車椅子を使っている筋ジストロフィーの男性から、風呂上がりに靴下を履く際に自力で足を組むための道具ができないかとのご相談がありました。本人からは足を組めれば靴下を履くことができますとのことでした。なおズボンを履いている場合には、その裾をつかんで何とか足を反対側の膝上へのせることができますが、裸ですとそれができません。
そこで本人が手を使って足をあげることのできる自助具を製作することにしました。
300円程度
0.75mm厚のポリプロピレンシートをベルト状に合計3枚をカットします。持ち手は2か所へ取り付けます。それらを大カシメで固定し、手で持ちやすくするために表面に2mm厚のウレタンシートを貼付します。
先端には足が入るように円錐形のメガホンを取り付けました。
本人は前傾姿勢が難しく、手が足に届きません。展示品のソックスエイドの先端を丸くし筒状にして足を入れるところを作り、その道具で足を組むことができるかを確認しました。本人がやってみると持ち手が1か所だけでは十分に引き上げることができないので、持ち手は複数あったほうがよいとの希望がありました。そこで、合計で3か所の持ち手とし、うまく足先へ持っていき位置決めして履けるよう、素材には硬いポリプロピレンシートを採用しました。また持ち手で手が痛くならないようにしてほしいとの要望もあったため、最終的にそのシート表面にウレタンシートを貼付しました。
使い方は1右足先をメガホンへ突っ込み、そして持ち手で引き上げます。2途中で持ち手を変えて持ち直し、さらに引き上げます。3このとき身体が傾くため左手で体幹を支え、片手でメガホンを左膝の上へのせます。なお左足上げも流れは同様です。
なごや福祉用具プラザでは福祉用具の製作・改造を通じて、ご本人やご家族等の生活を豊かにするお手伝いをします。お気軽にご相談ください。