名古屋市障害者スポーツセンター職員から「車椅子の利用者が自分でゴミ箱を開けて捨てられるようにできませんか。」と相談がありました。そのゴミ箱は足踏み式で、ペダルを踏むと蓋が開くものでした。これまでは職員にゴミを捨ててもらったり、手で蓋を開けて捨てていたそうですが、コロナ禍なので、使い終わったウェットティッシュや他のゴミを自分で捨てたいし、感染防止のため、蓋を触ることなく開閉したいそうです。
そこで、このゴミ箱のペダルを車椅子の前輪キャスターで踏んで蓋を開けることができるよう工夫して製作することにしました。
2,000円程度
アルミ製のプレートを車椅子の前輪キャスターが乗る面積に切断し、ヤスリで角を落とします。ペダル裏から蓋へつながる棒を延長するために延長棒を溶接します。アルミ製のプレートへ、留め具のためにネジ穴を6か所開け、延長した棒にアルミパイプをかぶせて、そこへ留め具を使って固定します。
取り付けたプレートを踏むと蓋が開く
使用の様子
車椅子の前輪キャスターで足踏み式のペダルを踏むために、アルミ製プレートの面積を増やすことはすぐに思いついたのですが、固定方法を決めるまで悩みました。ペダルの裏には、蓋までつながっているリンク機構の棒(シャフト)があり、それを足で踏むと蓋が開く仕組みでした。ペダルの面積を増やすため、その上に板を取り付けて足で踏んでみましたが、うまく蓋が開きません。そこでボランティアの協力で、直接力がかかるようにシャフトを延長して、ペダルの代わりとなるプレートを固定しました。シャフトの延長はネジ止めでは継続的な負荷でズレてしまうため、溶接しています。なお、踏む面積を増やせばよいのではなく、プレートの消毒や掃除のしやすさを考慮して材料を選びました。
使う時にはゴミ箱のあるところまで車椅子で近づき、前輪キャスターでプレートを踏み、蓋を開けて衛生的にゴミを捨てることができるようになりました。
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