入浴用カランを楽に回すことができる自助具の製作

 利用者の自宅を訪問したプラザ職員から「風呂場のお湯を出すカランを回すのに苦労しているリウマチの方がいるので、自助具で対応したい。」と提案を受けました。そのカランは円筒状でわずかに柄のようにでっぱりがあり、それを下へ回す(ひねる)ことでお湯が出る仕組みでした。そこで、利用者が入浴用カランを楽に回すことのできる自助具を技術ボランティアと協力して製作することにしました。

材料リスト

アクリル板(180mm×45mm×3mm)
1枚
アクリル板(150mm×45mm×3mm)
1枚
アクリルブロック(45mm×25mm×7mm)
1個
アクリルブロック(45mm×10mm×7mm)
1個
固定皿ネジ(M4、ステンレス)
4か所

材料費

300円程度

作り方

 カランを型取りした紙粘土と採寸結果から木型を作ります。その木型に合わせ、かつ、柄の長さも検討してアクリル板をカットします。アクリル板を熱で柔らかくして、木型へ上下から挟んで、冷えて固まるまで待ちます。上下のアクリル板に高さ7mmのアクリルブロックも前後に挟んでから、さびにくいステンレスネジで固定します。

上下に挟んで取り付けた様子

上下に挟んで取り付けた様子

カラン周辺の様子

カラン周辺の様子

工夫した点と使い方

 入浴用カランは以前に製作したことがありましたが、その際には新築に取り付ける前のカラン本体をお借りすることができ、調整しながら合わせて作ることができました。しかし今回はすでに浴室に設置してあるカランのため、利用者の自宅を訪問して採寸し、操作のしやすさや、他の部分と干渉しないか等も検討しつつ作る必要がありました。カランは取り外しができず、円筒状であり曲面が多いので、採寸の精度に不安がありました。そこで採寸を補うために紙粘土を持参し、これでカランを型取りすることで曲面の様子も把握することができました。材料にはアクリル板を使いますが、単純にカランを上下から挟むのではなく、型取りした紙粘土から木型を作り、熱して柔らかくしたアクリル板をその木型に押し当て密着させる方法で製作しました。自助具製作の技術ボランティアによるアイデアや丁寧な調整が活かされた自助具となりました。再び、自宅を訪問し、カランへ製作した自助具を取り付け、利用者は長くなったカランの柄を下へ回すことでお湯を楽に出すことができました。

なごや福祉用具プラザでは福祉用具の製作・改造を通じて、ご本人やご家族等の生活を豊かにするお手伝いをします。お気軽にご相談ください。

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