なごや福祉用具プラザでは、ご利用者の皆様からさまざまなご相談をいただいております。
このページでは毎回、比較的に多いご相談事例を紹介します。読者の皆さんの参考にしていただくのはもちろん、「こんな事も相談していいんだ」と気軽な気持ちでプラザにお越しいただければと思います。
電動ベッドを使った起き上がり、立ち上がり
日常生活に必要な動作をお手伝い
筋力の衰えにより布団からの起き上がりに苦労するようになった男性(以下、Aさん)のご家族からの相談です。起き上がることができず、家族が外出している日は寝ていることが増え、自分でできることが減っていき、トイレにも行けなくなってしまいました。自力で布団から立ち上がることはできませんが、座った状態から手すりがあれば立ち上がることができます。Aさんは、長く柔道をやっていたスポーツマンで旅行や散歩に出かけることが多かったとのこと。以前のように立ったり歩いたりできる日常生活を求めていらっしゃると考え、起き上がりを補助するために電動ベッドをご提案しました。
電動ベッドは、モーターの数によって操作できる機能に違いがあります。
3モータータイプのベッドは、背上げ角度調整・脚上げ角度調整・床高さ調整の3つの機能を個別に操作することができます。
2モータータイプは、背上げ角度調整と床高さ調整の2つの機能を個別に操作することができますが、背上げと連動し脚上げも動作します。起き上がりに利用する場合は、背上げ・脚上げの連動をキャンセルしておきます。
2モーターとの違いは、足の上下の単独操作も可能になるという点で、ご利用者や介護者に合わせて自由自在に調節できます。
脚部については背上げに連動して上下し、連動を解除することが可能なものが多く、その場合は脚部はフラットなままとなります。
A背上げ時にベッドの曲がる位置を確認しておきます。
A2モータータイプの場合、背上げ・脚上げ連動はキャンセルします。
Bベッドの高さはベッドに座った(端座位)時に足が地面に着く高さに調整します。
ベッドの曲がる位置に股関節がくるように横向き(側臥位)になります。必要に応じて手すりにつかまります。
背上げ機能で上体を起こしていきます。手すりにつかまっている場合は手を挟まないように注意します。
ベッドの背が上がってきたら、手すりにつかまり起き上がります。
手すりにつかまって立ち上がります。
楽に起き上がれる、自分で起き上がれるということはとても大切なことです。ベッドの機能を使い、身体の使い方を覚えることで、自分ひとりでも起き上がれるようになります。Aさんも、一連の動作を練習したところ、もともと身体を動かすことが得意だったこともあり、すぐにコツをつかんだようで、ご自分で起き上がれるようになりました。
本人の状態・能力によって電動ベッドを利用しての起き上がり方法は異なります。なごや福祉用具プラザでは専門の職員がご案内していますので、お気軽にご相談ください。