70代男性、脳性麻痺(身体障害者手帳2級、要介護3)の方から「お尻をふく道具が欲しい。」と相談がありました。
本人はトイレへ行き用を足しますが、円背が顕著なため、両手が腰より後ろには回らずお尻に手が届かないそうです。家ではシャワートイレを使っていますが、乾燥に時間がかかるので、早くふき取る道具はないかとのことでした。
そこで、市販のリーチャーを参考にお尻ふきの自助具を製作することにしました。
300円程度
木材をSの字に切断し、ヤスリで角を落とします。透明アクリル板へ熱を加えて柔らかくして、への字に曲げます。この板にネジ用の穴を2か所開けます。
また、木材に髪留めを固定するための穴を2か所開けます。木材と髪留め、および髪留めと透明アクリル板をネジで固定します。
お尻ふきの外観
自助具にトイレットペーパーを巻き付けた状態
使用の様子(イメージ)
市販のリーチャーはまっすぐな商品が多く、直棒タイプだときちんと肛門部まで届かないので、カーブしている必要がありました。そこで市販のくし用リーチャーの形状に着目し、それを参考にS字カーブの形で製作しました。お尻をふくにはトイレットペーパーをリーチャー先端へ巻き付けて固定するため、髪留めを利用しました。この髪留めを開くには柄部分に力が必要でしたので、楽に開いてトイレットペーパーを挟めるよう透明アクリル板でそこを延長して軽い力で開けられるようにしました。なお、髪留めは衛生面を考慮して金属製の商品を選択しています。完成したお尻ふきの重量は57gでした。これを使うことで本人はお尻をふき、すぐに乾燥させることができるようになりました。
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