2020.7.8
名古屋市総合リハビリテーション事業団が提案する新型コロナウイルス感染症対策
心身共に元気で今冬を乗り切るために 今から始める健康習慣 名古屋市総合リハビリテーション事業団が提案する新型コロナウイルス感染症対策 新型コロナウイルスの流行で、外出自粛要請や緊急事態宣言、3密の回避など、大きく日常の生活が変わってしまいました。
愛知県では感染の拡大は抑えられ徐々に自粛は解除されてきましたが、これでコロナウイルスは終息ということではありません。
マスクの着用や手洗いといった行動はもちろんですが、新しい生活様式の中で健康的な生活を送ることがとても重要です。
とくに重症化する恐れのある高齢者や基礎疾患を持つ方々は、日常の健康管理にこれまで以上に慎重になっていただきたいと思います。
自宅にいる時間が増え、運動不足になったり、偏食になったりしていませんか? これを機に、生活習慣を見直してみてはいかがでしょう。
名古屋市総合リハビリテーション事業団では、心と体の健康を保っていただくため、それぞれの専門家からの提言をまとめてみました。
コロナウイルスに負けずにこの状況を乗り越えていきましょう。
附属病院 副院長 循環器内科 医師 成田ひとみ リハビリテーションセンターができること 新型コロナウイルスについて 附属病院 副院長 循環器内科 医師 成田ひとみ 規則正しい生活を 国による緊急事態宣言が解除されましたが、皆さんは未だ不安に感じているのではないでしょうか。
新型コロナウイルスはまったく新しい感染症で、まだわかっていないことばかりというのが実情です。
コロナウイルスに限らず私たちが診療するときに基本になるのは、各領域の専門家で構成される学会からリリースされる提言やガイドラインなのですが、コロナウイルスに関しては日々新しい情報や発見があり、対応策がまだ定まっていないのが現状です。
こうした中、当センターでは厚生労働省、新型コロナウイルス感染症対策専門家会議から発信される情報などが最新で正しいものとして対応策を講じています。
当院の対応 サーモグラフィによる検温 主な感染経路は飛沫感染、接触感染であるため、入り口を限定し、感染の可能性のある方と接触しないように切り分けができるようにしています。
原則として通常利用者は正面玄関のみの使用とし、手の消毒と体温を測り、熱のある場合はお引き取りいただくか、発熱のある方専用の別の入り口から入っていただくことにしています。
医薬品や必要な物資の納入についても地下に別の入り口を設け、出入りした人の履歴が明確になるようにしています。
当院はリハビリの施設であるため、入院患者さんは社会復帰する前には、外出、外泊がかなり多かったのですが、制限させていただいております。
面会も最小限度にしていただいています。
患者さんには我慢していただくことになっていますが、センター内は安全に保たれていると考えています。
個人ができる対策 公共交通機関を利用する限りウイルスを外部から持ち込んでしまう可能性があります。
個人的にも、帰宅後は、手洗いをして、すぐにシャワーを浴びることにしています。
生活様式も変わり、外食することもなくなり毎晩自宅で夕飯を作り、早寝早起きする規則正しい生活になりました。
コロナに限らず、健康のため基本的な生活習慣をできるだけ正しいものにすることが重要です。
たばこを吸われる方や肥満、糖尿病や心臓病など基礎疾患のある人は重症化しやすいことがわかってきています。
普段以上に体調のコントロールに注意を払っていただきたいと思います。
規則正しい生活を送ることは大事なことですが、一方で楽しみをなくすようなことになってしまってはいけません。
遠くへ出かけなくてもできる楽しめることや熱中できる趣味を持つことがとても大事なことのように思います。
没頭できることや張り合いになることを見つけて欲しいと思います。
電話で相談 厚生労働省から受診の目安が出されていますが、とくに高齢の方や基礎疾患をお持ちの方は不安に感じたり熱が出た場合、すぐに電話で相談していただければと思います。
電話診療に対応している診療所はたくさんありますし、かかりつけのお医者さんがいるなら、そちらへ電話で相談するようにしていただきたいと思います。
もしかかりつけ医がいないというなら、これを機にぜひ気軽に相談できるお医者さんを見つけておくことをおすすめします。
臨床心理科長 公認心理師 長野友里 心も不健康にしてしまうコロナウイルス 心を健康に保ちましょう 臨床心理科長 公認心理師 長野友里 みなさんは新型コロナウイルスへの対策として、マスクの着用、手洗い、3密の回避といったことを実行されていることと思います。
コロナウイルスのせいで体に不調をきたすことはよく知られていますが、心が不健康になってしまうことも隠れたコロナウイルスの症状といえます。
感染の不安、日常の生活が送れない焦りや怒り、人と会わないことで感じる孤立感や閉塞感など、心が不健康になってしまうことは誰にでも起こりうることで、思考がマイナスになり、自分の心や人との関係を壊すような言動にもつながってしまいます。
心も体と同じように、影響を最小限にするよう心がけましょう。
心を守ろう 心を健康に保つにはどうしたらいいのか、考えてみましょう。
1「楽しみ」貯金のすすめ 今できないことを嘆くより、「楽しみ」を貯金しましょう。
新型コロナウイルス騒動が収まったら、あれを食べに行こう、あれを見に行こう……と、ワクワクする気持ちを持つことは心の栄養になります。
2プラス思考のすすめ ○○ができなくてつまらないではなく、○○はできないけど△△はできる、××は楽しかったと切り替えて考えるようにします。
家にいたから掃除ができた、時間があったから本が読めた、録ってあったドラマが観られたとプラス思考へ切り替えます。
マイナスがプラスになるよう考えを変える習慣をつけてみましょう。
3情報疲れを防ごう テレビや新聞、ネットでもたくさんの情報があふれ、有益な情報なのか単なる噂やデマなのか区別がつきにくくなっています。
新しい情報を耳にした時には鵜呑みにせず、その情報の出所を調べたりその後の情報を待つなどして、真偽を確認するとよいでしょう。
間違った情報は不安を引き起こし、正しい情報は安心につながります。
4体は離れても心の距離は空けないで 隣の人とは2メートル離れて、直接顔を合わせないで等と言われていますが、体の距離を離すことで心の距離も離れてしまったら、孤立感や孤独を感じてしまうことでしょう。
電話、メール、SNS、手紙などで連絡をとったり言葉をかけて、気持ちが通じるように心がけましょう。
スーパー、物流、医療、福祉関係者等、感染の恐怖の中で仕事をしている人たちがいます。
そういった人たちがいるからこそ、私たちの生活がなりたっています。
ですから偏見や差別、クレームをつけて怒りや不安のはけ口にするなどということはあってはなりません。
感謝の気持ちを忘れずに、「ありがとう」「お疲れさま」「大変だね」「お互い気をつけよう」等のねぎらいの言葉をかけてみませんか。
心の距離がぐっと近くなり、お互いが社会の中の仲間だと思えることでしょう。
福祉スポーツセンター 体育指導員 東昌代 手軽なスポーツで体力維持 自宅で楽しむ『手作りボッチャ!』 福祉スポーツセンター 体育指導員 東昌代 パラリンピック種目にもある「ボッチャ」をアレンジした『お家で手作りボッチャ!』の紹介です。
ボッチャとは、重度脳性まひ者のために、ヨーロッパで考案されたスポーツで、近年では障害の有無に関わらず、子どもから高齢の方まで誰でも楽しめるスポーツとして注目されています。
ジャックボールと呼ばれる目標球に、自分たちのマイボールをいかに近づけるかを競います。
ボールを投げたり転がしたりして競う、シンプルながら頭を使う奥の深いスポーツです。
ジャックボールにただ寄せるだけでなく、ジャックボールを弾いて位置を変えたり、ボールで壁を作ったりすることで、ゲームの行方が最後までわからない面白さがあります。
ボールの作り方 新聞紙を丸めてテープで巻く(カラー面のボールとモノクロ面のボールを各6個) ジャックボール(目標球)は、新聞を丸めて作ったボールに、ビニールテープを巻いたり、アルミホイルを巻いて作る(1個) ゲームの進め方 先攻と後攻に分かれ、先攻がジャックボールを投げ、続けてマイボールを投げる。
後攻がマイボールを投げる。
ジャックボールから遠い位置にボールを投げた側が次の投球を行う。
それぞれ手持ちのボールがなくなるまで投げ、最後にジャックボールにより近いボールがある方が勝ち。
アレンジ ジャックボールからの距離に関係なく、先攻後攻は交互に投げる。
手で投げるだけでなく、足で蹴ってゲームを行う。
1対1の個人戦でなく、2対2のペア戦で行う。
理学療法科 理学療法士 鈴木美紗 体力の衰えを防ぎ、ストレスを解消 自宅でできる簡単ストレッチ 理学療法科 理学療法士 鈴木美紗 新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、外出の自粛やイベントの中止、公共施設の利用中止などにより、日々の生活の中で体を動かす機会が少なくなっている方も多いかと思います。
身体活動量が減少すると、筋肉が衰え、関節が硬くなりやすくなったり、生活習慣病の悪化など、健康を損なう心配もあります。
また、運動不足によるストレスを感じている方もいるかもしれません。
気分が沈みがちな状況ですが、3密を避けながら活動量を増やし、凝り固まった筋肉をほぐすストレッチをしましょう。
ストレッチをすると、血液循環がよくなることで、疲労回復にもつながります。
またリラックス効果もあり、ストレス解消にもなります。
そこで、自宅でできる簡単なストレッチをご紹介します。
伸ばす部位を意識しながら、20〜30秒伸ばします。
自分の体調に合わせて、無理のない範囲で行ってください。
首を横へ傾けながら、倒した方向に腕を引く。
手を持ち替えて、首を反対に傾ける。
足を組んで座る。
組んだ足と逆方向に体をひねる。
足を組み替え、反対側に体をひねる。
両手を組んで、腕を前に伸ばす。
肩甲骨を開くように意識する。
片足を前に出す。
膝が曲がらないように手で押さえながら、体を前に倒し、膝裏を伸ばす。
両手を組んで、手のひらを上にして腕を上に伸ばす。
壁に両手をつき、足を前後に開く。
後ろの踵を床につけたまま、ゆっくりと壁を押す。
いずれの運動も、痛みのない範囲で、息を止めず、ゆっくりと伸ばしてください。
管理栄養士 大島かおる 免疫力がアップする食材・簡単レシピ 作って、食べて、免疫力アップ【豆カレー他】 管理栄養士 大島かおる 免疫力といっても食材ひとつだけで効果があるわけではありません。
蛋白質・ビタミン・食物繊維…、さまざまな栄養素をバランス良く摂ることが大切です。
そこで、お薦めは「豆カレー」です。
材料に、白インゲンや大豆水煮などの豆類を使います。
豆は“畑のお肉”と呼ばれる栄養豊富な食材。
豆は苦手という方や体に良いとは思いつつどう食べたらと思う方も、カレーの食材として使うことで、美味しくいただけます。
作り置きや冷凍保存、アレンジも可能なカレーは自粛生活にもマッチしたメニューです。
今回のレシピでは、豚ひき肉を加えてうま味とコクをプラス。
また、カレーを調理するときに加える生姜やニンニクにも、ビタミン類やカリウム(減塩効果)といった免疫力アップの成分が含まれています。
さらに、トマト水煮缶を使用することで、リコピン(こちらも免疫力アップの効果があります)とカリウムの摂取ができます。
免疫力をアップする食品にはヨーグルトなどの発酵食品もあります。
カレーのあとには、ヨーグルトを使ったデザートもおすすめです。
その他のおすすめのレシピもあわせてご紹介します。
豆カレーライス 材料(1人分) 乾燥白インゲン 12g 大豆水煮 20g 豚ひき肉 20g 玉葱 65g 人参 15g おろし生姜 0.5g おろしニンニク 0.5g ホールトマト缶 32g サラダ油 1g 水 12g コーン缶 12g チキンコンソメ 1g 砂糖 0.5g しょうゆ 2g ソース 2.5g 市販カレールゥ 20g カレー粉 8g 作り方 乾燥白インゲンは、豆の3倍量の水に浸し8時間以上おき、下茹でしておく。
ホールトマト缶は、みじん切りにしておく 鍋にサラダ油をひき、おろし生姜、おろしニンニクを入れ香りが出てきたら玉葱、人参、豚ひき肉の順に入れ、野菜の甘味が出るまで十分に炒める コーン缶と大豆水煮、下茹でした白インゲン、トマトを加え、中弱火で煮詰める カレー粉をフライパンで炒って香りを出し、3の鍋に砂糖とチキンコンソメを加えさらに煮込む カレールゥを加え、とろみと味を確認。
お好みでしょうゆ、ソースを加える ほうれん草ソテー 材料(1人分) ほうれん草 75g ベーコン 12g 塩 0.3g こしょう 0.3g 薄口しょうゆ 3g サラダ油 適量 作り方 ベーコンを短冊に切り、サラダ油で炒める 脂と香りを引き出したところにほうれん草を加える 中強火でさっと炒め、調味料で味付けする キャベツマリネ 材料(1人分) キャベツ 50g リンゴ 1/20個 レーズン 2g コーン缶(粒) 8g さとう 3.5g リンゴ酢 5g レモン果汁 1g サラダ油 1g パセリ 0.2g 作り方 生のキャベツが苦手なら、レンジですこし加熱する。
キャベツは千切り、リンゴは皮をむきイチョウ切りにしておく レーズンを熱湯でふやかし、水切りする すべての材料を混ぜ合わせる ヨーグルトムース 材料(1人分) ヨーグルト 30g 生クリーム 6g 牛乳 20g さとう 5.5g ゼラチン 1.5g ミント(飾り用) 1枚 (冷凍スポンジケーキ) 適量 作り方 生クリームにさとうを入れ、6分立て程度に泡立てる 牛乳にゼラチンを加え、50℃〜60℃でゼラチンを煮溶かす 牛乳に生クリームを加え、泡をつぶさないように混ぜる。
さらにヨーグルトを加える 型に流し込んで冷蔵庫で冷やし、固める。
型に流し込んだとき、スポンジケーキを蓋をするように重ねれば、ヨーグルトムースケーキにアレンジすることができます なごや福祉用具プラザ 看護師 日髙明子 健康維持のための外出は「不要不急」ではありません 散歩等を安全に行うための福祉用具 なごや福祉用具プラザ 看護師 日髙明子 「“新しい生活様式”の実践を」と、厚生労働省がうたい、TVや新聞でも連日取り上げられています。
家に帰ったらまず手を洗うという習慣はもとより、花粉症対策でマスクの着用には抵抗はない人も多いかと思いますが「身体的距離の確保」って、なかなか受け入れがたいですね。
3密(密集・密接・密閉)を避け、会話は控えめに。
狭い部屋での長居は無用。
遊びに行くなら屋内より屋外を! とのことですが、不要不急の外出は控えなければ…と、閉じこもっていては筋力が衰えてしまいます。
閉じこもりの結果に起こるフレイル(虚弱:健常から要介護へ移行する中間の段階)が心配です。
健康維持のための外出は不要不急ではありませんので、今こそ十分に注意して外出し、フレイルの予防と健康な体を維持して感染症に負けない丈夫な体を作りましょう! まず『靴』選び。
自分の足にあった、歩きやすい靴を履いていますか? 脱ぎ履きしやすく、つまずきにくい。
膝への負担も考える必要があります。
『杖』も歩く時の大事なパートナー。
色、柄だけでなく持ち手や重さもいろいろ選べます。
最近ではおしゃれな2本杖でウォーキングも流行っていますよね。
これは少ない負担で運動効果抜群なんだそうです。
でも、やっぱり、転ぶことが怖くて外出できない、という方は転倒時の衝撃を吸収し、大腿骨骨折のリスクを軽減する下着や、頭を保護するおしゃれな帽子も試してみませんか? なごや福祉用具プラザでは、介護予防にも力を入れています。
どんなものがあるかな? と一度覗いてみてください。
脇が大きく伸びる着やすい服とお洒落な帽子 おしゃれな2本杖でウォーキング 履き口が大きく開く履きやすい靴