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2022.4.19

テキスタイルデザインコース JR名古屋タカシマヤ「ニッポンの布しごと」に出展

テキスタイルデザインコース JR名古屋タカシマヤ「ニッポンの布しごと」に出展  テキスタイルデザインコースは、2022年4月14日(木)~18日(月)、JR名古屋タカシマヤにて行われた「ニッポンの布しごと」に出展、例年制作している手ぬぐいと、これまでに制作した尾州産地の織物を販売しました。  「ニッポンの布しごと」は、日本各地の織物、染め物の産地が出店、伝統技術あり、現代的なセンスで制作された商品ありのまさに現代の日本各地の布と製品があつまるイベント。今回、実際に製品を作っているプロの方々の店舗に並べて、学生が出展する貴重な機会となりました。JRタカシマヤのWEBサイトでも、他の店舗と同じように学生の店舗と作品が紹介されました。 JRタカシマヤWEBサイト「ニッポンの布しごと」  会場の10階催事場は、取材日は平日でしたが多くのお客さまが訪れていました。印象としては、手芸が趣味で「ニッポンの布しごと」の催しを楽しみにしていたような、いわば目の肥えたお客さまが多く、本学の店舗をご覧になる方も製品となった手ぬぐいはもとより、尾州産地とのコラボレーションで制作された計り売りの生地や端切れへの関心が高い様子です。それぞれの好みに合った生地を探し、何度も手に取って確認したり、学生に話を聞いたりしていました。  学生は4年生が持ち回りで接客、こちらも貴重な経験となりました。学生らからは「端切れが人気、在庫が足りなくなるほどでうれしい」、「迷っている方にもこんなふうにしたらいかがですかと用途を紹介すると買われていきます」といった声が聞かれ、お客さまの生の声を聞き、大いに意欲をかき立てられている様子でした。また、デパートの担当の方にも生地が人気で、学生が作って来たユニークな生地の価値があらためて評価されたように感じました。  5日間と短いイベントでしたが、非常に有意義な経験となりました。

2022.4.9

「ファーストイヤーセミナー」開催

「ファーストイヤーセミナー」開催  2022年4月6日に西キャンパス体育館で、学務部学生支援チーム主催による新入生を対象にした歓迎会「ファーストイヤーセミナー」を開催しました。  職員の奥村さんによる元気のいい挨拶の後、セミナーは新入生の緊張をほぐすために『積み木式自己紹介』からスタートしました。5名で1グループとなり、グループ内のメンバーの名前と好みのペットのタイプ「イヌ派かネコ派か」を全て覚え、覚えられた人のいるチームには、後のビンゴ大会で使えるビンゴカードをプレゼントというルールでした。人の話した内容を覚える事に集中するので、緊張感を忘れられるというメリットがあり、さっそく会話が弾んでいるようでした。  次に、愛知県警西枇杷島警察の「一日警察署長」に任命された、音楽領域 声優アクティングコースのまほろば遊先生から大学生活における注意点についてお話がありました。先生はご自身の家庭で起こった体験も紹介しながら、犯罪に巻き込まれない心構えについてお話されました。  続いて、まほろば遊先生のプロデュースする声優アクティングコースのアイドルユニット「iCANDY」による愛知県警の安全なまちづくりテーマソング「Hand to Hand」と、オリジナル曲「SHINING CANDY!」を披露、「名芸生としての誇りを胸に、地域と共に楽しい学生生活を送りましょう!」と呼びかけました。  休憩を挟み、学生にむけて大学の情報を配信するスマホアプリ「ユニバーサルパスポート」を体験するコーナーの後はクラブ紹介とお待ちかねのビンゴ大会!各クラブごとに景品を用意して、クラブ活動の紹介をしながらビンゴボールを引いていくというルールでスタート。なかなかリーチ・ビンゴが出ない大混戦でしたが、豪華景品を手にした新入生はみなニッコリ。  ビンゴ大会の後は、音楽領域 鍵盤楽器コースの鷹野雅史先生と、同3年生大前美咲さん・4年生の黒田詩穂さんによる電子オルガンの演奏があり音楽領域のある芸術大学ならではの歓迎に新入生も満足そうでした。  以上で「ファーストイヤーセミナー」は終了。新入生は会場出口で早速クラブ活動のチラシ・勧誘の洗礼を受けていました。

2022.4.5

2022年度 名古屋芸術大学 入学式

2022年度 名古屋芸術大学 入学式  2022年4月1日、2022年度名古屋芸術大学 入学式を西キャンパス 体育館にて挙行しました。  式典はまず、竹本義明学長により入学許可の宣言が行われ、式辞、入学生代表として大学院 デザイン研究科 中森健人さん、音楽領域 田中梨紗さんの宣誓と続きました。 二〇二二年度入学式 式辞  新入生の皆さんご入学おめでとうございます。  本学の教職員を代表して、心からお祝いを申し上げます。  名古屋芸術大学は、東海地区唯一の総合芸術大学として一九七〇年に設立され、今年創立五十二周年を迎えまました。その間、芸術教育、保育・幼児教育による人材育成により、その社会的使命を果たしてきました。  いま社会では、急速なグローバル化と情報化により、すべての分野で境界のない新たな社会が形成されています。本学は二〇一七年度から社会の変化に対応するため大学の教育組織を大きく改編しました。  学部・学科の垣根を低くし、専門教育や分野を超えて関係する分野との連携を強め、社会において時代が求める創造力、プロデュース力、表現力を発揮し、活躍できる人材育成を目指しています。  昨年は新型コロナウイルス感染症の拡大により、授業運営に大きな影響を受けましたが、感染防止対策を徹底し、大きな混乱もなく対面授業を実施してまいりました。  本学が培ってきた音楽、美術、デザインの専門実技教育に、対面授業は不可欠であり、実施により学生の興味や資質に応え、意識の多様化に対応しています。教育学部においては、芸術系大学にある子ども学科という特徴を最大限生かし、主体的に学習・研究ができるよう、ゼミ活動を充実させ、教育・保育実習において地域の方との交流を行い、実践力を養うことに力を入れています。  また、大学卒業後を見据えて、キャリア教育の取り組みを強化しています。自治体や企業との連携を進展させ、具体的には芸術による教育・研究を発展させ、全学総合共通科目による学際的な学びにより、芸術的な素養を高め、すべての学生が社会に出て活躍できるようにするものです。  入学された皆さんは、それぞれの専門性の追求に加え、異なるものが連携することで新たな創造性が生まれることを意識し、自ら境界線や限界線を引かず新しい発想を持って下さい。そうすることにより芸術や教育を通じたグローバル人材として、社会に羽ばたくことができると考えています。  今日から、卒業後・修了後の自らの姿を想い描きながら、目標をもって、大学生活のスタートを切っていただきたいと思います。我々教職員は、皆さんの希望を実現するため、責任を持って関わって参ります。  皆さんのこれからの大学生活が、希望に満ちあふれ、実り豊かなものになる事を心から願い、入学式にあたっての私からの歓迎の挨拶といたします。 令和四年四月一日 学長 竹本義明

2022.4.4

「ザ・ベストテンコンサートXII」開催

「ザ・ベストテンコンサートXII」開催  2022年3月27日(日)、本学東キャンパス3号館ホールにて「ザ・ベストテンコンサートXII」が行われました。  「ザ・ベストテンコンサート」とは、名古屋芸術大学が主催する1970年~1980年代の日本の歌謡曲を中心とした構成で、毎回、会場が満席になる名古屋芸術大学の「顔」とも言えるコンサートです。  これまで北名古屋市や一宮市、小牧市、津島市、高山市、セントレア、JR等で開催し、多くの皆様に親しまれています。  懐かしい数々のナンバーが繰り広げる音楽空間は、まるでタイムスリップをしたかのように、観客の皆さんをあの頃にいざないます。 ベストテンコンサートのルーツって?  NUA「ザ・ベストテンコンサート」はどのようにして生まれたのか…??  それをご紹介します。  名古屋芸術大学音楽学部にミュージカルコースが誕生した時に、同コース担当教員の故・森泉先生と古くからお付き合いがあった、三原康博先生が本学の客員教授に着任されていました。  この三原先生は、TBSに在職中、美術部長として勤務され、日本レコード大賞や、あの伝説の歌番組「ザ・ベストテン」を手掛けられていました。  当時の美術セットは、現在の様なLEDビジョンのようなデジタル機材等は無く、全てをアナログ作業で作り上げていくものでした。  その美術セットの原案を三原先生は数多くの曲ごとに作られるわけですが、原案はマケット(模型)を作られ、決定後、具現化するという手法で番組の美術セットを作られていました。  さて、話は名古屋芸術大学でのこと。  その三原先生が長い間大切にお持ちだった大量の美術セットのマケット。これをそのままにしておくのはもったいないということで、横浜の放送ライブラリー様のお力を借り、2009年7月に「日本レコード大賞50周年記念 美術セットに見る1980年代ミュージックシーン展~ザ・ベストテンから日本レコード大賞まで~」を西キャンパス「アート&デザインセンターギャラリー」で開催することになりました。 「日本レコード大賞50周年記念 美術セットに見る1980年代ミュージックシーン展~ザ・ベストテンから日本レコード大賞まで~」マケット(模型)展示  この時、「せっかくの展覧会だから、関連イベントも…」と思い、私が森泉先生に「昭和歌謡を集めて、ベストテンのコンサート出来ませんかね?」と持ちかけたのがそもそものきっかけです。  森泉先生もノリノリで開催に向けてご協力をいただことを忘れません。  初ステージは西キャンパスの学食前。全て生音でボーカルだけPAに通しました。半野外なので音は散り散り、季節柄「蚊」がブンブン飛ぶ中で昭和のヒット曲を昼休みの時間に披露しました。  また、併せてTBSの音楽番組では中心的存在で、ザ・ベストテンやレコード大賞の企画・演出兼プロデューサーとして活躍された故・山田修爾さんをお迎えして、森泉先生と三原先生と3人でのトークショーも開催しました。  話が展覧会の話になってしまいましたが、「NUA ザ・ベストテンコンサート」は、このようなきっかけで生まれ、以後今日まで、懐かしい日本の数々の名曲を歌い続けている人気のコンサートなんです。 エンターテインメントディレクションコース 金子 靖

2022.3.30

舞台芸術領域開設記念 特別客員教授によるシンポジウム「これからの舞台」開催

舞台芸術領域開設記念 特別客員教授によるシンポジウム「これからの舞台」開催  舞台芸術領域は領域開設記念事業として、特別客員教授の市来邦比古氏、丹羽康雄氏、金井勇一郎氏の3人をお迎えし、舞台の価値や在り方、今後を考えるシンポジウム「これからの舞台芸術」を2022年3月26日(土)に開催しました。舞台芸術領域では2021年4月に領域開設以来、開設記念事業として2021年4月と9月に「Peeping Garden/re:creation」、2022年3月12日に「家族のための音楽劇/ストラヴィンスキー 兵士の物語」()、3月13日「演劇/第七劇場 oboro」()を上演してきました。今回のシンポジウムは開設記念事業を締めくくるもので、コロナ禍によって疲弊するとともにあらわになった舞台芸術の意味を明らかにし、将来に向けてその価値や在り方を考えるものです。  シンポジウムに先立ち、舞台芸術領域主任 梶田美香 教授から、コロナ禍の中いろいろなことを突きつけられた舞台芸術がどのように今後作られていくのか、また、あらためて舞台芸術の社会的意義と価値を問い直し、テクノロジーと領域横断という新しい魅力を加え、舞台芸術の今後について考えていきたいと、挨拶がありました。 関連記事 関連記事  シンポジウムは、コーディネイターを鳴海康平 准教授が務め、登壇者の紹介から始まりました。市来邦比古氏は、1970代年初頭から舞台音響家として、蜷川幸雄、唐十郎といった錚々たる演劇人・劇団とキャリアを積み、そうした経験を基に音響家という視点から劇場の設計にかかわり多くのホール運営にもかかわってきたことを紹介。丹羽康雄氏は、日生劇場に入社、舞台美術の経験を積み、多くのプロデューサー・演出家との仕事を経て舞台監督を経験。オペラをはじめさまざまな演劇に携わり、企画制作部長と財団理事を兼任するなど運営にもかかわってきた経験が紹介されました。金井勇一郎氏は、1986年から文化庁在外研修員としてNYメトロポリタンオペラハウスに留学。帰国後は歌舞伎の海外公演、舞台装置の責任者としてキャリアを積み、さまざまな演劇・美術の要素を歌舞伎に取り入れるほか、大道具制作会社を起業しテレビドラマセット、ファッションショー、テーマパークなど幅広く活躍していることが紹介されました。  紹介が済んだところで、舞台美術におけるテクノロジーの進化についてのディスカッションから始まりました。音響ではPAの発達とイマーシブオーディオ・立体音響による細やかな演出、照明ではLEDとプロジェクトマッピングの登場で演出が変化してきたことが語られました。デジタル化により、異なる劇場でも高いレベルで同じ演出が可能になってきたことや、個人の技量に頼っていた部分が減り技術的にも簡便になったことで舞台上に集中できることになり、細やかな演出が可能になったといいます。しかしながら、生声や手描きの書き割りには捨てがたい味わいや深みがあり、そうしたアナログの部分とテクノロジーを上手く使い分ける感覚が必要になってきたといいます。  鳴海准教授から、コロナウイルスのために止まってしまった舞台が逆に止まることでその社会的な意義や人が集まり楽しむ場所の必要性が再確認された、今後社会の中で舞台芸術はどんな価値を持ち得るのか、と問題提起されました。市来氏は、同一空間、同一時間にある出来事を共有して体験する舞台の価値に触れ、テクノロジーによりオンラインで同一時間に接続し同一の空間にいる必要のないものができつつある。おそらく、これまでの舞台芸術とは別の新しい分野を作り出すことになるのでは、といいます。丹羽氏は、演者と同じ空気を吸うことの価値とともにウクライナの問題や第2次大戦中サンクトペテルブルク(レニングラード)で演奏されたショスタコーヴィチを引き合いに出し、芸術の力をあらためて感じた、どんなふうに今後変わっていくかは今はまだ予想できないが芸術の力は変わらない、といいます。金井氏は、コロナで人が集まること=演劇が不要不急のものとされてしまったがそうではなく、人間にとって感情が動かされるものが絶対に必要であることがよくわかった、劇場で観ることは叶わなくても配信が増え、そこから新たな観客を獲得しているのではないかと考えられる。2.5次元舞台の人気もこれまで観劇したいた人とは別の観客を獲得している。デジタル化や新しいメディアには可能性も感じる、といいます。  市来氏は、新しいメディアの活用や領域を越えたクロスオーバーには大きな可能性があるとしつつも、全体をコントロールするプロデュース力やマネジメントすることが必要で、その部分ではまだまだ追いついていない現実があるといい、三者とも今後は多様なメディアや異分野とのコラボレーションにはそれらをプロデュースする能力やアートマネジメントの能力が必要とし、伝統的な部分を大事にしながらもチャレンジしていくことが可能性を広げてきたとまとめ、シンポジウムは終了となりました。  シンポジウムの様子は、動画でも配信されています。ぜひご覧下さい。() 動画はこちらからご覧いただけます 舞台芸術領域主任 梶田美香 教授 鳴海康平 准教授 市来邦比古氏 丹羽康雄氏 金井勇一郎氏

2022.3.28

日本画コース、ストリートピアノの描画で名古屋市から感謝状を受領

日本画コース、ストリートピアノの描画で名古屋市から感謝状を受領  2022年3月18日、名古屋市のストリートピアノへの描画で、日本画コース有志の学生と長谷川喜久 教授、福本百恵 非常勤講師が、感謝状を受領しました。  名古屋市ではストリートピアノを2022年4月10日から市内の3か所に設置、そのうちの1台、グランドピアノに日本画コースが絵を描きました。このプロジェクトにかかわった日本画コースの三柳有輝さん、陳子薇さん、リ シュリンさん、安藤祐実さん、長谷川先生、福本先生の名前が記された感謝状を、河村市長から受け取りました。  同時に、ピアノを寄贈した名古屋ウィーン・クラブ、ピアノの調律・メンテナンスと運用を行う中部楽器技術専門学校にも感謝状が贈られ、華やかに贈呈式が行われました。  河村市長に、長谷川先生から龍や動物、植物など「生命礼賛」がテーマになっていること、また、絵を描くために下地を作る作業なども学生と一緒に作業したことなどが伝えられると、他の参加者の方からも「素晴らしい、ピアノよりも絵のほうに価値がある」という趣旨の声があがりました。  河村市長からは、使われているピアノがカワイピアノの貴重な初期モデルであることもあり、そうした背景もぜひわかるようにしておいて欲しいと、設置についての要望もありました。  終始談笑が続く、和やかな贈呈式となりました。  日本画コースが手がけたピアノは、2022年4月10日からJRゲートタワー15階に設置されます。利用時間は、午前10時~午後6時。見学だけでなく、ぜひ演奏も。

2022.3.24

舞台芸術領域 開設記念事業「ストラヴィンスキー 兵士の物語」

舞台芸術領域 開設記念事業 「ストラヴィンスキー 兵士の物語」  新型コロナウィルスの予想しなかったパンデミックは、世界中の舞台芸術に大きな影響を及ぼしています。多くの関係者たちが、舞台芸術や、広く文化芸術の意味、意義、目的と直面せざるを得ない事態に陥ったと言えます。そこから生まれた葛藤、目の前の脅威や迫り来る不安との戦いは、まだ続いています。魅惑的な劇場が閉鎖空間であることも、突きつけられました。  しかしこの衝撃は、劇場で行われる舞台芸術と、劇場の外にある社会との接点に、私たち関係者の目を向けさせる強制力も持っていました。オンラインでの配信、さまざまな場所での短時間の上演、非接触のワークショップ、これまでの上演作品のアーカイブ化、リアルとオンラインのハイブリッド上演、上演後のオンライン鑑賞会。なぜ今までやらなかったのか、というくらいに数多のアイディアが次々に実現されていきました。舞台芸術は誰かの力になれるのか、誰かの苦しみや悲しみに寄り添えるのか、迷う誰かに勇気を与えられるのか、そして背中を押すことができるのかを考える機会を与えられたことで、舞台芸術は広がりを見せているのです。  「舞台に立つだけが舞台芸術の全部じゃない、あなたが舞台をつくる」をコンセプトとして、名古屋芸術大学芸術学部に2021年4月に開設した舞台芸術領域。今回、その開設記念公演では、現代の舞台芸術の在り方そのものを反映した作品をラインナップしました。 2022年3月 舞台芸術領域主任 梶田美香 「兵士の物語」  この物語は、2週間のお休みをもらった兵士が、お母さんやフィアンセが待つ故郷の村に帰るところからはじまります。兵士が旅の途中でヴァイオリンを演奏していると、それを聴いた悪魔があらわれます。大切なヴァイオリンと交換に、お金が手に入る本を悪魔からもらった兵士は、大金持ちになりますが、大切なものを失ってしまいます。やがて、彼は故郷を離れて隣の国にたどりつきます。その国のお姫さまの病気を治そうとする兵士の前に、ヴァイオリンを持った悪魔があらわれますが、兵士はヴァイオリンをなんとか取り返します。お姫さまの病気を治した兵士は、お姫さまと結婚します。そして、兵士の故郷に向かった二人の前に、また悪魔があらわれて…。 演出:鳴海康平 振付:浅井信好 舞台美術:石黒諭 照明:島田雄峰 音楽:岡野憲右 舞台監督:礒田有香 パントマイム:奥野衆英 ヴァイオリン:日比浩一 コントラバス:榊原利修 クラリネット:竹内雅一 ファゴット:依田嘉明 トランペット:松山英司 トロンボーン:永井淳一郎 打楽器:稲垣佑馬 声:小菅紘史(第七劇場)・木母千尋(第七劇場)ほか

2022.3.24

舞台芸術領域 開設記念事業「演劇/第七劇場 oboro」

舞台芸術領域 開設記念事業 「演劇/第七劇場 oboro」  新型コロナウィルスの予想しなかったパンデミックは、世界中の舞台芸術に大きな影響を及ぼしています。多くの関係者たちが、舞台芸術や、広く文化芸術の意味、意義、目的と直面せざるを得ない事態に陥ったと言えます。そこから生まれた葛藤、目の前の脅威や迫り来る不安との戦いは、まだ続いています。魅惑的な劇場が閉鎖空間であることも、突きつけられました。  しかしこの衝撃は、劇場で行われる舞台芸術と、劇場の外にある社会との接点に、私たち関係者の目を向けさせる強制力も持っていました。オンラインでの配信、さまざまな場所での短時間の上演、非接触のワークショップ、これまでの上演作品のアーカイブ化、リアルとオンラインのハイブリッド上演、上演後のオンライン鑑賞会。なぜ今までやらなかったのか、というくらいに数多のアイディアが次々に実現されていきました。舞台芸術は誰かの力になれるのか、誰かの苦しみや悲しみに寄り添えるのか、迷う誰かに勇気を与えられるのか、そして背中を押すことができるのかを考える機会を与えられたことで、舞台芸術は広がりを見せているのです。  「舞台に立つだけが舞台芸術の全部じゃない、あなたが舞台をつくる」をコンセプトとして、名古屋芸術大学芸術学部に2021年4月に開設した舞台芸術領域。今回、その開設記念公演では、現代の舞台芸術の在り方そのものを反映した作品をラインナップしました。 2022年3月 舞台芸術領域主任 梶田美香 「oboro」  目の前のあの人は現実か、それとも夢か。今この時間は現実か、私の夢か、それとも誰かの夢かー。  コンビニで働く東と七月、そして七月の恋人の三郷が生きる「いくつもの」日常。いつも、何度も目覚め続けるそれは、誰かの夢のようで、私の夢のようで、いつもいつのまにか重みを失う。私も、あなたも、この張り紙に写るあのひとと同じように、存在することも、存在していたことも曖昧になっていく。  北九州を拠点に活動する気鋭の劇作家・穴迫信一の書き下ろし新作短編を、第七劇場・鳴海康平の演出で、2021年6月に初演された作品。舞台芸術領域開設記念事業のための特別版での再演。 作:穴迫信一 出演:諏訪七海 増田知就 演出:鳴海康平