紹介しました。 演台にはパソコンが用意され、スライドを使いながら講演が始まりました。東氏は、簡単な自己紹介として、自身が代表を務めるを紹介し、フランス哲学を学び大学で教鞭を執っていた自分が、既存のメディアや枠組みの中では難しくなってきている本を出版するために独立してゲンロンを作り、カオス*ラウンジという若手のアーティストコレクティブの活動もはじめ、オルタナティブアートの美術教育を行う新芸術校の紹介を行いました。 ゲンロン その活動の流れに「観光客の哲学」という考え方は密接に関係しており、本題の「観光客の哲学」について話題に移りました。最初に、講演の要点が示されました。アメリカのトランプ現象、イギリスのEU離脱、日本でも憲法改正論議などを例に出し、現代はどちらを支持するのか、「友」と「敵」を鋭く区分する社会になってきていると説きます。これは、カール・シュミットの政治理論(友敵理論)で説明されているもので、政治というものには本質において友と敵を分割するところがあり、市民が政治について話し合うとどうしても友と敵という構図になってしまい、単純化してしまった場合、人々が思考を停止させてしまうような情報キャンペーン合戦になり、大きな問題を扱う国民投票では、多くの場合、拮抗した結果になると説明します。 そうした現代の世の中で、賛成、反対だけではない別の形態の思考はないか、もっと柔軟に考えることはできないのかということで、共同体の内側でも外側でもない存在、村人でも旅人でもない、内側と外側の両方に属し、また、属さない存在としての「観光客」に着目し、「観光客の哲学」を考えたとのこと。 さらに、従来なら、公共の場においては建前的な正論を述べても、もう一方では、法律だけでは裁けない……とか、君と僕は同じ人間だから……といったことがクッションとなって社会が動いていた部分があったが、現代ではSNSの普及もあり、皆が皆を監視しあうような世界になっている。作家も、差別表現に当たらないか、軽犯罪法違反になるのではないか、それらのことを気にかけており、表現が萎縮しているという問題が発生している。従来なら「公」という領域のほかに「私」という領域があり、「私」で処理されてきたものが「公」に吸い出されてしまっている現状がある。そこで「私」が「私」のままでつながり新しい「公」を作るようなことができないか。その実践として、ゲンロンを立ち上げたのであり、最初の「友」と「敵」を区別しない立場と合わせ、それらが「観光客の哲学」であると説明しました。 芸術家の使命としては、現代のひとつの流れとして、リサーチして、美しくデザインして、それで社会をよくする、そうしたことを美しくプレゼンする運動「ソーシャル・エンゲージ・アート」という社会と芸術の関わり方があるが、それならば芸術家ではなく、市民運動家やNGOがやればいいのではないかと異見を述べ、芸術が社会と関わるということはもっと異なったものではないかと説明します。芸術家は、「友」と「敵」の区分を攪乱し、「私」が「公」に回収されないような表現を作ることで社会に介入し、その表現の鑑賞者を社会や「公」から引きはがし、自由にすることが、その使命だと説明します。個人的には、と前置きしつつ、誰にとっても良い正しいことを美しく提示すということは芸術家の役割ではない、と話します。 この考えの実践として、ゲンロンがありますが、さらなる実践として、原発事故を起こしたチェルノブイリ発電所の産業遺産とキエフの歴史を巡る「ダークツーリズム」の紹介がありました。「観光」に行く前と帰って来た後にワークショップを行うと、事前では、原発の是非や事故の規模、健康被害などが大きく関心を占めていたものが、事後では、自然の美しさ、ウクライナの文化、ソ連時代の産業遺産、廃炉作業員との交流というように、関心が大きく変わるといいます。観光客という「中途半端」な存在を経験することで、「友」と「敵」に分断された関係を、もう一度「つなぎ直す」ことになるのではと、説明しました。観光してもチェルノブイリや原発に対する「公」としての立場や考え方については変わらないかもしれないが、観光することによる「私」的な経験や感じ方の変化が、議論を柔らかくし、発展的なものに変えていくのではないかと説明します。そして、そうした豊かなつながりをどうやって作っていくかが哲学や芸術の使命ではないかといいます。 単純にすべての人が正しさを求めて友と敵に分かれる時代に対して、抵抗していってほしいと講演をまとめました。 内容の濃い講演で抽象的な概念を含む内容でしたが、いくつも質疑の手が上がり、来場者たちも熱心に聞き入っていたことが伝わってきました。質疑応答の時間を延長しつつ、真摯な応答にする東氏が素晴らしく、非常に有意義な記念講演会となりました。 デザイン領域主任 駒井貞治准教授から東氏を紹介 一般から申し込みで訪れた来場者も多く、客席には幅広い年齢層の方々が見られました スライドを使いながら、講義を進める東氏 速い口調で、濃い内容の講義となりました 要点がまとめられ、抽象的な事柄も実例を出してわかりやすく解説 「公」と「私」を先鋭的に区分するのではなく、もっと豊かなつながりを作るのが芸術家の使命 「友と敵をつなぐ公的な私」を作り、「友」と「敵」とを分断する時代に抵抗していってほしいと講義をまとめました

2018.3.19

名古屋西文化小劇場 第2回連携事業 室内オペラ公演「喜歌劇 こうもり」を上演しました

名古屋西文化小劇場 第2回連携事業 室内オペラ公演「喜歌劇 こうもり」を上演しました 2018年2月24、25日の2日間、名古屋市西文化小劇場にて、本学と名古屋西文化小劇場との連携事業として「喜歌劇 こうもり」を上演しました。名古屋西文化小劇場との連携事業は昨年から始まったもので、「くらしに文化と感動を!」というコンセプトのもと、身近な小劇場で気軽にオペラを楽しんでいただこうと企画、展開されているものです。 今年度、上演されたのはシュトラウスオペレッタ(イタリア語で「小さいオペラ」の意、オペラから派生した娯楽的な作品が多い)「こうもり」です。「オペレッタの王様」とも称される傑作で、誰しも聞き覚えのある親しみやすい楽曲、個性的な登場人物たち、パーティという華やかな舞台、どこをとっても大いに楽しめる演目です。 今回の公演では、初日24日(土)が教員・大学院生・学部学生選抜公演、25日(日)が教員・卒業生公演となり、観客はくらべて見ることが楽しめ、また、出演する学生にとっては、教員や一線で活躍する卒業生の技術を間近に見られる非常に良い機会となりました。 25日の教員・卒業生公演では、アイゼンシュタイン 加藤市之亟サンタマリア、ロザリンデ 大須賀園枝(教員)、ファルケ 松下伸也(教員)、アデーレ 倉本亜紗、イーダ 堀江綾乃、オルロフスキー 森有世、アルフレード 平野友洋、ブリント 林雅大、フランク 塚本伸彦、フロッシュ 林正浩。スタッフは指揮 金丸克己、演出 澤脇達晴(教員)、演奏 名古屋芸術大学オーケストラ(バイオリンに日比浩一(教員)、ヴィオラ、チェロにも実技補助員が参加)、舞台補助としてエンターテインメントディレクション&アートマネジメントコースの学生が参加という、豪華な顔ぶれとなりました。 これまで、澤脇達晴教授が手がけてきた演出のオペラは、さまざまなアイデアや仕掛けを盛り込んだものが多かったのですが、今回は作品が持つオペレッタの魅力をそのまま伝えたいという考えもあり、オーソドックスな手法となりました。それだけに、作品が持つ本来の魅力、また、細かな動きや台詞の間合いなど演者の技量が試される舞台となりました。序曲が始まると、素晴らしいメロディと演奏に観客は期待を高め、ファルケ博士の前口上に引き込まれ、幕が開きアデーレが登場するともう舞台に釘付けです。 第1幕は、アイゼンシュタイン邸の一室が舞台。登場人物の相関関係と状況をコミカルに伝え、登場人物それぞれに仕掛けられるファルケ博士の策略を観客は楽しみます。第2幕は、大広間でのパーティ。華やかに着飾った登場人物らが、偽名で一堂に会します。正体に気が付かないまま行われるやりとりはまさに喜劇。観客は、華やかなパーティの雰囲気とともにパフォーマンスを大いに楽しみます。第3幕は、刑務所内にとなり、お互いの素性が明らかに。ファルケにより“こうもりの復讐”であることが告げられると出演者総出演で「シャンパンの歌」を陽気に合唱、大団円で幕となります。 第1幕から随所に笑わせるシーンがあり、観客たちは、時折、笑い声をもらし、また、歌唱の場面ではうっとりと聴き惚れていました。フィナーレの合唱では「ブラボー!」の歓声が上がり、いつまでも拍手は鳴り止みませんでした。 終演後は、キャストらがロビーに並び、観客をお見送り。恩師、先輩らと再会した出演者もおり、サロンのような雰囲気のなか公演は終了となりました。 第1幕 女中のアデーレ登場。観客は舞台に引き込まれます アイゼンシュタインとロザリンデ、弁護士ブリントの三重唱。弁護士とのやりとりに笑いが 悲しむふりをしながら、はしゃいでしまうアイゼンシュタインとロザリンデ。観客も思わず笑ってしまう楽しい曲 酒と恋を称える、愛人アルフレッド。アルフレッドはアイゼンシュタインの身なりをして間違われ、刑務所へ連行 第2幕 オルロフスキー公爵邸 華やかな場面に “フランスの大富豪ルナール”ということになっているアイゼンシュタインが登場、やはり“女優”ということになっている女中のアデーレと鉢合わせ 「侯爵様、あなたのような方は」笑い声をイメージさせるアリア やはりフランス貴族に扮した監獄長フランクが登場。フランス語での会話を促され、アイゼンシュタインと「オー・シャンゼリゼ」ならぬ「オー・シャンデリア」を熱唱 ハンガリーの貴族としてマスクを付けたロザリンデが登場。妻とは知らずアイゼンシュタインは時計を取り出し口説き始める 第3幕 看守フロッシュが酔っぱらって登場 アデーレとイーダが登場。フランクをまだ貴族だと思い込み支援を要望。「田舎娘を演じる時は」アリアを披露 入獄するつもりのアイゼンシュタインが登場。アイゼンシュタインもフランクも混乱 ブリント弁護士の服を着たアイゼンシュタインとロザリンデとアルフレッド。ロザリンデが昨夜のハンガリー貴族とわかり、ドタバタな展開 最後は総出演で、すべてはシャンパンに罪があると「シャンパンの歌」を合唱。華やかななうちに幕 演奏は名古屋芸術大学オーケストラ。演奏者にも、惜しみない拍手が送られていました。

2018.3.2

音楽領域 サウンドメディア・コンポジションコース主催「KALEIDOSCOPE2018 Ripple」を開催しました

音楽領域 サウンドメディア・コンポジションコース主催「KALEIDOSCOPE2018 Ripple」を開催しました 2018年2月17日(土)、東キャンパス2号館大アンサンブル室にて、音楽領域 サウンドメディア・コンポジションコース主催のコンサート「KALEIDOSCOPE2018 Ripple」を開催しました。KALEIDOSCOPE(カレイドスコープ)は万華鏡を意味する英単語で、サウンドメディア・コンポジションコースの学生が主体となって企画・運営を行いつつ、毎年、エンターテインメントディレクション&アートマネジメントコースの学生による照明表現、デザイン領域 メディアデザインコースの学生による映像表現とコラボレーションし、まさに万華鏡のようにさまざまな芸術ジャンルを横断、クロスオーバーさせる独創的な作品を発表しています。 本年のテーマは「Ripple」(波紋)。例年、客席とステージが近く、独特の音楽空間を構築することが特徴のKALEIDOSCOPEですが、本年は、弦楽アンサンブルの楽曲を主体とし、アコースティック楽器がもっとも相応しく観客に届くよう「円」をモチーフに会場が設営されました。また、「Ripple」というテーマに合わせ、音楽の受け手に波紋を呼ぶようなインパクトのあるものにしたいとして構成、楽曲が選定されました。 例年、このコンサートを楽しみにしている方も多く幅広い年齢層のお客さま、また、音楽と映像、音響といった新しいアートに関心の高いお客さまなど、多くの観客が訪れました。客席が足りなくなるほどで、急遽、追加の椅子が用意されるほどの人出となりました。 音楽と映像、照明が交錯するKALEIDOSCOPE独特のアート空間に観客はうっとり。2回の休憩をはさむ、長時間のコンサートになりましたが、来場者は熱心に聞き入っていました。 また、同時に別室にてInstallation(インスタレーション)展示作品もあり、こちらも休憩時間には賑わいを見せていました。 演奏プログラム 1曲目 Sunrise〜朝の雫〜 / 村瀬佳穂 2曲目 水面の蝶 / 山本一貴 3曲目 trigger / 松浦聖奈 4曲目 pavot / 四谷文音 5曲目 Triptych, for viola and cello 〜ヴィオラとチェロのためのトリプティック〜 / Alex Niederberger (from University of Denver) 6曲目 primitive vision / 栗本凌太郎 小田智之 7曲目 p.e.p.y / 山田美穂 8曲目 Moment / 横井幹人 9曲目 in Rain / 内田智葉 10曲目 鬱処刑罰 / 高見雄大 11曲目 Heaven's Feel / 林大貴 12曲目 杜若-水の旅人- / 中川実優 13曲目 Clock work / 小田智之 14曲目 組曲「廃墟の惑星」 / 小林恭太郎 15曲目 Brain in A Jar, for Harp and Electronics 〜ハープとエレクトロニクスのためのブレイン・イン・ア・ジャー〜 / J.Andrew Whisenand (from University of Denver) 16曲目 Passed / 伊藤百合子 17曲目 for(art)rest / 山下真澄 Installation(インスタレーション)展示作品 リズムゲームSOUND CONNECT!! / 藤井咲希 ユメノ雫 / 石川隆大 次年度もカレイドスコープを開催予定です。みなさまお誘い合わせのうえ、ぜひお越しください。 映像、光、音楽が交錯するKALEIDOSCOPE。独特のアート空間が出現 司会は村松遼さん。名調子に、笑いが起こることも 姉妹校、デンバー大学ラモント音楽院の学生の作品も演奏 「primitive vision」デザイン領域、音楽領域、二人の学生が演奏。映像と音をリアルタイムに操作 唯一のボーカル曲「in Rain」 Vo.平野舞さん 映像を加えた作品「鬱処刑罰」 デスメタルと弦楽の融合「Heaven's Feel」 音楽と合ったアニメにも注目 組曲「廃墟の惑星」 インスタレーション作品、リズムゲーム「SOUND CONNECT!!」 領域を超え、多くの学生が参加。盛況なコンサートとなりました

2018.1.29

ブロックでアートを芸術をもっと身近に感じる ブロックアート地域交流センター

ブロックでアートを芸術をもっと身近に感じる ブロックアート地域交流センター 「納屋橋ホタル」ホタル作り教室開催  11/25、26、12/2、3、9、10の6日間にわたり、ホタル作り教室を開催。小学生を対象に、納屋橋ホタルで放流するホタルの制作を行いました。専門のスタッフが指導し、説明書を見ながらホタルをブロックで制作します。不慣れな子でも、1時間程度で完成。一度、作ってみると要領がわかり、2つ目、3つ目と、1人でたくさんのホタルを制作する子も現れました。子どもの付き添いで訪れた保護者の方も、一緒に参加。他の参加者と交流するなど、和気あいあいとした様子が見られました。取材当日、テラッセ納屋橋にショッピングに訪れた人が、ブロックの展示に気が付き、ブロックアート教室の説明に耳を傾ける方が、何人もいらっしゃいました。地域交流センターとして、さらなるPRの必要性とポテンシャルの高さがうかがえました。 地域交流センターには、名古屋城をはじめとする市内のランドマークを再現したブロックの展示も 細かなパーツの組み合わせで構成されているホタルは、名芸大ブロックアート教室によるオリジナル作品。大人でも制作に30分〜1時間程かかる精密なもの 慣れてくると、一人で何個も作れるように きれいな堀川を取り戻したい 「納屋橋ホタル」を開催  12/22(金)、ブロックで作った光るホタルを、堀川に放流するイベント「納屋橋ホタル」が開催され、ブロックのホタル作りに参加していただいたお子さんやご家族がカプセルに入ったホタルの放流を行いました。納屋橋界隈のイルミネーションが輝く中、光るホタルが堀川に流され、きらびやかな風景となりました。本学理事長、学長も訪れ、歓声を上げる子もたちの声とともに和やかな催しとなりました。食事や雑貨が楽しめるナイトマーケット「なやばし夜イチ」に訪れた方も数多く見学に訪れ、スマートフォンを片手に撮影する人も見られました。放たれたブロックのホタルは、サンタやトナカイに扮した学生らがスタンドアップパドルやボートを使って回収。その様子も、楽しいものとなりました。「納屋橋ホタル」は、恒例のイベントとして定着するよう、来年度以降も継続して行なっていきます。 放たれたホタルはサンタやトナカイに扮した学生らが回収。見た目にも楽しいクリスマスイベントになりました 「ホタル作り教室」で作ったブロックのホタルは、LEDが仕込まれた防水のカプセルに入れられ放流。水に反応して光ります 投げ入れる時のかけ声『ホ〜リ〜ゴ〜ン!』は堀川のイメージキャラクター「ホリゴン」とクリスマスの「ホーリー」を掛け合わせたとのこと 理事長、学長の強い思いで実現できました 企画室長 小久保純一 テラッセ納屋橋の地域交流センターが、9/29にオープンしました。どういう経緯があったのでしょうか? 名古屋市が後押しする形で、納屋橋再開発の計画がありました。物販だけでなく、文化的要素が強く求められ、施設全体の魅力向上のために本学の進出に期待が寄せられました。その状況を踏まえ、理事長、学長の両者から、名古屋市内に出て行くこと、それにより地域と大学の連携ができる、ぜひ進めて欲しいとの言葉をいただきました。はじめ、サテライトを作ろうという考えもありましたが、他の大学でもサテライト的なものが名古屋市内にはありますし、もっと明確に特徴を打ち出していこうということになり、ブロックアート教室を中心とした地域交流センターを開設することになりました。 なぜブロックアートに? 海外では、ブロックアートが芸術の1ジャンルとして認知されていますが、国内ではまだまだです。絵画であれ音楽であれ、創作活動を行うには、それなりに道具や練習が必要になります。ところがブロックであれば、練習しなくてもすぐできる、それこそ子どもでもできる。しかも、いつでもはじめられ、分解して何度でも使える。こうしたことで、気軽に触れることができ、アートへの敷居が低くなるだろうと考えました。日本ではまだあまり認知されていないブロックアートに注目することで市民の関心も高まりますし、レゴランドもある。まずは、ブロックアートを教えられる場を作り、それを入り口にしてアートへの関心を高めていこう、アートに気楽に触れられる場を提供していこうと思っています。 ブロックアート教室のほかにも、なにか企画しているそうですね 手始めに、名古屋市の「商店街にぎわい創出支援事業」で商店街を巻き込んだ活性化事業を申請し、採択されました。ブロックアートで地元のランドマークを作品にし、店舗のウィンドウなどに飾ってもらうようにします。さらに、堀川にホタルが生息できる環境を取り戻し人々が憩える場所にしようと願いを込めて、ブロックで作りLEDで光るホタルを放流するイベント「納屋橋ホタル」を行いました。今年は、はじめてなので500セット、ブロックを準備しましたが、来年度以降も継続して続けていこうと考えています。ホタル作りは、小学生の子どもたちに限定していますが、ブロックアートは指を使うことで認知症予防にもなります。全国には、年齢に関係なくブロックのコミュニティがたくさんあります。そういった方たちが集まれる場所は、インターネット上にはありますが、実社会にはありません。作品を作っても見せられる場所がありませんし、コンテストなどもありません。この地域交流センターがそういった場所になれれば、非常に意義のあることではないかと考えています。また、ブロック以外でも、このスペースをギャラリーとして活用して作品を展示したり、表のテラスで演奏会ができたりします。アート・マーケットの開催も可能です。ブロックを入り口としながらも、地域の方々に、美術、音楽、さまざまなジャンルの芸術に触れられる場になっていきたいと考えています。

2017.12.21

サウンドメディア・コンポジションコース 入交英雄氏による公開講座「3Dオーディオの現状と未来」を開催しました

サウンドメディア・コンポジションコース 入交英雄氏による公開講座「3Dオーディオの現状と未来」を開催しました 11月23日(木)、本学東キャンパス2号館大アンサンブル室にて、芸術学部芸術学科 音楽領域サウンドメディア・コンポジションコース主催の公開講座「3Dオーディオの現状と未来」を開催しました。講師には、昨年度サウンドメディア・コンポジションコースで非常勤講師を務めていた株式会社WOWOW技術局シニアエキスパートの入交英雄氏をお迎えしました。 講義に先立ち、大アンサンブル室には、いくつものスピーカーが設置されました。客席を取り囲むように、スーパーウーハーを含めた7.1チャンネル、さらに2.5mほどの高さに4チャンネル、合計12個のスピーカーが設置されています。今回の機材は、株式会社ジェネリックジャパンより、また設置においては、東海地区の放送関係者の勉強会から中京テレビ放送株式会社の技術の方々にご協力いただきました。 講座は、長江和哉准教授による入交氏の紹介から始まりました。入交氏とは、2000年に、新潟で行われた、トーンマイスターによるの録音制作の勉強会で同じグループになったのがきっかけで、以降、親睦を深めていること。入交氏は日本に留まらず、世界でも有数の3Dオーディオ録音技術の研究者として知られ、大変素晴らしい技術を持っていること。さらに作曲も手がけ、TV番組やゲームの音楽を手がけていることなどが紹介されました。 入交氏が登壇すると、入交氏の活動と3Dオーディオについて紹介するビデオが流されました。平面的な5.1サラウンドに上方向を加えた3Dオーディオの仕組み、さらに入交氏が取り組んできた、3Dオーディオの録音方法について、簡単に説明されました。 そして、入交氏が実体験を踏まえて、ハイレゾや新たに登場している3Dオーディオのフォーマットについて説明しました。ハイレゾの定義は、JEITA(一般社団法人電子情報技術産業協会)規格では、44.1k24bitとされていますが、先月発表されたグラミー賞を主催する団体NARASでは、96k24bitが標準としており、今後、96k以上を基本に考えていくべきであると紹介。実際に音を聴き比べた場合、サンプリング周波数が96kと192kでは区別がつかないが、768kまで高めると聞き分けることができると紹介。その理由として、左右の耳では音の到達時間の差を細かく聞き分けることが可能で、その差はデジタル信号の500k相当になると説明。人間の耳で聞き取れる周波数帯域は20〜20,000Hzとされていますが、音の到達時間の差を敏感に感じ取っており、その部分でサンプリング周波数の違いを感じ取っているのではないかと説明しました。また、3Dオーディオのフォーマットとしては、NHK放送技術研究所が策定した「22.2マルチチャンネル音響」、「DOLBY ATMOS」、ベルギーで開発された「Auro-3D」、「DTS:X」などがあるが一長一短で今後どのフォーマットが主流になるのか不明で、制作側としてはどのフォーマットへも変換できる形で制作しておく必要があり、そこが問題であると説明しました。 さらに、スピーカーの数と聞き手の印象の変化について説明。具体的に、8個以上のスピーカーの数になると印象がかなり変化すること、また、2m間隔で配置すると結果が良いなど、実体験に基づいた説明をしていただきました。また、ヘッドフォン用の3Dオーディオのフォーマットについても説明しました。 説明の後は、入交氏がさまざまなホールや教会で録音してきた演奏の試聴となりました。それぞれの場所で、どのようにマイクをセットしたか図で示し、7.1+4chを2chステレオに切り替えたり、上部の4chを消した場合、歩いて試聴する場所を移動した場合の聞こえ方の違いなどを確認しました。 7.1+4chの音は、通常5.1chサラウンドを聞くよりも音の密度感が高く、響きの余韻なども聴き取れ、3Dオーディオの魅力を存分に体験することができました。 試聴の後、休憩をはさみ、3Dオーディオを再生する場合のセットについての説明を行いました。スピーカーの配置について、耳の高さのものを「ミドルレイヤー」、頭上を「ハイレイヤー」、さらに天井から真下に向けて設置するものを「オーバーヘッドレイヤー」、耳より下の位置にあるスーパーウーハーなどを「ボトムレイヤー」と定義し、先に説明した22.2、DOLBY ATMOS、Auro-3D、DTS:Xの定義をチェックして、流用することのできるスピーカー配置を紹介しました。 後半の試聴では、大台ヶ原や八ヶ岳の自然音、甲子園や花園ラグビー場の試合の音声などを試聴。やはりそれぞれのマイクの設置位置や録音方法を詳細に紹介しました。大台ヶ原の雨の音など非常に繊細で森の中にいる感覚が呼び起こされたり、スポーツの音では臨場感が素晴らしく、3Dオーディオの魅力と非常に有効な技術であることが理解できました。 質疑応答では、マイクのことや録音時のモニター環境、リバーブによる加工など、録音時のポイントについての質問がありました。録音方法については、決まったやり方がなく現在も模索し考えながらやっていること、また現在、本学にある機材を組み合わせ3Dオーディオの録音を実際に行うことができ、ぜひ、実践してみて欲しい、上部にマイクを増やすだけでも大きな違いを体験することができるはず、との言葉がありました。 学生からの感想では、小さなスタジオで聴くよりも空間を感じる、臨場感がすごくて実際に現場にいるよう、ライブビューイングやスポーツ観戦がすごく楽しめそう、などの声が聞かれました。 尚、本特別講義は公開講座として行い、多くのプロフェッショナル音響家の方に出席をいただきました。ご参加いただきありがとうございました。 機材協力 株式会社ジェネレックジャパン 長江和哉准教授の挨拶と入交氏の紹介から講座はスタート 入交英雄氏。今回の講座では、教会、ホール、大台ヶ原、甲子園球場などさまざまな場所で録音した音声を試聴 席を取り囲むように、耳の高さに8個、2.5mほどの高さに4個、合計12個のスピーカーを設置 ビデオや図を見ながら、3Dオーディオのフォーマットについて、実体験を加えて説明 試聴開始。ホールや教会など、それぞれの録音現場の状況と設置したマイクの種類と位置を詳細に説明 立ち上がって位置を移動した場合の音の変化なども確認。2chステレオとの聞きく比べや上部スピーカーをオフにした場合の変化など、さまざまなパターンを確認 後半は、再生装置のセットについて、フォーマットごとの違いなどを紹介 大台ヶ原、八ヶ岳、甲子園球場、花園ラグビー場など、自然音を中心に試聴 質疑応答。録音現場の状況や加工についての考え方など、制作上の疑問や注意点についての質問がありました