• 学科・領域

  • 形態

nandt

2021.8.5

7月開催 オープンキャンパスレポート

7月開催 オープンキャンパスレポート  名古屋芸術大学は7月22日 (木)、24日 (土)にオープンキャンパスを開催しました。  感染症対策のため完全予約制で、事前に申し込みをされた高校生諸君と親御さん方が受付に訪れました。受付開始と共に受付が一時的に賑やかになるのが例年の風景でしたが、完全予約制を導入してからは待ち時間の少ないスムーズな受付が続いている印象でした。  7月初回の7月22日は「特別講演会」と、通常の授業風景も見学できる「キャンパスツアー」が見どころで、二日目の24日は全学的な「体験授業」がメインの回でした。 オープンキャンパス特別講演会  『これからは芸大が絶対有利!! 時代の追い風を活かして将来戦略を立てる!』と題して、大好評だった5月のオープンキャンパスに引き続き、一般社団法人 大学イノベーション研究所 所長で「教育系YouTuber」としての顔も持つ山内太地氏に登壇いただきました。氏は日本国内の800ある大学を全て訪問し、大学や高校にてコンサルティング活動や進路講演などを実施しており、資料データを提示しながら「なぜ芸大が有利なのか」「今すべきこと」「能動的学習の重要性」等々、高校生諸君や親御さんが抱える漠然とした不安が吹き飛ぶような、エネルギッシュな講演でした。8月も講演を予定しているので、せひご応募ください! 2022年度から再編される教育学部子ども学科のミニ授業  本学OBの現役教員の体験談に加え、在学生による学科紹介と体験ミニ授業「子どもの成長を知ろうー子どもの発達と個人差について」「楽しい創作表現ー絵本に音楽をつけてみよう!」を行いました。 新設した新領域・コースが人気  舞台芸術領域や声優アクティングコース・ダンスパフォーマンスコースなどの説明会は今回も大勢の方が参加していました。 西キャンパスの体験イベント・ワークショップが今回も盛況  美術領域とデザイン領域合わせて11の体験イベントやワークショップが用意され、時間を忘れて没頭する高校生諸君や親御さんの姿が印象的でした。 8月も開催します!  8月は、9日(月)、10日(火)、11日(水)の3日間、そして21日(土)にオープンキャンパスを開催します。ぜひご参加ください! 8月開催 オープンキャンパスのお知らせ

2021.8.4

工芸リレー】デザイン領域 メタル&ジュエリーデザインコース「素材展」、特別客員教授 藤田政利氏「風と水の物語」を開催

【工芸リレー】デザイン領域 メタル&ジュエリーデザインコース「素材展」、特別客員教授 藤田政利氏「風と水の物語」を開催  今年度から本学では、デザイン領域のメタル&ジュエリーデザインコース、テキスタイルデザインコースと美術領域の工芸コース(陶芸・ガラス)の3つコースで領域横断による連携を深め、幅広い素材と他領域の学生との交流を促し対話しながら思考を深める工芸分野領域横断プロジェクトを進めています。連携プロジェクトのひとつ「工芸リレー」として、7月は西キャンパス アート&デザインセンターWestにて3コースが連続して展覧会を開催。前週の工芸コース「陶・ガラス教育機関講評交流展 CONNEXT 2021」に引き続き、7月23日(金)~28日(水)ではメタル&ジュエリーデザインコースの「素材展」を開催し、併せて、特別客員教授 藤田政利氏「風と水の物語」を開催しました。藤田氏は、鉄を素材に柔らかさや温かみ、軽やかさを表現する造形作家で、現在も多摩美術大学で客員教授として教鞭を執っています。展覧会初日の7月23日には、藤田氏によるギャラリートークと学生作品に対する講評会、さらに7月27日には横断連携として美術領域工芸コースの中田ナオト准教授が講評を行いました。  藤田氏の「風と水の物語」展では、学生時代の作品から数点、動物のシリーズを中心に作品を展示。ギャラリートークにて、自身の学生時代から作品の変遷をお話しいただきました。藤田氏は、学生の頃から金属素材の中では扱いにくいとされる鉄に魅力を感じ、現在に至るまで金属の重さや冷たさを感じさせないような表現を模索し続けています。学生時代の鉄で革の鞄を表現した作品やバイオリンを鉄で表現した作品など、すでに確かな技術を感じさせます。今回の展示にはありませんでしたが、1枚の鉄板で柔らかな布や空気の流れを表現したシリーズがあり、それらを経て動物を扱うようになったと作品の変遷を説明していただきました。動物のシリーズでも、鉄板1枚で表と裏を入れ替わるように表現した作品や動物が浮揚しているように感じる作品など、それまでの作品と密接につながっていることがよくわかり、作家性を感じさせます。展覧会や美術展への出展が自分の作品が変わっていくことになるきっかけを与えてくれたと説明しますが、どの作品にも一貫している作家の価値観を強く感じさせる展覧会となりました。また、藤田氏の人柄を偲ばせるような動物たちの愛らしい表情も非常に印象的でした。  講評会では、藤田氏を招いて行われた鉄のワークショップ「浮くカタチ」と4年生の卒業制作プレ展示を中心に、2、3年生のこれまでの課題、また学校の取り組みとして進めているミニメダル作品に対して講評していただきました。プレ展示の講評では、完成品を想像しながら作品の意図を読み取り、制作のポイントや作品の見せ方などのアドバイスいただきました。また、ワークショップで制作した作品もひとりひとりのよくできている点を評価、同時にモチーフを観察することの大切さや技術的な部分など多くの示唆に富む講評をいただきました。学生それぞれの優れた点を見つけ出す着眼点など、講評を受けた学生にとっても大いに励みなるものであったと思われます。  27日は、工芸コースの中田准教授が展示を見学、米山和子教授、瀬田哲司准教授、桑山明美講師の4人がクロストークするような形で講評を行いました。やはり4年生の卒制プレ展示を中心に、これまでの課題と合わせて講評しました。美術領域の中田准教授は、それぞれの作品とこれまでの課題の関連性から、学生自身が気付いていない共通項を探ったり、やはり気付いていないまま作品に反映されている考えを読み解き、無意識ながら枠にとらわれていることや見方を変えればユニークな作品になることなどを提示。学生それぞれがもつ固定概念を疑ってみるような見方を示して、学生らが持つ可能性を探るような講評となりました。自分の中にある作家性に気付かさせるような講評で、デザイン領域の学生にとって大いに刺激となるように思われました。 藤田政利氏「風と水の物語」 藤田政利氏 ギャラリートーク 講評風景 出展作品

2021.6.24

テキスタイルデザインコース、羊毛から糸を紡ぐ体験、織物サンプルを元にラグのデザイン

テキスタイルデザインコース、羊毛から糸を紡ぐ体験、 織物サンプルを元にラグのデザイン  テキスタイルデザインコース2年生と3年生は、今年4月に羊からの毛刈りと洗毛をおこないました(記事は)。  同年6月22日(火)の今回はその羊毛を使って、カーディングと呼ばれる繊維を揃える作業、糸を紡ぐスピニングの作業を体験しました。  カーディング作業では「ハンドカーダー」という器具を使い、毛の流れを一方向に揃え、ゴミや汚れを取り除いてフリースと呼ばれる糸を紡ぐ前の状態まで毛を整えます。  次のスピニング作業では「スピンドル」と呼ばれる器具を使って糸を紡ぎ出していき、いよいよ、ようやく、私達が普段目にする「毛糸」が姿を現しました。  学生達は毛刈りから始まった一連の作業を楽しみながら、毛糸の素材への理解と1本の毛糸の貴重さを学んだようです。  さて、この体験授業の最終目標は「紡いだ毛糸を使ってラグの織物サンプルを作成」することなのですが、学生達は3つのチームに分かれ、作業の合間を縫って担当の貝塚先生を交えてデザインの打ち合わせが始まっていました。  ターゲットとなるユーザの設定、デザインコンセプトやブランドネームに始まり、今回自分達が糸に仕上げた「チェリオット種」と組み合わせる他種毛糸の選定や織り方・組み方など、決めることや課題は多岐にわたりましたが、学生のやりたいことに寄り添い、モチベーションを上げる貝塚先生の上手な指導もあり、プロジェクトはとても良い方向に進んでいる印象でした。  最終のプレゼンテーションが今から楽しみです。 こちら 貝塚先生 羊毛 カーディング スピニング 毛糸 織り 織物サンプル デザイン案

2021.6.8

テキスタイルデザインコース 有松にてオリジナルブランド手ぬぐいを限定販売

テキスタイルデザインコース 有松にてオリジナルブランド手ぬぐいを限定販売  6月5日(土)、6日(日)の二日間、テキスタイルデザインコースの学生が、授業で制作したオリジナル手ぬぐいを有松にて販売しました。例年、テキスタイルデザインコースでは「有松絞り手ぬぐいブランドプロジェクト」と銘打ち、学生が有松絞りの技法を学びオリジナルデザインの手ぬぐいを制作、6月に行われる「有松絞りまつり」会場にて販売するという、商品の企画から生産、販売までを行うプロジェクトを実施しています。残念ながら新型コロナウイルスの影響で昨年から有松絞りまつりは中止となっていますが、今年は、授業でもお世話になった(株)張正、(株)SUZUSANが手がける雑貨店 「aigaeshi」隣の特設ブースの2か所にて限定販売することとなりました。  張正では藍色の手ぬぐいを、特設ブースでは学生らが考案した「染めいよしの」「ピコ」「けふけふ」「ShiboLil」の4つのブランドの手ぬぐいを販売しました。  10:00からの販売にあわせ、商品を並べディスプレイの準備を行いますが、当日朝になって張正で販売する予定の手ぬぐいの一部が届いていないことがわかり慌てる一幕も。こういったトラブルは実際に出店する際によく起こるものであり、こうした経験が得られることも実地販売を行う手ぬぐいプロジェクトならではといえます。在庫の数と売れた数、金額をチェックするためのリストを制作、確認して、いよいよ販売開始です。  今年も中止となった「有松絞りまつり」ですが、直前の決定ということもあり、期間中にSALEを予定していたお店はSNS等で顧客に連絡してお店を開けていたり、中止となったことを知らないまま有松に来られたお客さまもいたりするなど、人通りは少ないものの熱心な絞りファンが有松を訪れているという少々特殊な状況となりました。午前中から、全身を絞りでコーディネイトしたお客さまがチラホラと通りかかるといった具合です。  学生らは通り行く人に声をかけ、立ち寄ってくれたお客さまに自分のブランドや制作した商品について、コンセプトや技法を説明しました。  ブランドは、「けふけふ」「ShiboLil」が4年生、「染めいよしの」「ピコ」が3年生ですが、落ち着いた「けふけふ」「ShiboLil」に対し、カラフルで元気いっぱいの「染めいよしの」「ピコ」といった感じで、学年ごとのカラーが出ていることも印象的でした。初めての接客で緊張する学生もいれば、アルバイトの経験を生かしてか慣れた接客ができる学生もおり、お客さんを楽しませつつ自分たち商品へのこだわりや思いを伝えました。どのお客さんも、気になる手ぬぐいを広げしっかりとデザインを吟味して選んでいるようでした。迷いに迷って買っていく方もいれば、事前にWebでチェックしてどれにするか決めてきている方もおられ、さまざまな顧客へのアプローチ方法が必要であると感じさせました。  お店を訪れたお客さんに伺うと、本学の手ぬぐいブランドプロジェクトのことをよく知っていて毎年楽しみにしているという声がいくつも聞かれました。続けて何年も購入しているというお客さんはショッパーやパッケージなどだんだん良くなってきていると感心している様子で、手ぬぐいプロジェクトが一定のファンを獲得していることが確認できました。  規模を小さくしての開催となりましたが、手ぬぐいプロジェクトがファンを獲得していることや有松・鳴海絞りを応援してくれている方々の存在を感じました。学生たちにとって非常に大きな経験となったことと思われます。

2021.6.8

名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団第7回定期演奏会

名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団第7回定期演奏会  2021年6月3日(木)愛知県芸術劇場コンサートホールにおきまして、名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団第7回定期演奏会を開催しました。  本学フィルハーモニー管弦楽団の演奏会は来場者数制限をはじめとする新型コロナウイルス感染対策を行なった上で、同時にライブ配信やアーカイブ公開も行い、多くのクラシックファンのニーズに応えられるよう工夫を凝らしています。  録音・録画は本学サウンドメディア・コンポジションコースが音楽制作と録音の教育と研究を目的に独自に行っています。十分な準備をしても毎回大小のトラブル見舞われますが、その度にプロのエンジニアへのスキルアップを果たす学生達に頼もしさを感じます。  通常ステレオ版とバイノーラル・ステレオによる立体音響版がアップロードされていますので、聴き比べてみてはいかがでしょうか。 ライブストリーミングページはこちら 曲目:ハイドン/トランペット協奏曲 ハイドン/交響曲第92番「オックスフォード」 ハイドン/ネルソン ミサ 出演:指揮/松井慶太 管弦楽/名古屋芸術大学フィルハーモニー管弦楽団 合唱/名古屋芸術大学ハルモニア合唱団 Tp./宮本 弦 Sop./伊藤 晴 Alt./谷田育代 Ten./中井亮一 Bar./塚本伸彦

2021.5.11

全学オープンキャンパスを開催しました

全学オープンキャンパスを開催しました 特別講演会 倉部史記氏「後悔しない大学選び -15年後の社会を生き抜くために-」  2021年5月8日(土)、東・西キャンパスにてオープンキャンパスを開催しました。  今回は来場型オープンキャンパスとして、新型コロナウイルス感染拡大防止の観点から、申込人数に制限を設けて実施しました。  はじめに特別講演会として、倉部史記氏(進路づくりの講師・NPO法人NEWVERY理事)をお迎えし「後悔しない大学選び -15年後の社会を生き抜くために-」を行いました。  現在の小学1年生の65%は将来、今はまだ存在しない職業に就くという推計のもと、保護者世代とは違う社会を生きる今の若者は、どのような観点で進学する大学や学部を検討すれば良いのか、後悔しない進路選択のために知っておくべきポイントをわかりやすく紹介していただきました。  その後、2022年4月に人間発達学部子ども発達学科より生まれ変わる「教育学部子ども学科」からは、説明会の他に「これからの先生に求められる力とは」と題して体験ミニ講座が開催しました。  「教育学部子ども学科」は、多様化する教育課題と向き合い、それらに対応できる専門性を備えた「小学校教諭」や「幼稚園教諭」、「保育士」の養成を目指し、これからの教育・保育の現場で求められる専門性を身につけるため設けられる7つのコースが設けられます。 そのほか、各領域のコース別進学相談会やキャンパスツアー、広報部による相談コーナーなども設置されました。  「芸術大学」という性格もあり、このコロナ禍の中でも本学を訪れて実際に体験することを希望する方が多く、限られた時間内でも意欲的にキャンパスを見学し、教員やスタッフに質問や相談をなさっている姿が印象的でした。  今後もWEBやオンラインのオープンキャンパスの充実はもちろん、来場型のオープンキャンパスにつきましても、今回のように1回あたりの参加人数を絞る代わりに回数を増やす他、さらなる工夫を加えながら、安全に本学を体験していただける機会を増やして参ります。  次回は2021年6月12日を予定しています。 詳細はこちらをご覧ください。 ※2021年6月12日のオープンキャンパスは中止になりました。 特別講演会 教育学部子ども学科「説明会」・体験ミニ講座「これからの先生に求められる力とは」 個別相談会・説明会 キャンパスツアー

2021.4.20

展覧会『みんながつくったもの。北名古屋市回想法センター作品展』

展覧会『みんながつくったもの。北名古屋市回想法センター作品展』  名古屋芸術大学 東キャンパス Art & Design Center Eastでは2021年4/15(木)〜4/26(月)に展覧会『みんながつくったもの。北名古屋市回想法センター作品展』を開催しています。 全国に先駆けて「地域回想法」に取り組んでいる北名古屋市回想法センターの活動と、芸術教養領域の学生のプロジェクトからなる展覧会です。ぜひご覧ください。 パンフレットより 「北名古屋市 回想法センター」は、 名古屋芸術大学と同じ北名古屋市にあり 、全国に先躯けて「地域回想法」に取り組んでいる、とき・ ひと ・ 地域を結びつけることができる場所です。 2020年度には芸術教養領域の2年生が授業「プロジェクト2」でセンターを舞台に、 課題の発見から解決案としてプロジェクトを提案することまでを試みました。 授業で生まれたつながりを継続させるとともに、センターの活動を若者世代にも伝えてい<ことを目指し、センターの「地域回想法」に参加している「みんな」の作品を紹介する展覧会を開催します。  展覧会では、「プロジェクト2」で学生が提案したプロジェクトも紹介します。いくつになっても高い制作意欲を持ち、日々楽しんで活動している「みんな」の作品とともに是非ご高覧ください。 回想法とは? <北名古屋市HPより>  アメリカの医師ロバート・バトラー(1963)によって提唱され、昔懐かしい生活用具などを用いて、かつて自分が経験したことを楽しみながら皆で語り合うことによって、 脳を活性化させ、気持ち(心)を元気にする心理・社会的アプローチが回想法です。  回想法は、対人交流や情緒の活性化、高齢者のQOL(生活の質)向上などに効果があるといわれています。 地域回想法とは? <北名古屋市HPより>  回想法は、既にわが国でも臨床に応用されたり、施設で取り入れられたりしていますが、北名古屋市では、回想法を日本で初めて地域の中に取り入れ「地域回想法」として介護予防、認知症予防や地域づくりを目的に「思い出ふれあい事業」として実施しています。保健福祉の地域ケアに 位置付けて実施しています。  現在の社会は、時の流れが速く、家族や周囲の人も忙しい中で、高齢者の昔話などゆっくりと聞いてくれる人もなく、その機会もめったにないのが実情ではないでしょうか。そのような中にあって、自分を受けとめてくれる良き聴き手があらわれ、楽しく語ることができる機会と場があれば、双方又は両者にとってどんなに日常生活がいきいきしたものになることでしょう。地域回想法を実施する意義はまさにそこにあるといえます。

2021.4.13

テキスタイルデザインコース、羊の毛刈り、洗毛を体験しました

テキスタイルデザインコース、羊の毛刈り、洗毛を体験しました  2021年4月10日(土)西キャンパス クローバー広場にて、テキスタイルデザインコース2年生、3年生が、羊の毛刈りと洗毛を体験しました。デザイン実技の授業では、例年、羊の毛から糸を紡ぎ織物を製作するまでを行い、地元尾州の毛織物産業についての理解を深めます。昨年はコロナの影響で開催できず、2学年あわせての授業となりました。  毛刈りに先立ち、羊飼いの丸岡圭一さんから羊や羊毛についての説明がありました。羊と人間との関係は長く、品種改良を重ねて今の羊になっているといいます。本来、換毛する(夏毛と冬毛のように定期的に毛が抜け替わること)太く粗い毛(ケンプ)ではなく、肌に近い部分の柔らかい毛(ウール)を発達させ、抜け替わらないように交配を繰り返し大量の毛が採れるように品種改良されたのが羊であり、年に1度伸び続ける毛を人間が処理する必要があり人間と羊は共生の関係にあることなど、自然と人間のあり方や衣服と人間など考えさせられる説明です。  本来、羊用の電動バリカンを使い毛刈りを行いますが、はじめに鋏を使い、全員が手で毛を刈ることにチャレンジしました。おっかなびっくりの手つきで鋏を入れますが、羊はおとなしく貴重な体験ができました。刈った毛を手にすると、動物の匂いや毛に付いた脂分の多さなど、実際にやってみないとわからないことが実感できました。羊毛の脂肪は精製されてラノリンとして化粧品などにも利用されているのだそうです。  羊毛は、部位によって毛の良し悪しがあり、とくにお尻の部分は毛が絡みフェルト化していたりゴミが多く汚れで黒ずんでいます。こうした毛から、ゴミを取り除いて綺麗にする作業を「スカーティング」、洗剤による洗浄を「ソーピング」といい、この作業を染色工房で行いました。学生らは染色工房へ移動し、テキスタイルデザインコース講師 貝塚惇観先生の指導のもと作業を行いました。  手順は、羊毛全体を10分ほどぬるま湯に漬けて洗浄、さらに羊毛の5~10%の洗剤(モノゲン)で作ったぬるま湯に40~60分漬けて洗浄。洗った羊毛をザルに取りだし、さらに洗浄液に浸しながら一握りずつ羊毛を取り、指で汚れやゴミを取りだしていくという作業になります。羊毛は、強く絞ったりもみ洗いすると繊維が絡まりフェルト化してしまうので、こすらないようにして優しく指で押し出すように洗うのがポイントです。また、洗浄液の濃さや温度、漬ける時間は、汚れや含まれている脂分の分量で決まり、あまり脂分を落としすぎても、糸として紡いだときにバサバサになり風合いが変わってしまうそうで、羊毛の具合を見ながらの判断になるといいます。  2学年分なので、先ほど刈ったものとは別にもう1頭分の羊毛が用意され、学年に分かれて作業しました。手順に従い、まずは羊毛の重さを軽量、必要な洗剤を計っておきます。寸胴鍋を用意して、状態を確認しながらぬるま湯に浸します。洗剤を使って洗ってから、洗剤水に着けて一握りずつ手作業で汚れを取っていくことになります。1.5kgほどの羊毛でも時間のかかる作業で、まだ毛糸をつくるためのはじめの段階ですが、これだけでも膨大な手間がかかっていることが実感できました。段階を経るごとに羊毛は白くなり、最終的には真っ白な羊毛ができあがりました。洗浄した羊毛を干して、この日の作業は終了です。  このあと、羊毛を使って、カーディング(繊維を揃える作業)を行い、スピニング(糸紡ぎ)、織り、仕上げ加工と体験し、原毛から糸を紡ぐことや布の構造について学ぶこととなります。

2021.4.2

2021年度 名古屋芸術大学 入学式

2021年度 名古屋芸術大学 入学式  4月1日、2021年度名古屋芸術大学 入学式を西キャンパス 体育館にて挙行しました。  うららかな春の日差しの下、新たな学部生、大学院生が芸大生としての第一歩を踏み出しました。  式典はコロナウイルス感染防止を考慮し学生のみの入場とし、来賓および保護者の方々にも入場を控えていただき、オンラインで配信を行いました。  竹本義明学長により入学許可の宣言が行われ、式辞、入学生代表として大学院総代 人間発達研究科 大鷲栄里さん、学部総代 デザイン領域 疋田美有さんの宣誓と続きました。 二〇二一年度入学式 式辞  新入生の皆さんご入学おめでとうございます。  本学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。  名古屋芸術大学は、東海地区唯一の総合芸術大学として一九七〇年に設立され、昨年創立五十周年を迎えまました。。その間、芸術教育、保育・幼児教育による人材育成により、その社会的使命を果たしてきました。  いま社会では、急速なグローバル化と情報化により、すべての分野で境界のない新たな社会が形成されています。本学は二〇一七年度から社会の変化に対応するため大学の教育組織を大きく改編しました。  学部・学科の垣根を低くし、専門教育や分野を超えて関係する分野との連携を強め、社会において時代が求める創造力、プロデュース力、表現力を発揮し、活躍できる人材育成を目指しています。  昨年は四月早々に新型コロナウイルス感染症の拡大により、入学式を中止し授業を一部オンラインで実施しました。五月からは感染防止対策を徹底し、大きな混乱もなく対面授業を実施してまいりました。今年度は一部の授業を除き、対面授業を実施する体制に移行することになりました。  本学が培ってきた音楽、美術、デザインの専門実技教育に、対面授業は不可欠であり、実施により学生の興味や資質に応え、意識の多様化に対応できると考えています。そして、社会で不可欠な知識、コミュニケーション力、問題を発見し解決する力の習得を可能にするものです。また、人間発達学部においては、芸術系大学にある子ども発達学科という特色を最大限生かし、主体的に学習・研究ができるよう、ゼミ活動を充実させ、教育・保育実習において地域の方との交流を行い、実践力を養うことができます。  これは、大学卒業後を見据えて、キャリア教育の取り組みを強化し、自治体や企業との連携を進展させ、具体的には芸術による教育・研究を発展させ、全学総合共通科目による学際的な学びにより、芸術的な素養を高め、すべての学生が社会に出て活躍できる取り組みを可能にすると考えています。  入学された皆さんは、それぞれの専門性の追求に加え、異なるものが連携することで新たな創造性が生まれることを認識し、自ら境界線や限界線をひかず新しい発想を持って下さい。そうすることにより芸術や教育を通じたグローバル人材として、社会に羽ばたくことができると考えています。  今日から、卒業後・修了後の自らの姿を想い描きながら、目標をもって、大学生活のスタートを切っていただきたいと思います。我々教職員は、皆さんの希望を実現するため、責任を持って関わって参ります。  皆さんのこれからの大学生活が、希望に満ちあふれ、実り豊かなものになる事を心から願い、入学式にあたっての私からの歓迎の挨拶といたします。 令和三年四月一日 学長 竹本義明 大学院総代 人間発達研究科 大鷲栄里さんの宣誓 学部総代 デザイン領域 疋田美有さんの宣誓